「正社員とフリーランス、結局どっちがいいの?」
ここでは正社員・フリーランス、それぞれの働き方や年収、メリット・デメリットをまとめました。
「正社員はお得」「フリーランスがより稼げる」といった言い切りはできません。
メリットデメリットを比較して、より自分に合う働き方はどちらかを見極めましょう。
Contents
正社員orフリーランス?どっちが「良い」ではなく「自分に合う」働き方がベスト
「正社員とフリーランス、どちらがいいの?」と疑問を持つ人は多いです。
おそらく、この記事を読む前にも「正社員からフリーランスになって収入UPした」「フリーランスになったけれど後悔した」などさまざまな経験談を目にしてきたのではないでしょうか?
残念ながら、「正社員がよい」「フリーランスがよい」と一概に言い切ることはできません。
なぜなら、人によって望む働き方のかたちは違うからです。
あなたの理想とする働き方が叶うのはどちらなのか、正社員とフリーランスそれぞれのメリットとデメリットをしっかり比較して導き出しましょう。
▽正社員からフリーランスを目指したいという方は、「正社員からフリーランスを目指す!リスクを回避するためのコツ」を、フリーランスから正社員になりたいという方は「フリーランスから正社員を目指す!スムーズに転身するためのコツ」を参考にしてくださいね。
働き方・年収の違いって?正社員とフリーランスを比較
正社員とフリーランス、働き方や収入を得る方法の違いを比較していきましょう。
- 正社員の働き方
会社・組織の中で与えられた役割を果たす - フリーランスの働き方
自分で仕事を獲得し成果を出す
正社員の働き方
正社員は会社や組織の中で役割をもらい、与えられた仕事に対して成果を出すという働き方です。
正社員として働くと、チームで協力して仕事をするので上司や同僚、部下とのコミュニケーションが大事になるという特徴があります。
それぞれが担当する役割を果たして一つの仕事が成り立つので、責任をすべて一人で請け負うことは少ないでしょう。
仕事上で困ったことや課題にぶつかった時に、上司や同僚に相談できることやメンバーで解決に向かって取り組めるなど一人ではなく仲間がいることが大きなメリットです。
正社員の年収
正社員の平均給与は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を参考にします。
これによると、男性の場合一番多い割合を占めているのが、月給22万~25万円未満で全体の16%です。
女性では18万~20万未満で、全体の12%です。
これを13カ月(12ヶ月+賞与1ヶ月)でかけて単純に年収をだすと、男性は年収286~325万円、女性は年収234~260万円の割合が一番多いことになります。
フリーランスとさほど変わりませんが、ここから年金や税金などを控除されます。
フリーランスの働き方
フリーランスは組織の枠にとらわれず、仕事を自分で獲得し成果を出すことで収入を得る働き方です。
自由度が高い働き方で、以下のような特徴があります。
- 仕事内容を自分で選択できる
- 仕事量を調整できる
- 働く時間を自分で決められる
- 一緒に働く人を選べる
ただし仕事の獲得、進捗管理、経理、仕事相手とのやりとりも個人ですすめていくため、責任は自分ひとりにあるという側面があります。
フリーランスの年収
内閣官房の「フリーランス実態調査結果」によると、フリーランスの年収は200万円以上300万円未満が全体の19%を占めており、最も多いです。
ただし、この額は経費をひいた額です。
社会保険料及び税を差し引く前の額で、ここから保険料や所得税などが引かれるため、手元に残るのはこの額よりも低くなります。
フリーランスとして働くメリット3つ
まずはフリーランスとして働くメリットをみていきます。
フリーランスとして働くメリット
- 働く時間・場所を自分で決めることができる
- 自分の裁量で仕事を選べる
- 努力が収入に直結する
メリット1.働く時間・場所を自分で決めることができる
フリーランスになると、働く場所、働く時間を自由に選ぶことができるというメリットがあります。
仕事内容によりますが、インターネット環境とパソコンがあればできる仕事であれば、家でも外出先でも海外でも場所にとらわれずに働くことができます。
個人でできる仕事であれば24時間中いつでも、深夜でも早朝でも自分が仕事をしたい時間を選んで作業をすることができます。
一日〇時間、週に〇日という労働時間の決まりがなく、働く日と休息する日を設定できることや自分の予定を優先できるのは、魅力的だと言えるでしょう。
メリット2.自分の裁量で仕事を選べる
フリーランスになると自分のやりたい仕事や得意分野の仕事を選ぶとこができるというメリットがあります。
やりたい仕事に取り組めるので、苦手なことや嫌な仕事をしなければいけないという義務感、やらされ感は減るでしょう。
自分で選んだ仕事ができるので、ストレスが軽減するかもしれません。
また得意分野の仕事ができるので楽しめる、能力を発揮しやすい、成果があらわれやすいと言えるでしょう。
フリーランスは苦手な人と無理に付き合う必要がなく、一緒に仕事をする人を選べることや「今後も働きたい」と思える肌感の合う人や企業と仕事ができることも魅力です。
メリット3.努力が収入に直結する
フリーランスは自分の努力次第で収入をUPさせることができます。
なぜなら仕事の量や質により評価され、自分の努力が収入に直結するからです。
会社員が仕事で成果を出した場合は、昇給やボーナスで多少収入が増える可能性がありますが、評価制度や会社の基準があり大幅に増えることは期待しにくいでしょう。
フリーランスは責任がありますが、期待通りか期待以上の仕事をすると評価されて報酬が増えていきやすいと言えます。
フリーランスとして働くデメリット3つ
フリーランスとして働くうえで気になる、代表的なデメリットをまとめました。
フリーランスとして働くデメリット
- 収入や仕事が安定しにくい
- 正社員にくらべて社会的信用が低い
- 確定申告や事務作業を自分で行う必要がある
デメリット1.収入や仕事が安定しにくい
フリーランスになると様々な将来への不安がでてきます。
毎月お給料が支給される正社員とは違い、仕事量が減ると収入も減るため安定感がなくなるからです。
一定のお給料をもらえる保障がなくなり、社会状況によりお仕事案件が減ることや仕事の単価が下がる可能性もあります。
また契約している企業の経営が悪化して突然お仕事が終了してしまうケースがあります。
収入面での不安定さはありますが、収入源を一つに頼らず分散することでリスクを減らすことができます。
デメリット2.正社員にくらべて社会的信用が低い
フリーランスになると正社員と比べて社会的信用が低くなる可能性があります。
会社員は「〇〇会社に勤めている」ということで仕事相手が安心することや信用を得られることがありますが個人ではその肩書がなくなるので、信用できる人なのか社会的責任をとれるのか判断しにくいからです。
たとえば以下のようなことは、社会的信用が低いことを実感するかもしれません。
- クレジットカードをつくるとき
- 住宅ローンを組むとき
- 物件を借りるとき
- 銀行からお金を借りるとき
デメリット3.確定申告や事務作業を自分で行う必要がある
フリーランスは事務作業、税務処理、確定申告などを自分で行う必要があります。
会社であれば組織のなかに会計や経理、事務の担当者がいますが、フリーランスは自分ですべて行わなければいけません。
たとえば会社では物品の購入費、出張費、交通費などの経費は申請すれば事務担当の職員が、確定申告は会社に書類を提出すると人事などの担当者が手続きを代行してくれますが、フリーランスでは自分で行う必要があります。
事務作業もフリーランスの仕事に含まれると認識して、税金対策や確定申告の方法などお金に関する知識を学ぶことも大切です。
正社員として働くメリット3つ
フリーランスのデメリットで挙げた3点は、正社員であれば心配することがありません。
それにくわえて、正社員には様々なメリットがあります。
正社員として働くメリット
- 福利厚生が手厚い
- 転職活動で有利になる可能性がある
- 有給休暇がとれる
メリット1.福利厚生が手厚い
正社員として働くメリットとして福利厚生が充実していることがあげられます。
お給料や賞与以外にも従業員が仕事を続けやすいよう会社が様々なサービスを提供しています。
たとえば各種手当(資格手当、住宅手当、食事手当、保育手当、研修手当など)や社員寮や社宅の提供、旅行や施設の割引、資産形成補助などがあり企業が工夫をしています。
報酬以外にも恩恵が受けれられるのは大きなメリットでしょう。
メリット2.転職活動で有利になる可能性がある
「正社員として〇〇会社で仕事を続けてきた」ということが評価され、転職に有利になることがあります。
正社員として仕事を継続してきたことが実績になり、一定の経験を積んできた人材、即戦力として期待できる人材と認められるからです。
会社名やブランド力が信頼につながることがあり、個人では難しい組織の力が活かせるのは正社員としてのメリットと言えるでしょう。
メリット3.有給休暇がとれる
正社員として働くと有給休暇制度が利用できるメリットがあります。
年次有給休暇は労働基準法に定められており、雇い入れの日から継続して6か月間勤務し全労働日のうち8割以上出勤した労働者に与えられる休暇で、最低でも年に10日は付与されるという制度です。
体調不良や私用で仕事をしなくてもお給料が保障されるのは、フリーランスにはない正社員として働く大きな魅力と言えるでしょう。
正社員として働くデメリット3つ
すべての正社員に当てはまるわけではないが、もちろんデメリットがあります。
正社員として働くデメリット
- 異動や転勤の可能性がある
- 好きなときに休めない
- 終身雇用・年功序列が昔のモノになっている
デメリット1.異動や転勤の可能性がある
正社員として働くと社内の方針により異動や転勤を命じられる可能性があります。
家庭の事情で転勤したくない場合や望まない部署への異動は、人によっては大きなストレスになるかもしれません。
また転勤や引っ越しは家族を含めて生活の変更を余儀なくされることがあります。
もし転勤や異動を断った場合は、キャリアに影響を与えることや居づらい雰囲気になることがあるので難しい選択になります。
デメリット2.好きなときに休めない
正社員として働くと休みは取りにくいと言えるでしょう。
なぜなら月の出勤日数や労働時間が決まっているため、所定の休日以外で休みたい場合は有給休暇を利用しないと欠勤の扱いになってしまうからです。
好きな時に旅行に行く、旅行先で仕事をする、休みたい日には仕事を減らすなどの柔軟な働き方をすることは難しいでしょう。
デメリット3.終身雇用・年功序列が昔のモノになっている
日本の企業に多かった「終身雇用」や「年功序列」制度があることで正社員が安定しているといえましたが、現在これらの制度は廃れてきています。
日本の経済が良いときに、定着率や評価軸のシンプルさから取り入れられていたものです。
しかし経済が低迷している今、年齢や勤務年数だけで給与を決め、年齢が高い層の従業員を抱え続けるのは、会社にとってデメリットが多いです。
そのため、正社員は安定しているとはいえ、その会社で働き続けることができる時代は廃れ始めており、正社員でも次に進めるようなスキルアップは必須になっています。
正社員からフリーランスを目指す!リスクを回避するためのコツ3つ
正社員がフリーランスを目指すうえで一番リスクと感じるのは「仕事を自分で獲得できるのか」という点でしょう。
フリーランスは本業をこなしながら自分で営業をし、仕事を探し続ける必要があります。
実際株式会社Miraieの調査によると、「会社員がフリーランスになる際に不安なこと」として多くあがったのが「自分で営業し仕事を受注しないといけない (50.5%)」、次いで「仕事がとぎれる可能性がある(31.1%)」でした。
どんなにスキルを持っていても、仕事を受注できなければ収入につながりません。
仕事を途切れさせない成功したフリーランスになるためには、以下のようなコツを知っておきましょう。
- フリーランスエージェントを活用する
- 自己投資には時間もお金も惜しまない
- 金銭管理を徹底する
コツ1.フリーランスエージェントを活用する
フリーランスにとって仕事がない=収入0ということです。
そのため仕事がないリスク回避するために、多くのフリーランスはフリーランス専門のエージェントに登録しています。
エージェントは案件の紹介から参画中のサポートまでしてくれ、孤軍奮闘するフリーランスにとっては心強い存在です。
登録、利用自体は無料なので、フリーランスを目指すなら登録しておくのが安心です。
フリーランスで仕事を探すならITプロパートナーズ
ITプロパートナーズはITやWeb業界の起業家やフリーランスのためのお仕事紹介サービスです。
週2日から働ける案件を取り揃えており時間の融通が利くお仕事も豊富で、収入を安定させながら自分の事業のために時間を使いたい方におすすめです。
フリーランスは収入面の不安や仕事がないというリスクがつきものですが、登録して少ない稼働日数で働くことで、一定の収入を確保しながらスキルも磨けるというメリットがあります。
スタートアップ企業、ベンチャー企業、新しいトレンド技術を取り入れた企業とのお仕事があり、知識や技術を学びながら経験を積み、将来の自分の事業に活かすことができるでしょう。
コツ2.自己投資には時間もお金も惜しまない
フリーランスで稼ぐためには、自己投資を惜しまないというマインドが大切です。
フリーランスでは会社の肩書はなく個人のスキルや能力、個人的な魅力が商品やサービスとなるため、常に自己研鑽のために取り組む姿勢が大切です。
時間もお金も投資してさらなるスキルアップを目指すこと、勉強してサービスの質を高めていくことが必要となります。
継続的に学び続けることは当然という認識を持っておいたほうがいいと言えるでしょう。
コツ3.金銭管理を徹底する
お金の管理に疎い人はフリーランスに向いていません。
なぜなら、フリーランスの収入は不安定で、金銭管理がいい加減ではどんなにスキルを持っていても立ち行かなくなるからです。
そのため、いくらで仕事を引き受けたら生活に十分な額が手元に残るのかの計算、そもそもひと月の生活費にいくらかかっているのかの把握、経費に計上できるものの帳簿付けなどが重要です。
お金の管理はマストだと覚えておきましょう。
フリーランスから正社員を目指す!スムーズに転身するためのコツ2つ
フリーランスの不安定な生活から抜け出すため、正社員を目指す方も多いはずです。
フリーランスから正社員へ転身する際、会社側はフリーランスの以下のような部分をみています。
- 会社のルール、会社に属することになじめるのか
- 不満があるとフリーランスに戻るのではないか
- 即戦力になってくれるのか
これらをクリアし正社員になるためのコツを紹介します。
- 転職エージェントを活用する
- 会社側の懸念点を解消させる志望動機にする
コツ1.転職エージェントを活用する
フリーランスから正社員に転身する際は、転職エージェントに登録するのがオススメです。
転職エージェントに登録すると、担当者が希望に合う就職先を提案してくれるので転職活動がスムーズにすすみやすいからです。
フリーランスを辞めて会社員になる時には、会社側は「会社のルールを守れるのか」「チームで仕事ができるのか」「協調性はあるか」「即戦力になりそうか」など様々な角度から評価するので、就職を考える理由や志望動機を説明できるよう準備が必要になります。
転職エージェントでは面接でよく聞かれる質問やコツ、フリーランスから正社員になるときのアピールポイントや注意点などのアドバイスがもらえるので、転職成功の確立がアップするでしょう。
▽プロがおすすめする転職エージェントや選び方のコツなどは「おすすめの転職エージェント18社を徹底比較|業種・サービス別にランキング【プロ監修】」でまとめていますので参考にしてください。
コツ2.会社側の懸念点を解消させる志望動機にする
先ほど紹介した通り、会社側は普通の人を雇うときには抱かない懸念をフリーランスに抱いています。
そのため、それぞれの懸念点について、解消させるように自分をアピールする必要があります。
- 会社のルール、会社に属することになじめるのか
- 不満があるとフリーランスに戻るのではないか
- 即戦力になってくれるのか
懸念点1.会社のルール、会社に属することになじめるのか
フリーランスから会社員になる時には、会社側が抱きやすい「組織に属して馴染めるのか」という不安を払拭する必要があります。
フリーランスをしていた人は「自由を好み、組織のルールを守れないのでは」という懸念を抱かれやすいので、面接の際には組織のやり方や就業規則や守る覚悟ができていると伝えることが大切です。
また今までチームで仕事をしてきた経験やフリーランスとして企業や人と関わり仕事を続けてきた点をアピールするといいでしょう。
懸念点2.不満があるとフリーランスに戻るのではないか
フリーランスから会社員になる際には会社側が抱きやすい「またすぐにフリーランスに戻るのでは」という懸念を解消する必要があります。
自由な働き方を経験すると、組織の一員として規則を守り勤務することに窮屈さを感じるのではないかと思われるからです。
企業で長く働く意思があることや、会社員として長く勤めたい理由を伝える準備が大切です。
懸念点3.即戦力になってくれるのか
フリーランスで培ったスキルやノウハウを、企業で活かして働けることをアピールすると評価を得やすいでしょう。
採用側の企業は即戦力で働ける人材を求めているからです。
フリーランスで積んできた実績、営業力、作業管理力、コミュニケーション力、スキル、知識などのすべてを活かして即戦力として企業で活躍できるとアピールすると、評価が高まり魅力が伝わるでしょう。
フリーランスと正社員に関するQ&A
フリーランスと正社員に関してよくある疑問をみていきます。
Q1.フリーランスと正社員、掛け持ちできる?
正社員として勤めている会社が副業をOKとしているのであれば、副業でフリーランスをやることができます。
副業フリーランスは疑似的にフリーランスを体験できるため、フリーランス1本でやっていくのに不安がある場合などにオススメです。
ただし会社が副業を許していない場合は懲戒処分の対象になるなどトラブルの原因にもなるので、就業規則を確認してから副業を行いましょう。
関連記事:副業でフリーランスを始める方法。おすすめの職種・知っておきたい注意点
Q2. フリーランスと正社員の両立のコツは?
副業で行うときは、本業ありきでスケジュールを組むのが大切です。
本業に支障がでるようでは本末転倒なので、前もって副業に割いても問題ない時間を決めておきましょう。
また、フリーランス副業を続けるには、得意なことや好きなことを副業にするのもオススメです。
なぜなら、モチベーションがアップすることで、継続することができるからです。
まとめ
- 正社員とフリーランス、働き方にはそれぞれメリット・デメリットがある
- どっちがいいのかは、自分にとってどちらの働き方が合っているのかで判断する
- フリーランスから正社員に、正社員からフリーランスに、など転職の際はエージェントを活用する