自分のペースで仕事ができる、仕事を好きに選べるなど、魅力的であるフリーランスという働き方。
メリットが注目されがちですが、一方で辛いことや大変なことがあるのも現実です。
裏を返すと、そのことを知っておくことで、今後フリーランスになり辛いことに直面したときに対処ができるようになります。
今回はフリーランスで働く中での辛いと感じる原因とその対処方法、フリーランスという働き方が選ばれる理由を紹介します。
Contents
フリーランスの2人に1人は働き方に不安を感じている
フリーランスという働き方は自由で魅力的な面もある一方、フリーランスになってみて「辛い」「大変だ」と思う人がいるのも事実です。
実際、日本政策金融公庫の「フリーランスの実態に関する調査」によると、フリーランスの約6割が将来に不安を感じています。
フリーランスとして働く人の半数以上が、働き方に不安を抱えているのです。
ではなぜフリーランスは辛いと思うのか原因をみていきましょう。
こんなにある!フリーランスが辛いと感じる原因9つ
フリーランスが抱える、辛いと感じる原因とはどのようなものでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
フリーランスが辛い原因1.収入が不安定である
フリーランスが辛いと感じる原因の1つ目は、収入が不安定なことです。
なぜならフリーランスは会社員とは違い、仕事量が収入の額に直結するからです。
特にフリーランスになりたてで、まだ経験や実績のない頃は仕事を安定して受注することが難しく、収入が少なくなりがちです。
思うように仕事量をこなせなかったり、毎月同じ量の仕事が得られるとは限らないといった面もフリーランスの収入が安定しない理由になっています。
フリーランスの77.4%が新型コロナウイルスの影響で収入減
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が行った「コロナ渦でのフリーランス・会社員の意識変容調査」によると、新型コロナウイルス感染症拡大により収入が減ったと回答したフリーランスは74.4%でした。
この数は、実に会社員の32.1%の2倍以上の割合です。
このことに国も経済政策を行っています。
大幅な影響を受けたフリーランスや個人事業主を対象に「持続化給付金」が設置され、申請すれば最大100万円を支給されました。(申請受け付けは締切)
ほかにも各種融資や補助金、税の特別措置などの支援策があります。
(画像出典:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会)
フリーランスが辛い原因2.自分で営業をしなければいけない
フリーランスが辛いと感じる原因の2つ目は、自分で営業をしなければならないことです。
なぜなら、自分以外の誰かが仕事を持ってきてくれることはないからです。
仕事を得るためには自分の強みをクライアントにアピールしなければなりませんし、仕事の納期や単価などの条件の交渉も必要です。
プレゼンやコミュニケーションが苦手で、営業や交渉ごとが億劫に感じてしまう人には、フリーランスが辛いと感じてしまうかもしれません。
フリーランスが辛い原因3.社会的に信用が低い
フリーランスが辛いと感じる原因の3つ目は、社会的に信用が低いことです。
フリーランスは収入に波があるので、毎月決まった額の給料が見込める会社員とは違って社会的信用が低くなりがちです。
継続して案件を受注できていれば収入が見込めますが、急に契約が打ち切られるなどで収入が途絶えてしまうことも。
場合によっては、ローンやクレジットカードの審査に通りにくいといったことも起こり得ます。
フリーランスが辛い原因4.仕事がないときの社会保障がない
フリーランスが辛いと感じる原因の4つ目は、仕事がないときの社会保障がないことです。
なぜならフリーランスは会社員のように企業と雇用契約を結んでおらず、業務委託の場合がほとんどだからです。
業務委託では失業保険を受けられず、仕事がなくなったときに給付金に頼ることはできません。
また、フリーランスには定年退職と退職金制度もないので、いつまで働けるかや、十分に貯金ができるかも不安材料になります。
フリーランスが辛い原因5.バックオフィス作業が煩雑すぎる
フリーランスが辛いと感じる原因の5つ目は、バックオフィス作業が煩雑すぎることです。
なぜならフリーランスは会社員とは違い、総務や経理が行っていることも自分でやらなくてはならないからです。
収入と経費の計算、領収書の管理や税金関係の処理には専門知識が必要なので、慣れていない人には大変なことも多いでしょう。
フリーランスは案件の業務にこれらのバックオフィス作業が加わるので、会社員よりもやるべきことが多くなります。
フリーランスが辛い原因6.スキルは自分で磨かなければいけない
フリーランスが辛いと感じる原因の6つ目は、スキルは自分で磨かなければならないことです。
なぜなら会社員は勤務先から勉強する機会をもらえることがありますが、フリーランスにはその機会はないからです。
フリーランスは常に自分に投資し、スキルを磨く必要があります。
実力とそれによる成果や実績がなければ案件を獲得できず、フリーランスとして生活できなくなってしまうでしょう。
フリーランスが辛い原因7.体調管理も仕事である
フリーランスが辛いと感じる原因の7つ目は、体調管理も仕事のうちであることです。
なぜなら体調を崩して仕事ができなくなると、収入がゼロになってしまうからです。
会社員なら体調不良で休職になっても、条件によっては失業給付や傷病手当金を受け取れます。
フリーランスにはそれらの保障制度がなく、有給休暇もないので、体調を崩すことは収入源に直結してしまいます。
フリーランスが辛い原因8.情報管理を徹底しなければいけない
フリーランスや個人事業主は適用除外されていましたが、2017年5月から個人情報を取り扱うすべての事業者に個人情報保護法が適用されます。
フリーランスは自由にどこででも働ける点を魅力に感じる人もいるはずです。
しかし、データセキュリティの観点で安心できる場所を選ぶという前提をしっかり守る必要があります。
個人情報は適切に取り扱いをしなければ、契約打ち切りどころか場合によって訴訟や多額の損害賠償など大きなトラブルに発展する危険性があります。
業務で個人情報や機密情報を扱う際は、漏洩しないため細心の注意を払い、クライアントの情報管理体制を確認する必要があります。
辛い原因9.孤独感を感じやすい
フリーランスが辛いと感じる原因の9つ目は、孤独を感じやすいことです。
なぜならフリーランスは一人で作業することも多く、周囲の人にすぐに相談することができないからです。
フリーランスは会社員とは違い、人間関係の煩わしさにとらわれないメリットはあるものの、一日中誰とも会話せず、黙々と作業をするだけになることも。
仕事面の不安を相談したい、情報収集をしたいと思い立ったときにすぐにできないことが、辛いと感じる原因になるかもしれません。
辛い原因10.働く時間と休日が不規則になる
フリーランスが辛いと感じる原因の10個目は、働く時間と休日が不規則になることです。
なぜならフリーランスは抱えている案件により、スケジュールが左右されるからです。
会社員ならある程度決まったスケジュールで勤務時間と休みを確保できますが、フリーランスは不定で、複数案件を同時に抱えると休む暇がなくなることも。
自宅作業だとオンオフの区別がつけづらくなり、いつも仕事をしている、気が休まるときがないと感じて辛くなることもあります。
フリーランスで辛いと感じる、原因別の対処法
フリーランスで働く中で辛いと感じる原因がたくさんあることがわかりました。
それでは、こうした場合にはどのようにリスクヘッジすれば良いのでしょうか。
原因別の対処方法について見ていきましょう。
収入が不安定にならないための対処法「同時に複数の案件を持つ」
収入をできるだけ安定させるために、同時に複数の案件を持つようにしましょう。
なぜなら予期せぬ事態により、案件が突然キャンセルになることもあるからです。
クライアントに見積もりを出しても返答がもらえないなど、急に予定していた案件がなくなることはオンラインのやりとりでは起こりがちです。
そうなることを見越して複数の案件を掛け持ちしておけば、収入が途絶えることを防げます。
自分で営業をしなくてはいけないことへの対処法「フリーランスエージェントを活用する」
自分で営業するのが大変と思う方は、フリーランスエージェントを活用しましょう。
なぜならフリーランスエージェントに登録しておけば、営業をしなくても案件を得られるからです。
フリーランスエージェントは依頼者に合った案件を紹介してくれ、報酬や条件面の交渉も代行してくれます。
サポート体制も充実しているので、営業に時間を割くことなく、案件に集中できるようになるメリットもあります。
直請け案件も豊富な「ITプロパートナーズ」
「ITプロパートナーズ」は直請け案件が豊富、高単価な案件も望めるフリーランスエージェントです。
とくに週2〜3日稼働の案件が充実しており、フレキシブルに働ける案件やリモート案件も多く扱っています。
ベンチャーやスタートアップの案件も多くあるので、トレンドの技術に関わりたい、面白い仕事をしたいと考える方にもおすすめ。
専属エージェントが依頼者の希望に合った案件を紹介してくれ、債権管理や契約交渉を代行してもくれます。
リモートワークや週3日などの案件が豊富な「クラウドテック」
「クラウドテック」はリモートワークや、週3日稼働などの案件が豊富なフリーランスエージェントです。
扱う案件の7割以上がリモート案件なので、自宅を仕事場にしてフリーランスを希望する方に向いています。
専任のキャリアアドバイザーがサポートしてくれ、面談から最短3日で仕事が可能に。
業界トップクラスの約14万社が登録しているので、自分に合った仕事が見つけやすいでしょう。
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社会的に信用が低いことへの対処法「お金の管理を徹底する」
フリーランスは社会的信用が低いことでローンが組みにくい、クレジットカードが作れないと言った可能性があります。
しかし実際にはフリーランスということだけで、審査不可になるわけではないです。
たとえばローンの審査では、過去の支払い履歴で延滞がないか、キャッシングで無計画に借入を行っていないかなどをチェックされ、支払いが滞っている場合は難しいと判断されることがあります。
分かりやすく社会的信用を得るには、定期的に貯金をしたり、支払いが滞らないように細かな管理を行うことでローンが組みやすくなる。
社会保障がないことへの対処法「別の備えでリスク対策をする」
健康に気づかっていても、けがや病気によって就業不能になるリスクは考えておく必要があります。
フリーランスの場合は働けなくなった場合に、収入がゼロになるからです。
会社員のように社会保障がないため、それに代わる対策として貯金をためることもその一つです。
ほかにも、損害保険の「所得補償保険」や、生命保険の「就業不能保険」などに入っておくと安心でしょう。
フリーランス向けの退職金制度「小規模企業共済」などに加入することでもしもの場合にそなえられます。
また、フリーランスエージェントの中には福利厚生が充実したものがあるのでチェックしましょう。
正社員並みの保障が充実の「ミッドワークス」
「ミッドワークス」は正社員並みの保障を受けられるフリーランスエージェントです。
フリーランス向けの健康診断優待や賠償責任保障のほか、経費補助や税務保障の制度もあります。
また、審査は必要ですが案件と案件との間が空いてしまったときに給与を保障する「給与保障制度」も。
業界を熟知した専任コンサルタントからは案件の紹介に加え、キャリア相談や現場で働きやすくなるサポートなども受けられます。
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煩雑なバックオフィス作業への対処法「便利な会計ソフトを利用する」
煩雑なバックオフィス作業をこなすために、便利な会計ソフトを利用しましょう。
なぜなら会計ソフトがあれば、日々の経理業務と確定申告とを効率化できるからです。
会計ソフトに毎日の収入と経費を入力しておけば、確定申告用の計算と書類作成が簡単にできます。
パソコンだけでなくスマホから扱えるものもあるので、自分が使いやすいものを選びましょう。
スキル磨きへの対処法「スキルアップの機会を自分で作る」
フリーランスがスキルを磨くためには、スキルアップの機会を作りましょう。
なぜなら自分から積極的に勉強をしないと、フリーランスの仕事を続けていけないからです。
自分の専門分野とその周辺についてのスキルが時代遅れになってしまうと、案件が獲得できなくなることも。
外の情報を仕入れるためにセミナーや勉強会に参加してみるのも良い刺激になります。
体調管理への対処法「健康診断を受けて定期的な運動を心掛ける」
フリーランスは体調管理のために、健康診断と定期的な運動を心がけましょう。
なぜならどんなにスキルがあっても、体調を崩すと仕事ができなくなり、収入がなくなってしまうからです。
毎年健康診断を受けておけば、急に大病にかかるリスクを減らせるでしょう。
規則正しく生活し、定期的に運動もして健康を維持することは、フリーランスを続けるために必要です。
情報管理に感する対処法「ルールづくりをして管理を徹底する」
情報漏洩のリスクを回避するために自分で情報管理のルールづくりが必要です。
たとえば、お酒を飲むと判断能力が鈍くなるため、酒の席へビジネス用のPCは持参しないこと。
また、機密情報を伴う打ち合わせは、シェアオフィスやカフェなどではなく、遮音性のある部屋を利用することで意図せず情報漏洩することを防げます。
リスクを想定しながら情報管理を徹底することが、クライアントからの信頼獲得に繋がるでしょう。
孤独であることへの対処法「仲間との情報交換を積極的に行う」
孤独だと感じているフリーランスの人は、仲間との情報交換を積極的に行いましょう。
なぜなら自分だけで考え込むよりも、人と話した方が早く解決することもあるからです。
フリーランスで自宅作業をしている人はとくに、定期的に外出したり、人に会う予定を入れるとよいでしょう。
同業者のセミナーやコミュニティの集まりに参加し、情報交換をするのもおすすめです。
働く時間と休日が不規則になることへの対処法「オンオフは切り替える」
働く時間と休日が不規則になってしまう人は、オンオフを切り替えるようにしましょう。
なぜなら無茶なスケジューリングで体調を壊してしまっては、肝心の仕事が続けられなくなるからです。
あらかじめ勤務時間と休む時間を決めてしまうと、オンオフを切り替える理由付けができます。
集中して働いた後にしっかり休むことも、フリーランスを長く続けていくコツです。
フリーランスになる前にやっておいた方がよいこと
フリーランスになるその前に、やっておいた方がいいことがあります。
以下で確認しましょう。
1.副業で「お試しフリーランス」をする
フリーランスを始める前に、副業で「お試しフリーランス」をしておきましょう。
なぜなら副業なら本業と並行してでき、フリーランスで本当にやっていけそうかどうかを見極められるからです。
たとえば平日の夜だけや週末だけ副業をするなどして、本業をしつつフリーランスのシミュレーションをしてみます。
仕事をたくさん受注できるようになり、副業ではやりきれないと感じたら、フリーランス一本に切り替えてもよいでしょう。
2.人脈を作っておく
フリーランスを始める前には、人脈を作っておきましょう。
なぜならフリーランスは、他人から仕事をもらうことで成り立つからです。
フリーランスになったばかりの頃は実績もなく、たいていは仕事を得られるルートは限られています。
人脈を作っておけば仕事を紹介してもらえる機会が増え、フリーランスの生活を軌道に乗せやすくなるでしょう。
3.フリーランスエージェントに登録しておく
フリーランスを始める前には、フリーランスエージェントに登録しておくとよいでしょう。
なぜならフリーランスエージェントを利用すれば、今の業界の情勢や仕事情報を得られるからです。
業界で必要とされているスキルがわかれば、事前にスキルアップをしてからフリーランスになることも可能です。
ニーズの高いスキルを持っていると、高収入を得られやすくもなります。
直請け案件も豊富な「ITプロパートナーズ」
「ITプロパートナーズ」は、約2,000社以上の企業が利用しているフリーランスエージェントです。
直接クライアントと契約しているので高めの案件単価が期待でき、週2〜3日稼働の案件も豊富です。
サイトで無料会員登録すると案件を検索できますし、エージェントと面談すればより自分の希望にあった案件を紹介してもらえます。
高単価案件が豊富な「フォスターフリーランス」
「フォスターフリーランス」は20年以上、登録者1万5,000人以上の実績があるフリーランスエージェントです。
常時扱う5,000件以上の案件のうち9割が非公開案件で、高報酬、高単価の案件も多数あります。
案件紹介サービスに登録すれば、ITエンジニア経験を持つコーディネーターに自分に合った案件を紹介してもらえます。
4.出産や育児など大まかなライフプランを立てておく
将来のライププランとして出産や育児を考えている人もいるでしょう。
会社員の場合、育児休業給付金があり、決められた期間において産休・育休を取得しながら受け取る権利があります。
しかし、フリーランスの場合は雇用保険に加入していないため、この育児休業給付金は支給されません。
産前産後のあいだ働くことはできないため、その期間に生活できるよう備えておく必要があります。
男性の場合も、妻の出産・子育てをサポートする場合、一時的に仕事をセーブすることがあり得るでしょう。
いざそのときになって焦ることがないよう、ライフプランを立てて経済面での不安がないように備えましょう。
まとめ
・フリーランスで働くことには辛く大変なこともある
・リスクヘッジの方法を知っていればフリーランスになっても対処できる
・仕事がない状況を防ぐには専門のエージェントに相談しよう