「フリーランスは、自由で高収入」というイメージがありますが、SE(システムエンジニア)にもあてはまるのでしょうか?
ここではフリーランスSEの平均年収や、メリット・デメリットをふまえた”安定的に仕事を得るための方法”をまとめました。
フリーランスSEで活躍するなら知っておきたい、リスクを回避するために役立つ知識をみていきましょう。
Contents
フリーランスを目指すSEは増えている
フリーランスを目指すエンジニアは、近年増加傾向にあります。
ITエンジニア・クリエイター専門エージェント「レバテックフリーランス」は新規登録された求職者データを公表していますが、それによるとフリーランスの登録者数は2016年から2020年までに約3.4倍になっており、着実に増えていることがわかります。
フリーランスという働き方は認知を得てきて、「自由な働き方」への憧れから、フリーランスになるエンジニアが増えているのです。
失敗しないフリーランスSEへの転身方法3STEP
失敗しないフリーランスSEになるための、王道の方法3STEPで紹介します。
- 会社員SEとして経験を積む
- 開業届を提出し、個人事業主になる
- フリーランスエージェントで仕事を受注する
STEP1.会社員SEとして経験を積む
フリーランスSEに転身する前に、会社員SEとして経験を積みましょう。
なぜならフリーランスSEになっているのは、会社でSE職種を5年以上経験した人がほとんどだからです。
プログラマーには業務未経験でフリーランスを目指す人もいますが、上流工程を担当するSEは実務経験を積んでからフリーになるのが望ましいでしょう。
基本と詳細設計、要件定義と要求分析などを会社員SEとして経験しておけば、独立したときにクライアントに「即戦力」とみなしてもらえ、仕事を受注しやすくなります。
STEP2.開業届を提出し、個人事業主になる
フリーランスは、確実に確定申告さえ行っていれば、必ず開業届を出さなければいけないわけではありません。
しかし、個人事業主になることで多くのメリットが得られます。
開業届を出すメリット例
- 確定申告で控除が受けられる青色申告ができる
- 家賃や通信費を経費として計上できる
- 赤字が繰り越せる
税務署に書類を提出するだけで手間もそれほどかからないので、フリーランスになるなら開業届を出しておくのがオススメです。
関連記事:個人事業主になるための2ステップ
STEP3.フリーランスエージェントで仕事を受注する
フリーランスSEに転身したら、エージェントを利用して仕事を受注しましょう。
なぜならフリーランスエージェントでは、豊富なSE案件を探せるからです。
エージェントのサイトに登録し、業務知識のあるジャンルやプログラミング言語、稼働日数や高単価など、自分が希望する条件で見つけましょう。
またはエージェントに希望を出して、それに沿った条件の案件を紹介してもらうこともできます。
SEがフリーランスになるメリット4つ
フリーランスになると、会社員という働き方では得ることができないメリットがたくさんあります。
ここでは4つ紹介します。
- 自分の裁量で仕事が選べる
- 家族との時間が確保できる
- SE以外の仕事もできる
- かかったお金を経費にすることで、節税できる
メリット1.自分の裁量で仕事が選べる
SEがフリーランスになるメリットのひとつは、自分の裁量で仕事が選べることです。
なぜなら会社員SEでは、勤務地や仕事の内容の希望が通らないことが多いからです。
フリーランスになり、得意スキルをアピールすれば、自分の専門性を発揮できる仕事を選べます。
また、人間関係や勤務地に縛られる必要もなくなり、好きな環境で自分がやりたい仕事に取り組めるでしょう。
メリット2.家族との時間が確保できる
SEがフリーランスになると、家族との時間が確保できるのもメリットです。
なぜならフリーランスなら、場所に縛られずに仕事ができるようになるからです。
リモート型の案件なら在宅で仕事ができ、その合間に家事と育児も可能です。
また、高齢の両親の介護をすると、会社員として勤務を継続するのが難しくなることがありますが、フリーランスになれば両立できるようになります。
メリット3.SE以外の仕事もできる
SEがフリーランスになると、SE以外の仕事もできるメリットもあります。
なぜなら副業を禁止している会社は多くありますが、フリーランスならいくらでも副業ができるからです。
SEの仕事にプラスしてブログを運営し、アフィリエイトで収益を上げる、プログラミングを請け負うなどの副業をプラスしている人も。
フリーランスは時間を自由に使えますから、自分の裁量で収入源を増やせます。
メリット4.かかったお金を経費にすることで、節税できる
SEがフリーランスになると、かかったお金を経費にして節税できます。
なぜならフリーランスは、開業届を出し個人事業主になることで事業の関連費用を経費に計上でき、利益を減らすことで所得税と住民税も減らせるからです。
会社員は勉強のための本代や付き合いの飲み代、セミナーの参加費などはすべて自腹でしたが、フリーランスはそれらを経費にできます。
青色申告をするために帳簿をつける手間は増えますが、その分節税できるのがフリーランスの大きなメリットといえます。
SEがフリーランスになるデメリット4つ
フリーランスSEはメリットの多い働きかとはいえ、もちろんデメリットもあります。
- 出向型・常駐型の案件が多い
- 収入が安定しない
- いざというときの保証は自分で備えなければいけない
- 業務以外の事務作業が多い
デメリット1.出向型・常駐型の案件が多い
SEがフリーランスになるデメリットのひとつが、出向型や常駐型の案件が多いことです。
なぜなら、SEはプログラマーよりも上流工程を担当する職種のため、ほかのメンバーと同じ場所で働く必要があるからです。
出向型や常駐型の案件では、会社員のようにクライアントのオフィスへ出向いて仕事をします。
デメリット2.収入が安定しない
SEがフリーランスになると、収入が安定しないデメリットがあります。
なぜなら会社員SEは毎月決まった収入が保証されていますが、フリーランスSEはそうではないからです。
フリーランスになるとプロジェクトごとに業務委託契約を結ぶことになりますし、プロジェクトが終了して次の契約が決まっていないと、収入が途切れてしまうことも。
スキルのあるフリーランスSEならスムーズに案件を受注しやすく、会社員のときよりも収入がアップすることも多いですが、安定性には欠けるといえます。
デメリット3.いざというときの保証は自分で備えなければいけない
フリーランスSEになったら、いざというときの保証は自分で備える必要があります。
なぜなら会社員は社会保険や有給休暇などの福利厚生を受けられますが、フリーランスにはないからです。
フリーランスが加入できるのは国民年金と国民健康保険で、会社員のように労災保険と雇用保険に加入できず、保険料は全額自己負担になります。
しかも体調不良になって仕事ができなくなると、有給休暇もないので収入源に直結します。
デメリット4.業務以外の事務作業が多い
SEがフリーランスになると、SE業務以外の事務作業が増えます。
なぜなら会社員なら経理に任せていたことも、自分でしなければならないからです。
フリーランスになると高額な備品の減価償却や経費に計上できる費用の分類、それらをまとめて計算し、確定申告の書類を作成するなどの作業があります。
会社員SEは会社に年末調整の書類を提出するだけでしたが、フリーランスSEは日頃から経理などの事務作業の手間が多くなります。
フリーランスSEの平均年収と案件単価
2019年のフリーランス白書によると、IT・エンジニア系(SE以外の職種も含む)フリーランスで一番多いのは年収400~600万未満、次いで200~400万未満となっています。
(画像出典:フリーランス白書2019)
案件単価の一例として、週2日から働けるエンジニア案件が豊富な案件紹介サービス「ITプロパートナーズ」をみると40万円~60万円台の案件が多く、この程度の金額が一般的とみられます。
数は少ないものの100万円以上の案件もあり、スキルによっては年収の大幅アップを期待できるのがフリーランスの魅力といえるでしょう。
フリーランスのSEを目指す人にとって最大のリスクは「仕事が受注できないこと」
フリーランスの最大の不安は「仕事を獲得し続けられるか」ということです。
SEとしての本業をやりながら税金や経費精算などの雑務をこなし、それに加えて自分で自分を営業し仕事を探し続けるというのは、かなり骨が折れるでしょう。
実際、株式会社Miraieの調査によると、「フリーランスになる際に不安なこと」として多くあがったのが「自分で営業し仕事を受注しないといけない (50.5%)」、次いで「仕事がとぎれる可能性がある(31.1%)」でした。
フリーランスになるうえで「自分で仕事を獲得することができるのか」は、あらかじめ払しょくしておきたい問題といえます。
フリーランスSEの仕事探しは、エージェントの活用が必須
仕事への不安を解決するためには、フリーランスSEとしてエージェントを活用して仕事探しをしましょう。
なぜならエージェントは営業活動を肩代わりしてくれ、予定に穴が開かないようにスケジューリングもしてくれるからです。
最近はSE向けのフリーランスエージェントが複数あり、登録も無料です。
外部講師による研修や、確定申告のサポートなども利用できますから、エージェントを利用した仕事探しがベストといえます。
最短2日からでもOK!フリーランスSEの仕事探しには「ITプロパートナーズ」
フリーランスSEの仕事探しにおすすめなのが、「ITプロパートナーズ」です。
仲介会社を通さず、直接クライアントと契約しているため、高単価案件を多く扱っています。
リモートや勤務時間に融通の効く案件、週2、3日稼働の案件なども多数あるので、自分のやりたいことや生活と両立させやすいメリットも。
ベンチャーやスタートアップ企業の案件も豊富で、新しい技術トレンドに興味のある人にもおすすめです。
フリーランスSEとして活躍するために求められる能力6つ
フリーランスのSEとして活躍するには、身に着けておきたいスキルや素養があります。
- 自己分析の能力がある
- 勉強やスキルアップをし続けられる
- ビジネスパーソンとしての最低限のマナーがある
- お金の収支をきちんと把握する能力がある
- リスクヘッジの感覚を持っている
- 健康管理が徹底できる
1.自己分析の能力がある
フリーランスSEが活躍するには、自己分析能力が求められます。
なぜならフリーランスは会社の社長同様に、意思決定すべき場面が多いからです。
思うように仕事ができていない、案件が受注できないときは、現状を分析して対策を考えましょう。
フリーランスは会社員とは違い、相談できる上司や先輩もいませんから、自分だけでPDCAサイクルを回せる能力も必要です。
2.勉強やスキルアップをし続けられる
フリーランスSEが活躍するには、勉強とスキルアップを続けることが大切です。
なぜなら得意分野を広げる努力をしないと、最新技術についていけずに使い物にならないSEになってしまうからです。
常に好奇心を持ち続け、新しい知識と技術を貪欲に身につけようとする意欲が必要です。
3.ビジネスパーソンとしての最低限のマナーがある
フリーランスSEが活躍するには、ビジネスパーソンとして最低限のマナーを求められます。
なぜなら個人事業主であるフリーランスは、自分が事業の「顔」になるからです。
見た目と態度がラフすぎると、クライアントにマナーがなってないと思われ、契約できないかもしれません。
納期を守ることと、万が一遅れる場合の対応などのトラブルの対処がしっかりとできれば、クライアントに誠実さが伝わって良よい仕事ができるでしょう。
4.お金の収支をきちんと把握する能力がある
フリーランスSEが活躍するには、お金の収支をきちんと把握する能力も要ります。
なぜなら収支を管理していないと利益がいくらあるかの判断ができませんし、税金を払いすぎて損をすることもあるからです。
売上と経費をチェックしていないと、気づいたときには手元にお金が残っていないことも。
日頃から帳簿をつけ、経費を仕分けしていればスムーズに青色申告ができ、住民税と所得税を節税できます。
5.リスクヘッジの感覚を持っている
フリーランスSEが活躍するためには、リスクヘッジの感覚を持つようにしましょう。
なぜならさまざまなリスクを抑えることで、収入を得るためのベストな選択が可能だからです。
とくにフリーランスが気をつけるべきは、健康や契約などの収入に関するリスクです。
常に健康管理を行い、複数のクライアントと信頼関係を深めて、仕事がなくならないように心がけましょう。
6.健康管理が徹底できる
フリーランスSEが活躍し続けるには、健康管理を徹底しましょう。
なぜなら事故や病気で仕事を休んでしまうと、収入がなくなってしまうからです。
万が一に備えるため、保険には加入しておきましょう。
規則正しい生活をし、年1、2回は自ら健康診断を受けて病気を防ぐことも大切です。
フリーランスSEに関するQ&A
フリーランスSEに関する疑問を解決していきます。
Q1.未経験からフリーランスSEは目指せる?
未経験からフリーランスSEになるのは、難しいかもしれません。
なぜならフリーランスSEが案件を受注するには、2年以上の実務経験を求められるケースが多いからです。
未経験からフリーランスSEを目指すなら、まずはスクールでプログラミングスキルを学び、企業に就職して3年ほど実務経験を積みましょう。
会社員SEになればゆくゆくは上流工程も担当でき、フリーランスSEになってからもその経験を役立てられます。
即戦力が求められるフリーランスSEは、未経験からでは難しいといえます。
Q2.フリーランスSEに年齢の限界はある?
年齢のせいでフリーランスSEとして限界を感じてしまう理由は、以下の3つが考えられます。
- フリーランスは30・40代が多く、それ以上はあまりいないから
- 知識をアップデートし続ける必要があるから
- 体力の衰えが仕事のパフォーマンスに影響するから
とはいえ、経験と実績があれば年齢関係なく働き続けられるのがフリーランスのメリットです。
フリーランスは会社員と違い定年などもないので、ニーズさえあれば長く続けられるでしょう。
Q3.フリーランスSEは在宅で働ける?
「SEがフリーランスになるデメリット」で紹介した通り、出向型や常駐型の案件が多く、在宅でできる案件は限られているのが現状です。
しかし、このコロナ禍でフリーランスの仕事も在宅可能な案件が増えてきています。
たとえば、在宅可能案件を多く扱うITプロパートナーズなら、公開求人数3,354件のうちリモート可の求人数が1433件(2021年3月時点)と、求人のおよそ半分がリモート可能な案件です。
エージェントサービスなどを用いて、前向きに探してみましょう。
まとめ
- フリーランスを目指すSEは増加傾向にある
- フリーランスSEになるには「仕事をとぎれさせずに獲得し続ける」ことが必要
- そのためにはフリーランスエージェントを活用するのがベスト