「再就職手当をもらうにはどうしたらいい?」「再就職手当っていくらもらえるの?」
失業保険受給中に再就職した方が受け取れる再就職手当は、早く再就職すればするほどもらえる額が大きくなる制度です。
今回は再就職手当とは何かを解説し、受給条件や申請方法、もらえない場合のケースなどをわかりやすくまとめていきます。
再就職手当を受給できるのかをすぐに知りたい人は「再就職手当はいつから、いくらもらえるの?」に目を通してみてくださいね。
Contents
再就職手当は「雇用保険受給者が早期の再就職で受け取れる一時金」のこと
再就職手当とは雇用保険の基本手当(失業保険)の受給者が、早期の再就職で受け取れる一時金のことです。
再就職手当の対象者は失業保険の給付日数が3分の1以上残った状態で就職した人です。
つまり、再就職した際の失業保険の給付日数の残数が多い人ほど、多くの再就職手当がもらえる仕組みといえるでしょう。
早期で再就職すると失業保険の受給額が減る分、お祝い金として再就職手当がもらえます。
再就職手当をもらえる条件は8つ
再就職手当をもらうには、以下の条件8つをすべて満たす必要があります。
再就職手当をもらえる条件8つ
- 就職日の前日までの所定給付日数を3分の1以上残して安定した職業に就いた
たとえば所定給付日数が90日の場合、30日以上残した状態で再就職すれば対象 - 再就職先で1年を超えて勤務することが確実である
雇用の期間を定めない正社員、1年以上契約することが決まっている派遣社員などが対象 - 失業保険の受給手続き後、7日間の待期期間後の就職である
- 自己都合の退職で失業保険の給付制限を受けた場合、待期満了後1か月間はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職している
- 離職した会社の再雇用ではない
- 就職日前3年以内の就職の際に、再就職手当や常用就職支度手当の支給を受けていない
- 求職申し込み前に内定していた会社に就職するわけではない
- 原則、雇用保険の被保険者資格を取得する要件を満たす条件での雇用である
以下、2つを満たす就業形態が雇用保険の加入対象になる
(1)1週間の所定労働時間が20時間以上であること
(2)31日以上の雇用見込みがあること
※参考:厚生労働省Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
再就職手当はいつまで?いくらもらえる?計算方法STEP3
ここでは、いつまで失業保険をもらっていればいくらもらえるのか、計算方法などをまとめていきます。
3STEPでまとめましたので、あなたの数字を当てはめて計算してみてくださいね。
- STEP0.給付日数の残数が3分の1あるかをチェック
- STEP1.基本手当日額をチェック
- STEP2.給付率をチェック
- STEP3.計算式にあてはめる
STEP0.給付日数の残数が3分の1あるかをチェック
そもそも失業保険の給付日数の残数が3分の1に満たないと、再就職手当の対象になれません。
たとえば失業保険の給付日数が90日の場合、再就職が決まった時点で残数が30日以上なければ、再就職手当の受給対象外です。
残日数は、雇用保険受給資格者証の第3面を見ればわかります。
(画像出典:ハローワークインターネットサービス)
STEP1.基本手当日額をチェック
1日に支給される失業保険の額を基本手当日額といい、雇用保険受給資格者証の19に記してあります。
(画像出典:ハローワークインターネットサービス)
STEP2.給付率をチェック
失業保険の給付日数の残数で再就職手当の給付率が変わります。
失業保険の給付日数の残数の目安と、給付率は以下の通りです。
所定給付日数 | 給付日数の残数 | |
3分の2以上
(給付率70%) |
3分の1以上
(給付率60%) |
|
90日 | 60日以上 | 30日以上 |
120日 | 80日以上 | 40日以上 |
150日 | 100日以上 | 50日以上 |
180日 | 120日以上 | 60日以上 |
210日 | 140日以上 | 70日以上 |
240日 | 160日以上 | 80日以上 |
270日 | 180日以上 | 90日以上 |
300日 | 200日以上 | 100日以上 |
330日 | 220日以上 | 110日以上 |
360日 | 240日以上 | 120日以上 |
STEP3.計算式にあてはめる
再就職手当の計算方法は以下の通りです。
支給残日数が3分の2以上の場合
- 支給残日数×基本手当日額×給付率70%
支給残日数が3分の1以上の場合
- 支給残日数×基本手当日額×給付率60%
支給日数を多く残した方が給付率が高く、再就職手当が多くもらえることになります。
再就職手当を少しでも多くもらいたい人は転職のプロがフルサポートしてくれる転職エージェントを活用して、早期に就職先を見つけるのがおすすめです。
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再就職手当の申請方法4STEP
再就職手当をもらう手順は以下の4STEPです。
- 必要書類をハローワークへ提出する
- 再就職手当支給申請書を受け取る
- 再就職手当支給申請書を雇用先に記載してもらう
- 再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格証をハローワークに提出する
STEP1.採用証明書をハローワークへ提出する
採用証明書をハローワークへ提出しましょう。
採用証明書は雇用保険の受給手続きの際に渡されます。
採用証明書は雇用先に記入してもらい、自分の支給番号を記載する必要があります。
STEP2.ハローワークから、再就職手当支給申請書を受け取る
採用証明書といっしょに以下の書類をハローワークへ提出し、再就職手当支給申請書を受け取りましょう。
- 雇用保険受給資格者証
- 失業認定報告書(求職活動実績を記載する書類)
再就職手当の申請期限は再就職後から1か月なので、申請期限に注意しましょう。
STEP3.再就職手当支給申請書を雇用先に記載してもらう
再就職手当支給申請書は雇用先に記載してもらう書類です。
再就職手当支給申請書をハローワークに提出することで、前職と新しい雇用先が無関係であることを証明します。
STEP4.再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格証をハローワークに提出する
再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格証をハローワークに提出しましょう。
再就職手当の申請後は再就職手当をすぐに受け取れるわけではありません。
申請から約1~3か月後を目途にハローワークが申請者の在籍確認を行います。
よって、再就職手当を受けとるためにはハローワークが確認した際に会社に在籍している必要があります。
再就職手当がもらえる人の条件・ケース
再就職手当がもらえるのかもらえないか、もしくは返すべきなのかどうなのか悩むケースも多いでしょう。
ここでは、再就職手当がもらえる可能性が高いケースを紹介します。
- 再就職手当をもらってすぐ会社を退職した場合
- 再就職手当の届け出を忘れた場合
- アルバイトやパート、派遣社員の場合
- 待機期間中に内定した場合
もらえるケース1.再就職手当をもらってすぐ会社を退職した場合
もらったあとであれば再就職した会社を退職しても再就職手当を返す必要ありませんが、その変わりそのあと受給できる失業保険が減ります。
再就職手当の額が基本手当日額で何日分になるのかを算出し、その日数分は失業保険を受け取ったということで減らされて受給することになります。
ただしこれは、受給期間満了日前に再び失業した場合のことで、受給期間満了日後だと失業保険は受け取れなくなってしまいます。
再就職した会社を辞めたら、退職日の翌日以降できるだけ速やかにハローワークへ行くことを考えましょう。
ハローワークへ行く際は雇用保険受給資格者証と再就職先の会社を離職したことを証明する書類を持参してください。
もらえるケース2.再就職手当の届け出を忘れてもらい損ねた場合
再就職手当の届け出を忘れても、入社後1か月以内なら申請可能です。
ただし、やむを得ない事情で入社後1か月以内に申請が難しい場合はハローワークに相談するのがおすすめでしょう。
なぜなら再就職手当の申請期限は1か月ですが、手当を受け取る資格が時効になるまでには2年間の猶予がある(※参考:厚生労働省)からです。
つまり、2年以内であれば申請可能ということです。
再就職手当をスムーズに受給したい人は原則、入社後すぐに手続きを取るほうがよいでしょう。
また、再就職先に記載してもらう書類もありますので、再就職手当を受給したいなら早めに準備しておきましょう。
もらえるケース3.アルバイトやパート、派遣社員の場合
アルバイトや派遣社員でも条件を満たせば、再就職手当がもらえます。
再就職手当をもらう条件は以下の通りです。
- 1年以上雇用保険に加入している
- 1年以上雇用されることが証明できる
- 失業保険を受け取るまでの待機期間7日間を過ぎている
自己都合で退職した場合は7日間の待期期間終了後、最初の1カ月間はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職した場合のみです。
雇用主が変わる紹介予定派遣や更新の予定がない期間限定の派遣の場合は1年以上雇用される証明ができないので対象ではありません。
もらえるケース4.待機期間中に内定した場合
失業保険の受給までの待機期間中に内定が出る場合もあります。
再就職手当を受け取る条件は「失業保険の受給手続き後の7日間の待期期間を満了した後の就職である」と定義されています。
「就職」とは企業への内定ではなく初出社日を意味しますので、初出社日が待機期間の7日後以降であれば再就職手当の受給対象です。
待機期間の7日以内に内定し、就業してしまうと対象外になるので間違えないようにしましょう。
再就職手当がもらえない人の条件・ケース
再就職手当がもらえない人の条件やもらえないケースは以下の通りです。
- 再就職手当を申請後にすぐに退職した場合
- 支払残日数が足りていない場合
- 雇用形態や期間が支給条件を満たしていない場合
ちょっとしたミスで再就職手当がもらえなかったとならないように、手当がもらえないケースを事前に確認しておきましょう。
もらえないケース1.再就職手当を申請後にすぐに退職した場合
3ヶ月経たないうちに退職してしまった場合は、再就職手当は受け取れません。
ハローワークは申請から3ヶ月後に雇用されているかどうかを転職先に確認をします。
仮に申請者の雇用が確認できないと、再就職手当は支給されません。
もらえないケース2.支払残日数が足りていない場合
失業保険の支給残日数が不足している場合は、再就職手当を受け取ることはできません。
再就職手当を受け取るためには、失業保険の支給残日数が給付日数の3分の1以上必要です。
よって、支給日の残数に自信がない人はハローワークに確認しましょう。
もらえないケース3.雇用形態や期間が支給条件を満たしていない場合
再就職手当は、新しい就職先で1年以上の雇用が見込める場合に支給されます。
雇用期間が1年に満たない限られた契約期間の場合は、再就職手当の支給条件として認められません。
再就職手当をより多くもらうコツ
再就職手当をより多くもらうコツは以下の2つです。
- 給付率が70%になる失業保険の支給日が3分の2以上残っているうちに、就職先を決める
- ハローワークと転職エージェントの併用して、効率よく就職先を見つける
就職先をより効率的に見つけるなら、ハローワークと転職エージェントの併用がおすすめです。
なぜなら、転職エージェントならHPで求人を確認し、応募を完了できるからです。
ハローワークの場合、求人の閲覧自体はインターネット上でできますが、応募するためにはハローワークからもらう紹介状がないと応募できません。
より多くの求人を見て条件に合う就職先を効率的に見つけたいなら、転職のプロから自分に合った求人を紹介してもらえる転職エージェントに登録がおすすめです。
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再就職手当に関するQ&A
再就職手当に関するQ&Aは以下の通りです。
Q1.再就職手当はハローワーク以外で就職先を決めても受給できる?
再就職手当はハローワーク以外で就職先を決めても受給できます。
ただし、自己都合の退職で失業保険の給付制限を受けた場合、待期満了後1か月間はハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職していることが条件です。
職業紹介事業者は届け出を出している事業所のみが対象です。
届け出を出している転職エージェントも対象で、正式には「有料職業紹介事業者」と呼ばれています。
再就職手当をもらいたい人は自分が利用する転職サービスが職業紹介事業者に該当するかどうかを事前に確認しておきましょう。
Q2.再就職手当をもらうために内定日を改ざんすると、ハローワークにばれる?
再就職手当をもらうために内定日を改ざんするのは避けた方がよいでしょう。
なぜなら、再就職手当は失業者の早期、再就職を促す制度だからです。
失業者になる前に内定をもらった場合は再就職手当の条件には該当しません。
再就職先からの内定日を改ざんしたことがばれると不正受給に該当し、給付額の約3倍近い罰金があるので絶対にやめましょう。
まとめ
- 再就職手当を受給するためには受給条件を満たす必要がある
- 再就職手当は失業保険の給付日数が3分の1以上残っている必要がある
- 再就職手当は原則として再就職後、1か月以内に申請しなければならない