「パワハラがひどいので退職したい」
「パワハラに悩んでいて退職したいけれど、転職活動が不安だな」という人も多いでしょう。
今回は職場におけるパワハラとは何かを整理し、パワハラで退職する方法やパワハラから逃れるための解決法を紹介します。
すぐにパワハラから逃れたい人は「とにかくパワハラから逃れたいという人向けの解決法」に目を通してみてくださいね。
Contents
パワハラとは「指導の範囲を超え、労働者の就業環境を害する行為」
パワハラとは指導の範囲を超えて労働者の就業環境を害する行為をいいます。
なお客観的に業務上適正と判断される指示や業務指示は、パワハラにはあたりません。
たとえば以下のような行為は代表的なパワハラ行為です。
- みんなの前で強く叱責する
- 人格否定の言葉を浴びせる
- 暴行を加える
加えて以下のような行為もパワハラに該当する可能性が高いです。
- 過少または過大な要求をする:事務職として雇ったのに草むしりしかさせない
- 個人情報を侵害する
- 集団での無視
- 1人だけを別室に隔離する
パワハラを理由にして退職することは可能
パワハラを理由に退職することは可能です。
なぜなら、退職は労働者に認められた権利だからです。
パワハラを理由に転職した人のうち、7割の人が転職して良かったと感じています。
就業規則に従って退職届を提出し、もっと良い労働環境の会社に転職しましょう。
退職したいなら、パワハラされた証拠を集めておく
退職を決めたら、パワハラされた証拠を集めておきましょう。
なぜなら証拠があれば会社に隠蔽されてもパワハラの事実を証明できるからです。
パワハラの証拠として集めるとよいもの
- パワハラの様子がわかるメール
- 業務日報
- 日記やメモ
- ボイスレコーダーの録音
- パワハラが原因で通院した時の医師の診断書
証拠があれば、弁護士に依頼して会社に慰謝料を請求できるかもしれません。
パワハラを理由に退職するときに知っておくこと2つ
パワハラを理由に退職するときに知っておくべきことは以下の2つです。
- 会社と揉めたくないなら自己都合で退職する
- すぐに失業手当を受け取りたいなら会社都合で退職する
理由1.会社と揉めたくないなら自己都合で退職する
会社と揉めたくない人は自己都合で退職しましょう。
なぜなら、退職届を出すだけで穏便に退職できるからです。
退職届にはパワハラのことは書かず、「一身上の都合により」と記載します。
ただし、会社都合での退職と比較すると退職金が減ったり、失業保険が受け取れるまでの期間が長くなったりするデメリットもあると覚えておきましょう。
理由2.すぐに失業手当を受け取りたいなら会社都合で退職する
退職後、すぐに失業手当を受け取りたい人は会社都合で退職しましょう。
なぜなら、会社都合の退職の場合は失業保険が7日後から受け取れ、支給額は最大で自己都合の場合と比較して2倍以上になるからです。
会社都合の退職では会社は厚生労働省から助成金をもらえないため、退職を拒否する可能性もあるでしょう。
会社都合で退職ができなかった場合、自己都合で退職した後にハローワークの窓口で相談し、離職理由を会社都合に変更してもらう方法もあります。
とにかくパワハラから逃れたいという人向けの解決法4つ
とにかくパワハラから逃れたいという人向けの解決法は以下の4つです。
- 公的機関に相談する
- 部署異動を申し出る
- 転職を検討する
- 退職代行サービスを利用して退職する
解決法1.公的機関に相談する
すぐにパワハラから逃れたいなら、公的機関に相談しましょう。
なぜなら自分がパワハラを受けていて解決したいと思っていることを、第三者に把握してもらう必要があるからです。
パワハラは労働組合、もしくは労働基準監督署と労働局、電話窓口の「労働条件相談ほっとライン」に相談できます。
パワハラで会社を訴えたい、損害賠償を請求したいという人は、弁護士に相談しても良いでしょう。
解決法2.部署異動を申し出る
パワハラを解決するためには、部署移動を申し出てみましょう。
なぜなら業務内容が変わる可能性はありますが、同じ会社でキャリアを継続できるからです。
部署移動で人間関係を一新できれば、また気持ち良く仕事ができるかもしれません。
興味のある別の部署へ移るきっかけやキャリアップにつながると、前向きに考えてみましょう。
解決法3.転職を検討する
パワハラから逃れるために、転職を検討してみましょう。
なぜなら会社の環境が改善される余地がない場合、退職が最善の方法だからです。
法律上は退職希望日の2週間前までに退職の意思を伝えれば退職可能です。
退職後の転職活動が不安な人は転職エージェントを利用してみましょう。
\安心して働ける仕事を見つけたいなら/
解決法4.退職代行サービスを利用して退職する
パワハラに悩んでいて、退職を申し出るのが怖い人は退職代行サービスを利用してみましょう。
退職代行サービスを使うと自分の代わりに退職の意思を伝えてくれ、スムーズに退職できます。
たとえば、弁護士法人みやびの退職代行サービスならすべての業務を弁護士が代行してくれるので、確実に退職できるでしょう。
パワハラに遭っていて会社と揉めそうだと不安な人は弁護士が対応する退職代行サービスを利用するとよいです。
パワハラを訴えたい人向け│弁護士に相談して、慰謝料を請求する
パワハラを弁護士に相談し、会社を訴えて慰謝料を請求することも可能です。
パワハラを人事部、労働組合に相談しても解決しない場合や未払いの残業代がある場合は証拠さえ集めれば会社を訴えられます。
弁護士への依頼費用はパワハラの損害賠償請求額によって変わります。
- 100万円以内の場合:訴訟額10万円ごとにプラス1,000円
- 100〜500万円以内の場合:1万円+訴訟額20万円ごとにプラス約2,000円
費用面が不安な人は事前に目安の費用を弁護士に相談してみましょう。
パワハラを理由に退職する際の注意点
パワハラを理由に退職する際の注意点は以下の通りです。
- 転職先にパワハラを受けた事実を話す必要はない
- 可能なら退職前に転職先を決めておく
- すぐに退職せず、休職する方法もある
注意点1.転職先にパワハラを受けた事実を話す必要はない
転職先にはパワハラを受けた事実を話す必要はありません。
なぜなら面接官はパワハラの件に同情しつつ、「本人に問題があるのか」と不安要素として捉える可能性があるからです。
面接時には嘘をつく必要はありませんが「スキルを向上させたい」「キャリアアップしていきたい」などのポジティブな回答を心がけましょう。
パワハラについて言及する場合、状況を改善するための努力を尽くしたこととなかなか効果が出なかった経緯を伝えましょう。
注意点2.可能なら退職前に転職先を決めておく
可能であれば、退職する前に転職先を決めておきましょう。
転職先の内定をもらっておけば心に余裕が生まれます。
また、会社に退職の意思を伝えるとパワハラが悪化し、転職活動に支障が出る可能性もあるからです。
退職する意向を伝えるのは転職先から内定をもらった後だと安心でしょう。
ただし、パワハラが続いていて肉体的かつ精神的に辛い状態が続くなら、退職後に落ち着いて転職活動するのもおすすめです。
注意点3.すぐに退職せず、休職する方法もある
パワハラを理由に休職する方法もあります。
なぜなら心身を壊して医師から「就業不可」または「就業困難」と診断されていれば、休職中は健康保険から給与の3分の2が支給され、傷病手当金も受け取れるからです。
退職日まで使える有給がない場合も、休職すれば出勤せずに済みます。
パワハラでつらいときには退職だけでなく、休職する選択肢もあると知っておきましょう。
注意点4.精神障害を発症したなら労災申請をする
パワハラにより精神障害を発症した場合は、労災を申請しましょう。
なぜなら労災が認定されれば、労災保険の給付を受けられるからです。
労災を申請するためには医師から精神障害の診断書をもらい、自分で労働者労働災害保険請求書を労働基準監督署に提出します。
精神障害の発症前6か月間にわたって、業務で心理的に強い負荷がかかったと認められ、その要因が職場以外にないと判断されれば労災が認定されます。
パワハラで退職することに関するQ&A
パワハラで退職することに関するQ&Aは以下の通りです。
Q1.パワハラで退職すると失業保険はもらえるの?
退職理由が自己都合か会社都合かによって、失業保険の受給期間と受給金額が変わります。
会社都合での退職の方が失業保険受給までの給付制限が短いので早く手当を受け取れます。
ただし、会社都合での退職は会社から認められない場合は円満に退社できない可能性があるでしょう。
自己都合で退職した場合でも、ハローワークに異議を申し立てると会社都合での退職に変更できる場合もあります。
失業保険を受け取るまでの流れを詳しく知りたい人は「失業保険のもらい方」に目を通してみてくださいね。
Q2.パワハラを理由にして、会社を即日で退職できる?
正社員は退職届を出してから2週間後に退職できるので、有給消化や欠勤すれば事実上は即日で退職できます。
退職は労働者の権利であり、法律では退職の意思を伝えてから2週間経過で退職が可能です。
退職届を出した後、一身上の都合と伝えて2週間有給消化と欠勤をすれば、出勤せずに退職できます。
ただし会社の備品等は返却する準備をしておき、社宅や寮住まいであれば退職日までには退去しておきましょう。
会社を即日退職する方法を詳しく知りたい人は「退職代行を使えば、即日退職できる」に目を通してみてくださいね。
まとめ
- パワハラを理由にして退職することは可能
- パワハラで会社を訴えるためには証拠を集めておく
- 転職活動の際はパワハラが原因で退職した事実を話す必要はない