「今働いているドラッグストアってブラックかも…。」
「ドラッグストアで薬剤師として働いてみたいけど、働きやすいのかな?」
街を歩いていると、よく目にするドラッグストア。
今回は薬剤師が働くと危険なドラッグストアの特徴を整理し、ホワイトなドラッグストアを選ぶコツを紹介します。
ドラッグストアに転職したい、ホワイトな職場で快適に働きたいという薬剤師の人はぜひ参考にしてみてくださいね。
今すぐにドラッグストアに転職したい人は「ドラッグストアで働きたい薬剤師におすすめな転職サイト3選」を参考にしてみてください。
Contents
薬剤師が働くドラッグストアは2種類
よく耳にするドラッグストアと呼ばれるお店は大きく分けて以下の2種類です。
- 調剤業務なしで店舗経営に関わる「ドラッグストア」
- 調剤薬局を併設した「ドラッグストア」
1.調剤業務なしで店舗経営に関わる「ドラッグストア」
風邪薬やサプリメント、化粧品などを販売している一般的なドラッグストアのことをOCTといいます。
OCTとは「Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター」の略称です。
OTC医薬品の説明や紹介が主な仕事で、調剤業務はありません。
2.調剤薬局を併設した「ドラッグストア」
調剤室を併設している「ドラッグストア」は近年増えています。
調剤室を併設している場合、OTC医薬品の取り扱いはもちろん、日々の業務には調剤業務・服薬指導・薬歴管理が含まれます。
薬剤師として多くの経験やスキルを身につけられるため、人気が高い職場といえるでしょう。
薬剤師が働くドラッグストアが『ブラック』と言われる理由
薬剤師が働くドラッグストアが『ブラック』と言われる理由は以下の通りです。
- 薬剤師としての調剤業務以外の仕事が多く、忙しい
- 24時間営業の店舗も多く、休みが少ない
- お店に来る人が多様で、なかにはクレーマーも多い
理由1.薬剤師としての調剤業務以外の仕事が多く、忙しい
薬剤師といえば、調剤業務や患者への服薬指導をイメージする人も多いでしょう。
しかし、ドラッグストアで勤務する薬剤師の仕事は薬剤師としての仕事以外にも多岐にわたります。
たとえば、商品のレジ打ちや品出し、在庫管理など幅広い業務を担うのが一般的でしょう。
また、ドラッグストアは調剤薬局と異なり、訪れる人は患者ではなく、顧客です。
よって、ドラッグストアはサービス業としての側面があるため、徹底した接客対応が求められます。
理由2.24時間営業の店舗も多く、休みが少ない
近年のドラッグストアは、24時間営業している店舗が増えています。
よって、店舗によっては労働時間が長く、休みが少ないという場合も珍しくありません。
一般的なドラッグストアでは、店舗の定休日に合わせて休日を設定しています。
一方で、年中無休で営業する店舗の場合、基本的に年末年始や土日祝日にも営業するため、暦通りに休みを取得しづらい場合も多いでしょう。
理由3.お店に来る人が多様で、なかにはクレーマーも多い
ドラッグストアを訪れる顧客は多種多様です。
顧客の中には悪質なクレーマーも多いでしょう。
最近では新型コロナウイルス蔓延により、マスク欠品が相次ぎ、理不尽なクレームを受けた薬剤師も多くいました。
誠実な対応を心掛けていても、思わぬ叱責を受けることもあるかもしれません。
ブラックなドラッグストアの特徴
ブラックなドラッグストアの特徴は以下の通りです。
ブラックなドラッグストアに見られる特徴を押さえ、現職や転職先がブラックではないかを確認しましょう。
特徴1.1年以内の平均離職率が16%を超え、若手社員が職場にいない
1年以内の平均離職率が16%を超え、若手社員が職場にいない職場はブラックといえるでしょう。
なぜなら、比較的に転職しやすい若手社員が働き続けたいと思えない職場だからです。
中途採用が多い職場は若手が働きにくく、会社の将来を担う若手を育てる気がないため、ブラックな職場である可能性が高いでしょう。
ドラッグストアの規模が大きくなるほどに待遇が悪化し、離職率も高くなる傾向にあります。
特徴2.残業代が支払われない『サービス残業』が慢性化している
サービス残業とは、賃金不払残業のことで時間外労働や休日労働に対して賃金が支払われないことを指します。
ドラッグストアでは、残業代が支払われないサービス残業が多いといいます。
人手不足による長時間労働だけでなく、上司や会社から残業代を請求させないように圧迫されているケースも原因のひとつです。
特徴3.いじめやパワハラがあり、職場の人間関係が悪い
ドラッグストアで働く薬剤師は閉鎖的な空間で働き、人間関係に悩む人も多いでしょう。
実際、リクナビNEXTの調査によると、退職理由のトップ3に人間関係がランクインしています。
たしかに同僚や上司、全員と良好な関係を築くのは簡単ではありません。
しかし、小さなミスで強く叱責され続ける、職場内で誰からも口を聞いてもらえないなど、周囲に助けを求められない状況が続くなら要注意でしょう。
特徴4.忙しすぎて、休憩や有給休暇をまったく取れない
仕事が忙しすぎて休憩や有給休暇がまったく取れないドラッグストアは要注意です。
たとえば、昼休憩はほとんどない、有給休暇中に急に会社から呼び出されるなどです。
従業員数を増やす、業務量を見直すなどの対策が何も行われない状態が続くなら、ブラックな職場である可能性が高いでしょう。
特徴5.バレたら法律違反になる『不正行為』をおこなっている
ドラッグストアによっては法律違反になる『不正行為』をおこなっているところもあります。
たとえば、法律違反になる『不正行為』は以下の通りです。
- 人手不足で1日1人40枚以上の処方箋を処理しする状態が慢性化している
- 調剤報酬を不正に請求するようにスタッフに強要する
1日当たりの処方箋の枚数は1人当たり約40枚といわれています。
バレたら法律違反になる不正行為を行っているドラッグストアには十分に注意しましょう。
特徴6.社員向けの研修や教育制度がまったくない
薬剤師は必要な責務をこなすためには定期的に研修や教育などを受ける必要があります。
しかし、実際は研修や教育制度が全く整っていないのが現状でしょう。
なぜならば、研修費などのコストをかけなかったり、研修よりも実務を優先する店舗が多いからです。
このような店舗では、技術向上できないので注意する必要があるでしょう。
ドラッグストアのブラック度診断!大手と中小の規模別に比較
ドラッグストアの規模ごとにブラック度を診断しました。
今回は大手ドラッグストアと中小ドラッグストア、それぞれのメリットとデメリットを整理し、ブラック度合いを確認してみましょう。
規模 | キャリアアップ | 企業の安定性 | 転勤・異動 | 裁量 | 研修制度 |
大手 | ◎ | ◎ | △ | △ | ◎ |
中小 | 〇 | △ | ◎ | ◎ | △ |
薬剤師が全国展開する『大手ドラッグストア』を選ぶメリット3つ
薬剤師が全国展開する『大手ドラッグストア』を選ぶメリットは以下の3つです。
- 研修や教育体制が充実している
- 収益が安定している
- 昇進やキャリアアップのチャンスがある
メリット1.研修や教育体制が充実している
大手ドラッグストアでは中小企業より研修などの教育制度がしっかりしています。
研修や教育制度がしっかりしているので、安心してスキルアップできるでしょう。
メリット2.収益が安定している
大手ドラッグストアは収益が安定しています。
収益が安定していると、定期的なボーナスも安定して受け取れるでしょう。
同じ職場で長く働きたいと思っている薬剤師にとっては大きなメリットです。
メリット3.昇進やキャリアアップのチャンスがある
大手ドラッグストアは常に店舗を全国に広げています。
大手ドラッグストアで働いていると、新店舗や新規事業に携わるチャンスもあるかもしれません。
キャリアを積むと、店長やエリアマネージャーなどの幹部に昇進する機会もあります。
薬剤師が全国展開する『大手ドラッグストア』を選ぶデメリット3つ
薬剤師が全国展開する『大手ドラッグストア』を選ぶデメリットは以下の3つです。
- 転勤や異動がある
- 大幅な昇給は難しい
- 調剤以外の仕事が多い可能性が高い
デメリット1.転勤や異動がある
大手ドラッグストアでは転勤や異動がつきものです。
なぜなら、全国に展開しているため店舗数も多くあるからです。
近くの店舗に急にヘルプ要請を受け、普段は勤務しない店舗で働く日もあるでしょう。
定期的な転勤や異動がある働き方に精神的に不安を感じる薬剤師も少なくありません。
デメリット2.大幅な昇給は難しい
従業員が多い大手ドラッグストアでは、大幅な昇給は難しいでしょう。
なぜなら1人の給料を上げてしまうと、他の社員の給与も上げなければならないからです。
業務を人よりも頑張っても、大幅に昇給するケースは珍しいでしょう。
デメリット3.調剤以外の仕事が多い可能性が高い
ドラッグストア勤務だと、調剤業務以外の仕事も多いです。
たとえば、大手ドラッグストアの場合は扱う商品や1日に来店する顧客も多いため、就業時間では終わらない日もあるでしょう。
近年では調剤薬局を併設した大手ドラッグストアが増えているため、業務量が多く、忙しい職場が多いです。
薬剤師が地域密着型の『中小ドラッグストア』を選ぶメリット3つ
薬剤師が地域密着型の『中小ドラッグストア』を選ぶメリットは以下の3つです。
- 顧客と近い距離で働ける
- 経営者と距離が近く、個人の裁量も大きい
- 少人数制のため、給与交渉がしやすい
メリット1.顧客と近い距離で働ける
中小のドラッグストアは地域に密着して、顧客と近い距離で働きやすいでしょう。
日々働く中で、顧客の声に耳を傾けやすく、1人1人と向き合いながら働けます。
毎日、多くの人が来店する大手のドラッグストアとは異なり、地域密着型で顔なじみの来店客も増えると、顧客と近い距離で作業できるでしょう。
メリット2.経営者と距離が近く、個人の裁量も大きい
中小のドラッグストアは経営者と距離が近く、薬剤師1人当たりの裁量が大きいです。
よって、働く薬剤師の発言力も大きく、働く上で自分の意見を反映させやすいでしょう。
結果として、薬剤師としてやりがいを感じながら働けます。
メリット3.少人数制のため、給与交渉がしやすい
大手のドラッグストアと異なり、中小のドラッグストアの方が給与交渉しやすい傾向にあります。
なぜなら、従業員数が少なく、少数先鋭だからです。
努力やアピール次第で、年収を大幅にアップさせるチャンスもあるでしょう。
薬剤師が地域密着型の『中小ドラッグストア』を選ぶデメリット3つ
薬剤師が地域密着型の『中小ドラッグストア』を選ぶデメリットは以下の3つです。
- 大手と比較すると、福利厚生制度の充実度が低い
- 研修制度や教育制度が整っていない可能性がある
- 少数精鋭のため、業務量が多くなりやすい
デメリット1.大手と比較すると、福利厚生制度の充実度が低い
福利厚生は転職を決める上で重要な要素の1つでしょう。
たとえば、家賃補助、通勤手当、家族手当など福利厚生の制度は会社によって種類や制度が異なります。
大手のドラッグストアの場合は収益が安定しているので、従業員にも福利厚生という形で利益を還元しやすいでしょう。
一方で大手と比較すると、中小のドラッグストアは福利厚生の制度が少ない場合が多いです。
デメリット2.研修制度や教育制度が整っていない可能性がある
中小規模の企業では、大手に比べて研修や教育制度が整っていない可能性があります。
実務経験が少ない若手薬剤師や中途入社の薬剤師だと職場に慣れるまで、働きづらさや不安を感じるでしょう。
また、定期的に研修や教育を受けてスキルを上げたい薬剤師にとっては、物足りない労働環境かもしれません。
デメリット3.少数精鋭のため、業務量が多くなりやすい
大手と比較すると、中小規模のドラッグストアは社員数が少ないため、1人当たりの作業量が増えやすいです。
なぜならば、中小規模だと自分の意見が採用されやすい分、責任が多く、精神的な負担も大きいからです。
店舗によっては慢性的に人材が不足し、相対的に仕事量が多い場合もあるでしょう。
ドラッグストア勤務が向いている薬剤師の特徴
ドラッグストアで働くのが向いている薬剤師の特徴は以下の通りです。
- 調剤業務以外に店舗経営にも興味がある
- 高収入を目指したい
- 固定休ではなく、シフト制で自由に働きたい
- OTC医薬品の知識も身に付けたい
- 人とコミュニケーションを取るのが得意
- 店長やエリアマネージャーなどの管理職ポジションを目指したい
ブラックなドラッグストアを避ける方法
ブラックなドラッグストアを避ける方法は以下の通りです。
- 勤務先に求める条件を明確にする
- 薬剤師専門の転職サイトを活用する
方法1.勤務先に求める条件を明確にする
理想の転職先を見つけるには、勤務先に求める条件を明確にする必要があります。
条件を明確にせずに勤務先を選択すると、入社後に理想との違いを感じてしまうかもしれません。
自分の中で譲れない条件や、妥協できる条件を明確にすることで理想の勤務先を見つけやすくなります。
方法2.薬剤師専門の転職サイトを活用する
薬剤師として転職するさいは、薬剤師専門の転職サイトを利用しましょう。
なぜなら、薬剤師専門の転職サイトなら転職サポート経験が豊富なアドバイザーが多角的な視点でアドバイスをしてくれるからです。
また、転職サイトは業界や求人に関する詳細な情報を持っているため、自分の力だけでは入手しにくい情報も手に入ります。
転職サイトを利用することによって、ブラックな企業に出会う確率を下げられるでしょう。
ドラッグストアで働きたい薬剤師におすすめな転職サイト3選
ドラッグストアで働きたい薬剤師におすすめな転職サイトは以下の通りです。
1.人材紹介の大手なので転職に関するノウハウが豊富な「マイナビ薬剤師」
マイナビ薬剤師は初めて転職活動をする人や、転職中に万全のフォローをしてもらいたい人におすすめです。
薬剤師の転職に特化した専門サイトなので、情報が豊富で薬剤師の転職に関するノウハウに定評があります。
全国15カ所に拠点があるため、都心から離れた遠方でも転職相談がしやすいでしょう。
2.条件が良い非公開求人が多い「リクナビ薬剤師」
リクナビ薬剤師は転職をして年収を上げたい人におすすめです。
求人数が豊富で、条件の良い非公開の求人も数多くあるため、キャリアドバイザーが最適な求人を提案してくれます。
電話やメールのレスポンスが早いので、忙しい転職活動を効率的に進められるでしょう。
3.1都3県に特化し、すべての面接に同行してくれる「JobBuddy(ジョブバディ)」
JobBuddyは、面接に同行してくれるので1人で面接を受けるのが不安だという人におすすめです。
特に東京・神奈川・千葉・埼玉の1都3県の地域に特化しています。
転職後も6カ月間のフォローがあり、入社後の悩みや不安を相談しやすいでしょう。
転職先が決まったら、確認すべきポイント2つ
転職先が決まったら、確認すべきポイントは以下の2つです。
- 勤務予定のドラッグストアにお客さんとして来店してみる
- 雇用条件の詳細まできちんと確認しておく
ポイント1.勤務予定のドラッグストアにお客さんとして来店してみる
実際に勤務予定のドラッグストアに来店してみましょう。
実際に来店すると、求人票やHPの情報からは分からない職場の雰囲気が分かります。
チャンスがあれば、すでに働いている職員に直接聞いてみるのもおすすめです。
ポイント2.雇用条件の詳細まできちんと確認しておく
転職した後にトラブルにならないためにも、雇用条件の詳細をチェックしましょう。
なぜなら、想定していた条件と実際にギャップがあると、転職を後悔してしまうかもしれません。
ドラッグストア勤務だと、福利厚生が充実している会社も多いです。
しかし、待遇面は企業によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
ドラッグストアで働く薬剤師に関するQ&A
ドラッグストアで働く薬剤師に関するQ&Aは以下の通りです。
Q1.ドラックストアで働く正社員は「ノルマがきつい」ってほんと?
ドラッグストアは、店舗ごとに売り上げノルマがあるため、同じグループ内でも売り上げを競っています。
近年はコンプライアンスが業界全体で厳しいので厳しいノルマを課す会社は少ないでしょう。
あまりにもノルマがキツい企業は問題があるため、転職を考えた方がよいかもしれません。
Q2.現在勤めているドラッグストアを退職したいけれど、強く引き留められているときはどうしたらいい?
勤めているドラッグストアに退職届を出しても受理されない場合、無理をして働き続ける必要はありません。
通常、退職届を出すと正社員の場合は2週間後に退職可能です。
退職届を受け取ってもらえなかったり、退職を受理されなかったりする状況が続くなら退職代行に相談し、退職手続きを進めるのがおすすめでしょう。
退職代行なら、会社と何度も直接話す手間を代行してくれるので安心です。
\会社との交渉にはもう疲れた!スムーズに退職したいなら/
まとめ
- ブラックなドラッグストアには特徴がある
- ブラックなドラッグストアで無理に働き続ける必要はない
- ブラックなドラッグストアはストアの規模に関わらず、存在する