パート薬剤師は、資格を活かしながら家庭と仕事との両立がしやすい働き方です。
「時給ってどのくらい?」
「扶養の範囲内で働くにはどうしたらいいの?」
今回はパート薬剤師の時給や働き方のコツについて説明します。
Contents
薬剤師の時給、全国平均は2,200円
厚生労働省の賃金構造基本統計調査データによると、薬剤師の時給の全国平均は2,200円です。
パート薬剤師の時給はおおむね2,000円程度の場合が多いと言えます。
薬剤師の平均時給の相場は「勤務地」と「勤務先の種類」というの2つの要素で変わってきます。
パート薬剤師の時給相場に影響すること
パート薬剤師の時給相場には以下のことが影響しています。
1.勤務地
勤務地が都市部か地方かによって時給が変わります。
都市部はおおむね1800-2200円という金額です。
一方、地方では2000-2500円と、都心部よりも地方にいくほど自給が高い傾向にあります。
人口が多い都市部では薬剤師を揃えやすい一方、薬剤師数が少ない地方ほど時給が高くなりやすいと言えます。
2.勤務先の種類
パート薬剤師が活躍する勤務先は大きく分けて3種類ほどあり、それぞれによって時給も変わってきます。
調剤薬局
調剤薬局は、薬剤師全体の60%が調剤薬局で勤務していると言われるメジャーな職場です。
保険薬局とも呼ばれ、処方箋に基づく調剤やその他医薬品販売を中心に行います。
来局が困難な患者に対して訪問サービスを行うことも業務の一環です。
調剤薬局で働くパート薬剤師の時給はおよそ2,000-2,500円とされています。
病院
病院で働くパート薬剤師の時給は、1,800-2,200円です。
調剤薬局やドラッグストアと比較すると低めの金額と言えます。
病院でのパート薬剤師の求人自体が多くありません。
また、病院スタッフと役割分担したうえで仕事をするため、ルーティン業務が多いとされています。
ドラッグストア
近年ドラッグストアは店舗が休息に増えており、それに伴い薬剤師の求人も増えています。
ドラッグストアで働くパート薬剤師の時給も2,000-3,000円と高めです。
薬剤師としての仕事のみならず商品の陳列や接客対応なども含まれ、業務が他の職場よりも多岐に渡るため、体力が必要な仕事です。
パート薬剤師の時給を上げる方法4つ
時給を上げるにはどのような方法があるのでしょうか。
1.時給が高くなる時間帯や曜日を選ぶ
薬剤師が不足しがちな曜日や時間帯は時給が上がることがあります。
平日の日中~17時までの時間帯はどの社員も比較的出勤しやすく時給は変わらないことがほとんどです。
一方、薬剤師が不足しやすい土曜、日曜、祝日は時給が100-300円ほど高くなります。
また、子育て中の人や家族がいる人は夜遅くまでの勤務が難しいため人手が足りず、17時以降の時給は上がりやすいでしょう。
2.転職エージェントを利用して時給アップの交渉をする
パート勤務でも時給の交渉ができないわけではありませんが、直接交渉はなかなか難しいはず。
時給アップの一番良いタイミングは仕事を始めるときだと言われています。
転職エージェントを利用すると、入社時に時給の交渉も任せられるため、好条件でパートを始めることができます。
3.手当がつく専門性の高い資格を取る
薬剤師には国家資格のほかに「認定薬剤師」「専門薬剤師」という資格を取ることができます。
認定薬剤師には、がん薬物療法、糖尿病薬物療法、漢方薬・生薬など多数あります。
これらを取得後、さらに一定の要件を満たした人が薬剤師会など各団体から認定を受けた専門薬剤師です。
これらの資格があると、その分の手当がつくことがあるため、時給アップが可能です。
4.地方で働く
前述のとおり、都市部よりも地方の方が薬剤師は売り手市場の傾向にあります。
薬剤師不足のため、時給3,000円で求人を出す店舗もあります。
パートでも好条件の求人が豊富にあるため、地方では時給の面で自分の希望が叶いやすいでしょう。
パート薬剤師として働くメリット3つ
パート薬剤師として働くメリットはどんなところにあるでしょうか。
メリット1.一般のパートよりも時給が高い
バイトやパートの平均時給データによると、全国の平均時給は1,111円(2020年9月度マイナビ)となっています。
一方パート薬剤師は、低くても2,000円以上の求人が多くあります。
薬剤師という専門的な国家資格を持っていることで、一般的なパートよりも時給が高いのが大きなメリットです。
メリット2.働く時間を選びやすい
正社員ではなくパートで働く意義は、働く時間を自分のライフスタイルに合わせて選べるということにあります。
パートなら午前中だけ、週2日だけなど暮らしに合わせて働くことが可能です。
「子どもがまだ小さくて手がかかる」「介護をしている」などの理由から、薬剤師の資格を活かして短時間だけ働きたい人には大きなメリットです。
メリット3.正社員に登用される可能性がある
仕事ぶりが評価されたら、正社員に登用されるチャンスもあります。
子どもが成長してフルタイムも可能になったときに正社員として働くという切り替えも可能です。
パートは時間の融通が利くというメリットがありますが、正社員になることで昇給やボーナスの支給もあり安定した収入が得られます。
パート薬剤師として働くデメリット
一方、デメリットを確認しましょう。
ボーナスがない
給与が基本的に時給のみなので、正社員のようにボーナスなどの特別手当を受けられないことがデメリットでしょう。
正社員と比較するとどうしても収入面での魅力が劣ってしまいます。
キャリアアップが見込めない
パート薬剤師の場合、正社員の補助として雇用される場合がほとんどです。
そのため、短時間勤務や週数日の勤務であるパートに任される仕事内容は選択肢が少なく、ルーティン業務が多くなりがちです。
家庭を優先する場合、パートは時間に融通が利いて働きやすい一方で、キャリアアップを目指すなら正社員の方がチャンスが多いと言えます。
パート薬剤師の仕事選びにおすすめの転職エージェント3つ
薬剤師のパートを探すなら、薬剤師の求人を扱う転職エージェントに相談しましょう。
転職のプロが相場を踏まえて交渉してくれるので、時給交渉を依頼できます。
そのほか、条件面を相談すれば、希望に合った求人を紹介してくれるのが特徴です。
登録自体はいずれも無料なので、ぜひパート薬剤師を考えている人はチェックしてみてはいかがでしょうか。
1.お仕事ラボ
お仕事ラボは、薬剤師の派遣や転職についてマッチングするサービス。
面接前から面接への同行、面接後のヒアリングなど入社までしっかりサポートしてくれます。
利用満足度90%以上と高く、仕事を紹介することで得た利益を求職者に交通費として還元するキャンペーンも行っています。
※各種キャンペーンは規定人数到達後、終了
2.ジョブデポ薬剤師
ジョブデポ薬剤師は、求人件数8万件以上の薬剤師専門の転職支援サービスです。
正社員とパートの求人を検索でき、全国に広がる広域な求人ネットワークから施設形態やエリアなどの条件を加えて調べることが可能です。
入職が決まった人には最大40万円のお祝い金が進呈されます。
3.アプロ・ドットコム
アプロ・ドットコムは、薬剤師専門の転職サイトです。
20年以上の実績をもつサイトで、全国の薬局やドラッグストアの求人を扱っています。
転職相談から24時間以内に求人紹介が可能で、急ぎの転職や求職にも対応しています。
また、派遣の求人も多く扱っているため、派遣薬剤師を希望する人に合う転職サイトです。
薬剤師のパートに関するQ&A
薬剤師の時給に関する質問は以下のとおりです。
Q.収入を扶養の範囲内におさえた方がお得?
「扶養の範囲で働く」と言うのは、「扶養控除が受けられる範囲の年収に抑えて働く」という意味です。
扶養には2つの意味があります。
- 税法上、所得税と住民税が控除されること
- 健康保険法上、健康保険料を支払わず健康保険に加入すること
下の図で扶養の範囲内で働くために気を付けたい年収のラインを確認しましょう。
年収を130万円未満に抑えることで税制上、住民税と所得税が控除されます。
気を付けなければいけないのが、年収130万-150万円の場合です。
所得税および社会保険料を支払わなければいけないので、結果手取りが減ることになり働き損が生じます。
また、年収が150万をこえそうな場合は、165万円以上になるよう働くことで扶養をはずれても世帯収入増が可能です。
まとめ
- パート薬剤師の時給は働く場所や時間などで変わる
- パート薬剤師は家庭と仕事の両立がしやすい
- パート薬剤師の求人は転職エージェントに相談しよう