「副業をはじめるにあたり、資格を取得したい」
「自分の保有している資格が生かせる副業はある?」
この記事では、このような疑問に加えて、資格を取るメリットや効率的な勉強法を紹介します。
Contents
副業に資格は必要?
資格がなくてもできる副業はたくさんあるので、資格が絶対に必要ということはありません。
しかし資格があると、仕事を依頼する方からの信頼度が増すなどのメリットがあります。
そのため、資格を所持することで、できる仕事が増えて、収入を増やすこともできます。
副業で使う資格取得は「目的・目標」を明確にする
副業をするために資格を取得する際は、目的を明確にしておきましょう。
なぜなら、資格取得は簡単ではないので、明確な目的を持つことでモチベーションを保つことが大切だからです。
「資格を取得して、副業で自分のキャリアの選択肢を広げる」などの目的や目標を持ち、何のために勉強をするのかを意識して資格取得を目指しましょう。
副業・本業で活かすために資格を取得する3つのメリット
この項目では、資格取得の3つのメリットを紹介します。
メリット1.専門性の高い副業ができるようになる
資格によっては、副業で専門性の高い仕事ができるようになります。
たとえば、資格を活かしたコンサルティング業務や、監修者の仕事などが挙げられます。
最近では、副業を前提とした「人材シェアリング」のサービスもあるので、資格が求められるコンサルティング業務などの案件も引き受けられるようになるでしょう。
メリット2.副業だけでなく、社内での評価アップにつながる
また本業でも使える資格を取得すれば、社内での評価アップが期待できます。
企業によっては、資格取得のための助成金や、お祝い金を出しているところもあります。
万が一取得した資格が副業に活かせなかったとしても、本業のためのスキルアップに繋げることができます。
メリット3.転職が有利に進む可能性がある
資格を持っていれば、転職する際に有利になることもあります。
その資格が必要な業種を目指せるようになり、転職の際に企業に経歴を応募するときにも、自分のアピールポイントにできます。
副業のために資格を取得するデメリット
一方で、副業のために資格を取得する際のデメリットとして、勉強の時間とお金が必要になることが挙げられます。
比較的簡単な資格でも取るための勉強が必要で、そのための時間をねん出しなくてはなりません。
また、すでに副業をしている人は本業と副業、資格の勉強の3つを掛け持ちすることになります。
さらに資格取得のためには資料代や受験料などのコストもかかるので、勉強を続けるためのモチベーションを保つことが大切です。
あなたにあった資格の選び方、3つのポイント
資格を取得することは、簡単なことではありません。
自分にあっていて、本業にも活かせる資格を選ぶことをおすすめします。
以下では、副業で使う資格を選ぶときのポイントを3つ紹介します。
ポイント1. 持っているスキルを極められる資格を選ぶ
本業にも活かせる資格を取得したい、得意なことを極めたいと考えている人は、現在持っているスキルを極められるような上級資格を取得しましょう。
たとえば本業で人事や労務に携わっている方は、社会保険労務士やキャリアコンサルタントの資格取得を。
また、営業などでマーケティングに関わっている方は、中小企業診断士の資格を取るなどの選択肢があります。
副業に加え、本業でも使える資格は取っておいて損はしません。
ポイント2. 将来、役に立ちそうな資格を選ぶ
いま使う資格ではなく、数年後に役立ちそうな資格を取るという選択肢もあります。
たとえば管理職になったり、開業したりすることを見据えている方は、会計公認士や税理士、中小企業診断士を取得するのがおすすめです。
どの資格を取るべきかと悩んでいるのであれば、本業に活かせる資格を選ぶと良いかもしれません。
ポイント3. 本業とギャップがある資格を選ぶ
自分に希少価値をプラスする、または意外性のある分野を目指すなら、本業とはまったく関係のない資格を取ってみてはいかがでしょうか。
本業とギャップのある資格を取って話のネタに使ったり、今までと違う視点や価値観を得て、思いもよらないアイデアが浮かぶようになったりするメリットもあります。
たとえば、会社員として働きつつスポーツインストラクターの資格を取り、ジムで副業をするようなことなどがあげられます。
【難易度別】おすすめの副業に活かせる資格12選
それでは、副業に役立つ資格を取得難易度別に紹介します。
比較的短期間で取得できるものは難易度が「易しい」、学ぶのに時間がかかるものを「難しい」と設定しています。
「取得難易度:易しい」の資格2選
比較的短時間の勉強で挑戦でき、合格率が高めの資格です。
これから紹介する資格は、週末や土日だけの勉強時間でも取得できるのが魅力です。
「取得難易度:易しい」の資格一覧
- メンタルヘルスマネジメント【学習期間:約1か月】
- ビジネス実務法務検定【学習期間:約3か月(3級)】
メンタルヘルスマネジメント【学習期間:約1か月】
「メンタルヘルスマネジメント」は、企業におけるメンタルヘルスに関する専門知識と、対処方法について学んで取得する資格です。
人事労務管理に必要な、従業員の心と身体の健康を保つための知識を得ることができます。
一番簡単な一般社員向けのⅢ種(セルフケアコース)を取るためには、学習期間は約1か月程度かかります。
ほかに管理職向けのⅡ種と、経営者や人事労務管理者向けのⅠ種があります。
ビジネス実務法務検定【学習期間:約3か月(3級)】
「ビジネス実務法務検定」とは、ビジネスに関連する法律知識を習得できる資格です。
3級は基本的な法務知識を、2級では管理職向けのビジネス法務の内容を、1級の取得には法務に関する幅広い知識が必要になります。
多くの企業で管理職になるための試験にも採用されていますので、キャリアアップを目指す方にもおすすめです。
学習期間は、3級の場合で3か月程度必要です。
「取得難易度:普通」の資格5選
つぎは勉強期間3か月~半年程度の資格を紹介します。
「取得難易度:普通」の資格一覧
- ファイナンシャルプランナー3級(FP)【学習期間:約3か月】
- 簿記3級【学習期間:3か月】
- キャリアコンサルタント【学習期間:約3か月】
- マンション管理士【学習期間:約半年】
ファイナンシャルプランナー3級(FP)【学習期間:約3か月】
「ファイナンシャルプランナー(FP)」とは、家計に関わる金融や税制、不動産や住宅ローン、保険、教育資金、年金などの知識を学べる資格です。
ライフスタイルや価値観、経済状況に基づいて現状分析を行い、資産のためのアドバイスができるようになります。
FPは国家資格であり、2級と1級を取得すればさらに上級のAFPやCFPの取得にもチャレンジできます。
学習期間は、FP技能検定の3級で3か月程度必要です。
簿記3級【学習期間:3か月】
「簿記」では企業規模の大小や業種を問わず、会社の財政状態を理解できるスキルが得られます。
経理に必要な会計知識に加え、基礎的な経営管理能力と分析力が問われます。
また、公認会計士と税理士を受験するには簿記1級が必要ですが、合格率は低め。
学習期間は、簿記3級で3か月程度かかります。
キャリアコンサルタント【学習期間:約3か月】
「キャリアコンサルタント」とは、職業選択やキャリアに関するコンサルティングを行えるようになる国家資格です。
個々の職業経験と適正をみて職業設計をし、能力開発も効果的に行います。
キャリアコンサルタントは、人材派遣会社や紹介会社、大学のキャリアセンター、ハローワークなどからも求められています。
学習期間は3か月ほど必要で、例外をのぞいて講習過程を修了する必要があります。
マンション管理士【学習期間:約半年】
「マンション管理士」とは、マンションの維持、管理のコンサルタントができるようになるための専門知識を学べる国家資格です。
マンション管理の際に起こるトラブルの解決や、健全な運営のための提案ができるようになります。
テキストだけでは学びきれない部分があるため、講習会などに参加しなければなりません。
学習期間は、6か月程度みておきましょう。
「取得難易度:難関」の資格5選
取得するまでに時間がかかる難関資格を5つ紹介します。
副業をするためには取っておいて損はありませんが、専門性の高いものが多いため、短期間の集中勉強で一発合格とはいきません。
資格に関する深い知識と、この資格を取得したいという高いモチベーションが必要です。
▼「取得難易度:難関」の資格一覧
- 社会保険労務士【学習期間:1年以上】
- 宅地建物取引士【学習期間:1年以上】
- 行政書士【学習期間:1年以上】
- 中小企業診断士【学習期間:2年以上】
- 税理士【学習期間:3年以上】
社会保険労務士【学習期間:1年以上】
「社労士」とも呼ばれ、社会保険労働法に基づいた国家資格です。
企業での労働と社会保険に関するさまざまな問題や、年金に関する相談など、広範囲な業務内容を扱います。
受験するためには、学歴と実務経験、必要な試験合格の3つの受験資格を満たしていなければなりません。
学習期間は、1年以上必要になるでしょう。
宅地建物取引士【学習期間:1年以上】
不動産の十分な知識がない生活者が損をしないよう、公正で誠実な業務を行えるようにすることが目的です。
不動産を営む企業では、従業員5人に対し1人以上の宅地建物取引士の在籍が法で義務付けられているため、需要が高いのが特徴。
学習期間は、1年以上みておきましょう。
行政書士【学習期間:1年以上】
「街の法律家」とも呼ばれる「行政書士」とは、行政手続きを専門に行う法律家資格です。
官公署への提出書類や、事実証明や権利義務に関する書類を作成するほか、それらについてのコンサルティング業務など、幅広い仕事が可能になります。
将来独立を考える方にはおすすめですが、社内での評価アップにつながりにくいデメリットもあります。
学ぶのに必要な期間は1年以上で、年齢や学歴は問われません。
中小企業診断士【学習期間:2年以上】
「中小企業診断士」は、中小企業の経営課題について診断し、助言を行えるようにするための資格です。
企業の成長戦略を立てたり、それを実行するためのアドバイスを行ったりします。
そのため、資格取得のためには企業の経営に関わる知識を、横断して身につけている必要があるでしょう。
学習期間は、2年以上の長期に渡って必要になりそうです。
税理士【学習期間:3年以上】
税金の専門家である「税理士」は、個人から中小企業までの税金に関わる業務の全てをサポートできるようになる資格です。
資格取得後は税務書類の作成や、税務の代行業務を行えるようになるほか、税務に関する相談に応じることも。
受験するには大学で法律や経済学を学んでいる必要があり、実務経験も必要です。
学習期間は、3年以上かかります。
資格を取る際の効率的な勉強方法3つ
副業に使える資格を取るための、おすすめの勉強法を紹介します。
勉強時間を確保して、効率的に勉強を進めましょう。
方法1.1日の中で「勉強をする時間帯」を決める
資格取得のための勉強は、習慣にしてしまうことが大切です。
1日過ごすなかで、いつ勉強するのかを決めておきましょう。
どこかで空いた時間にやるのではなく、先にどこの時間に勉強するのかを決めてしまうのです。
夜寝る前に参考書を読む、または朝少し早めに起きて過去問を解いてみる、のように実行してみてはいかがでしょうか。
方法2.最短での取得を目指す
副業は自分のペースに合わせられるので、資格取得のための勉強がなあなあになってしまいがちです。
資格取得までの期限を決めておくことで、メリハリをつけて勉強することができます。
方法3.「スキマ時間」を活用する
資格のための勉強を本業と両立させようとすると、なかなかまとまった時間は取りにくいものです。
決まった時間だけ勉強しようとするのではなく、日々の「スキマ時間」を活用することが大切です。
たとえば、通勤中や昼休みにランチを取ったあと、待機時間などのちょっとした空白時間を利用してみましょう。
手が空いたときに勉強するくせをつけると、毎日コツコツ学習できるのでオススメですよ。
資格を取りたい社会人を助ける「教育訓練給付金」
「教育訓練給付金」とは、厚生労働大臣が指定する講座を受講し、修了すれば費用の一部を支給してもらえる制度です。
会社員などで雇用保険を支払っている人は、この制度を利用することができます。
たとえば、さきほど紹介したファイナンシャルプランナーや簿記、社会保険労務士や行政書士など多くの資格が給付金の対象になっています。
ただし、講座を行っている全ての専門学校や学習サービスなどが対象とはならないので、学びたいところで制度を利用できるかどうかを確認しましょう。
副業資格は、資格の取得がゴールではない
資格を取ったからといって、副業がうまくいくとは限りません。
なぜなら依頼者は資格保有者の中から、より実務経験がある方に仕事を頼むことが多いからです。
そのため資格取得は、ゴールとイコールにはならないのです。
取得した資格をどう使うか、そして資格を取ったあとの将来をどうするかを明確にしておくことが大切です。
まとめ
- 副業のための資格は、もっておいて損はない
- 資格選びは本業との兼ね合いが重要
- 資格を取得する目的と、資格取得後の将来像を明確にしておくほうがよい