会社を退職した際に、生活の安定と再就職への支援を目的として受給できる失業保険。
「失業保険認定日ってなに?どうすればスムーズに受給できる?」
「申請から受け取りまではどんな流れ?」
失業保険は何度も受給するものではないので、慣れない手続きに悩んでいる方も多いはずです。
失業保険を受給するために知っておきたい「失業保険の認定日」とは何なのか、また認定日が確定してから失業保険振込までの流れをまとめました。
記事内容
- 退職から失業保険を受け取るまでの流れ
- 失業保険の認定日に行うこと・準備するもの
- 失業の認定に必要な「求職活動」の作り方(詳しく見る)
Contents
失業保険認定日とは「失業状態であることを認めてもらう日」
失業保険をもらうには、ハローワークから「失業状態である」と認めてもらう必要があります。
失業していると認めてもらうこの日を「失業保険認定日」と呼び、原則4週間に1度あります。
失業保険受給は「失業保険認定日までに規定の回数の求職活動」「再就職の意思がある」ことを条件としているため、認定日は失業保険を受け取るための重要な日といえるでしょう。
注意!失業保険は「雇用保険の基本手当」を指す
厳密にいうと「失業保険」は正式名称ではなく、雇用保険内の「失業給付金」のことを指します。
一般的に言われる失業保険とは「雇用保険に加入している人が、離職した後に受け取れる当面の生活支援と再就職支援の費用」です。
つまり失業保険は離職した際に、すべての人が受給可能なわけではなく、雇用保険に加入していた人だけが対象です。
退職から失業保険を受け取るまでの流れ7STEP
退職が決まったら、失業保険を受け取るための準備を行う必要があります。
ここでは退職後に失業保険を受け取るための、手続きの流れを解説していきます。
STEP1.退職後、「離職票」と「雇用保険被保険者証」を会社から受け取る
退職後、前職場から「離職表」と「雇用保険被保険者証」を受け取ります。
離職標は「雇用保険被保険者離職票−1」(離職票1)と「雇用被保険者離職票-2」(離職票2)があります。
この2種類の離職表は両方必要ですので、注意して保管しましょう。
STEP2.ハローワークに行き、「求職申し込み」を行う
必要書類を揃えたら、ハローワークに「求職申し込み」に行きます。
ハローワークは午前8時15分〜17時15分が受付時間、午前中の方が混んでいないのでオススメです。
ハローワークの初回申請時には、以下の書類・持ち物が必要です。
求職申込書に必要事項を記入し、ハローワークの職員との面談・離職標の確認などが行われ、失業保険の受給可否が判断されます。
面談後に資料やハローワークカードを支給されますので、今後必要ですので大切に保管しておきましょう。
STEP3.申請後7日間の待期
失業保険受給申請後、待機期間が7日間必要になります。
自己都合退職の場合、この待機期間に加え、期間満了後の翌日から3ヶ月間の給付制限がありますので、注意が必要です。
この期間中は失業状態を保つ必要があり、アルバイトも禁止されています。
仮にこの期間中にアルバイトを行った場合、アルバイトを行った日数分給付開始が遅れてしまうので気をつけましょう。
STEP4.「雇用保険受給説明会(初回講習)」に参加
失業保険認定日を迎えるためには、「雇用保険受給説明会(初回講習会)」に参加する必要があります。
担当者の説明や映像の講義を受講し、失業保険の受給方法や求職活動について学びます。
ちなみにこの講習会の受講は「求職活動」にカウントされますので、「会社都合退職」であれば初回の求職活動はクリアとなります。
「自己都合退職」の場合には、このほかにも2回以上の求職活動を給付制限期間内に行わなければなりません。
求職活動の作り方については「最短1日!失業保険の『求職活動の実績』の作り方と4つの注意点」で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
STEP5.「認定日」にハローワークに行き失業の認定を受ける
説明会の日に「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡され、次回の認定日の日付と時間帯が伝えられます。
指定された「失業保険認定日」の時間帯にハローワークに行きましょう。
説明会の時に渡された「失業認定報告書」「雇用保険受給証」等、その他職員から指示された書類等があればそれも持参しましょう。
STEP6.手当が認定日の2、3日後に振込まれる
失業保険認定日を迎え、失業状態が認められると、認定日の2~3日後、遅くても1週間以内に手当は振り込まれます。
振り込みの初回は失業状態と認められる日数が短いため、振り込まれる手当も少額です。
また銀行振込のため、銀行の休業日を挟むと給付が遅れる可能性もあるので注意しましょう。
STEP7.2回以上の求職活動→認定日に失業の認定を受ける→手当の振込の繰り返し
初回の失業保険認定日を迎えたあとは、次回の失業保険認定日までに原則「2回以上」の求職活動を行う必要があります。
求職活動を行いながら、4週間に1度訪れる失業保険認定日にハローワークに行き、再度失業認定を受けなければなりません。
失業保険認定日に行うこと
失業保険の認定日当日は以下のような流れになります。
- (前準備)失業認定申告書に求職活動実績を記入する
- 指定された日時にハローワークに出向く
- 必要な書類をハローワーク担当者に渡す
※必要な書類は次の項目「認定日に必要な持ち物」を参照 - ハローワーク職員との面談などをして、失業認定報告書を確認される
- 失業状態と認められる
求職活動の実績を得るため、認定後はそのまま職業相談を受けるのがオススメです。
失業保険の認定日に必要な持ち物
失業保険の認定日には、以下の書類を準備してハローワークに行きましょう。
必要な書類
- 失業認定報告書
- 雇用保険受給証
- 印鑑
- 求職活動の証明になるもの
(セミナー・イベント参加証明書など) - そのほか、管轄のハローワークに提出を求められているもの
失業認定申告書は、求職活動に実績を記入しハローワークに提出します。
ハローワークに向かう前に記入を行っておくと慌てずにスムーズに手続きができます。
自己都合?会社都合?失業保険の認定日にも関わる退職ケース
「自己都合退職」と「会社都合退職」では、失業保険認定日が認められるスピードや失業保険の給付金額が違います。
自ら希望して退職した「自己都合退職」、会社の経営破綻などでやむなく退職した「会社都合退職」、退職の違いで失業保険受給にどのような影響があるのかを解説していきます。
ここでは簡単な説明のみしますので、詳しい支給額・期間の違いなどを知りたい方は「失業保険、【いくらを、いつからもらえる?】金額と期間の計算方法」を参照ください。
退職の種類1.支給を受けるまでが早い「会社都合退職」
「会社都合退職」の場合、失業保険認定日が決まるのが早く、支給開始日の期間も最低「7日間」と短いです。
支給される金額も最高で「約260万円」になり、「自己都合退職」よりも約150万円程度増え、支給日数も最高330日と長期間になります。
国民健康保険についても「自己都合退職」の場合には「通常納付」が原則ですが、「会社都合退職」の場合には、最長2年間の軽減が認められています。
退職の種類2.給付額も少なく給付期間も短い「自己都合退職」
「自己都合退職」の場合、「会社都合退職」よりも給付額が約150万円少ないほか、給付日数も最高で150日間となります。
「給付制限」もあり、失業認定されても3ヶ月間は失業手当は給付されません。
さらに初回の失業保険認定日にも失業保険が給付されないなど、差は大きいです。
手当をもらうには失業保険認定日までに求職活動が必要
失業保険は、失業者が求職活動を行っている間の生活再建の手助けが目的で給付されます。
給付には「求職活動を行っている」前向きな姿勢が必要なため、次の認定日までに「求職活動」をしなければいけません。
求職活動の実績として認められる行動は多くありますが、中には最短1日でどこにも出向くことなく作れる実績もあります。
自宅でかんたん最短1日!「求職活動実績」の作り方
求職活動として認められる実績の中でとくにおすすめなのが、在宅でもすぐに実績を作ることができるインターネットでの求人応募です。
「インターネットでの求人に応募」は求職活動として認められており、ハローワークに出向くことなく活動実績を作ることができます。
この求人応募については合否は関係なく、あくまで「求人に応募した」ということが活動実績として認められるため、この方法であれば最短1日・自宅で求職活動実績を作ることが可能です。
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求職活動の実績を作る際の注意点
- インターネット経由でもハローワーク経由でも、求人に応募して面接を行うことになった場合、面接を辞退することは避けましょう。
- なぜなら面接を辞退した場合、求職活動としての実績が無効になる可能性があるからです。
求職活動とみなされる活動6つ
さきほど紹介したネットでの求人応募のほか、失業保険を給付してもらうための「求職活動」と認められる6つの活動を解説していきます。
以下の解説を参考にし、正しく求職活動を行っていきましょう。
- 活動1.雇用保険受給説明会(初回講習)
- 活動2.求人への応募
- 活動3.ハローワークでの就職活動相談
- 活動4.転職フェア、相談会やセミナーなどへの参加
- 活動5.職業訓練校に応募する
- 活動6.資格試験を受ける
活動1.雇用保険受給説明会(初回講習)
失業保険を受給するための説明会である「雇用保険受給説明会」も求職活動に該当します。
初回の失業保険認定日までに必要な求職活動の実績は「1回」です。
そのため初回講習受講が、そのまま求職活動として認められます。
活動2.求人への応募
求人への応募は当然、求職活動になります。
ハローワークでの紹介をはじめ、転職サイトや紹介を受けて行った求職活動も求職活動です。
応募してさえいればいいので、「企業に応募したものの、失業保険認定日までに返事が返ってこない」場合でも問題ありません。
仮に応募して落ちてしまっても求職活動に変わりありませんので、心配はいりません。
活動3.ハローワークでの就職活動相談
企業に応募しなくても、ハローワークで就職相談を行うのも求職活動として認められます。
失業保険認定日にハローワークに行ったついでに就職相談をおこなえば、それだけで実績を1回獲得したことになります。
求職活動に必要な履歴書や職務経歴書の作成アドバイスももらえるため、積極的に利用していきましょう。
職業相談の方法やコツなどは「ハローワークの職業相談のみで求職活動実績はOK!|具体的な質問例と相談のコツ」でまとめていますので参考にしてください。
活動4.転職フェア、相談会やセミナーなどへの参加
ハローワークの主催する転職フェアや、それ以外の企業が主催する転職フェアに出席するのも、求職活動になります。
転職フェアを求職活動として認めてもらうには、フェアに出席した実績の証明が必要です。
転職フェアに出席すると参加証がもらえますので、失業認定日にハローワークに提出することで求職活動の証明を行います。
セミナーに参加したときの申告の方法などは「求職活動の実績は民間セミナーのみでOK!注意点&申告書の書き方」で、図解でまとめていますので参考にしてくださいね。
活動5.職業訓練校に応募する
職業訓練校に応募、通学すると、求職活動になります。
職業訓練校は就職に必要な知識やスキルを学べ、訓練校に通学の間は通学自体が求職活動になるため、その他の求職活動は必要ありません。
職業訓練校に通うには、ハローワークでの申し込みが必要です。
この申し込み自体も求職活動になりますので、上手に利用していきましょう。
関連記事:公共職業訓練の受け方4STEP | 失業保険をもらいながらスキルを習得するコツを解説
活動6.資格試験を受ける
就職に必要な資格試験を受験するのも、求職活動の1つとして認められます。
資格試験を受験するのが求職活動になりますので、不合格でも問題はありません。
しかし資格試験であればなんでもいいわけではなく、その判断は各ハローワークが行います。
ハローワークでは「資格試験の内容と結果」「試験を受けた目的」を問われますので、その点を答えられるようにしておく必要があります。
関連記事:最短1日!失業保険の『求職活動の実績』の作り方と4つの注意点
求職活動にみなされないもの5つ
求職活動を行ってはいるものの、ハローワークでは求職活動と認められないケースもあります。
以下のような行動は求職活動と認められませんので、注意しましょう。
求職活動実績として認められない活動
- インターネットでの求人検索
- ハローワークでのパソコンを使った求人検索
- 資料請求や求人内容についての問い合わせ
- 友人、知人へ仕事先の紹介を依頼
- 転職サイトへの登録だけ(応募して面接を受ければOK)
「検索しただけ」「問い合わせただけ」では実際に就職につながる活動とは言えないため、求職活動として認められません。
退職後の費用で損したくない人におすすめのサービス1つ
「退職したあとの生活費が不安だな……」
「貯金が全然ないから今後困りそう」
実は失業保険は通常3ヶ月しかもらえませんが、条件によっては20ヶ月以上の給付金をもらえる可能性があります。
いま退職後の生活費が不安に感じている人におすすめなのが、退職コンシェルジュです。
なぜなら、退職コンシェルジュの「社会保険給付金サポート」というサービスでは、給付金がもらえるかどうかを無料でプロに確認できるからです。
以下の条件に当てはまる人で、不安な人はぜひ相談してみてくださいね。
(1)年齢が20歳~54歳
(2)退職日が本日から『30日以上、90日未満』
[例] 1/15申し込み場合…
①1/31退職予定の方は30日きってるためNG、②4/31退職予定の方は90日を超えているのためNG、③2/15〜4/15退職予定の方はOK
(3)現時点で転職先が決まっていない
(4)社会保険に1年以上加入している(保険証参照)
(5)使用可能な有給日数が4日以上ある
受給の流れを詳しく見る
失業保険認定日にスムーズに認定を受けるために気を付けたい点4つ
失業保険認定日に、ハローワークでスムーズに認定を受けるための注意点を4つ解説していきます。
ポイントを抑えて、スムーズに認定を受けていきましょう。
認定日に関して気を付けたい注意点
- 注意点1.認定日にハローワークに行けないと手当は受け取れない
- 注意点2.認定日は、ハローワークで初回手続きをした曜日で固定される
- 注意点3.求職活動の内容はこまめに記録をつける
- 注意点4.虚偽の記載はしない
注意点1.認定日にハローワークに行けないと手当は受け取れない
認定日にハローワークへ出向き、失業認定を受けなければ手当はもらえません。
失業保険認定日には、確実にハローワークに行く必要があるということです。
スケジュール管理をしっかりと行い、失業保険認定日には必ずハローワークに行くようにしましょう。
認定日に行けない場合は「やむを得ない理由」があれば日程変更はできますので、管轄のハローワークに相談してみましょう。
やむを得ない理由については、後半の失業保険に関するQ&Aで紹介しています。
注意点2.認定日は、ハローワークで初回手続きをした曜日で固定される
失業保険認定日は、4週間に1回のペースで訪れます。
認定日は初回に申し込んだ曜日で固定されますので、スケジュールのつきやすい曜日を選択して申し込むようにしましょう。
たとえば、申し込み日が木曜日である場合、失業保険認定日はずっと木曜日になるということです。
どうしても曜日を変更したい場合は、変更できるか・できないかを含め管轄のハローワークに確認しましょう。
注意点3.求職活動の内容はこまめに記録をつける
行った求職活動は「失業認定申告書」に記載し、失業保険認定日にハローワークに提出します。
後でまとめてではなく、求職活動をするたび日付や内容などを記載していくと直前になって慌てる心配がなくなります。
就職フェアの参加や資格試験の受験といった活動に関しては、ハローワーク側が納得するであろう資料や書類などを揃えておく点が重要です。
注意点4.虚偽の記載はしない
当たり前ですが、虚偽記載は絶対NGです。
アルバイト期間を申告しなかったり、虚偽の求職活動を記載するなどの行為は必ずバレます。
バレた場合、手当支給の中止やこれまでの支給手当全額返金請求、不正受給分の2~3倍の額の金額を納付するよう命じられる場合もあります。
繰り返しますが、虚偽記載は確実にバレますので、絶対にやめましょう。
失業保険認定日に関するQ&A
失業保険認定日には、多くの決まりがあります。
ここでは失業保険認定日に関する疑問を解決するため、Q &A方式で疑問に答えていきます。
Q.失業保険認定日に行けないときは、日にちや時間は変更できる?
失業保険認定日内であれば、時間の変更は可能です。
日にちは原則変更できませんが、やむを得ない理由がある場合に限り、事前に申告し必要書類を提出することで変更できます。
失業保険認定日を変更が認められる代表的な理由
- 就職する場合
- 就職のために国家試験や検定等の資格試験を受験する場合
- 本人・親族のケガで介護が必要な場合、または死亡した場合
- 災害などの非常時
病気・ケガなどの場合は医師の診断書、就職した場合は採用証明書などの書類を提出しましょう。
Q.失業保険認定日を忘れた・間違えたときは受給できない?
「忘れていた」「間違えてしまった」などの理由で認定日に行けなかったとしても、支給が先送りされるだけで手当を失ってしまうわけではありません。
その回は支給されませんが、次回の認定日にハローワークに行き認定を受ければ続きを受け取ることができます。
ただし、失業保険の受給期間は「離職日の翌日から1年間」と決まっており、この期間をこえると受け取れなくなります。
Q.給付期間中にアルバイトをした場合、手当は受けられる?
失業保険給付中にアルバイト自体は禁止されていません。
ただしアルバイトを行っていることはハローワークには確実に報告しなければなりません。
ハローワークの判断にもよりますが、アルバイトの内容(1週間の労働時間が20時間以上で長期雇用が見込まれる)によっては「定職についた」とみなされて、手当の支給が停止される場合もあります。
アルバイトが失業保険を受け取る際の詳しい条件・注意点などは「アルバイトと失業保険の基礎知識|受給の条件・申告の方法」でまとめています。
Q.手当を受給中に就職が決まった場合、いつまで手当てをもらえる?
失業保険は、就職の前日までが給付対象期間です。
内定をもらっても就職には該当せず、実際に就職する日までは、手当を受給できます。
内定をもらった時点で、ハローワークに報告し、就職した際に「採用証明書」をもらい、ハローワークに提出しなければなりません。
まとめ
- 失業保険認定日は「失業状態であったこと」をハローワークに認定してもらう日
- 「会社都合退職」か「自己都合退職」かは、認定日にも影響する
- 失業保険を受給するには、求職活動をする必要がある