「仕事が辛い」「いい加減疲れた……仕事を辞めたい」
そんな感情でいっぱいのときは、心が疲れ果てているのかもしれません。
生活と仕事は切っても切れない関係。どんなに辛くても、簡単に辞めるという選択肢はできませんよね。
ここでは、仕事の辛さがちょっと楽になるアイデアや、辛い気持ちから抜け出すための対処法をまとめました。
Contents
「仕事は辛いのが当たり前」という思い込みは危険
「仕事は辛いもの」「つまらなくて当然、仕事だから」と思っていませんか?
また、「みんなが苦しいのに自分だけ楽をするなんて甘えている」と、責任を感じている方もいるかもしれません。
副業やリモートワーク、フレックスタイム制度など、働く場所や時間を制限しない新しい働き方が広まり「働く人の数だけ働き方がある時代」といえる中で、すべての人に「仕事は辛くて当たり前」という考えを当てはめることはできません。
一人一人状況や考え方が違うのに「みんなも辛いから」という理由で、自分まで我慢するのは間違っています。
仕事は辛くて当然という固定概念を持っていると、本当に限界が来ているのに気が付かないまま無理をしすぎて、取り返しのつかないことになる可能性もあるのです。
仕事が辛いを”甘え”で片づけるのはNG!辛いまま仕事を続けるデメリット
仕事が辛いと感じるのは甘えからきている、と決めつけるのは危険です。
辛い気持ちを我慢したまま仕事を続けると、以下のような取り返しのつかない状態になる可能性があります。
- 「働く」こと自体が嫌になる
- 心身の健康を損なう
- うつ病など精神的な病気を発症する
辛い状態が続くことで「仕事」がトラウマとなり、「働く」こと自体に恐怖を感じるようになってしまいます。
それでは転職することも難しくなります。
最悪の場合、「うつ病」などの精神的な病を発症してしまう可能性もあり、そうなる前に早めの対処が必要になります。
いつ・どこから辛くなる?仕事が辛いと感じるタイミング
どんなときに仕事が辛いと思うケースがあるのでしょうか。
仕事を辛いと感じるタイミングをみていきましょう。
タイミング1.仕事でミスをしたとき
ミスは誰しもすることですが、ミスが続いたり、自分のミスのせいで人に迷惑をかけたりすると、仕事をすることが辛くなります。
「自分は要領が悪い」「何もできない」と自信を失くすことで、仕事への姿勢が後ろ向きになり、どんどん辛さが増していくのです。
この辛さから抜け出すためには、経験と経験からくる自信が必要になります。
わからないことは積極的に学んだり、小さなことでもいいので挑戦し成功体験を積んでいくことで、経験値は貯めていくのが一番です。
タイミング2.人間関係が上手くいかないとき
上司とうまがあわない、同僚との関係がめんどう、職場で孤立しているなど、職場での人間関係に悩みがあるケースも仕事を辛いと感じます。
「仕事は仕事、あとは関係ない」と割り切れれば楽ですが、チームで仕事を進めている以上、人間関係の問題からは逃れられません。
実際、職場での人間関係に悩む人は多いです。
大手人材サービス「エン・ジャパン」の調査によると53%の人が人間関係が転職のきっかけになったという結果がでています。
また、84%の人が今までに職場で人間関係に難しさを感じたことが「ある」と回答しています。
(画像出典:2018年エン・ジャパン調査)
仕事をしていると、人間関係の悩みはついてまわるということがいえます。
人事や上司に相談し、部署異動などを検討するのが一番ですが、「社風から合わない」場合は転職しなければ環境は変えられません。
タイミング3.仕事内容に対して不満を感じたとき
仕事の量が多すぎる、仕事が単調でつまらない、仕事の内容が自分に合っていないなど、仕事内容に不満を感じることも辛さにつながります。
「やらされている」「仕事だからやらなければいけない」という後ろ向きの気持ちが強いと、モチベーションがさがるのでミスも多くなってしまいます。
ミスするとその仕事への苦手意識が高まり、余計に仕事が辛くなるという負のスパイラルにおちいります。
仕事内容に不満を持ったまま続けていると、精神的な疲労が限界をむかえてしまうことも。
人間関係同様、部署異動することで解決する場合もありますが、業界や職種を変えるには転職するしかありません。
タイミング4.待遇面に不満を感じたとき
仕事内容にしては給与が低い、休みが少ない、休日出勤も常態化しているなど、職場環境や待遇面に不満がある場合もモチベーションはさがります。
自分のために使える時間やお金が少ないのは大きなストレスになります。
仕事でのストレスを自分に使える時間で発散しようにも、休日が少なければそれをする時間もありません。
辛い時期を乗り越えれれば出世が見込めたり自分のスキルがあがったりするものであれば続ける意味もありますが、そうでない場合は早めに転職を考えた方が賢明かもしれません。
関連記事:どうしてもやりたくない仕事との向き合い方|断るべきケース
タイミング5.パワハラ・セクハラなどで職場環境が悪いとき
セクハラやパワハラ、マタハラなど、ハラスメントにさらされると必然的に仕事は辛くなります。
ハラスメントの具体例は以下のようなものです。
セクハラの具体例
- 出張中の車内で、上司が女性の部下の腰や胸にさわったが、抵抗されたため不利益な配置転換をした。
- 同僚が社内や取引先などに対して性的な内容の 噂を流したため、仕事が手につかない
パワハラの具体例
- モノを投げられる、暴力を振るわれる
- 同僚の前で必要以上に長時間にわたり上司に叱咤される
- 上司同僚に無視される
- 仕事量が多い、逆にまったく仕事を与えられない
- プライベートなことを根掘り葉掘り聞いてくる
マタハラの具体例
- 出産のせいで解雇された
- 育児休暇をとったせいで減給された
(妊娠・出産を理由に理不尽な対応をとられた)
自分がされていなくても職場でハラスメントが横行していると、職場にいることが辛くなっていきます。
我慢する必要はないので、人事に相談するまたは、人事部に相談しても改善が見込めないときには、労働基準監督署に相談してみましょう。
仕事が辛いときに試してほしい対処法5つ
「仕事が辛い」と感じたときに試してほしい対処法があります。
すぐできそうなものから、今の現状をがらっと変えるために挑戦してみてほしいものまで、仕事が辛い状態を抜け出すための具体的な行動をみていきましょう。
対処法1.職場でのコミュニケーションを積極的に行う
人間関係の悩みは「相手をよく知らないから」という理由がもとになっていることもあります。
相手が何を考えているのかどんなことで怒るのかがわからないと、恐怖を感じやすくなります。
そんなときは苦手だと思う上司や同僚に、意識的に報連相の回数を増やしてコミュニケーションをとってみるのがおすすめです。
報連相することで相手もあなたが何で困っているのかを知ることができ、あなたも相手が何をもとめているのか知ることができます。
仕事の基本である報連相であれば伝えやく、仕事を円滑に進ませるために必要な行動なので自然な形でコミュニケーションがとれます。
相手を無理に好きになる必要はないので、ただ知ることからはじめてみましょう。
対処法2.仕事以外の時間は仕事のことを考えないようにする
仕事外では、「仕事以外の時間は仕事のことを忘れる」ことをしてみましょう。
仕事をしていない時間まで仕事のことを考えてしまうと、心身が休まる暇が無く、ストレスもたまる一方です。
「考えない」と思うと余計に考えてしまうので、夢中になれる趣味や楽しい気持ちになる好きなことを見つけるのがおすすめです。
新しく好きなことが見つかれば、仕事をがんばるというモチベーションにもつながります。
対処法3.休暇をとって仕事と距離をとる
思い切って休みをとって、仕事から物理的に距離をとってみましょう。
仕事をやりながら仕事のことを考えるとネガティブな思考におちいりがちで、辛いと感じたままの疲れ切った精神状態ではポジティブになる方が難しいです。
仕事をしない・仕事のことを考えない時間をとってみると、仕事に戻ったときにニュートラルな状態で仕事と向き合えるようになります。
仕事から離れたとき、もし心に余裕がるのであれば「なぜ仕事は辛いのか」「どうすれば解決できるのか」をゆっくり考える時間にしてみるのもおすすめです。
対処法4.誰かに相談する
自分一人で抱え込まずに、信頼できる人に相談してみましょう。
家族や友達など相談しやすい人でも、信頼できるのであれば職場の同僚・上司でもかまいません。
転職するかどうか悩んでいるときは、職場のOGやOBに相談することで冷静なアドバイスがもらえます。
もし周りに相談しやすい人がいないのであれば、厚生労働省管轄の「働く人のメンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」など、公的機関の相談サービス利を用してみましょう。
こころの耳では、電話のほかメール・LINEなどで「働くこと」について相談できます。
第三者から客観的なアドバイスをもらうことで、案外簡単に解決策が見つかるかもしれません。
対処法5.思い切って転職して働き方を変える
「どうしても辛い」「今の状況から抜け出したい」という思いが強いのであれば、思い切って転職するのも一つの方法です。
転職は人生において大きな決断ですが、幸せに生きていくための一つの選択肢であり、逃げでも甘えでもありません。
転職のプロからサポートをうけられる「リクルートエージェント」のような転職支援サービスも数多くあるので、転職がはじめてでも、慣れていなくても不安を感じることはありません。
辛くて身動きができなくなる前に、転職サービスなどで就活を進めてみるのがおすすめです。
対処法6.仕事が辛いと感じる原因をすべて書き出してみる
仕事のことだけでなく生活面でのストレスも含めて、いま自分が抱えているストレスを小さいものから大きいものまで書き出してみましょう。
- 嫌いなこと
- 不安なこと
- やりたくないこと
- 生活するうえで障害になっていること など
書き出したストレスの原因を「人間関係」「将来について」「自分のこと」などカテゴリ分けをしていきます。
自分がどこでストレスを感じやすいのか、誰と関係するときストレスを感じているのかなどが客観視できるので、優先して解決すべき問題もわかってきます。
頭の中を整理をするためにも、定期的に書きだしてみるのがおすすめです。
仕事が辛い人が転職先を探すときのポイント4つ
転職して環境を変えるからには、転職先では「仕事が辛い」という悩みを抱えないようにしたいものです。
転職先選びを慎重にすすめなければ、いざ転職先が決まってもまた「辛い」と思うことになるかもしれません。
転職先選びをスムーズに、希望通りに進めるためのポイントをまとめました。
ポイント1.転職先は退職前から探し始める
転職活動を辞める前から始めることで、以下のようなメリットがあります。
在職中に転職活動をはじめるメリット
- 収入源が途絶えない
- ブランクがない
- 「転職しない」という選択もできる
実際、エン転職の2018年の調査によると、アンケートをとった転職者のうち86%が「在職中に転職活動を行なう」と回答しています。
転職活動にかかる期間は、平均して3ヶ月と言われ、本当に希望の転職先から内定をもらうには半年~1年前かかることも珍しくありません。
退職後に焦って就活をはじめても冷静な判断ができない可能性があり、また辛い職場を引き当ててしまう恐れもあります。
在職中に収入が安定した中で就活をはじめるのが賢明といえるでしょう。
ポイント2.転職エージェントなど転職のプロに相談する
転職は「転職のプロ」に相談しながら進めるのがおすすめです。
転職は何度も繰り返し行うものではないので、不慣れで不安に思うことがたくさんあるうえ、仕事が辛く心身ともに限界のなかで転職先を探すとなると、時間的・精神的にとても骨の折れることです。
しかし、転職のプロという心強いアドバイザーがいれば、精神的な負担も軽く前向きに転職活動ができます。
たとえば大手人材サービス「リクルートエージェント」であれば、無料で転職先の候補選びから面接・応募書類の対策、相手企業へのアポまですべて行ってくれます。
一人では判断に迷うことがあっても、転職のプロのアドバイスを受けることができれば安心です。
ポイント3.「新しい働き方」を重視して転職先を探す
フリーランスやリモートワーク、時短・フレックス制など、時間や場所・雇用形態に縛られない「新しい働き方」が増えてきており、「正社員で平日5日8時間勤務」という働き方が一般的ではなくなってきています。
人間関係の疲れであればリモートワーク、時間に縛られたくないのであればフレックス制の企業を選ぶなと、多様な「働き方」で転職先を探してみるという手もあります。
あなたが仕事を辛いと思うのは業務内容ではなく、働き方やその会社独自の古い慣習のせいかもしれません。
「働き方」について柔軟な対応をしている企業であれば、ストレスフリーな職場がみつかる可能性があります。
関連記事:【2020年版】新しい働き方の導入事例|withコロナにおけるワークスタイルとは?
ポイント4.辞めたいのに辞められない場合は人の手を借りる
仕事が辛く転職すると決断しても、ハラスメントなどで言えない・言いづらい環境にいて辞めたいのに辞められないという人もいるかもしれません。
そんなときは退職代行サービスの利用を検討してみましょう。
特に退職代行サービスの利用する必要性が高いケース
- 在職強要をされ、悪質に引きとめられている
- パワハラなどが横行しており辞めると言いづらい
- 給与未払いなどで、いわゆるブラック企業を辞めたいとき
相談無料というサービスが多いので、退職について相談だけでもしてみる価値はあります。
退職代行サービスは違法ではなく、むしろ違法なのは退職を引きとめる企業の方です。
安心・安全で退職を遂行してくれるサービスは多く存在しますので、利用を検討してみましょう。
関連記事:会社にバレない!悩みゼロ!退職代行サービスのおすすめ業者で安心退職
仕事が辛いときに気を付けたい注意点3つ
仕事が辛いときほど、やらない方がいい行動もあります。
仕事が辛いときに気を付けたい注意点をまとめました。
注意点1.会社を辞めるかどうかの判断は慎重に行う
仕事が辛いからと言って、後先考えずに退職することはおすすめしません。
準備なくタイミングも考えずに勢いで辞めると、後悔することが多いためです。
まず、その会社を辞めれば解決する問題ばかりではないので、「辞める」「辞めない」の二択で判断するのは危険といえます。
「とりあえずこの場で解決できないか」「自分が変わることで改善できないか」という、”あいだ”の考えを持って、冷静に判断することが大切です。
ただ、心身ともに限界が来ている場合は、タイミングなどを考えないですぐに辞めるべきです。
関連記事:仕事を辞める際の円満退職までの5STEP。辞める理由やタイミングも合わせて解説
注意点2.辛くても無断欠勤はしない
仕事が辛いからと言って、無断欠勤は厳禁です。
何度も無断で休んでしまうと、会社に行きづらくなってしまいます。
行きづらさがまた「仕事が辛い」気持ちを増幅させ、仕事に行きにくくなりまた無断欠勤……と悪い方向に進んでしまいます。
無断欠勤を続けると就業規則をやぶったと判断され、最悪懲戒処分を受ける可能性まであります。
どうしても辛いときも、不要なトラブルを避けるためには必ず休む連絡は入れるようにしましょう。
注意点3.「仕事は辛いものだから」と辛い気持ちを放っておかない
記事の頭でも説明した通り、「仕事は辛いのが当たり前だから」と、辛い気持ちを無視し続けるのは危険です。
とくに以下のような症状はうつ病の疑いがあり、すぐに対処が必要になります。
(画像出典:みんなのメンタルヘルス)
できることは精一杯がんばってきたのに辛い状態が続くのは、体や心が「助けて」とサインを送っている証拠です。
その状態から抜け出したいと思うのは、逃げでも甘えでもありません。
無視し続けることで、身体を壊したり寝たきりになったり、最悪自死を考えてしまったりと、取り返しのつかないことになってしまう前に対処しましょう。
「これでなければいけない」という働き方はありません。
いつでも環境はリセットできる、ということを覚えておきましょう。
仕事が辛いことに関するQ&A
仕事が辛いときによく思う、疑問について回答していきます。
Q1.仕事が泣くほど辛い。対処法はある?
結論、泣くほど辛い状況は異常であり、無理に続ける必要はなく早急に「辞める」などの対処をすべきです。
「注意点3.「仕事は辛いものだから」と辛い気持ちをほおっておかない」で紹介した通り、ほおっておくと精神的な病を発症することもあります。
泣きたくないのに涙が出る、仕事に行くと思うだけで泣いてしまうなどの経験がある場合は、
●周囲の人に相談
●医療機関への受診
などの対応をとりましょう。
Q2.仕事の要領が悪いせいでミスが多い。こんな私でもできる仕事はある?
まったく同じ人間はいないので、人によって得手不得手はあって当然です。
一部の「仕事」ができないだけで自分を卑下する必要はなく、誰しも必ず自分に合った「人より要領よくこなせる仕事」があるはずです。
得意を見つけるためには、自分の経験や、過去の成果などを文字に書き出して「自己分析」をしてみましょう。
「なぜそれをして」「どんな点をがんばり(改善し)」「結果どうなったか」をまとめていくことで、自分のことをより深く知ることができます。
また、「自己分析は難しそう」「もっとサクッとやれないかな?」と思う場合は、自己分析ツールを利用してみるのもおすすめです。
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まとめ
- 「仕事は辛いもの」は当たり前ではない
- 仕事が辛いときは物理的に仕事と距離をとってみるのがおすすめ
- いまの会社では解決しない、と思ったら転職を考えてみる