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サラリーマンは副業でも経費計上できる!経費になるもの一覧や計算方法を解説

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本業の会社からの給与、副業で得られる収入。

どちらも収入であることに変わりはありませんが、一点とても大きな違いがあります。

それは、副業の収入では「経費」が認められる、ということです。

副業の経費は、確定申告の際に所得税額・住民税額などの決定に関わる重要なもの。

経費が認められれば、副収入を得るためにかかった費用を差し引くことができます。 副業サラリーマンがマストで知っておきたい、副業における経費についての基礎知識をまとめました。

「経費」とは副業を行う上で必要になる出費のこと

経費とは「収入を得るために必要になる出費」のことをいいます。

会社勤めの際は、領収書などを提出して処理すればその額面を戻してもらうことができます。

ですが副業で収入を得ている場合は自分で経費を計上し、確定申告をしなければなりません。

収入から経費を引いた所得額によって支払うべき税額が変わるので、確定申告をすれば節税にもなります。

確定申告で「経費」計上が認められる副業の所得は3種類

経費計上が認められる副業の所得所得税は、収入から経費を引いた「所得」から算出されます。

所得の分類は10種類あり、例えばサラリーマンが会社から支給される給与は「給与所得」で、所得税は給与から天引きされています。

サラリーマンの副業で経費の申告が認められる所得は、「雑所得」と「事業所得」、「不動産所得」の3種類のみです。

種類1.土地、物件などの貸付による所得「不動産所得」

不動産所得とは、次の3つの事業による所得のことをいいます。

(1)所有する建物や土地を貸し付ける
(2)所有する不動産に地上権などの権利を付け加え、その権利を貸し付ける
(3)所有する航空機や船舶を貸し付ける

例えば、自分が持っている物件の家賃所得や、駐車場運営による所得などが不動産所得に当てはまります。

また規模が大きいものは事業所得として扱われ、独立した部屋が10室以上あるアパートや5棟以上の独立家屋、50台以上停められる駐車場などが該当します。

種類2.他の所得に当てはまらない所得「雑所得」

雑所得とは、ほかの9種類の所得に当てはまらない全ての所得のことです。

国税庁が例示しているものには、作家ではない人が受け取る原稿料や印税、公的年金などがあります。

雑所得は確定申告のときに本業の給与所得と合算されるので、雑所得が増えれば総所得も増え、それにより支払うべき税金額も大きくなります。

種類3.事業を営んで得る所得「事業所得」

事業所得とは農業や漁業、製造業、サービス業など、営んでいる事業からの所得をいいます。

個人事業主が得ているのも、事業所得にあたります。

事業所得は雑所得に比べると経費を計上できる範囲が広く、節税になるお得な制度もあります。

例えば事業所得は控除額の大きい青色申告が可能なこと、副業の事業所得が赤字の場合に本業の給与所得と合算して申告し、節税することができるメリットがあります。

サラリーマンの副業は、ほぼすべてが「雑所得」

サラリーマンの副収入の大半は雑所得

副業での収入が本業の収入以下で、週末などの空き時間に不定期に行うサラリーマンの副業は、ほぼ雑所得の扱いになります。

本業以上の高額な収入になり、事業として成立するほどの規模になった場合は、事業所得として扱われるようになるかもしれません。

また、アルバイトやパートなどの勤めに出て収入を得る副業の場合は給与所得となるため、どれだけ稼いでも事業所得とはなりません。

サラリーマンの副業を事業所得で申告するには事業として認められる必要がある

副業所得が事業所得として扱われるには、その副業が事業であると認められなくてはなりません。

事業とは、繰り返しかつ継続していて、独立して行うものと国税庁に定義されています。

事業として認められる基準は以下の4つです。

(1)一時的ではなく継続性がある
(2)ちゃんと儲けを出すことができる営利性がある
(3)事業者が自らリスクを負い、責任を持って事業を行っている「事業が独立している」状態にある
(4)客観的にみて事業として成立している

しかしながら、雑所得と事業所得との線引きは曖昧で明確な基準が設けられておらず、各々の判断に委ねられています。

経費計上が認められる副業の具体例5つ

これらの副業は、経費計上が認められる雑所得として扱われる可能性が高いものです。

(1)アフィリエイトサイト
(2)ネットオークション
(3)フリマ
(4)ハンドメイド作品の販売
(5)FX

休日や就業後に趣味の範囲で行う副業の所得は、多くの場合雑所得と判断されます。

アフィリエイトやFXは高額な利益が得られることもありますが、副業で行う場合は事業とはみなされず、雑所得の扱いになります。

経費計上が認められない副業の具体例

コンビニやスーパーでのアルバイトまたはパートなどは給与所得を得るため、経費計上することはできません。

その代わりに「給与所得控除」が適用されています。

給与収入から給与所得控除を差し引くと給与所得となり、社会保険料が決定されます。

さらに給与所得から基礎控除や社会保険料控除などの15種類の所得控除を引き、残った課税所得から所得税が算出されるしくみです。

サラリーマンの副業で、経費に「なる」もの

サラリーマンの副業で経費計上になるものサラリーマンの副業でかかった費用のうち、経費になるものをまとめました。

経費になるものは、普段から領収書をとっておくように心がけましょう。

商品に関する費用

商品を販売して収入を得る場合は、その商品に関する費用を経費にできます。

例えば商品の仕入費用や商品保管のための倉庫賃料、商品の発送費用や梱包材の費用などが該当します。

仕事に関する道具の費用

副業をするのに必要になる、道具や備品を購入するための費用も経費にできます。

副業の場合は10万円未満に限られますが、パソコンやプリンター、仕事机や椅子、カメラや文房具などが当てはまります。

通信費用

インターネットを使う副業であれば、その際の通信費が経費にできます。

例えば仕事用のパソコンやスマートフォンの通信費、インターネットのプロバイダ料金などです。

交通費、旅費

副業をする際に発生した交通費も経費にできます。

例えば移動したときに利用した公共交通機関やタクシーの料金、宿泊した際のホテル代などが該当します。

広告費

チラシや名刺など、副業を宣伝するための費用も経費になります。

例えばチラシや名刺の作成費、新聞へのチラシの折り込み料金、ネットなどに掲載した際の広告費などです。

家賃、水道光熱費

副業をするためにオフィスなど部屋を借りた場合は、その費用も経費にできます。

部屋の家賃だけでなく、電気代や水道代などの光熱費も対象です。

サラリーマンの副業で、経費に「ならない」もの

プライベートのためだけの費用は、副業の経費にすることはできません。

例えば、毎日の食費や生命保険料、医療費などが該当します。

スーツや靴、腕時計などは仕事とプライベートの両方で使う可能性が高いため、ほとんどのケースでは経費とは認められないでしょう。

また、生命保険料と医療費は確定申告で所得から差し引くことができます。

経費かどうかあいまいな出費「家事関連費」

副業だけでなく普段の生活でも使っているものは、どこまでが経費にできるのかが曖昧です。

自宅の1室を副業の仕事場にしているときの家賃と電気代、通信費などや、プライベートでも使っている自家用車のガソリン代などです。

これらは「家事関連費」といい、何割を副業で使っているのかを算出した上で、副業分の経費だけを計上することができます。

家事関連費を算出する計算「家事按分(かじあんぶん)」

家事関連費のうち、副業で使用している分を算出することを「家事按分(かじあんぶん)」といいます。

按分とは比率を算出し、それに比例して数量を割り振ることです。

副業で使用している部屋の場合は使用面積や時間、車の場合は走行距離から使用比率を算出し、その比率分の経費を計上します。

例:家賃代

副業分の家賃を算出するには、使用面積を用います。

例えば1か月の家賃が10万円で家全体の面積が50平方メートル、副業の仕事場が20平方メートルとします。

副業で使っているのは、20平方メートル÷50平方メートル=0.4で全体の4割。

つまり10万円の4割の4万円が、1か月分の副業の経費にできます。

例:電気代

副業分の電気代を算出するには、使用時間とコンセントの数からの2通りあります。

(1)使用時間で算出

1か月の電気代が1万円、副業に使っている時間は20%とします。

1万円×20%=2,000円が副業の1か月分の経費です。

(2)コンセントの数で算出

家全体のコンセントが12個、そのうち副業で使っているのは3個とすると、3個÷12個=0.25が使用割合です。

年間電気代が15万円とすると、15万円×25%=37,500円が副業の年間経費になります。

例:ガソリン代

副業分のガソリン代を算出するには、走行距離と使用日数からの2通りがあります。

(1)走行距離で算出

1Lにつき20km走る車で、副業で走った距離が40kmとします。

副業で使ったガソリンは2Lですから、ガソリン1Lが120円であれば120円×2L=240円が経費です。

前提として、使用する車の1Lあたりの平均走行距離を把握し、副業の走行距離を記録しておく必要があります。

(2)使用日数で算出

1週間のうち副業で使った日数を記録しておき、割合を出します。

副業には週1日使用しているのであれば、1日÷7日=0.143となります。

ひと月にかかるガソリン代が1万円なら、1万円×0.143=1,430円が1か月分の副業の経費です。

経費計上する際に必要な書類とは?

副業の経費を計上するには、それを証明するための書類を保管する必要があります。

経費になりそうなものの領収書は、細かくとっておくように心がけましょう。

そしてレシートや領収書に加え、ホテルやレンタカーなどの予約メールのプリントアウト、請求書と納品書などは保管しておくことをおすすめします。

家賃や電気代などは、引き落とされる口座の通帳をこまめに記帳しておきましょう。

経費を証明するための書類は、自分ではなく第三者が発行したものがベストです。

サラリーマンが、副業で経費を計上する際の注意点4つ

副業で経費を計上する際の注意点サラリーマンの副業で経費を計上するときは、以下の4点に気をつけましょう。

経費の計上範囲を間違えると、追加で税金を払わなくてはならないこともあります。

注意点1.経費に必要な領収書などは、使用した目的や人物の名前などもいっしょに記録しておく

経費を計上するには、その費用と副業を結びつけるための記録を残しておくことが重要です。

領収書などを保管しておくのに加え、「何に使うために購入したか」「誰に会うために移動したか」などの使用目的も細かく記録しておきましょう。

支払った記録と事業内容との関連付けを、明確にしておくのがポイントです。

注意点2.領収書など、経費の証拠書類は5~7年間保存する

経費を計上した際の証拠書類は、最低でも5年間は保存する必要があります。

所得税法により、個人事業主の領収書の保存期間が5年から7年と定められているからです。

確定申告の形式によって必要な保存期間が異なり、白色申告は5年間、青色申告では7年間です。

副業の経費分のレシートや領収書は、月ごとに袋へ入れてから保存します。

レシートや明細のうち副業分にはマーカーを引く、家事按分は計算式を一緒に書き残すなど、時間が経った後もすぐわかるようにしておくと良いでしょう。

注意点3.その年の経費は「その年において債務が確定している」ものを指す

経費にできるものはその年に債務の確定したものだけであり、次の3つの全ての条件を満たす必要があります。

3つの条件

  1. その年の12月31日までに債務が成立している
  2. その年の12月31日までに、債務を支払うべき原因となる出来事が起こっている
  3. その年の12月31日までに債務金額が合理的に算定できる

つまり商品を買うことが決まっていて納品が済み、支払金額も確定している場合が該当します。

例えば年末に副業で使うものを、クレジットカードで購入したとします。

購入代金が引き落とされるのは翌月ですが、カード支払で売買契約は成立したとみなされますし支払金額は確定しています。

なおかつ商品をその日に持ち帰っていれば3つの要件を満たし、「その年に債務が確定した状態」となります。

注意点4.経費の範囲を間違えると、追加で税金を請求される可能性がある

経費を差し引いた所得を申告すれば節税になりますが、経費の範囲を間違えると後から追加で税金を払わなくてはなりません。

なんでも副業の経費にしてしまうと、逆に追加の税金が高額になるリスクがあります。

経費を計上するときは、ミスがないように細心の注意を払いましょう。

副業サラリーマンの経費に関するQ&A

副業サラリーマンの副業に関するQ&Aサラリーマンが副業をするときの経費についてのQ&Aをまとめました。

つまずきがちなパターンについての対策方法も紹介します。

Q.経費かどうかは、いつ判断される?

確定申告後にすぐではなく、「税務調査」が入ったときに経費かどうかを判断されます。

税務調査は大企業や政治家が受けるイメージを持たれているかもしれませんが、個人も対象になることがあります。

個人が税務調査の対象になるのは、個人事業主やフリーランスの方や、相続税を納めた場合などです。

また、国税庁はインターネット取引を行っている個人に対しては、積極的に税務調査を実施すると発表しています。

Q.通信費は家事按分できる?

プライベートと副業とで同じネット回線を使っている場合、家事按分で通信費を経費にすることができます。

副業分は、使った時間から算出すると良いでしょう。

1か月で区切って、ネット回線の副業分の使用割合を日数または時間から調べ、全体の回線利用料にその割合を掛けて計算します。

Q.節税のためには個人事業主になるべき?

個人事業主になれば、副業の所得を雑所得ではなく事業所得として計上できます。

しかし副業が事業として認められるためには、前述のようにさまざまな条件をクリアしなくてはなりません。

個人事業主になるための届出は簡単で費用もかかりませんが、すぐに認められるかは別です。

副業で得られる収入が少なかったり、副業に充てている時間が短かったりする場合は事業としては認められないでしょう。

仮に個人事業主になれたとしても、確定申告は個人の場合よりも煩雑になるデメリットも。

節税ありきで個人事業主になるのではなく、自分の副業の規模や割ける時間などを見極めることが大切です。

まとめ

  • サラリーマンの副業も経費が認められている
  • サラリーマンの副業で経費が認められている所得は、「雑所得」「事業所得」「不動産所得」3種類
  • 副業とプライベート、どちらでも使用している費用の中から、経費分だけを算出することを「家事按分」という

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Writer パラナビ編集部

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