「残業したくない」「残業したくないけれど、周囲に甘えていると思われたくない」という人も多いでしょう。
今回は残業したくない人が残業が避けられない原因を整理し、残業せずに定時退社するコツや残業している現状に対する解決法を紹介します。
すぐに残業が慢性化している現状を解決したい人は「現状を根本的に解決する方法」に目を通してみてくださいね。
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残業時間の平均は47時間
約7万人を対象にしたopenworkの調査によると、月47時間が残業の平均的な長さです。
最も多い層は平均残業時間20時間〜40時間で、全体の41%を占めています。
残業したくないと思うのは甘えではない
残業したくないと思うのは甘えではありません。
なぜなら、会社が労働者に時間外労働や休日出勤をさせる場合、労働者との間に労働基準法第36条に基づく労使協定を結ぶ必要があるからです。
よって、会社は基本的には第36条に基づく範囲内でしか労働者に残業を命じることができません。
実際に時間外労働を命じる際は以下の条件をあらかじめ決める必要があります。
- 残業させる具体的な理由
- 業務の種類
- 労働者の範囲
よって「上司が残っているから」、「帰りにくい雰囲気だから」という理由で残業する必要はないでしょう。
労働基準法で労働時間は1日8時間・週40時間の制限がある
労働基準法では、1日8時間、週40時間を働かせてもよい時間=法定労働時間であると設定されています。
どの企業も、36協定を締結していない限り1日8時間・週40時間の労働時間制限を越えることはできません。
36協定が締結されている場合の残業上限は45時間
36協定が締結されている場合の残業時間の上限は45時間です。
また、上限を超えた時間外労働が許されるのは1年のうち6回で残りの6回は、時間外労働を「月45時間」以内に収める必要があります。
残業の削減が推奨されているはずなのに、残業を避けられない原因
近年、日本ではノー残業デーや2019年4月から働き方改革が推進されてきました。
実際、働き方改革によって労働基準法が改正され、時間外労働の上限に規制が設けられました。
国が残業の削減を推奨しているはずなのに、残業を避けられない原因は以下の通りです。
原因1.人手不足で、能力以上の仕事を割り当てられる
会社の人手不足が原因で、能力以上の仕事を割り当てられて残業しなくてはならない人も多いです。
たとえば、業務が自分のスキル以上に高度だったり、経験がない業務を1人で進行しなくてはいけなかったりなどです。
能力がないから残業するのは仕方ないと諦める必要はありません。
業務は本来、能力に応じて上司が割り振るものです。
残業なしだと業務が終わらない状態が慢性的に続いているなら、上司に現状を相談して業務量や内容を調整してもらいましょう。
解決法:上司に相談する
原因2.残業しないと退社しづらい会社に勤めている
定時退社しにくい社風の会社に勤めている人も多いです。
たとえば、残業時間が長いほど上司に評価されたり、残業することでやる気があると思われたりするなどです。
本来は仕事が期限内に終わっているなら残業する必要はありません。
よって、「残業をすることが当たり前」という社風に対して違和感を感じることはおかしくないといえます。
残業しなければ評価されない社風の会社なら、働く環境を変えるのもおすすめでしょう。
解決法:残業の少ない会社に転職する
原因3.昇給の見込みがなく、残業代を稼ぎたい
残業代目当てで残業する人もいます。
なぜなら、基本給の昇給が見込めず、残業代を頼りにした生活を送っているからです。
実際にわざと仕事をゆっくり進めたり、1度に多くの依頼を受けたりする人もいます。
残業代を稼ぐために不要な残業をする行為はその瞬間は良くても、将来につながりにくいでしょう。
基本給が上がる見込みがなく、残業代を稼ぐしかない状態を解決したいなら基本給が昇給する見込みがある会社に転職してみるのも1つの方法です。
原因4.上司から急に割り当てられる仕事が多い
人によっては上司から急に仕事を割り振られることが多く、残業しなければならない人も多いでしょう。
たとえば、納期がタイトな仕事や残業が前提と思われる量の仕事などです。
仕事を急に頼まれることが多く、残業が多い人は予定がある日を設けて早く帰る日を意識的に作るのがおすすめでしょう。
残業したくない人向け|定時で退社するコツ3つ
残業したくない人が定時で退社するコツは以下の3つです。
- 完璧を求めすぎず、区切りが良いところで切り上げる
- スケジュールの時間配分を意識する
- 予定を作り、自分の中に残業しない日を作る
コツ1.完璧を求めすぎず、区切りが良いところで切り上げる
完璧を求めすぎず、区切りが良いところで仕事を切り上げましょう。
仕事は完璧に仕上げるのは難しいものです。
仕事に完璧を求めるのは良いことですが、完璧を求めすぎると終わりが見えなくなりやすいでしょう。
仕事の完成度合いではなく、限られた時間内での完璧な仕事の達成を目指すようにします。
気になるところや改善点がある場合、メモをしておき、翌日スッキリとした気持ちで修正するのがおすすめです。
コツ2.スケジュールの時間配分を意識する
仕事を残業しないためには仕事への時間配分を意識しましょう。
たとえば、1日のタスクを洗い出したら、1つの業務に費やせる時間を割り振ります。
仕事量と時間を把握することで無駄な時間を過ごすことなく、効率的に仕事を進められるでしょう。
コツ3.予定を作り、自分の中に残業しない日を作る
残業したくないなら、就業後に予定をつくります。
現状、仕事が忙しくて無理だよと思う人もいるかもしれないが、思い切ってプライベートの予定を入れてみましょう。
予定を入れたら、出社した際に「今日は予定があるので、19時に帰社予定です」などと周囲に伝えておきます。
あらかじめ周囲に伝えておくことで、帰社しやすくなるでしょう。
残業を慢性的にしている人向け|現状を根本的に解決する方法
残業を慢性的にしている人が現状を根本的に解決する方法は以下の通りです。
- 人事に相談し、残業の少ない部署への異動や配置転換を希望する
- サービス残業が大半なら、専門機関に相談する
- 残業の少ない会社に転職する
- 上司に相談する
解決法1.人事に相談し、残業の少ない部署への異動や配置転換を希望する
勤めている会社で比較的、残業の少ない部署への異動や配置転換を希望しましょう。
すぐに部署異動するのは難しいかもしれませんが、人事に相談することは可能です。
ただし、人事へ相談する際は以下の点に気を付けましょう。
- 繁忙期を避ける
- 残業が多くて辛いと不満ばかりを伝える
- 現在の仕事をおろそかにする
部署異動の申し出はあくまでポジティブな行動と捉えてもらうことが大切です。
解決法2.サービス残業が大半なら、専門機関に相談する
残業代が支払われないサービス残業が慢性化している人は専門機関に相談しましょう。
サービス残業は法律違反です。
会社の人事部に相談をしても、残業代が支払われないなら労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。
未払いの残業代を請求するなら、過去2年以内しか請求できません。
未払いの残業代を請求する際に、残業の証拠となるものは以下の通りです。
- タクシー代金の領収書
- 業務メール
- 家族への「残業終了」の連絡メール
残業代を請求する際は残業をしていた証拠をじゅうぶんに集めてから、請求しましょう。
解決法3.残業の少ない会社に転職する
残業したくないなら、残業の少ない会社に転職しましょう。
残業したくないと悩んでいる時は、残業が少ない会社なんて本当にあるの?と不安になるかもしれません。
しかし、残業は本来しなくていいものです。
たとえば、リクルートエージェントなら転職のプロに相談できるので、残業したくないというネガティブな転職理由も相談しやすいでしょう。
残業が多くて毎日悩んでいるなら、思い切って働く環境を変えてみるのもおすすめです。
\残業が少ない会社に転職したいなら/
解決法4.上司に相談する
残業したくないのに残業している人は上司に業務量を相談しましょう。
たとえば、システム化や効率化できる部分を考えて提案してみたり、人員を増員できないか打診したりなどです。
ただ業務量を減らしてほしいと伝えるのではなく、現状を打開する方法を提案して相談することが大切でしょう。
残業が減ることは会社にとっても支払う残業代が減るのでプラスになります。
残業したくないことはネガティブなことと思わず、上司や人事に相談してみましょう。
残業したくないと思うことに関するQ&A
残業したくないと思うことに関するQ&Aは以下の通りです。
Q1.新人が残業したくないと思うのはわがままなの?
会社は本来、法律で決められている時間以上の残業を社員にさせることは許されていません。
よって本来は残業はする必要がないものです。
新人で残業をしたくないと思うと、「怠けている、やる気がない」などと思われるのではないかと不安かもしれません。
しかし、業務が完了しているのに残業する必要はないでしょう。
大切なのは入社の年次に関わらず、与えられた仕事を期限までに終わらせることです。
Q2.正社員で働いていたら、残業したくないと思うのはおかしい?
正社員だと残業しなくてはいけないと思い込む人も多いです。
たしかに会社と労働者が労使協定を結ぶと、労働基準法の第36条の基づき、社員に残業を命じることはできます。
しかし、第36条があるからといって無限に残業をさせられるというわけではありません。
よって、正社員であっても原則は残業する必要はないです。
まとめ
- 残業したくないのは甘えではない
- 残業したくないなら仕事の完成度ではなく、時間を意識して仕事を進めてみる
- 正社員や新人など立場に関わらず、本来は残業をする必要はない