急速に成長するIT業界を担う将来性の高いITエンジニアですが、ITエンジニアには実は数多くの種類があります。
この記事では、各職種の仕事内容の違いや未経験から目指せる職種、平均年収の比較や年収アップの方法、よくあるQ&Aなどをまとめました。
Contents
ITエンジニアはIT関連の知識を持つ技術者
ITエンジニアは、IT関連の知識を持つ技術者のことです。
ITとは「情報技術」の略で、コンピュータとネットワークの総称ともいえます。
世の中がIT化していく中で、IT技術を支えるITエンジニアは非常に将来性が高い仕事の1つです。
IT業界を中心に人材は不足しており、今後も社会で必要とされる職業でしょう。
IT業界全体の年収も平均457万円と日本の平均300万円に対して高い傾向があります。
ITエンジニアの仕事は大きく分けて4種類
ITエンジニアの仕事は大きく分けて4種類です。
ただし、会社や企業によっては仕事の分類は異なるので覚えておきましょう。
今回はITエンジニアの仕事を以下の4つに分類して、17種類の職業ごとに仕事の概要と年収を紹介してます。
- 1.システムエンジニア(SE)
- 開発エンジニア
- インフラエンジニア
- 営業スキルが活かせるエンジニア職
【ITエンジニアの職業17選】主な仕事と年収を紹介
4つの分類に分けてITエンジニアの職種と年収をまとめていきます。
まずは4種類を一覧で比較、まとめてみました。
職種 | 仕事内容 | 年収 |
---|---|---|
システムエンジニア(SE) | 提案、設計、開発、テストまで一連 | 約400~600万円 |
開発エンジニア | 必要なシステム、アプリケーション、 | 約300~500万円 |
インフラエンジニア | システムの構築、運用、管理 | 約400~600万円 |
営業系エンジニア職 | 営業スキルを活かして、 | 約570万円 |
次に、一つずつ詳しく解説していきます。
設計からテストまでの一連の流れに携わる【システムエンジニア(SE)】
システムエンジニアとは別名でSEと呼ばれる職種で、ITに馴染みがない人でも1度は耳にしたことがある職種でしょう。
システムエンジニアは提案、設計、開発、テストまでの一連の流れに関わります。
開発の知識はもちろん、顧客のニーズを探って最適な実装ができるように工数や予算も考慮した提案をします。
よって、コミュニケーション能力やマネジメント能力が必要でしょう。
年収は、年齢、経験、スキルで異なりますが、約400〜600万円です。
システムエンジニアの上位職3選
システムエンジニアとして入社後、キャリアを積んでいくと就くことができる上位職は以下の3つです。
一般的なシステムエンジニアのキャリアパスは以下の職種です。
- プロジェクトマネージャ(PM)
- プロジェクトリーダー
- ブリッジSE
1.プロジェクトマネージャ(PM)
プロジェクトマネージャはPMとも呼ばれていて、開発プロジェクトの管理をする役割があります。
プロジェクトマネージャは、案件やプロジェクト全体の責任者の立場なので重要なポジションです。
エンジニアとしての能力に加えて、チームメンバーへの仕事の割り振りをするマネジメント力も必要でしょう。
プロジェクトマネージャの年収は能力に応じて異なるので、約500〜1,000万円です。
2.プロジェクトリーダー
プロジェクトリーダーはPLとも呼ばれ、中規模〜大規模のプロジェクトではメンバーが増えるので、PLを立てて管理する体制を整えます。
プロジェクトマネージャの補佐として、細かいところに目を向けながらプロジェクトの進行を支えるポジションといえるでしょう。
コミュニケーション能力の高いSEが抜擢されることが多く、年収はプログラマーやSEよりも約70万前後高く、30代で約600万円です。
3.ブリッジSE
ブリッジSEとはブリッジという言葉通り、国内と国外を橋渡しする役割を持つシステムエンジニアです。
ブリッジSEは開発の現場を繋ぐ役割なので、エンジニアとしての知識はもちろん、海外でやりとりできる交渉力や英語力が求められます。
また、開発の拠点を行き来する海外出張も多くなる傾向があり、場合によっては海外勤務になるでしょう。
年収は企業や会社、どこの国に在住するかによって約400〜1,000万円と幅が広いです。
設計や改善を行う【開発エンジニア職】4選
現場でプロジェクトに必要なシステム、アプリケーション、サービスなどのプロダクトを開発するのが開発エンジニアの仕事です。
代表的な開発エンジニアの仕事は以下の4種類があります。
- フロントエンドエンジニア
- マークアップ
- プログラマー
- 制御・組み込みエンジニア
1.フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアとはユーザーが直接見たり触れたりするフロントエンド部分の開発をするので、フロントエンドエンジニアと呼ばれています。
使用言語はHTML、CSS、JavaScript、PHPを使い、Webサイトのコーディングを担当することが主な仕事です。
必要な言語の習得はもちろん、使いやすさなや洗練されたデザインなどユーザビリティを意識したコーディングも求められます。
開発エンジニアになるために、フロントエンドエンジニアを経験することが多く、年収は約300〜500万円です。
2.マークアップエンジニア
マークアップエンジニアとは、HTMLとCSSを活かして実装します。
マークアップエンジニアの仕事はフロントエンドエンジニアと似ていますが、とくにHTMLとCSSのスキルに長けているのが特徴といえるでしょう。
一方でフロントエンドエンジニアはHTMLとCSSはもちろん、JavascriptやPHPの知識も持つエンジニアです。
企業や会社によっては明確な区別がないことも多く、年収は約385万円なのでプログラマーより数十万円高くなります。
3.プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアが作った仕様書や設計書に沿ってプログラムを構築し、機能を実装するのが仕事です。
プログラマーはシステムが動かない場合、仕様書の不備を見つけ、指摘する大事な役割を持っています。
平均年収はIT業界の中では比較的低くく、20代で約390万円、30代で約500万円です。
年収アップの方法はプログラマーからプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーへキャリアアップするのがおすすめでしょう。
4.制御・組み込みエンジニア
制御・組み込みエンジニアとは、製品制御のシステムや組み込みのソフトウェアを開発するエンジニアです。
具体例でいうと、制御・組み込みエンジニアは家電製品や産業用機器に組み込まれるソフトウェアの設計や開発をします。
年収は年代やスキル、プロジェクトの規模で異なりますが、約400〜600万円です。
設計や運用保守を担う【インフラエンジニア職】4選
インフラエンジニア職に分類される職種は以下の4つが挙げられます。
- データベースエンジニア
- サーバエンジニア
- Webエンジニア
- ネットワークエンジニア
1.データベースエンジニア
データベースエンジニアとは、データベースと呼ばれるデータが保管された倉庫の役割をするシステムの構築、運用、管理が主な仕事です。
最近ではビジネスにおけるビッグデータの活用が注目されていて、ビッグデータの管理にはデータベース技術が重要な役割を果たしています。
データベースエンジニアの場合、Oracle Database、Microsoft SQL Server、MySQL、PostgreSQLなどのデータベース管理システム「DBMS(DataBase Management System)」に関する知識が必須です。
仮に、作業ミスをすると全国的な大障害になる可能性がある重要な作業で、常に緊張感を持って正確に実施することが求められるといえるでしょう。
年収は約400〜600万円で、DBMSの知識量や扱える言語によって左右します。
2.サーバエンジニア
サーバーエンジニアはサーバーの構築、設計、保守や管理をする仕事です。
サーバーの知識だけではなく、サーバーを構築するエリアのネットワークの把握やセキュリティに関して強くならなくてはなりません。
また、WindowsやMac OS、LinuxなどのOSに関する知識も必要な仕事といえるでしょう。
サーバーエンジニアは実際にサーバーを動かすアプリケーションの運用を担うのが特徴です。
年収は20代で約400万円前後、30代で約500万円前後で、スキルセットにより年収1,000万円を目指せます。
3.Webエンジニア
WebエンジニアはWebサイトやWebアプリケーションの設計や開発、運用や保守を担うエンジニアです。
Webデザイナーやプログラマーなどの複数の関係者と連携して仕事を進めるポシジョンです。
Webエンジニアはさらに細分化されると、フロントエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアに分かれます。
Webエンジニアの平均年収は、約430万円です。
年収は扱える言語やスキルセットに大きく左右されるので、JavascriptやPHPにとどまらず、LinuxやApacheなど複数の開発環境に対応できるようになれば、更なる年収アップが見込めます。
4.ネットワークエンジニア(NE)
ネットワークエンジニアは、ネットワークシステムの設計、構築、運用、保守まで行うネットワークのスペシャリストです。
ネットワークの知識はもちろん、ネットワーク機器のルータやスイッチなどのハードウェア知識、OSやセキュリティ、サーバーの知識も必要になってくるポジションです。
未経験からスタートする場合、Ciscoのネットワーク資格の取得を目指すパターンが多いでしょう。
ネットワークの快適な稼働を支えるポジションで、年収は約400〜800万円です。
未経験から挑戦しやすい!【営業スキルが活かせるエンジニア職】6選
未経験から挑戦しやすく、対人スキルや営業スキルを活かしやすいエンジニア職を6つ紹介します。
- セールスエンジニア(IT営業)
- フィールドエンジニア
- サポートエンジニア
- 社内SE
- テストエンジニア
- ヘルプデスク
1.セールスエンジニア(IT営業)
セールスエンジニアは、IT営業とも言われます。
営業のスキルを活かして、自社の製品やサービスを販売する仕事がメインです。
プログラミングができなくても、自社製品の理解と営業スキルがあればできるので異業種からチャレンジしやすいでしょう。
もちろんITエンジニアの知見を活かせるので、ITエンジニアからセールスエンジニア、営業職からセールスエンジニアを目指せる職種です。
年収は約570万円で、売り出す商品の価格帯やサービスの規模にも左右されます。
2.フィールドエンジニア
フィールドエンジニアという職種は、別名でサービスエンジニア、カスタマーエンジニアと呼ばれます。
主な仕事は、技術者として顧客のハードウェアの設定やサポートです。
ただし、企業によっては出向して技術的なサポートをするシステムエンジニアをフィールドエンジニアと呼ぶので注意しましょう。
フィールドエンジニアの平均年収は約475万円です。
3.サポートエンジニア
サポートエンジニアは、業務の中でパソコンに向かうよりも知識を活かして顧客のサポートをすることが多い仕事です。
具体的には、トラブルの回答やカスタマーサポートの仕事があるので、電話対応したり、メールで返答したりする時間が非常に多いでしょう。
時にはクレーム対応もしなければなりません。
サポートエンジニアの年収は約300〜400万円で、IT業界の中では比較的低い年収です。
4.社内SE
社内SEは自社のシステムに関する業務を行います。
システムの開発や導入、運用から保守まで、コスト削減のためのシステム導入や社内からシステムに関する問い合わせに対応します。
非常に業務内容の幅が広く、スキルも決まりがないので、年収は個人のスキルや経験に大きく依存するでしょう。
社内SEの年収は、約500万円です。
5.テストエンジニア
テストエンジニアはゲームやアプリケーション、システムなどの製品が正常に動くかどうかを動作確認します。
別名でQAエンジニアやテスターエンジニアとも呼ばれます。
ゲーム会社で求人を募集していることが多く、アルバイトの枠も比較的多いのが特徴でしょう。
同じ作業を決まった時間に行うテスト業務がメインなので、飽き性の人には向いていないかもしれません。
しかし、細かな違和感にも気付ける繊細さがあると非常に重宝されるポジションで、テストエンジニアの年収は約300〜450万円です。
6.ヘルプデスク
ヘルプデスクの主な仕事は、パソコンの基本操作の説明や各システムやアプリケーションの使用方法などの問い合わせに回答することです。
社内を対応するヘルプデスクと顧客からの問い合わせに答える社外ヘルプデスクがあります。
マニュアル作成や問い合わせ管理の仕事も多く、Microsoft ExcelなどOffice製品の知識や、Saasの知識が求められるケースが多いでしょう。
ヘルプデスクの年収は約300〜450万円です。
未経験でも、ITエンジニアとして働くことは可能
未経験でもITエンジニアとして働くことは十分に可能です。
プログラミングに関する知識がゼロでも、IT業界に進むことはできます。
ただし、事前にプログラミングスクールに通ったり、基本情報技術者の資格を取得するなどの勉強をした方がスムーズに仕事ができるでしょう。
ITエンジニアの種類に関するQ&A
ITエンジニアの種類に関するQ&Aをまとめました。
ITエンジニアに関する疑問を解決しましょう。
Q1.ITエンジニアの種類は複数あるけれど、自分はエンジニアになる適正はある?
ITエンジニアは文系でも理系でも活躍できる仕事です。
数学が苦手でも、エンジニアとして働いている人は多くいます。
ITエンジニアは1日中パソコンに向かうことが多く、日々進化していく情報技術にアンテナを張れる人が向いているでしょう。
ITエンジニアと一言で言っても、実際は多くの職種があり、様々なバックグラウンドを持った人が働いています。
Q2.ITエンジニアになるためには資格がないとなれないの?
ITエンジニアになるために必ず取得しなければならない資格はありません。
しかし、IT業界に身を置くのであれば「ITパスポート」や「基本情報技術者」の資格があるとよいでしょう。
ITエンジニアの職種によって、必要なスキルは変わります。
まずはITエンジニアで目指す職種を明確にして、ポジションに必要なスキルや必須な言語の取得を目指すのがおすすめです。
まとめ
- ITエンジニアは多くの職種がある
- ITエンジニアは、大きく分けてシステムエンジニア、開発エンジニア、インフラエンジニア、営業スキルが活かせるエンジニア職の4種類である
- ITエンジニアは未経験から目指すなら、営業スキルが活かせるセールスエンジニアがおすすめ