介護士の仕事は肉体的にも精神的にもハードな面が多く、ストレスに耐え切れず「辞めたい」と感じてしまう人も多い職業です。
日々の業務をさばくことに必死で、辞めたいと思っても対処できていない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、辞めたいと思う理由別の解決法と、辞めた方がいいケース・辞めない方がいいケースを具体例でまとめました。
この記事を読むことで、介護士を辞めた方がいいのか迷う人は、後悔しない選択ができるでしょう。
Contents
現役介護士の約8割が現在の職場に不満を持っている
現役介護士は、介護の仕事を辞めたいと思っている人が多いといえます。
介護専門の人材サービスを展開する株式会社コーディアリティケアの調査によると、いまの職場に不満を持っている介護士は全体の8割以上という結果でした。
(※画像出典:株式会社コーディアリティケアの調査)
また、同調査によると現役介護士の約5人中4人は転職の経験があることもわかっています。
「辞めたい」と思う介護士は多く、介護業界での転職は珍しいことではないといえるでしょう。
介護士が「辞めたい」と感じる理由&対処法
では、介護士はどんなときに辞めたいと思うのでしょうか。
「辞めたい」と思ってしまうその理由と解決方法をみていきます。
介護士が「辞めたい」と思う理由
辞めたい理由1.給料が低い
介護士が辞めたいと感じる理由の1つ目が、給料の低さです。
なぜなら自分が働いた成果に見合う給料をもらえないと、何のために頑張っているのかわからないと感じる人は多いからです。
令和元年の厚労省賃金基本統計によると、介護職の平均年収は350万円弱で、全産業の平均年収の500万円ほどに対して低い傾向です。
しかも人手不足でサービス残業続き、資格を取得しても基本給が数千円しか上がらないこともあります。
解決法1.夜勤を増やす
給料の低さを解決するためにまずやれることが、夜勤を増やしてみることです。
なぜなら夜勤をすると、夜勤手当と深夜割増賃金が追加でもらえるためです。
基本給が低くても、夜勤の回数をこなせば給料アップできるでしょう。
体力に自信があるなら、夜勤をすれば手っ取り早く給料を増やせるでしょう。
解決法2.資格を取得する
給料の低さを解決するために、資格取得を目指してみるのもおすすめです。
なぜなら資格があれば、給与に資格手当がプラスされるからです。
たとえば実務者研修の資格であれば受験資格が不要なので、誰でも受験できます。
国家資格の介護福祉士は実務経験が3年以上必要ですが、資格取得のために学校へ通う必要がなく、取得後は転職が有利になるメリットもあります。
解決法3.給料が高い異業種へ転職する
令和二年の賃金構造基本統計調査によると、介護士(介護職員)のひと月の給料の平均は約25万円、介護支援専門員(ケアマネージャー)は、約27万円です。
全職種、全年齢の平均が約30万円なので、平均よりも低いといえます。
介護士の給料水準が国の処遇改善加算などで改善傾向にあるとはいえ、わかりやすく給料が上がるにはまだまだ時間や制度の拡充が必要です。
待遇改善を待つよりも、異業種へ転職する方が効率的に給料を上げられる可能性もあり、現実的といえるでしょう。
辞めたい理由2.人間関係にストレスがある
介護士を辞めたいと感じる理由の2つ目が、人間関係の辛さです。
どんな職種でもいえることですが、職場の人間関係が上手くいっていないと仕事が楽しく思えません。
介護の職場では幅広い年齢層のスタッフがともに働く場合が多く、それまでの職業や人生経験の違いから意見がぶつかり、チームワークがとれないことも多いです。
また、人手不足が慢性化している職場では仕事をこなすだけで手一杯になってしまい、周囲に厳しく当たる人も少なからずいるようです。
解決法1.まずは自分の言動を見つめ直す
人間関係のつらさを解決するには、まずは自分の言動を見直してみましょう。
なぜなら他人を変えることは、自分を変えるよりもはるかに難しいからです。
自分が苦手に感じている人は、同じようにあなたのことを苦手に感じていることもあります。
まずは苦手意識をなくし自分から言動を変化させて苦手な相手に歩み寄ってみると、人間関係が改善することもあります。
解決法2.上司や人事に改善を求める
人間関係のつらさを解決するために、上司や人事に改善を求める方法もあります。
あなたが困っていることのすべてを上司が把握しているとは限りませんので、相談してはじめて周知されることもあるでしょう。
ただしただの不満やほかのスタッフの悪口のように聞こえるいい方では、かえって波風を立ててしまいます。
上司や人事には現場の労働実態と、スタッフの配置換えを希望することなど感情論ではなくあくまでも事実だけを伝えるとよいでしょう。
辞めたい理由3.労働環境が悪すぎる
介護士が辞めたいと感じる理由の3つ目は、労働環境が悪すぎることです。
介護職は残業や休日出勤で休みが少ない、しかも有給も取りづらい環境が多く、心身をリフレッシュさせるヒマもないでしょう。
慢性的な人手不足により休憩と休日が取れない、急なシフト変更や休日の全体ミーティング、サービス残業を強いられるなど、介護現場の労働環境が悪いと感じ辞めたいと思う人は多いです。
解決法1.上司や施設長と話し合う
労働環境が悪すぎることに悩んでいる人は、上司や施設長と話し合ってみましょう。
なぜなら残業手当の支給や有給休暇の取得は、法律で定められた労働者の権利だからです。
上司や施設長に労働環境の実態を伝え、改善されるように話してみましょう。
自分の希望を伝えるのは勇気がいるかもしれませんが、思い切って伝えるとで変わることもあります。
解決法2.別の職場へ転職する
労働環境の改善に時間がかかる・改善されないのであれば、別の職場への転職を考えるのもおすすめです。
なぜなら今の職場環境が改善される見込みがないなら、転職するしか環境を変える方法がないからです。
職場が変われば仕事内容や人間関係が変わり、やりがいを持って介護の仕事が続けられるようになることもあるでしょう。
辞めたいと思いながら無理に働き続けるのではなく、転職して心機一転するのも一つの方法です。
辞めたい理由4.体力的にきつく、体を壊してしまった
介護士が辞めたいと感じる理由の4つ目が体力的にきつく、体を壊してしまったことです。
心身が健康でないと、働く意欲が湧いてきません。
介護職は腰痛が職業病ともいわれており、悪化させて辞めざるをえない人も。
夜勤や不規則なシフトで疲れが溜まっている、利用者さんやご家族とのやり取りで精神的に疲れてしまい、辞めたいと感じることもあります。
解決法1.十分な休息をとる
体力的にきついと感じる人は、十分な休息を取りましょう。
なぜなら心身の不調をそのままにしていると、働けなくなるくらいに悪化することがあるからです。
精神的なストレスを抱えている人は、仕事以外で楽しめるものに没頭したり、マッサージやヨガをしたりして自律神経を整えるとよいでしょう。
心と体に不調が続くときは「まだ大丈夫」と軽く考えずに早急に病院へ行き、休職することも考えましょう。
解決法2.雇用形態を変えることを検討してみる
介護士の仕事も派遣社員の制度があります。
正社員は施設と直接雇用契約をむすびますが、派遣社員は所属する派遣会社と契約します。
そのため、派遣先である施設側は「残業してほしい」「人が足りないから出社して」と要求できないのです。
正社員よりも限定的に働くことが可能なので、体力的にきつい場合は派遣などの雇用形態の変更も検討してみましょう。
解決法3.夜勤がない職場に転職する
夜勤があると慢性的に寝不足で疲れが取れない、ということもあるでしょう。
シフトを変わってもらうことで夜勤を回避することもできますが、人手不足の施設であればそう簡単に希望は通りません。
施設のサービス形態によっては夜勤がない場合もありますので、思い切って夜勤無しで働ける職場に転職するのもおすすめです。
辞めたい理由5.施設の運営方針に不満がある
介護士を辞めたいと感じる理由の5つ目が、施設の運営方針が不満なことです。
自分の介護感と施設の運営方針があっていないと、理想と現実とのギャップに悩まされてしまうことになるでしょう。
入職前に聞いていたのと実際の条件が違って戸惑う、毎日流れ作業のように仕事をこなすだけでやりがいが感じられなくなります。
施設の運営方針は見学や面接だけではわからないことが多く、実際に働いてから不満が湧いてくる場合があるようです。
解決法.運営理念の合った別の職場へ転職する
介護施設はどこも資金不足で、施設全体の運営理念を変えることはなかなか難しいことでしょう。
そういった施設で働いていてもあなたのストレスがたまる一方です。
意見を言っても聞き入れられない、改善されないのであれば、自分の介護士としての理念に合った施設に転職するしかありません。
職場を変えることで自分の思った通りの介護の形を実現できるでしょう。
辞めたい理由6.想像していた仕事内容ではなかった
介護士を辞めたいと感じる理由の6つ目が、自分が想像していた仕事内容ではなかったことです。
なぜなら介護職の求人数は多く、未経験でも入職する人がいるからです。
神経質な高齢者の相手が難しく感じる、性格的に合わなかったと感じる人もいます。
介護の仕事は体験してはじめてわかることも多く、ギャップを感じて辞めたいと感じるケースがあるようです。
解決法1.経験を積み、介護の仕事に慣れる
想像していた仕事内容ではないと思う人は、経験を積んで介護の仕事に慣れましょう。
なぜなら介護の職場で場数を踏めばスキルが身につき、効率よく業務ができるようになるからです。
介護の新人職員は、だいたい1年かけて業務を覚えていきます。
最初からうまくできる人はいませんから、焦らずに介護経験を積んでいきましょう。
解決法2.仕事内容が自分と合う職場へ転職する
想像していた仕事内容ではないと思うのなら、自分に合った職場に転職してはいかがでしょうか。
なぜなら自分が合っていないのは介護の仕事ではなく、今の職場かもしれないからです。
教育体制が整っていない職場で働いていても、介護の知識や技術は思うようには身につきません。
転職で職場環境を変え、のびのびと働きながら経験を積んでいくとよいでしょう。
いまの職場を辞めない方がいいケース3つ
すぐにでも辞めてしまった方がいいケースもありますが、もちろん反対に「いまは辞めない方がいいケース」もあります。
ここからは具体的なケースについて、辞めるべきかいなかをみていきましょう。
辞めない方がいい、辞めたら後悔が大きいであろうケースを紹介します。
- 辞めない方がいいケース1.人間関係にストレスがない
- 辞めない方がいいケース2.職歴が短く、転職回数が多い
- 辞めない方がいいケース3.在職期間が1年に満たない
辞めない方がいいケース1.人間関係にストレスがない
どの業界でも退職理由で一番にあがるのが「人間関係の問題」で、多くの人が仕事上で一番悩んでいることといえるでしょう。
人間関係に問題がないのであれば、すぐに転職しないほうがいいでしょう。
たとえば給料の低さが気になり転職したら、給料は上がったものの転職先で人間関係に悩みまた転職したくなる、ということもありえます。
人間関係は実際働いてみないとわかりませんので、いったん職場を辞めない判断をするほうが無難でしょう。
辞めない方がいいケース2.職歴が短く、転職回数が多い
職歴が短く、転職回数が多い人は今の職場を辞めない方がいいこともあります。
なぜなら同じ職場で長く働いた経験がない人は、転職市場で敬遠される傾向があるからです。
1〜2か月ごとに何度も転職しているのなら、半年以上はその職場で働いてから転職するのをおすすめします。
職歴の中に一度でも長く働いた期間があれば、ほかは短い職歴だけでもカバーできるでしょう。
辞めない方がいいケース3.在職期間が1年に満たない
在職期間が1年に満たないと失業保険を受け取れない可能性が高いです。
なぜなら一般離職者(自己都合で退職した人)は、雇用保険に加入していた期間が「離職の日以前2年間に通算して12カ月以上あること」が失業保険支給の条件だからです。
次の職場が決まっていない状態で辞めるのであれば、生活費は失業保険頼みになります。
失業保険の支給対象になるまでは、辞めない方が無難といえるでしょう。
詳しい失業保険の受給資格は「失業保険の受給資格・給付の条件|だれでもすぐもらえる?」でまとめていますので、参考にしてください。
いまの職場を早急に辞めた方がいいケース3つ
いまの職場を早急に離れた方がいい場合もあります。
具体的な例でみていきましょう。
- 辞めた方がいいケース1.ストレスが原因で体調が悪化している
- 辞めた方がいいケース2.施設が違法行為をしている
- 辞めた方がいいケース3.ハラスメントが横行しており、改善されない
辞めた方がいいケース1.ストレスが原因で体調が悪化している
仕事のストレスで体調に悪影響が出ている場合は、早急に職場を変える必要があります。
「みんなのメンタルヘルス(厚生労働省)」によると、身体的に表れるうつ病のサインは以下のようなものです。
このような症状が続く場合は、即治療が必要な場合もあるため危険な状況といえるでしょう。
ストレスによって体調に変化が出だしたら、すぐにでも休養を考えてください。
辞めた方がいいケース2.施設が違法行為をしている
施設が違法行為をしているのなら、すぐに辞めることをおすすめします。
なぜなら違法行為が蔓延している職場で働き続けていると、無理がたたって体を壊す可能性があるからです。
労働基準法を守らずにサービス残業や月10日以上の夜勤をさせている、介護職員にも注射などの医療行為をさせている、介護職員処遇改善加算をつけずに給料を上げる気がないなどは、違法行為です。
できるだけ早くその職場を辞め、転職するのをおすすめします。
辞めた方がいいケース3.ハラスメントが横行しており、改善されない
ハラスメントが職場で横行しており、改善の余地が見られないのであれば、すぐにでも転職を検討しましょう。
介護職の現場では、仕事仲間からのハラスメントのほか、施設利用者や利用者の家族からのハラスメントも考えられます。
ハラスメントは介護の現場で深刻な問題となっており、「辞めたい」と思ってしまっても仕方ありません。
上司や施設に改善や対策を求めても十分な対応をしてもらえない、とりあってもらえないのであれば、辞めてしまいましょう。
仕事も大切ですが、まずはあなたの心身を第一に対応をとってください。
介護職自体を早急に辞めた方がいい唯一のケース
介護職自体を辞めた方がいいケース、それは「明確にほかにやりたいことがある」場合です。
介護の仕事を続けていて、別の目標ができたのであればすぐにでも辞めた方がいいでしょう。
なぜなら年齢が若ければ若いほど、未経験の職種への転職が成功しやすいからです。
未経験の転職を専門でサポートしてくれる転職エージェントなどもありますので、利用を検討しましょう。
未経験の転職におすすめ!DYM就職
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辞めて後悔しないために!辞める前にやっておきたいこと4つ
「辞めたい、でもいま辞めてもいいものかな」
せっかく思い悩むのですから、本当に辞めてしまったとき後悔のないような決断をしましょう。
「辞めてよかった」と思えるように、辞める前にやっておくべきことを紹介します。
- 辞めたい理由を整理する
- 転職のプロに相談する
- 介護職としキャリアアップするなら、介護福祉士やケアマネ―ジャーの資格をとる
- 有給残数を確認し、有休の消化をする
辞める前にやること1.辞めたい理由を整理する
職場を辞める前には、自分が辞めたいと思う理由を整理しましょう。
なぜなら辞めたい理由がはっきりしていないと、解決策が浮かばないからです。
辞めたい理由がぼやけたままでは、辞めたい気持ちだけが自分の中に残り続け、ストレスになってしまいます。
辞めたい理由を紙に書き出してみるなどし、自分の気持ちを一度整理してみてはいかがでしょうか。
辞める前にやること2.転職のプロに相談する
職場を辞める前には、転職のプロに相談されることをおすすめします。
なぜなら転職支援サービスは、転職を迷っている方でも利用でき、アドバイスをくれるからです。
今転職すべきかどうかを知りたい、介護職を辞めたら先のことが心配など、転職のプロに話を聞けば解決できることもあります。
転職活動のノウハウを具体的に教えてもくれるので、スムーズに転職できるでしょう。
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おすすめ2.派遣で探すならきらケア介護派遣
「きらケア介護派遣」は介護業界で派遣で働きたい人におすすめのサービスです。
有資格者向けには高時給の案件もあり、事前に職場見学をしてから働き始められます。
派遣なので合わないと思ったらほかの職場への転職が簡単、時短勤務などライフスタイルに合わせて働くこともできるでしょう。
専任の担当者が派遣前から入職後までサポートしてくれるので、安心して働けるメリットもあります。
おすすめ3.単発・ダブルワーク可の求人も!MC-介護のお仕事
「MC-介護のお仕事」は対応の早さが評判の転職サービスです。
正社員としてだけでなく、パートや単発・スポットなどの求人も豊富なため、自分の希望する働き方に合った職場を見つけることが可能です。
全国に25箇所の拠点を持つ業界トップクラスの求人の多さですので、とりあえず登録しておきたいサービスといえるでしょう。
求人の選定から面接の日程調整・面接同行、給与交渉など手厚いサポートが受けられますので、在職中の転職活動でもストレスなく進めることができますよ。
辞める前にやること3.介護職としてキャリアアップするなら、介護福祉士やケアマネ―ジャーの資格をとる
介護職のスキルアップを希望するなら、辞める前に介護福祉士やケアマネージャーの資格を取るとよいでしょう。
なぜなら資格を持っていると介護士としての知識を経験をアピールでき、転職時に有利になるからです。
介護福祉士とケアマネージャーの資格取得にはどちらも実務経験が必要で、介護福祉士は3年、ケアマネージャーは5年です。
ケアマネージャーは合格率2割ほどの難関資格なので、まずは介護福祉士を取得して経験を積み、さらなるステップアップとして受験する人が多いようです。
辞める前にやること4.有給残数を確認し、有休の消化をする
職場を辞める前には有給残数を確認し、消化しておきましょう。
なぜなら退職日の後で、有給を消化することはできないからです。
有給取得は、労働基準法に定められた労働者の権利です。
退職までに前もって引き継ぎをしている、最後まで仕事は責任を持ってやる姿勢を見せているのにも関わらず有給を使えない場合は、最終手段として労働基準局や社労士などに相談してみるのもひとつの手です。
介護士が「辞めたい」と伝えたときに考えられるリスクと対処法
本当に「辞める」と決意したら、現職に辞めたいと伝えなければいけません。
介護の現場は人手不足ということもあり、退職するには一般的な仕事よりも引き留めなどが多くなる傾向にあります。
辞めたいといったときに考えられるリスクと、その回避方法についてまとめました。
「辞めたい」と伝える際のリスク
リスク1.労働条件の改善を名目に引き止めに合う
介護士が辞めると伝えると、労働条件の改善を名目に引き止められることがあります。
なぜなら介護の現場は、慢性的な人手不足に悩まされていることが多いからです。
給与や待遇を改善する、配置転換をする、勤務時間や休日の希望を通すなどと提案して引き止めようとしますが、残念ながら実現されない可能性の方が高いでしょう。
対処法.「退職する」とはっきり伝える
労働改善を名目に引き止められたときは、「退職する」とはっきり伝えるとよいでしょう。
なぜなら「退職を考えている」などと曖昧に言うと、まだ退職を迷っている段階だと勘違いされてしまうからです。
上司に退職を切り出すときは、最初から「辞めます」と伝えます。
相手の顔色を伺いながらではなく、強い意思が伝わるように真剣な口調で話しましょう。
リスク2.なにかと理由をつけて退職をうやむやにされる
介護士が辞めると伝えると、なにかと理由をつけて退職をうやむやにされることがあります。
なぜなら上司はあなたに辞められたら困るので、なんとかして退職日を引き延ばそうと考えているからです。
後任が見つからないといつまでも待たされる、退職を保留としてうやむやに時間経過を待つだけになる状況のことは、「介護職員の退職待ち」とも呼ばれます。
対処法1.次の職場の出勤開始日を伝える
後任が決まるまで待っても確実に辞めさせてくれる保証はありません。
転職先を決めておき出勤日までに辞めたいとはっきり伝えましょう。
しかしこの策は、あくまで退職日までひと月以上あり、十分な引継ぎ時間を確保できる場合にのみ行いましょう。
自分の都合ばかり伝え、十分な引継ぎもせず急に退職日を指定するのはマナー違反です。
退職スケジュールをしっかりと提案したうえでうやむやにされそうな場合は、試してみてください。
対処法2.退職届を内容証明郵便で送ってしまう
退職をうやむやにされているときは、退職届を内容証明郵便で送ってしまいましょう。
なぜなら内容証明郵便が届けば、退職届が受理された扱いにできるからです。
民法上では会社に退職届を出し、退職の意思を示してから2週間で退職は可能です。
上司が退職届を受け取ってくれない場合は、内容証明郵便で退職届を送りましょう。
リスク3.辞めないように脅される
介護士が辞めると伝えると、辞めないようにと会社から脅されることがあります。
なぜなら高圧的な態度を取ればこちらが萎縮してしまい、退職を撤回するかもと思っているからです。
「辞めるなら損害賠償を請求する」や「ほかの同僚や利用者に迷惑がかかるのを自覚しているのか」などとこちらを責め、一方的に悪いのは辞める人の方だと錯覚させようとします。
対処法1.労基署や弁護士に相談する
職場を辞めただけで損害賠償を請求されるような責任を負うことはまずありえません。
あなたが故意に施設の継続を左右するような大きな損害を与えたり、違法行為を行って施設の経営が立ち行かなくなったりしない限り、損害賠償請求はできません。
こういった脅しで引き止められている施設は悪質ですから、話し合っても解決しない場合がおおいでしょう。
労基署に適切な処置をしてもらうよう相談してもらうか、弁護士に相談し解決を手伝ってもらうほかありません。
対処法2.退職代行に後押ししてもらう
脅しにあうと、「もう直接職場と交渉したくない」「行きたくない」という気持ちが強くなるかもしれません。
そういったときは退職代行サービスの利用も検討してみましょう。
「退職代行の利用は無責任ではないか」と心配される方もいるかもしれませんが、あまりに悪質な引きとめに合っている場合は有効的な手段といえるでしょう。
退職代行の利用は何かと不安や心配があるかもしれませんが、「弁護士や労働組合の運営する業者を選ぶ」など、選び方さえ間違えなければ問題ありません。
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まとめ
- 現役介護士の約8割が職場に不満を持っている
- 辞めたい理由別に対処する方法はあるが、ストレスで体調にまで影響が出ているならすぐに辞めるべき
- 辞める前から転職のプロに相談することで、後悔のない辞め方ができる