「いずれはフリーランスエンジニアとして活躍したい」
「フリーランスエンジニアって実際はなにが大変なの?」
フリーランスエンジニアとしてスキルを存分に使って、自分らしく自由に働きたいと思いませんか。
じつはフリーランスエンジニアの実態やメリット、デメリットは意外と知られていません。
今回はフリーランスエンジニアと会社員エンジニアの違いを整理し、フリーランスエンジニアとして成功するコツを紹介します。
将来的にフリーランスとして自分のスキルや経験を存分に活かして働きたいという人は参考にしてみてくださいね。
Contents
まずはおさらい!フリーランスエンジニアと会社員エンジニアの違いは3つ
フリーランスと聞くと、会社に縛られず自由な働き方ができるというイメージを持つ人が多いでしょう。
フリーランスエンジニアを会社員エンジニアと比較すると、大きく分けて以下3つの違いがあります。
- 会社と雇用契約を結んでいない
- 固定収入がない
- 自分で社会保障や税金を支払わなければならない
違い1.フリーランスエンジニアは会社と雇用契約を結んでいない
フリーランスエンジニアは、会社と雇用契約を結んでいません。
フリーランスエンジニアの場合、取引先と雇用契約を結ばない代わりに「業務委託契約」か「労働者派遣契約」のどちらかを結んでいます。
業務委託契約は大きく分けて以下の2種類です。
- 請負契約:成果物を完成させる義務がある
- 準委任契約(エージェント契約に多い):成果物を完成させる義務はなく、契約上の期間内にのみ働く
また、労働者派遣契約の場合、完成に対する責任はなく、指揮命令権が派遣先(取引先)にあります。
契約の種類によって責任の範囲が異なるので、フリーランスエンジニアとして契約を結ぶ際はきちんと確認しておきましょう。
違い2.フリーランスエンジニアは固定収入がない
フリーランスエンジニアは会社員とは違い、固定収入がありません。
なぜなら案件の契約をし、納品することで収入を得られるからです。
会社員は毎月一定額の給与をもらえますが、フリーランスは仕事をやった分だけ収入が増えます。
フリーランスの年収は100〜1,000万円と幅があり、スキルのある人ほど稼ぎやすいのが実情といえるでしょう。
違い3.フリーランスエンジニアは自分で社会保障や税金を支払わなければならない
フリーランスエンジニアは会社員とは違い、自分で社会保障と税金を支払う必要があります。
会社員は社会保険料と税金は給与から天引きされます。
しかし、フリーランスはそれらに加え、仕事の経費も自分の収入でやりくりしなければなりません。
そして会社員の社会保険料の半分は会社負担ですが、フリーランスは全額自己負担になります。
また、フリーランスの年収は社会保険料と経費を引く前の金額ですが、会社員の収入は一般的には給与から保険料を引かれた後の「手取り額」をいいます。
知っておきたい!フリーランスエンジニアの実態
将来的にフリーランスエンジニアを目指している人や、今はスキマ時間で副業しているが、いずれはエンジニアとして独立したいと考える人は多いでしょう。
まずは以下の4つに分けてフリーランスエンジニアの実態を整理します。
- 年収面
- 人間関係
- 福利厚生
- 社会的信用
実態1.【年収面】フリーランスエンジニアの平均年収は約700万円~1,000万円
フリーランスエンジニアの平均年収は、約700〜1,000万円といわれています。
「フリーランス白書2019」によると、月の平均勤務時間に応じて以下の通りです。
- 平均勤務時間が140時間以上のフリーランス:年収約600万円
- 平均勤務時間が140時間以上200時間未満のフリーランス:年収200万円以上600万円未満
実態2.【人間関係】全員と良好な関係を築く必要はなくなる
フリーランスエンジニアの人間関係は会社員エンジニアとは異なります。
なぜなら、基本的には案件ごとで関わる「人」が変わるからです。
たとえば、会社員エンジニアの場合は苦手な上司がいても自分から避けるのは難しく、良好な人間関係を築かなければなりません。
しかし、フリーランスエンジニアの場合は案件ごとに取引先が変わるため、上司や部下にあたる人はおらず、関わる人間は限定的です。
よって会社員エンジニアのように上司、部下、同僚、取引先などあらゆる人と良好な人間関係を築く必要はありません。
実態3.【福利厚生】会社員が受けられるような福利厚生の制度はない
フリーランスエンジニアには、会社員が受けられるような福利厚生の制度はありません。
たとえば、会社の福利厚生には厚生年金と健康保険、有給休暇などがあります。
また、失業時に受け取れる給付金を保証する雇用保険や、仕事中の病気やケガをしたときの保障が受けられる労災保険もフリーランスは対象外です。
基本的に、フリーランスには会社員が受けられる福利厚生の恩恵はありません。
保険制度などの福利厚生がないと不安な人は、福利厚生サービスも受けられるフリーランスエージェントサービスに登録すると安心です。
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実態4.【社会的信用】フリーランスエンジニアなりたての頃は社会的信用が低くなりやすい
フリーランスエンジニアになりたてのころは、社会的な信用が低くなりやすい傾向です。
なぜなら会社員には在籍する会社の信用があるため、「安定した収入がある人」と判断されやすいでしょう。
一方、フリーランスは基本的に自分自身が所属する会社はありません。
とくにフリーランスになりたての時期は一定額の収入を得ている実績がないため、融資を受けにくいといわれています。
安定した収入がないと思われやすいため、物件を借りたり、クレジットカードを作ったりしにくい場面もあるでしょう。
フリーランスエンジニアとして働くメリット3つ
フリーランスエンジニアとして働くメリットは以下の3つです。
- 得意分野を活かして働きやすい
- 働く場所や勤務時間をコントロールしやすい
- 自分次第で単価の高い仕事を選びやすい
メリット1.得意分野を活かして働きやすい
フリーランスエンジニアは、得意分野を活かして働きやすいのがメリットです。
なぜならフリーランスエンジニアに求められる仕事は、プログラミングスキルを必要とする専門性の高いものが多いからです。
会社員エンジニアは会社の方針や配属部署によって仕事内容が左右されるため、自分がやりたい仕事ができない可能性もあります。
しかし、フリーランスエンジニアなら得意な案件を選び、スキルを活かして仕事がしやすいでしょう。
メリット2.働く場所や勤務時間をコントロールしやすい
フリーランスは働く場所や勤務時間をコントロールしやすいため、自由度が高いといえるでしょう。
フリーランスエンジニアの場合、働き方は大きく分けて常駐型とリモート型の2つです。
職種 | 勤務場所 | 勤務時間 | 報酬 |
---|---|---|---|
常駐型 | 取引先の企業 | コアタイムがある | 時給制が多い |
リモート型 | 指定なし | 指定なし | 出来高制 |
実際、フリーランス白書2020によると約80%のフリーランスは働く時間や場所に満足していると回答しています。
常駐型とリモート型を選択して効率よく働くなら、エージェントサービスを使えば、複数の案件から最適な仕事を選びやすいでしょう。
メリット3.自分次第で単価の高い仕事を選びやすい
フリーランスエンジニアは、単価の高い仕事を選びやすいのもメリットです。
なぜなら会社員は仕事内容を自分では選べませんが、フリーランスはそうではないからです。
会社員エンジニアは仕事の量を増やし、スキルアップをしても年収に直結しないこともあります。
しかしフリーランスエンジニアなら自分で単価の高い仕事を選べるので、頑張っただけ年収を増やせます。
フリーランスエンジニアとして働くデメリット3つ
フリーランスエンジニアとして働くデメリットは以下の3つです。
- 案件が決まらないと、収入が安定しづらい
- 基本的に仕事の責任はすべて自分自身になる
- 確定申告などの事務作業をすべて自分で行わなければならない
デメリット1.案件が決まらないと、収入が安定しづらい
フリーランスエンジニアは、案件が決まらないと収入が安定しづらいです。
なぜならスキルと能力があっても、案件が得られるかは業界のトレンドや社会情勢に左右されてしまうからです。
多くのエンジニア案件は納品まで半年から2年はかかるといわれています。
仮にスムーズに仕事が入ってこない場合、収入がゼロになる可能性もあるでしょう。
デメリット2.基本的に仕事の責任はすべて自分自身になる
フリーランスエンジニアは、仕事の責任は基本的に自分自身が負います。
なぜなら会社員がミスをした場合は会社が責任を負いますが、フリーランスは会社には属していないからです。
システムに不具合を生じさせた、預かった情報を流出させてしまったなどの場合、賠償責任を問われる恐れもあるでしょう。
フリーランスは個人事業主なので、仕事上の責任はすべて自分が負わなければなりません。
デメリット3.確定申告などの事務作業をすべて自分で行わなければならない
フリーランスエンジニアは、確定申告などの事務作業を自分で行う必要があります。
なぜなら正社員の会社員なら源泉徴収があり、税金が給料から天引きされますが、フリーランスは自分で計算して税金を納める必要があるからです。
税金を納めるためには自分で売上と経費を計算し、書類を作成して確定申告をしなければなりません。
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フリーランスエンジニアに向いている人の特徴
フリーランスエンジニアに向いている人の特徴は以下の通りです。
- 未経験レベルではなく、エンジニアとしての勤務経験が少なくとも1年以上ある人
- スケジュール管理が得意な人
- 納期や約束をきちんと守れる人
- スキルや専門性を継続的に磨いていける人
特徴1.未経験レベルではなく、エンジニアとしての勤務経験が少なくとも1年以上ある人
エンジニアの勤務経験が少なくとも1年以上の人は、フリーランスエンジニアに向いています。
なぜならフリーランスになるために熟練者である必要はなく、ある程度の経験とスキルがあれば仕事を受注できるからです。
近年はフリーランスエンジニアも増え、フリーランスと共存しようと考えている企業も増加しています。
よって2021年3月現在では未経験者向けや、高いスキルを求めない案件が多く市場に出回るようにもなっています。
以下のようなスキルがあると、フリーランスエンジニアとして働きやすいでしょう。
- 1年以上の業界経験
- プログラミング言語の知識
- データベースに関する知識
- サンプルをもとに開発できるスキル
特徴2.スケジュール管理が得意な人
スケジュール管理が得意な人は、フリーランスエンジニアに向いています。
なぜなら毎月の仕事量と収入、体力と休暇のバランスを取りながら仕事できる人の方が、活躍しやすいからです。
フリーランスは会社員と異なり、自分の裁量で仕事量を調節したり、好きなタイミングで休み時間や休日を取ったりしやすいでしょう。
しかし、休みすぎると案件の納期に間に合わないため、思うように仕事をこなせません。
フリーランスの働き方は自分でオン・オフにメリハリをつけて、安定したワークスタイルを作れる人が向いているでしょう。
特徴3.納期や約束をきちんと守れる人
納期や約束をきちんと守れる人は、フリーランスエンジニアには向いています。
なぜなら稼げるフリーランスになるためには、取引先からの信頼が大切だからです。
クライアントが指定した納期を守れないと信頼が下がるため、次の契約に繋がる可能性はほとんどないでしょう。
納期と約束を守れるフリーランスほど信頼度が高く、案件を得るチャンスが多いです。
特徴4.スキルや専門性を継続的に磨いていける人
スキルと専門性を継続的に磨いていける人は、フリーランスエンジニアに向いています。
なぜならロボット技術やAIなどの情報関連市場は常に変化し続けているため、専門性を更新できなければ仕事を続けられなくなるからです。
フリーランスは需要が減りづらい、伸びている市場に対応できる専門性が継続的に必要です。
また、フリーランスは即戦力を期待されるため、自分のスキルを正確に理解し、常にスキルを磨く必要があります。
フリーランスエンジニアとして後悔せず、成功するコツ3つ
フリーランスエンジニアとして成功するためのコツは以下の3つです。
- 準備期間を十分に設ける
- 案件を獲得する手段を整える
- 国民年金や国民健康保険に加入しておく
コツ1.スキル不足で独立するリスクを避けるため、準備期間を十分に設ける
フリーランスエンジニアとして成功するためには、準備期間を十分に設けましょう。
なぜなら準備期間で実務経験を積み、スキルを身につけておけば、幅広く仕事が受注できるからです。
実力主義のフリーランスエンジニアの世界では、スキルが高く、自分の能力が市場の需要と合っていると高収入を得やすいでしょう。
また、高単価の案件は短い時間で効率的に稼げるため、勤務形態や時間を自由にしやすくなります。
コツ2.案件を獲得する手段を整える
フリーランスエンジニアとして成功するためには、案件を獲得するための手段を整えておきましょう。
なぜなら仕事を切らさないようにするためには、営業努力も必要だからです。
次の案件に参加できる約束が取れなければ、収入が途切れてしまうでしょう。
個人で営業を続けるのは大変なので、フリーランスエンジニア専門のエージェントを活用するのがおすすめです。
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コツ3.国民年金や国民健康保険に加入しておく
フリーランスエンジニアになる前には、国民年金と国民健康保険に加入しておきましょう。
なぜなら万が一の備えがないと、エンジニアの仕事を継続できなくなるからです。
フリーランスは健康保険に加入できませんから、国民健康保険の加入手続きをしておきましょう。
また、国民年金に加入し、プラスしてiDeCo(イデコ)やつみたてNISAなどの資産運用も活用すると、老後の生活の備えが充実します。
フリーランスエンジニアとして独立する際の注意点3つ
フリーランスエンジニアとして独立する際の注意点は以下の3つです。
独立後の末路が、無計画で「闇」とならないように独立の際の注意点を押さえておきましょう。
- 働けない期間を想定して、所得補償制度のある保険に加入しておく
- 独立前にクレジットカードを作っておく
- 事業用の銀行口座を作っておく
注意点1.働けない期間を想定して、所得補償制度のある保険に加入しておく
ときには病気やけがで一時的に働けなくなることもあるでしょう。
フリーランスの場合、何らかの理由で働けない期間があるとその期間は無収入になってしまうリスクがあります。
たとえばフリーランス協会に年会費1万円で加盟して所得補償制度を利用すると、病気やけがで一時的に働けないときに給与に基づいて保険金を受け取れます。
フリーランスになる際にはフリーランス向けの賠償保険に加入しておくと安心でしょう。
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注意点2.独立前にクレジットカードを作っておく
フリーランスになる前に、クレジットカードを作っておきましょう。
なぜなら安定収入のないフリーランスは、クレジットカードの審査に通りにくいからです。
クレジットカードを作っておけば、その後の備品購入やサービス料の決済などに役立てられます。
また、フリーランスは雑務も増えるので、会社員のうちにクレジットカードの発行手続きを済ませておくとよいでしょう。
注意点3.事業用の銀行口座を作っておく
フリーランスになる前には、事業用の銀行口座を作っておきましょう。
なぜならプライベート用と事業用とで口座を分けておけば、会計管理がしやすくなるからです。
事業用口座だけで収支を把握できるようにすれば、事業で利益が出ているかをすぐに判断できます。
また、確定申告では事業所得に関する取引だけを仕分けする必要もあるので、事業用口座があると手間と時間をかけずに済むメリットも。
事業用の銀行口座があると会計管理がしやすく、もしもの際の税務調査にも対応しやすいのでおすすめです。
フリーランスエンジニアの実態に関するQ&A
フリーランスエンジニアの実態に関するQ&Aは以下の通りです。
Q1.副業解禁でフリーランスエンジニアが増えすぎているってホント?
副業解禁やコロナウイルス蔓延の影響を受け、多様な働き方が広がったためにフリーランスエンジニアも増えているといわれています。
実際、大手フリーランスエージェントのレバテックの2020年1月の調査によると、リモート可能なWEB系の案件が増加傾向にあり、案件全体の約85%がリモートワークで進行しています。
今後もリモートワーク可能なWEB系の案件が増えることで、フリーランスエンジニアとして働きたいと考える人も増えるかもしれません。
フリーランスエンジニアとして独立して後悔しないために、「経験談から学ぶ具体的な対策」に目を通してみてくださいね。
Q2.フリーランスエンジニアとして働いていると、どんな時に孤独を感じる?
フリーランスエンジニアとして働いていると、すべての業務を自分で担当しなければなりません。
会社員だったときとは異なり、案件をこなすだけでなく、営業と経理も自分で行う必要があります。
よって、人によっては頼れる人がいないために孤独感を抱きやすいといえるでしょう。
また、会社で働いていれば上司や同僚に相談することも簡単ですが、フリーランスは基本的に自分1人で仕事をしています。
余計な人間関係に振り回されず、自分のことに集中できるものの、孤独を感じやすい傾向はあるようです。
まとめ
- フリーランスエンジニアは会社と雇用契約を結んでいない
- フリーランスエンジニアは案件が決まらないと、収入が安定しづらい
- フリーランスエンジニアとして活躍するためには十分な準備期間が必要