「生き方」に「働き方」を合わせる時代に
パラナビがスタートした2019年、「働き方改革」という言葉はあったものの、まだまだ一般的には、終身雇用、年功序列、原則出社、副業禁止……などの「昭和的」なワークスタイルが一般的でした。ですが、その後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行を受け、「ニューノーマル」と呼ばれる生活様式が一気に広まり、テレワークもすっかり当たり前という時代になりました。たった数年前まで当たり前だった、「決まった時間に出社して、決まった場所で仕事をする」というスタイルはもはや過去のものになりつつあります。
そして、人生100年時代と言われるほど、寿命が延びている現代。自ずと人生において働く期間も、かつてより長くなっています。その期間に、結婚したり、出産したり、子育てをしたり、ときには病気をしてしまったり。あるいは留学、移住や親の介護など、さまざまなイベントを経験することが考えられるでしょう。
それまでは1日に何時間も働けていたとしても、いつ何時、急にそれができなくなるかもわかりません。そのときに、1つの会社、1つの仕事、1つの働き方に依存していたら、「生き方」もしくは「働き方」、どちらかを犠牲にせざるを得ません。
かつての日本では、それが一般的でした。何かのライフイベントがあれば、キャリアは諦めないといけない。一回休んだら、休む前には戻れない。もし、キャリアを選ぶならライフイベントは後回し。「働き方」に「生き方」を合わせないといけない社会でした。
でも、少子高齢化による労働人口の減少が進む今、誰かに犠牲を強いる働き方しか選択できないままでは、社会全体が生産性を担保することができなくなりつつあります。子育て中の人やシニア、海外にいる人など、さまざまな制限がある多様な人々が長く働き続けられる柔軟な環境にならないことには、働き手は減る一方です。 「長時間」ではなく、「長期間」働く時代においては、無理をしない・させないことが何よりも大切ですし、休むことも必要です。
「どう働くか」は、変幻自在で十人十色
最近では「ダイバーシティ&インクルージョン」という言葉も聞かれるようになりました。多様な人材の個性を受け入れ、認め合い、それぞれの能力を生かしていく、という意味です。
人それぞれ、性格や能力、得意分野が違うように、効率のいい働き方も違います。ある人は、午前中の自宅がいちばん捗るかもしれないですし、ある人は午後のオフィスでないと集中できないという人もいるかもしれません。
さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが、それぞれの環境の中でそれぞれの能力を生かして働き、国や性別、年齢にとらわれず、「得意」を持ち寄る。そして、それは組織や会社といった枠組みも飛び越えていく。そのカギとなるのが「パラレルキャリア」だと私たちは考えます。
「働く女性」の、その先へ
パラナビは「働く女性のための」メディアとしてスタートしました。それは、結婚や出産などのライフイベントによって変化するのが女性側だけであるというバイアスが多少なりとも入っていたからです。もちろん、現状では、女性が、男性よりも出産・子育て・介護等のライフイベントの影響を受けやすいのは変わりません。ですが、今後はさらに社会の変化のスピードが早くなって、そこの男女差はどんどんなくなっていってほしいと考えています。
「パラレルキャリア」は決して、単なる「副業」ではありません。ひとつの時間や場所にとらわれずに、自分で挑戦したいことや人から必要とされることを自由にカスタマイズして働く、新しい働き方です。
パラナビは、働き方の可能性を広げる「パラレルキャリア」という選択肢について、もっとちゃんと知ってほしいという思いから、スタートしました。また、「パラレルキャリア」そのものだけでなく、すべての人が自分らしく働くために必要な情報を発信していきたいと考えています。
私たちは「パラレルキャリア」によって、多くの人のキャリアや人生がもっと豊かになると信じています。今まで、一歩踏み出す勇気を持てずに夢を諦めていた人たちが「パラレルキャリア」という新しい選択肢によって、1人でも多く輝けることを私たちは願っています。