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会社にパラレルキャリアを認めてもらうために大事な心構えとは?

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ここ数年、働き方改革や終身雇用の崩壊により、企業の副業解禁の流れは加速しています。女性向けのマーケティングやPRを行なっているトレンダーズも数年前から社員の副業を認めている会社のひとつであり、パラレルキャリアが実践しやすい会社です。でも、企業にとっては必ずしも、なんでもOKというわけではありません。トレンダーズで人事を担当する吉澤雅代さんに、パラレルキャリアを目指すうえで理解しておきたい企業の考えや、持続させるうえでの心構えなどを、パラナビ編集長の岡部が聞いてみました。

マルチな肩書きが会社にもいい影響に

岡部

最近、副業に関する規定が緩和されて、副業解禁になる会社も増えてきました。パラレルキャリアが実践しやすい時代になってきたかと思います。トレンダーズでは、いち早く社員の社外での活動を推奨してきたそうですが、副業やパラレルキャリアを実践している社員の方はどんな方が多いですか?

吉澤

職種としては、エンジニアやデザイナーが多いですね。場所にとらわれず仕事ができるため、自身のスキルを応用しやすいのかもしれません。あとは、汎用性が高い知識を持っている社員が多いので、プロモーションの知識を活かして、他社でも同様の仕事をお手伝いするケースも。社内で得た知識を上手に活かしている社員もいます

岡部

エンジニアさんやデザイナーさんは確かに、個人でも仕事を受けやすいですよね。それ以外でもプロモーションの領域で、社外で活躍できる方がいらっしゃるのはすごいですね。いつ頃から副業を認めているんですか?

吉澤

5〜6年くらい前からだと思います。すでに多様な肩書きを持っている社員が入社したことがきっかけでしたね。その社員はライター業やイベントへの登壇などマルチに活動していたので、会社としても受け入れるのが自然な流れでした

岡部

その方にとっては、そういったマルチな活動も含めて会社に採用されたということですよね。そこの部分が認められない状態では、それはもう自分ではないというか……

吉澤

そうですね。やはりこれまでの活動を続けた方が、いろいろな業界で得た知見を会社にも還元してもらえますし、お互いにいい関係性を保てるだろうというのが私たちのスタンスです

岡部

当時としては、チャレンジングでもありますよね。実際に、社員の社外での活動が会社に活かされと感じたことはありますか?

吉澤

社内の社員向け研修の一環で、社員の社外のツテで講師をアテンドしてもらえたときがありました。そうすると会社としても社外のつながりが増えるので、とてもメリットを感じます。あとは、もちろん採用にも好影響がありますね。リファラル採用につながります

 

正社員として活躍してもらいながらも個としても尊重したい

岡部

なるほど! 会社にとっても社外のつながりが増えるのはいいことですよね。入ってくる人はそういった懐の深さも魅力に感じて、入社を志望する人もいるのでしょうか?

吉澤

それがメインではないかもしれないですが、「正社員として会社に所属しながらも、これまで頑張ってやってきた活動を続けていきたい」と思っている人には喜ばれていると思います

岡部

とはいえ、寛容にしすぎても、会社として困る場合もありますよね。人事としては副業に対する管理はどのようにされているのでしょうか?

吉澤

まず申請制にしています。やはり会社として副業や社外の活動先がどういう会社様なのかは、確認をしておきたいので、申請フォームを用意して入力してもらっています。申請内容としては、「会社名」「業務内容」「活動する期間」「活動する日にち・時間帯」などですね。土日祝日だけ副業しているパターンの人が多いですが、たとえば平日イレギュラー的にイベントで登壇するケースなどは随時相談しながら決めています

岡部

把握して、守る意味合いもありますよね。基本的にはOKということですが、NG になるパターンも中にはあったりするんですか?

吉澤

例えば、まったく同じ業界の競合と言われる会社様の仕事をするとかですね。それは、認めるのはやはり難しいので

岡部

それは、そうですよね。トレンダーズはマーケティング事業を展開されているわけですが、たとえば個人のインフルエンサーとしての活動はどのような位置づけなのでしょうか?

吉澤

すでに個人でインフルエンサーとして活動していたり、自分で情報発信をしたりしている社員もいますが、その人のクリエイティブな活動については、基本的に容認していますね。個人でSNSを使った仕事ができる時代なので、一定のルールにあてはめるというよりは、ある程度の枠組みを作ったうえで、お互いに話し合いながら進めています。ただ、その人のお付き合いのある会社様については社員を守るためにも確認します


岡部

お話を伺っていると、社員を“個”として尊重しようとする姿勢を感じます。ちなみに、業務時間をはじめ、普段の業務を効率化していかないと、個人的な活動に時間を割いてもいいようなカルチャーは育たないと思うのですがいかがでしょうか?


吉澤

会社全体で効率化も考えていますし、システム導入や定型業務は外部に依頼するなどしています。もちろん時期によりますが、副業を始め、社外での活動をしている人は担当案件を調整しながら、自分でスケジュール管理ができる範囲でやり繰りしている感じですね

 

本業に100%打ち込んでこそ次が拓ける

岡部

私もパラレルキャリアを実践している一人ですが、いろいろと抱え込んでしまって大変な時期もあります。まあ、パラレルキャリア関係なく、プライベートな問題だったり、趣味で忙しかったりとかも同じだと思うのですが。どちらにせよ、忙しいのは自分の問題であって、本業の方に副業が大変でという言い訳は立たないですよね。その分、行かなくていい飲み会とか、くだらない予定を削ればいいだけですし……

吉澤

そうですね。パラレルキャリアを持続させるためには、本業をきちんとすることが大前提ですよね。そうしないと、せっかくの制度も活かされないかなと思います

岡部

自分が好きでやっていることは、どんなに忙しくてもそれを言い訳にしないように心掛けています。いずれにしても本業を疎かにして、そのほかのことをやっても長続きしないですよね。両方、全力でやってこそ、相互に補えるものが見つけられるというか……

吉澤

信用を失ったらできないですよね。信頼関係があるからこそ、会社からも応援してもらえるし、認められるものかなと。本業の仕事をきちんとできる人がやるからこそ、いろんな結果につながっていく

岡部

結果を残してなんぼじゃないですけど、本業に90%の力で打ち込んで残りの10%を充てるというのでは決してない。パラナビのインタビューをしていても、まず本業で認められるまで頑張ったという人がとても多いです。パラレルキャリアは、本業に100%打ち込んでいるからこそ、次のキャリアが拓けてくるようなイメージですね

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Keyword

末吉陽子
Writer 末吉陽子

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