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「アンガーマネジメント」って知ってる?怒るときの“5つのポイント”で、自分の感情とうまく付き合おう

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ストレス社会と言われる昨今。コロナ禍でなかなかリフレッシュできず、友達と会ってストレス発散するのも難しい……。最近ちょっと、イライラを周りの人にぶつけちゃっているかも! そう感じる方にお伝えしたいのが、正しい「アンガーマネジメント」の方法です。自分の怒りとうまく付き合って、いい人間関係を築くコツを学びましょう。
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「アンガーマネジメント」って何?

アンガーマネジメントという言葉、聞いたことはありますか? アンガーマネジメント講座をする職場も増えていて、“とりあえず、6秒待つやつですよね”と答えてくれる方もいます。よくある勘違いが、「アンガーマネジメント=怒らないようにする方法」というものです。アンガーマネジメントは、怒ることを否定するためのものではありません。

そもそも、怒りは自然な感情なので、努力で制御できるものではありません。怒ることを否定するということは、その感情を持ったことを否定することになってしまいます。そんなの辛いですよね。笑ったり、泣いたり、いろいろある感情表現のうちの1つに「怒る」があってもいいんです。

では、アンガーマネジメントとは何か。それは「怒りの伝え方」を学ぶということです。怒りは2次感情といわれ、もともとの感情(1次感情)によって引き起こされるものです。例えば「もっとこうして欲しかった」という期待や「なんで私を置いて行っちゃうの?」という寂しさがあって、初めて生まれるのが「怒り」です。つまり、表現方法を工夫してうまく1次感情を伝えることができれば、周りに怒りを撒き散らさずに済むんです。

「アンガーマネジメント」って知ってる?怒るときの“5つのポイント”で、自分の感情とうまく付き合おう

「よくない怒りの4原則」を知ろう

よくない怒りの4原則というものがあります。この4つ、心当たりがないでしょうか?

  1. 強度が強い:声が大きいこと、口調が強いこと
  2. 攻撃性がある:ものにあたること、力に訴えること、人格を否定すること
  3. 頻度が高い:つねに不機嫌でいること、ささいなことで怒ること
  4. 持続性がある:一度怒りだすと、それがずっと続くこと

まずは、怒る時の言葉を思い出してみましょう。「バカなの?クソだな!」と言ってしまうこと、ないでしょうか。文字にすると強く見えますが、意外と無意識で発言している人をよく見かけます。これは人格否定になるので、職場ならハラスメントの対象です。また、「こんなこともできないの」「どうせあれもできないんでしょ」など能力を否定するような発言も、相手の自尊心を傷つけるため、NGです。

また、連続性を示す「いつも」「絶対」というワード。褒めるときにはいいですが、怒るときに使うと「どうせ私は努力してもダメなんだ」と落ち込ませてしまい、やる気を削ぐ可能性があるので避けましょう。また、そもそも怒りの内容がはっきりしていない場合は、ただの八つ当たりになってしまいます。忙しいときや理不尽にさらされたとき、八つ当たりしたい気持ちはわかりますが、伝えるべきことをまず整理することをおすすめします

それから怒る場所も大切で、誰かを人前で怒ることは羞恥心を煽ります。パーソナルスペースを守らず、近距離から大声で怒るのも、相手に不要な恐怖感を与えてしまいます。

「怒る頻度が高い」「持続性がある」も重要ポイントです。どのタイミングで怒り出すかわからない人や、ほんのささいなことで怒っている人には、近づきたくなくなりますよね。一度怒り始めると、その日ずっと怒っている人も嫌なものです。周りは話しかけるタイミングを取れず、つねにご機嫌を伺う体制になってしまい、雰囲気がギスギスします。

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後輩を叱るときは、こんな言い方で!

例えば職場で後輩がわかりにくい資料を作ってきたとき。「こんな資料じゃ全然ダメ。この程度で、これからどうするの?」ではなく「あなたならもう少し、相手に寄り添った資料がつくれるんじゃないかな」と言ってみたらどうでしょう。その後輩が自分に足りない視点に気づければ、すぐに成長につながりますし、わからなければ先輩に「どうすれば、わかりやすい資料にできますか?」と聞けますよね。足りない点を責めるのではなく、改善する方法を一緒に考えていくことで、チームワークの向上にもつながります。

もう1つ具体例をご紹介します。仕事が遅い後輩に「お前は仕事が遅いんだよ!」と怒るのは避けましょう。もしかしたら、仕事の内容はすごくいいのに、スピードだけが足りないのかもしれません。「期限を過ぎてしまったけど、内容はすごくいいね。でも、期限は守ってもらいたくて、どうしたら解決できるだろう?」と一緒に考えてみるのもいいですね。恐怖が励ましの言葉に変わり、やるべきことが明確になります。

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「いい怒り」にするためのポイント5つ

それでは、「いい怒り方」について具体的に見ていきましょう。ポイントはこちらの5つ。

  1. そもそも、怒るべきかどうかの判断をしよう
  2. 伝えたいことを具体的かつ明確にしよう
  3. 怒りの対象が「変えられるものか、変えられないものか」考えよう
  4. 相手の「行動」に対して怒ろう
  5. 相手の意見をちゃんと聞こう

まず、「そもそも怒るべきか?」という判断を忘れてしまう人は多いです。いったん冷静に考えてみましょう。そして、自分の伝えたいことを具体的かつ明確に示すこと。今の自分のイライラは何が原因なのか、一度自分に問いかけてみることはすごく大切です。単に自分の虫の居所が悪いという理由で他人に当たったら、信頼を失いますし、ただの迷惑です。

そして、怒りの対象が努力で変えられることなのか、そうでないのかの見分けも重要。例えば雨降りの週末、誰でもついどよんとして、ぶっきらぼうになりがちです。しかし誰が何を言っても、怒っても、天気は変わりません。雨に怒ったとしても意味がなく、損です。冷静に、怒って変えられるものなのかどうか見極めましょう。

次に、相手の人格ではなく、実際にとった行動に対して怒ることです。先ほど「バカ」とか「クソ」はよくないとお伝えしたのは、この観点からです。ほかにも例えば「ほんとあなたって暗いよね」と言うのもよくありません。それはその人の性格ですし、おっとりしていて落ち着いた素敵な人と言えるかもしれません。

そして最後に、相手の意見をしっかり聞くこと。もしかしたら、他人からは見えないだけで、相手がその行動をとった背景や意味があるのかもしれません。それは、相手の話を聞かないとわかりませんよね。アンガーマネジメントとていねいなコミュニケーションをすることで、ただの怒りが「現状の把握→課題の解決→厚い信頼関係」へと変わっていきます。

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どうしても怒っちゃう……そんな人は病院へ

気をつけていても、やっぱり大声を出して怒っちゃう。そんな人は、もしかしたら不安やストレスが溜まっているのかもしれません。アロマやお香でリラックスしたり、ゆっくりお風呂に浸かったり、バランスのいい食生活を心がけたりすることから始めてください。

それでもどうしても怒りが止まらないという人には、メンタルクリニックへの受診をおすすめします。最近いきなりイライラしやすくなったなら、急激な不安の表れかもしれません。また月経周期によるのなら、PMSかもしれません。そうした理由でなくても、漢方をはじめとした内服薬でイライラをコントロールすることは可能です。実際に私の患者さんにも、怒りっぽさを治療している方がたくさんいらっしゃいます。

長引くコロナ禍で、イライラが溜まっている人が多いようです。アンガーマネジメントで、少しでも笑顔の多いすこやかな毎日を送りましょう!

>「スポーツ精神科医が教える 日常で活かせるスポーツメンタル」(法研)はこちらから!

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木村好珠
Writer 木村好珠

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