Paranaviトップ お仕事 働き方 元AKBからアナウンサーとモンテッソーリ教師へ。二刀流の新しい働き方、堀江聖夏 さんが幼児教育で大切にしている「伝え方」とは?

元AKBからアナウンサーとモンテッソーリ教師へ。二刀流の新しい働き方、堀江聖夏 さんが幼児教育で大切にしている「伝え方」とは?

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子役時代から長い芸歴を持ちアイドル活動を経て、現在はアナウンサーとして活躍する堀江聖夏さん。アナウンサーとしての活動の一環で絵本の読み聞かせをしていたところ、大学時代に学んでいた幼児教育の面白さに改めて気づいて、モンテッソーリ教育などの教育論の学び直しをしたそうです。子どもの「主体性」を育む教育の重要性を伝える彼女の強い使命感とは?

大人になってから物語を読む新鮮さ

――アナウンサーをしながら、保育士や読み聞かせイベントの主催など幼児教育に関わる活動もされているんですね。

保育士の資格を活かして、「ネスインターナショナルスクール」で保育士、モンテッソーリ教師として働いています。保育園に行かない日は、教育の勉強やYouTubeなどでの発信、ママさんインタビューをしたりして保育教育の深掘りの時間に費やしています。8時から16時まで保育の現場で勉強し、18時から夜までアナウンサーの仕事でロケや収録があるというスケジュールです。アナウンサー業は事務所に所属しながらやっていますが、教育系の仕事は2023年3月に立ち上げた自分の会社でやっています。

――幼児教育に興味を持たれたきっかけはなんだったんでしょうか。

12歳離れている弟がいて、小さいころから面倒を見る機会があったので、自然と小さい子が好きになりました。大学も幼児教育課を卒業し、幼稚園教諭と保育士の資格を取得していたので、幼児教育の道に進むことに違和感はありませんでした。

堀江聖夏さん

――その流れで絵本の読み聞かせも始められたのでしょうか?

アナウンサー活動の一環で、小学校のボランティアをしていた際に子どもへの絵本の読み聞かせをする機会があったんです。私自身、幼少期に読んだことがある絵本を大人になって読み返したときに、子どものころとは違う感情を抱き、大人ならではの視点で物語を楽しめる素晴らしさに気が付きました。そこで「大人の読み聞かせイベント」を企画して、読み終えた後の気持ちや、絵と文に向き合う時間をみなさんとも共有したいと思ったんです。先日読み聞かせイベントをした「100万回生きた猫」でも、まさにその感覚を味わいました。

――堀江さんの優しい声や表情で読み聞かせしてもらうと、大人でもなんだかジーンとしてしまいます。

うれしいです。私自身も小さいころに祖母が絵本を読み聞かせしてくれたことが大切な思い出になっていて、聞いてくれた人が温もりを感じられるようにしたいと思っているんです。読み聞かせイベントは、ただ本を読んで聞くだけではなくて、皆さんがどんな感情を抱いたのか書いてもらったり、シェアしたりしてグループ内で深い対話ができるのも魅力だと思っています。

自分の「やりたい」気持ちを大切に

――モンテッソーリ教育に興味を持ち、学校にまで通うという学びへの貪欲さに感心します。そのバイタリティはどこから来るのでしょうか?

私は、小学生のときに子役でデビューした後、AKB48のチームBに所属、脱退してアーティストとして活動し、ミュージカルにも出演するなど、ずっと芸能の仕事をしてきました。

そうやって続けてきた芸能活動を辞めるとき「本当は辞めたくない」という自分の気持ちを言い出せなかったんです。それまで親が決めてくれた道を歩いてきたので、自分の気持ちに自信が持てなかったのかもしれません。ですが、自分の意志で伝えることができないと、周りや環境のせいにしてしまうし、これからの人生で後悔してしまうと気づいたんです。その経験から、これからは自主的に発信、行動し、責任をもって生きていこうと決意して、やりたいことはやってみるという精神に繋がったのかもしれません。

モンテッソーリのえほん

モンテッソーリ教育には、今お手伝いをしているインターナショナルスクールで出会いました。子どもの自主的な活動につながる環境を整えるという考え方が、まさに自分自身が後悔していたことと繋がっていると感じています。モンテッソーリ教育の普及を通して、子どもたちに「自分がやりたいことをやっていい」ということを伝えていきたいですね。「モンテッソーリのせいかつえほん」というシリーズも、子どもの自主性を育む工夫がされていて、おすすめです。

――今後のキャリアプランはどう設計されていますか?

モンテッソーリ教師とアナウンサーの仕事を活かして「子どもたちの個性が尊重された居場所」をつくり、教育のことをアナウンサーとして発信していきたいと思います。 今は自分自身もベビーシッターとして子どもの命を預かったりもしているので、近いうちに「お母さん、お父さんが子どもを安心・信頼して預けられる」シッター (ナニー)事業を行いたいと思います。自分1人だけの力では多くの子どもたちに届けられないので教育に熱い仲間を増やして、子どもたちの個性が輝く居場所の輪を大きくしていきたいです。

 

一方でフリーアナウンサーは、幅広い分野の仕事に携わるので、資格を取得するなど専門的な知識を身につけていきたいとも考えています。これからの時代、何か1つの分野に特化しているという強みがないと、自分の軸がわからなくなってブレてしまうことも多いと思います。私は、教育や子どもが好きという自分なりの個性を見つけたので、それを「読み聞かせ」という活動を通して深めていこうと、今は芽を咲かせる準備をしている時期ですね。

少しでも行動を積み重ねていけば未来は変わる

――競争が激しいアナウンサー業界で、堀江さんはしっかりと意思決定できているなと感じます。

「後悔しないこと」をいちばんに考えているからかもしれません。例えば、私は毎日ブログを書いているんですが、来年も毎日ブログを書いている自分でいられるのか、それとも何もしていない自分になってしまうのか、と考えると今日も書こうと思えるんです。止まっているよりは、日々挑戦して行動しているほうが好きなので、どんな形でもまずは行動しようと心がけています。私は子どもたちにHAPPYを届ける人になりたいという意志があるので、そこからブレないための意思決定は日々しているかもしれませんね。

堀江聖夏さん

24年3月にモンテッソーリ教師の資格を所得した堀江さん

――アナウンサー時代に培った向上心でしょうか?

お天気アナウンサーになったきっかけはミスコンからでしたが、今となっては「伝えられること」が私の活力の源になっています。絵本もそうですが「言葉を通して伝えること」はとても大事なこと。「伝えた」と「伝わった」は違うし、言葉を通してちゃんと伝えていくことの大切さは、絵本もアナウンサーも共通していることなので、自分がアナウンサーになったのも何かを伝えるための手段だったのかなと思います。

――パラナビ読者には、自分のキャリアについてモヤモヤしている人も多くいます。読者に向けて、メッセージをお願いします。

「20歳の顔は自然がくれたもの、30歳の顔はあなたの生活によって刻まれる。50歳の顔には、あなた自身の価値が表れる」というココ・シャネルの言葉があります。私はこの言葉が大好きで、自分の部屋にも飾っているくらいなんです。笑いジワなのか、釣り上がった眉毛なのか……将来自分はどんな生き様を顔に表したいかと考えて生きていくと1日1日を大切に生きられるのではないでしょうか。

堀江聖夏(ほりえみな)●立教女学院短期大学 専攻科 卒業。日本テレビの「ザ!世界仰天ニュース」に子役としてデビュー後、AKB48チームBに所属。脱退後、avex WORLD AUDITION 2008に出場し新人部門賞を受賞。現在はセントフォースに所属、フリーアナウンサーとして活躍し、日本テレビ「バゲット」やBS日テレ「汐留TV!」、Bリーグ川崎ブレイブサンダース アシスタントMCなどに多数の番組に出演。同時に保育士・幼稚園教諭・モンテッソーリ顧問として学研キッズネット「シゴトのトビラ」アシスタントも務め子どもたちが「自分らしく」生きる場所を届けるため活動中。

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杉森 有規
Writer 杉森 有規

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