Amazon Prime Videoで配信されたリアル婚活サバイバル番組「バチェロレッテ・ジャパン シーズン2」。皆さんはリアルタイムでご覧になりましたか？ 今回、真実の愛を見つける旅に出たバチェロレッテは、経営者として成功しながらも、誰もが心を奪われる美貌を持つセレブ女性の尾崎美紀さん。このコラムでは、配信されたエピソードの中で見られた男性陣のアプローチについてアレコレ言いつつ、男女ともに参考にできる恋愛のテクニックについて考えていきます。（ネタバレがあるのでまだ観ていない人はご注意ください！）
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インパクトが空回りするファーストアプローチ
今回のバチェロレッテである尾崎美紀さんは、Forbes誌が発表した『Forbes 30 Under 30 Asia』で、アジアを代表する“世界を変える30歳未満の30名の起業家”としても選出されたことのあるカリスマ経営者です。男女ともに認める圧倒的な美貌を持っているだけでなく、経営者としても成功している美紀さん。そんな彼女に17人の個性溢れる男性が、限られた時間の中で猛アプローチしていきます。物議を醸したシーズン１の福田萌子さんも、かなりのパーフェクトぶりで参加者（と視聴者）を圧倒していましたが、美紀さんもまたベクトルの違った魅力で男性たちを翻弄していきます。
まずは、いちばんはじめの顔合わせ。第一印象が決まる大切な瞬間です。17人もライバルがいると、埋もれてしまわないようにインパクトを残すため、誰しもが頑張ります。そんな最初の顔合わせで、少しでも目立とうとした結果、どう反応していいかわからない、空回りしているアプローチが複数あったように感じました。爪痕を残す……まではいいのですが、悪いほうに転ぶと一気に場の空気が凍ってしまうので、「一か八かの賭け」に失敗してしまったパターンとも言えそうです。
なんといっても印象に残ったのは、ほら貝を吹いて登場した劇団員の雲母翔太さん。もう美紀さんも笑ってましたよね（笑）。それなのに、目の前に来てまた吹くって……。雲母さんのハートも相当強いですが、美紀さんも、よく笑いをこらえた！ と感心してしまいました。
ほら貝のインパクトは絶大で、記憶に残すという点ではトップクラスだったことは間違いありません。ですが、相手がどんな反応になるのかを考えるとリアクションに困るという可能性も出てくると思うので、それが考えられなかったのは残念なところ。結果、美紀さんからローズはもらえず……。視聴者に笑いを届けるという点でのみ、サービス精神が発揮されてしまいました。
良くも悪くも反響を残した「ほら貝」での登場。
次に、映画監督の佐藤駿さん。スーツ姿は、男性が一段とカッコよく見える衣装。長身でスタイルも良い佐藤さんが颯爽と現れた姿は、かなりかっこよく見えたはず。実際に配信前の段階では、インスタがかっこいいとネットの一部では話題にもなっていました。それなのに、サングラスをかけて途中で外すという、単純にナルシストにしか見えない行動をしたことで一気にネタ枠に……！
第一印象でナルシストに見える男性に引いてしまうという女性も多いはず。美紀さんも思わず「（サングラス）外すんだ」と、口に出てましたし、「それいらなくない！？」と誰しもが思ったのではないでしょうか。
また、誰も呼ばない名前で呼びたいという意図から尾崎さんのことを「おみちゃん」と呼びますが、これも若干空回りな印象。こういう「俺は違う」アピールがちょっと不思議な形で出てくる人、たまにいますよね。これはごく稀にハマる相手にはハマりますが、ほとんどの場合滑ってイタイ人になってしまうという諸刃の剣といえます。
もう1人、イラッとする態度を取っていて残念だなと感じたのは、バイクで登場したタクシードライバーの平山大さん。後ろから登場して、美紀さんがなかなか気付かなかったことに対して、「全然見てくれないから……」と、笑顔ひとつなくカッコつけている姿が、相手のこと思っている態度に思えず、悪印象。その後もカクテルパーティの2人きりで話せるチャンスのときに、「特に話したいことはない」と口走るなど、絡みづらい印象しか与えません。
記憶に残ろうとして相手のニーズにないことをやってしまうと、ただただゼロがマイナスになるだけ。リアリティ番組では視聴者サービスになりますが、リアルでは、数ヶ月後に友達に語るエピソードトークとして消費されるくらいが関の山。逆に何もしないほうがマシと言えるかもしれません。エピソード１のカクテルパーティでは2人になる時間を持てなかったのに、しっかり終盤まで残っているバスケットボール選手の長谷川さんは、その点では最強だったと言えるかもしれません。（もっとも、長谷川さんは最初から美紀さんのタイプ枠だったという説も……）
一方で、とても印象が良かったのは、「港区おじさん」こと起業家の田村一将さんとプロバスケットボール選手の佐藤マクファーレン優樹さん。田村さんは、リラックスしてほしいとアロマオイルをプレゼントして、マクファーレンさんは、緊張をほぐしたいと手作りチョコレートをプレゼントしていました。相手のことを思う気持ちと、センスの良さが嬉しいポイントです。
自分と同じタイプには弱みを見せられない？
さんざんダメ出ししてしまいましたが……、そんな私の推しメンは飲食店経営の小出翔太さんです。これは、私自身の見た目の好みも入っていますが（笑）、エピソード2で動物デートをしていたときの無邪気さに不覚にもキュンとしてしまいました！ また、美紀さんと同じ出身地でお互い経営者ということもあって、経営者の大変さというのを分かち合える関係になれるのではないかと思っていました。
ところが、小出さんとのお別れは意外と早くやってきます。美紀さんは、今までずっと仕事に生きてきたタイプで、経営者として鎧をかぶることが多かったというのもあり、旅のテーマを「鎧を脱ぐ」としていました。しかし、小出さんは「経営者である以上、鎧はどんどん強くしていくのがいいと思う」と、美紀さんのテーマとは真逆の考えを持っていることから、エピソード3であっけなく脱落することに……。
「鎧を脱ぐ」ということは、自分の弱い部分を含め、ありのままを見せられる状態。その状態になれるのは、同じ境遇を味わっている人よりも正反対のタイプの人なのかもしれません。自分と同じ境遇の人は、わかったつもりで経験からアドバイスをしてしまいがち。そのため、ありのままの姿を見せる前に、背中を押され、頑張り続ける状況になってしまいます。その点、自分とまったく違うタイプの人であれば、わからないからこそ、よく頑張ったと素直に受け入れてくれるのではないでしょうか。
距離を縮めるために、気持ちを行動に移すことが大切
日常の中で恋愛をするとなると、少しずつ距離を縮め、自分に好意があるか確認しながら、時間をかけて恋人になることができますが、「バチェロレッテ」では限られた時間の中で真実の愛を見つけなければなりません。
そんな様子を見ていると、改めて大切なことは、やはり、気持ちをしっかり言葉にし、行動に移すことであるように思います。美紀さんも、17人の中で惹かれていっているのは、しっかり言葉で気持ちを伝え、行動に表すことができている人だという話をしています。
例えば、マクファーレンさんとの気球デートでは「こんなに素直に思ったことを言ってくれて、行動してくれる男性はなかなかいないし、本当に素敵だと思ってる」という風に語っていました。
もはやバチェラーシリーズの名物？ とも言えるロマンチックな気球デート。
他の男性からするとやりすぎだという意見もありますが、本当に大切だと思う人と距離を縮めるためには、心で思っているだけでは伝わりません。他愛もない話をするだけでなく、しっかり好きという気持ち、大切に思っている気持ちを言葉や行動で示すことが必要です。
これは男性だけではなく、女性にとっても同じ。「バチェロレッテ」や「バチェラー」では、長く旅を共にする仲間として、同性の参加者同志の友情も芽生えがち。ですが、そっちばかりを意識した行動をとってしまうと、恋愛対象からはどうしても外れてしまい「一体何しにきたの？」という状態に。信頼関係を築くまでは、恥ずかしがらず、自分の想いを言葉で表現し、行動していきましょう！ 自分の行動を変えることが、パートナーとなる人とのつながりに変わっていきます。
ちなみに、マクファーレンさんは美紀さんへの猛烈アプローチのために、男性陣の中ではヒール役となっていました。もう1人のラストに残ったバスケ選手の長谷川さんが、男性陣にも慕われていた様子とは対照的とも言えます。バチェラーシリーズの中で、ヒール役の人がここまで残るのは初めてではないでしょうか。
次回は、美紀さんの最後の決断にフォーカスを当てつつ、先日（大変おめでたいことに！）妊娠を発表したばかりの初代バチェロレッテ・福田萌子さんとの違いについて、考察していきます。
