Paranaviトップ ライフスタイル 家事/育児 幼・小・中・高校受験、それぞれの特徴とメリットまとめ。幼稚園考査が“人生最後の受験”という人も…

幼・小・中・高校受験、それぞれの特徴とメリットまとめ。幼稚園考査が“人生最後の受験”という人も…

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「働きながら子育てが大変」と聞くたびに、心配になることって沢山ありますよね。この連載では、小・中学受験をテーマにした小説「天現寺ウォーズ」「御三家ウォーズ」の作者で2児の母である佐野倫子が、取材や実体験をもとに、働くママに「ワーママライフハックのバトン」を渡したいと思います。

受験を「どのタイミングで何回するか」考えたことはありますか?

お子さんがいらっしゃる方、将来お子さんを持つことを検討している方。突然ですが、お子さんの受験をどのタイミングで何回するか、検討したことはありますか?

幼稚園受験、小学校受験、中学校受験、そして高校受験。最終学歴となることが多い大学受験の前にも、さまざまなチャンスがあり、それぞれの受験に特徴があります。ご自身が経験していればイメージができると思いますが、地域や時代が変わればそう単純でもないでしょう。

情報が溢れているものの、全てを経験した方はほとんどいないので、比較検討が難しいのも事実。そこで今回は「どの受験にどういうメリットがあって、どんな子が向いているの……?」という素朴な疑問について、考えてみましょう。

幼稚園受験のメリットと、向いている子の特徴

「幼稚園に受験があるの……!?」と思われた方もいるかもしれません。都心の限られた地域ではありますが、名門とされる私立幼稚園が存在し、そこは毎年かなりの倍率になります。

人気がある幼稚園は「名門小学校合格数が多いお受験幼稚園」と、「名門校の附属幼稚園」に大別されます。前者で有名なのは若葉会、枝光会系、愛育など。ここから早慶附属小学校などの名門小学校を受験、進学するのが王道ルートです。

後者、名門校附属幼稚園の筆頭は青山学院幼稚園、暁星幼稚園、学習院幼稚園など。こちらは基本的にエスカレーターで小学校に上がることができます。筆者の友人にも東洋英和幼稚園出身の方がいて「私、受験は人生で幼稚園が最後なの」と言っていて、おお! そういう人生もあるのね! と目からうろこでした。

いずれの幼稚園も入園のためには考査があり、行動観察や親子面接、運動能力やコミュニケーション能力を見るテストがあります。そのために幼児教室に通う方も少なくなく、ある程度、時間とお金をかけて親子で準備をする必要があるでしょう。

向いているのは大人の指示をきちんと聞くことができる早熟な子や、元気いっぱいで好奇心旺盛な子。何よりも、幼稚園のカラーがはっきりしているため、ご家庭が教育方針に賛同し、協力的でいることが前提となります。

幼・小・中・高校受験、それぞれの特徴とメリットまとめ

小学校受験のメリットと、向いている子の特徴

もっともお金がかかる受験と言われることも多い小学校受験。「高級外車1台分」塾代がかった、なんていう話もあります。

人気の小学校といえば慶應義塾幼稚舎、青山学院初等部、学習院初等科、早稲田実業学校初等部、慶應義塾横浜初等部などが思い浮かびますね。当然これらの学校に入学するのは高倍率の試験を突破する必要があります。幼児教室に数年間みっちり通うなど、親子で時間とお金をかける覚悟が必要です。とはいえ受験する本人はまだ小さいので、ある程度「ご縁」が必要な世界だと割り切って、親御さんは必要以上にのめり込まないようにするのがいいようです。

実は私立小学校・国立小学校は意外にたくさんあるもの。倍率もそこまで高くなく、特色ある素晴らしい教育をしているところがたくさんあるので、まずは調べてみるのがおすすめ。まだ小さいうちに、1年ほどの準備で中学がある学校に入ることができれば、近年過熱の一途をたどる中学受験に比べて負担が少ないとおっしゃる方もいます。

試験はペーパーテストや行動観察、面接、運動テストなど学校によってさまざま。その準備のために幼児教室に1年以上は通うのが一般的です。

こちらもやはり早熟な子に向いていると言えます。ペーパーテストでは測れない積極性や協調性、ご家庭でのしつけなども関係してくるため、日常生活全般で対策をすることができるでしょう。

中学受験のメリットと、向いている子の特徴

2024年も過去最高人数が参戦すると予想されている中学受験。小学校4年生から3年間、進学塾に通うのが王道です。

御三家と呼ばれる、東大合格者ランキングを占有するような超名門校を筆頭に、伝統校、新進行、男子校、女子校、共学などさまざまな特色があり、選択肢の豊富さが魅力です。入試は基本的に国語算数理科社会の4科目で構成され、なかには大人も驚くような難問も。子どもの勉強量は最上位校では大学受験にも匹敵すると言われています。

最大のメリットは、中高一貫校に入ることで高校受験を回避でき、落ち着いて6年間、部活や勉強に取り組めること、一生の友人を得られること。

中学受験のための進学塾に、3年間で300万円前後かかるのが一般的です。また合格後も、6年間授業料や交際費、塾代がかかるため、ある程度経済的な見通しを立ててから参戦するのがオススメです。お子さんにとって、膨大な知識を体系立てて学ぶ初めての経験となります。新しいことをどんどん吸収できる、知的好奇心が旺盛なタイプのお子さんに向いています。

とはいえ、もちろんいろいろなタイプのお子さんが合格していますので、受験勉強に苦手意識さえなければ、相性のいい学校を探すことも重要になります。

幼・小・中・高校受験、それぞれの特徴とメリットまとめ

高校受験のメリットと、向いている子の特徴

もしかするとご自身は初めての受験が高校受験だったという方も多いかもしれません。

高校受験は公立・私立、それぞれの選択肢が豊富なので、よりお子さんに合った学校を選ぶことができます。経済的にもいちばんコストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

都立高校などは、入試の際に中学の成績をもとに、内申書が必要です。そのため、学校生活が充実しているタイプのお子さんには、コツコツ積み上げたものを発揮しやすい入試と言えるでしょう。ただ、成績をつける教師との相性、という側面もあり、その不確実性から高校受験を回避するために中学受験をするという方も一定数いらっしゃいます。

大学入試との間隔が3年しかないので、通塾が連続するなどのデメリットはありますが、高校入試ともなれば本人が主体となる受験のため、親御さんの負担は比較的少ないと言えます。ただ、思春期と重なっているので、反抗期で勉強しないのが心配、とおっしゃる方もいました。

部活も勉強も頑張れるタイプの子、英語力が突出していて名門私立の3科目入試で勝算が高い子などにオススメです。また経済的な負担を減らしたい場合は、高校受験が作戦を立てやすいと言えます。

ご家庭の状況に合わせて、組み合わせながら選択できればより納得感のある受験ができるはず。ぜひ、ご家族で少しずつ話し合いながら検討していただければと思います。

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佐野倫子
Writer 佐野倫子

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