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母が語る「中学受験のリアルレポート #10月編」。志望校別の冠特訓が効果大!

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中学受験を題材にした小説「御三家ウォーズ」、「中学受験ウォーズ 君と私が選んだ未来」(2023年11月発売予定)のためにたくさんの受験生親機に取材を重ね、実際に2024年中学受験生の母となり、いつのまにかもう10月。……いよいよ来ました、共働きで中学受験、本番です。今回は、せっかく(?)のチャンスなので、「リアル働く母の受験期直前期レポート」をお送りしたいと思います。

小学校の行事は盛りだくさんの秋。しかしそれどころじゃない……!?

まるで「精神と時の部屋©ドラゴンボール」のような、苛烈で濃厚な夏期講習を終え、ついに秋がやってきました。

私のイメージでは、受験生にとって秋は総完成の時期。これまで培った基礎力を土台に、一気に志望校に向けての総合演習に入り、ガガッと目を見張るような成長を見せる、予定でした。

しかし……実際はそううまくいかないのがのんびり屋の我が息子。穴だらけというか、穴しかない様相です。大丈夫なのか……!?

本当は学校を休みたいくらい。しかし、休んだからといって1日中勉強しているとは思えないし、私も仕事がありますから、正直言えば給食を食べてきてくれるほうがありがたい。

かくして我が家は6年生も皆勤を継続中ですが、志望校へ小学校に書いていただく調査書の提出がないお子さんは、たまに体を休めるために学校を欠席している模様。

否定的な意見もあるかもしれませんが、おそらく、塾が極まってきて、就寝も遅くなっているので、体調が優れない朝もあるはず。きっと睡眠をとっているのでしょう。

そんなわけで学校は休まず行っている我が家。しかし新たなる問題が発生しました。運動会や移動教室、修学旅行や学芸会などの学校行事が渋滞中なんです……。当然ですよね、6年生は小学校生活の集大成。そうでなくちゃ面白くありません。

しかし、行事が続くと疲労がたまりやすくなり、息子はいつも眠そうです(涙)。8時間睡眠は死守していますが、土日は塾に10時間以上いてテストを受けまくっているので、きっと疲れがたまっているのでしょう。

「よし、今日は思い切って早く寝て、明日早起きしよう!」と19時半に寝たこともありますが、翌朝8時まで寝ていて、ただただたくさん寝ている事態に。

中学受験のリアルレポート #10月編

そんなこんなでちっとも勉強が思い通りに進みません。

でもそれはちょっと脇に置いておいて、働く母である私は、一緒にいる時間が少ない分注意深く子どもを観察する必要があると感じています。

というのも中学受験の渦中にいると、次第に、小学生で長時間塾に行っていることを当たり前のように感じてしまい、テストの点や偏差値のほうに気を取られてしまいます。

でも、それはやっぱり間違いで、頑張っているところやしんどいところをしっかり見てあげないと、子どもを追い詰めてしまう可能性があるなと。

だからこそ、日々の子どもの様子をよく見てあげたいと思うようになりました。仕事をしながらだと、これが結構、難しいです(涙)。でも塾では「この時期、ストレスが極限に達して、問題行動が出てしまうお子さんもいます」というお話もあって、直前期まで、私もできるだけ息子に寄り添いたいと思いました。

志望校別「冠特訓」は影響絶大!

後期は、ほとんどの塾でいわゆる「冠特訓」が始まります。志望校別に、出題傾向に沿った演習をするクラスです。息子が通うSAPIXでは「サンデーサピックス」、通称SS。なんか強そう……。早稲田アカデミーでは「何が何でも○○」、通称NN。何が何でもの頭文字なのか……と少々遠い目になったり。

SSは原則、志望していれば冠クラスに入れますが、まあこれも6年前半から少しずつ、偏差値をベースに塾から囲われて誘導されていく感覚はあります。

NNに関しては、完全に資格制。所定の試験で基準点をクリアする必要があり、おおむね学校別模試の上位半分で資格を得ることができます。

中学受験のリアルレポート #10月編

SAPIXのSSは、6年生の9月スタート。同じ学校を目指す猛者たちと、毎回の小テストの点数で席次を争います。昨年、その学校に何人の合格者が出たかというのは公表されていますので、それがざっくりとした合格ラインということになるでしょうか。

息子の校舎では、志望校に毎年3~7人ほどの合格者が出るので、席次も5番以内を目指したい。しかしこれがまさしく一進一退。SSはお弁当を持って朝8時から始まるのですが、前回は息子曰く「お弁当食べ過ぎて午後イチのテスト、うとうとした」そう。結果8位。……課題は山積みです。

当初は、11時間も塾にいて勉強するなんて無理ムリ、と思っていましたが、ありがたいことに仲間の存在は大きく、ライバル意識なのか連帯感なのか、クラスメイトと一緒に頑張ってくれています。

一方働くお母さんにとって、この土日の長時間の塾、じつは絶好の息抜きタイム。最初は私も「息子が10時間も勉強しているのに私ばっかり遊ぶのは……」と謎に罪悪感に苛まれていましたが、ここは割り切って、少し息抜きがおススメです。

なぜなら、仕事と中学受験の伴走は、本当に厳しいです。毎週のように学校説明会や塾の保護者会、平日は教材の整理、直前期になれば大変神経を使う出願作業などもあります。

絶対に、お母さんは息抜きをする必要があるのです。

休みながら、お子さんに向ける笑顔はフルスロットル、というのが正しい作戦ですね。

受験校の決定のため、下調べはひたすら親の仕事

さて、子どもたちはこの時期、1カ月に2~4回ほども模試を受け、最終的な立ち位置を確認していきます。それをもとに、実際の受験戦略を練っていくわけです。

中学受験のリアルレポート #10月編

後期の模試5~10回の平均値を「持ち偏差値」と呼び、それをもとに、志望校を固めていきます。

持ち偏差値を上げるのはお子さんの仕事ですが、それ以外はすべて保護者の仕事と言っても過言ではありません。

学校説明会を予約し、受験する可能性がある学校には少なくとも保護者は行く必要があります。……我が家は4年生くらいから少しずつ訪問していましたが、やっぱり直前期の今も、急に受験校として候補に浮上する学校もあり、なんだかんだ現地に行くことが多いです。

ここは可能であれば、ご夫婦で連携を取り、負担を減らすのがおススメ。

説明会や保護者会は、平日もたくさん開催されますが、スケジュールをうまく組んで、本気で予約を頑張れば土日をメインにすることも可能だとわかりました。ただ、平日は仕事、土日は受験関連行事、というのを1人で続けると絶対にストレスが溜まって爆発します……。

ぜひ、オンライン説明会なども駆使して、上手に休日を配分してくださいね。

今回は9月、10月の様子をレポートしました。次回はメンタルが危険水域に達するという噂の(涙)、11月をレポートしたいと思います!

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佐野倫子
Writer 佐野倫子

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