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精神科医が教える!「妊活におすすめの漢方」5選

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妊活中、「とにかく出来ることがしたい!でも、調べるといっぱい出てきて、結構高額だし、結局何をすれば良いのか分からない!」 という声をよく耳にします。そんな方に今回はおすすめの漢方をご紹介します!

そもそも薬を飲んでもいいの?

まず、妊活中に薬を飲むのはありなの? という疑問を持たれる方もいるでしょう。

妊活中でも、月経~排卵(月経が始まってからだいたい2週間)までの「低温期」は、妊娠の可能性は低いため、薬の使用についてもそれほど注意を必要としません。排卵後、次回の月経までの「高温期」は、受精卵となって妊娠している可能性があるため、薬の使用について少し頭の中に入れておく必要があります。

妊娠週数の数え方は、最終月経の開始日が「妊娠0週0日」となります。そのため、妊娠検査薬が陽性となった時点で、多くの方はすでに妊娠5週以降に突入していることになります(そのくらいの時期まで待った方が、妊娠検査薬の反応も適切に出ます)。このころは、もし妊娠に気づかずお薬を使用していても、ほとんどの場合は問題ありません。

ちなみに、妊娠2カ月目に入ると、赤ちゃんのさまざまな器官が形成されるので、薬を内服したい場合は必ず産婦人科の先生と相談することをおすすめします。

また、漢方については、以下の生薬を使っていないものは問題ないと言われています。むしろ、悪阻に効果があるとされる漢方もあります。

  • 大黄(ダイオウ)
  • 桃仁(トウニン)
  • 牛膝(ゴシツ)
  • 芒硝(ボウショウ)
  • 紅花(コウカ)
  • 牡丹皮(ボタンピ)

以上の6つは、子宮収縮作用や駆瘀血作用があるため、流産や早産を引き起こす可能性がありますので、控えるようにしましょう。便秘に対して漢方を飲んでいる方は、大黄や桃仁が含まれている可能性がありますし、芒硝はダイエット漢方に入りがちです。紅花や牡丹皮も体力ある人向けの婦人科系漢方には含有されている可能性がありますので、生薬を自分でもチェックしてみてくださいね。

妊活中の方におすすめな漢方5選

漢方は自分に合ったものを飲むことが大切。選択を間違えると、思うような効果が出ないこともあります。薬を選ぶときにいちばん大切なのは「実証虚証」という考え方で、簡単に言えば、体力があるかないかということ。

体力があまりない人に強い薬を入れてしまうと、薬の方が勝ってしまい、逆に疲れやすくなったような感覚になることも。簡単な見分け方は、風邪を引いたときに熱が出る人は体力がある人、微熱のままグズグズと続いてしまう人はあまり体力がない人、と考えるといいでしょう。

妊活におすすめな漢方を5つご紹介します。

当帰芍薬散

この薬は女性3大処方と言われる漢方の1つで、あまり体力に自信がない人向け。もともと冷え性や月経困難症の改善にも使われます。また、当帰芍薬散は排卵障害に対する有効性が報告されており、古来より「安胎薬」として知られます。妊娠経過を安定させる効果もあります。

加味逍遙散

女性3大処方の1つ、加味逍遙散。中程度の体力で下半身は冷えているけど顔がほてりやすかったり、イライラなど精神的に不安定になる方におすすめの漢方です。

なお、もう一つの女性3大処方である桂枝茯苓丸は、桃仁や牡丹皮が含まれているため、あまりおすすめしません。

温経湯

妊活に代表的な漢方の1つです。皮膚が乾燥でカサカサしていて手荒れがある、手のほてりがある中心型の冷え性がある方におすすめの漢方です。どちらかというと、体力に自信がない人に向いています。

柴苓湯

この漢方は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)による排卵障害に有効と報告されている漢方です。多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣の中でできる卵胞の発育が遅く、ある程度の大きさになっても排卵されずに卵巣内に多数の卵胞がたまってしまう疾患です。エコーで卵巣を見たときに“ネックレス様“という言葉を耳にしたことがある方はこの可能性があります。

月経異常や無排卵月経など、不妊の症状に悩む女性の一定数にPCOSの方が含まれます。多嚢胞性卵巣症候群は月経や排卵に影響があるので、一般的な女性よりも妊娠しづらく、不妊の原因の一つと診断されることもあります。ただ排卵障害と一言で言っても、完全に無排卵なのか、何カ月かに1回は排卵しているかなど、状況によって異なるため一概には言えませんが、なかなか妊娠せず気になる場合は、漢方を試してみるのも一つの手です。

八味地黄丸

これは、男性の不妊におすすめの漢方です。現在、5.5組に1組のカップルは不妊症であり、その原因の半分は男性にあるといわれます。そして、男性不妊症の原因の80%は造精機能障害。これは、精子が作られづらく、射精で出てくる精子の数が少ない、精子の運動率が悪いことを指します。

この八味地黄丸は、もともと下半身の疲れや冷え、頻尿や尿もれなど泌尿器系に効く処方される漢方です。男性不妊症に対しては精子濃度や運動率の改善が期待できるといわれています。さらに勃起不全への効果も期待できるため、性機能障害による男性不妊患者さんにも有効とされています。

漢方は自然由来の生薬で、カラダの体質からさまざまな症状にアプローチします。今はドラッグストアでも購入出来ますし、他の妊活よりもお手頃に始められるので、興味のある方は是非はじめてみてください!

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木村好珠
Writer 木村好珠

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