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インターナショナルスクールのメリット&デメリットを検証!「わが子に外貨で稼ぐという選択肢を!」と教育熱心な親が興味津々

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こんにちは。中学生と小学生を持つ、作家・教育ジャーナリストの佐野倫子です。今月いただいたご相談は「子どもの進学先として、インターナショナルスクールに興味があるけれど、両親が日本人で子どもを通わせたらどうなりますか?」というもの。近年、早期英語教育熱は高まっています。そのなかで、教育熱心な層を中心に、英語で教育を受けられるインターナショナルスクールという選択肢が浮上しています。

Q.共働き、会社員夫婦です。現在保育園に通う子どもがいますが、親の目から見ても好奇心旺盛、自由な気質です。小学校受験も考えて大手の教室に見学に行きましたが、わが子には窮屈な模様……。それに、これからの時代、英語は不可欠だと思うので、小さい頃から英語の環境のなかで学んでほしいと考えました。円安も進み、できたら外貨でお給料がもらえるような国際人になってほしい。でも、私たち夫婦は英語があまり話せないし、海外に住んだ経験もありません。そんな家庭では、インターナショナルスクールは難しいでしょうか?(港区区在住40歳/ミカさん)

毎日刺激がいっぱいある、インターナショナルスクール

お子さんに高い英語力をつけてほしいと思い、いろいろな道を模索されているのですね! 素晴らしいと思います。

筆者の周囲でも、お子さんをインターナショナルスクール(以下、インター)に通わせている方は何人もいらっしゃいます。また、筆者の息子もインターナショナルな環境の中学校に入学したところで、友人は英語に堪能な子ばかり。中学生になってから本格的に英語を学びはじめた息子は非常に苦労しています。また、予想以上に毎日、驚きがあるんだとか。

そんな経験や周囲のリアルな体験談から、インターのメリットとデメリットを挙げますので、選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

メリット① 日本にいながら、生きた英語を身につける最短の道!

幼少期に英語を身につけるメリットは、ここで申し上げる必要もないほどあります。英語は勉強としてではなく、ツールとして使うなかで習得するのがいちばん。

インターは、学校にもよりますが、授業はすべて英語で行われます。担任も外国人の先生と、場合によっては日本人の先生がダブルでつき、保護者会も英語で行われることがほとんど。

学校生活がすべて英語漬けという環境は、子どもにとって英語習得のためには最高の環境でしょう。

メリット② 個性を伸ばせる環境!

例えばインターの多くは、日本の小学校のような「前ならえ!」のような声掛けがありません。集団行動をする割合は、日本の小学校のほうが圧倒的に多いと感じます。

筆者の友人のお子さんを見ていても、のびのびとして個性を重んじるカルチャーのなかで、その子らしさを発揮しているケースが多いです。

先生の声がけも、多様性のなかでその子らしさをはぐくむという雰囲気が色濃い気がします。

メリット③ マルチカルチャーな友人が増える!

最大の魅力と言っても過言ではないのが、さまざまなバックグラウンドを持つ友人がたくさんできること。筆者の息子が入学した中学校にはインタークラスがあり、日本だけで育った生徒を探すのが難しいほど。多くのお子さんは海外在住経験があり、インターで学んだり、英語を幼少期からかなり真剣に学んできています。

その環境が子どもに与える影響、インパクトは無限大。友人を通して、ぐっと英語も世界も身近になります。海外大学進学を視野に入れているご家庭が大多数なので、進路に関する情報もたくさん入ります。なにより本人がダイレクトに影響を受けることができるのが魅力です。

いいところは無限大にあるかのようなインターナショナルスクール。しかし当然、難しい側面もあります。

デメリット① 日本国籍・日本在住者がインターに通う場合、就学義務を果たしていないことに

インターは、本来は日本にいる外国人の子女を対象としています。日本におけるその位置づけは、学校教育法第134条が定める「各種学校」、もしくは無認可です。数は少ないですが学校教育法第1条に定める学校(いわゆる「一条校」)として認められた学校もあります。

一条校以外のインターに通う場合、日本人のお子さんは就学義務を果たしていないことになります。筆者の友人たちも、そのことについてさまざまな手続きや面談をしていました。

インターのなかでも、外国の所定の評価団体から高等教育機関として認定された教育施設で12年の課程を修了していれば、大学入学資格はあります。また外国の大学入学資格である「国際バカロレア」「IB」などを持っていれば、こちらも大学の入学資格があります。進路に関わることですので、親御さんが希望の学校についてしっかり調べて、必ず確認しましょう。

デメリット② 高額な授業料

インターナショナルスクールの学費は、円安の影響もあり、上昇傾向です。比較的良心的なところでも年間200万円~300万円はかかりますし、なかには倍近くかかるところも。

また、授業料以外にもなにかと高額になるのがインター。お付き合いも聞く限りは華やかで、おそらく日本の公立とは比較にならないくらいお金がかかるでしょう。

教育費にどこまでかけるかということについては、しっかり事前に話し合う必要があります。

親がしっかりと情報収集を

インターにお子さんを通わせている方は、幼少期から小学生のあいだはとても満足度が高いようにお見受けします。お子さんが大きくなると、進路の悩みが出てきますが、選択肢が多岐に渡るインターならではの苦労も。

中学生になるタイミングで、そのままインターに行く、中学受験をする、公立に行く、というパターンに分かれます。インターに進学する場合、大学も英語を武器に入試に挑む可能性が高く、入試科目がフィットする大学・学部を選ぶ必要があるでしょう。

中学受験をする場合、身につけた英語力を活かして、英語入試や英検を要件にしている中学校を選ぶと有利です。逆に言えば、通常の4科目入試に挑む場合、もしかすると日本語、つまり国語力に苦労があるかもしれません。インターでは英語で授業を受けているので、中学受験レベルの国語力を同時につけるためには自助努力が必要でしょう。

もしも公立に行く場合、もしかするとこれまでのインターとのギャップに戸惑うかもしれません。知り合いのお子さんは、日本の公立の授業が画一的に感じられて、慣れるのに時間がかかったと言っていました。親御さんがあらかじめよく説明して、サポートをするといいでしょう。

インターを選ぶと、予想以上にその後の進路に関わってきますので、ぜひじっくりと情報を集め、実際に学校に足を運んで納得のいく選択ができるといいですね。

個人的には、独特のカルチャーがあり、なにより圧倒的な語学力が身につくインターにとても魅力を感じています。ただ、授業料や進路がおのずと方向づけられることなどをしっかり考える必要があると痛感しました。

興味がある方は、まずはしっかり情報を集めてみてください!

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佐野倫子
Writer 佐野倫子

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