Paranaviトップ ライフスタイル 家事/育児 【お悩み相談】港区には子どもをインターナショナルスクールに通わせるママ友が多数!そんなにいいものなの……!?

【お悩み相談】港区には子どもをインターナショナルスクールに通わせるママ友が多数!そんなにいいものなの……!?

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こんにちは。中学生と小学生を持つ、作家・教育ジャーナリストの佐野倫子です。働くお母さんの教育に関するお悩みについて、一緒に考えていきたいと思います。今月質問を送ってくださったのは、幼稚園のお子さんを持つ港区在住の方。周囲にインターナショナルスクール志望者が多くて戸惑っているご様子ですが……?

子どもをインターナショナルスクールに通わせるべき?

Q.こんにちは!来年の春、子どもが小学校に入学するので、建て替えたばかりで校舎がとてもきれいと評判の港区公立小の学区に引っ越しました。ご近所にママ友ができると、「インターナショナルスクールに通わせるためにいろいろ作戦を練っている」という方に何人も会いました。インターナショナルスクールって、そんなにいいんでしょうか?教育熱心でお金があるママの関心が高いみたいで気になっています。メリット・デメリットを今さら聞けないので、知りたいです。

(港区在住/33歳 莉子さん)

インターナショナルスクールの法的な位置づけと保護者の義務

さすが港区、莉子さんのまわりにはインターナショナルスクール志望のご家庭が多いのですね!確かに、筆者の息子の小学校にも、毎年6月くらいになると数ヶ月だけ公立小に転入してくるお子さんがいらっしゃいます。聞けば、平常時はインターナショナルスクールに通っているのだとか。また、午後はインターナショナルスクールに通うからと学校を掛け持ちしているお子さんもいるようです。

莉子さんのおっしゃるように、「そうまでしてインターナショナルスクールに通わせるメリットって何だろう?」と気になりますよね……!インターナショナルスクールのメリット・デメリットについて知る前に、まずは前提として法的な位置づけを知っておきましょう。

日本では、学校の種類や基準が「学校教育法」によって定められています。インターナショナルスクールの多くは、日本の教育行政上は「私立学校または各種学校」、さらに言えば多くのインターナショナルスクールは学校教育法第134条に規定される「各種学校」として認可を受けています。

一条校(※)以外の各種学校は自動車教習所や各種専修学校と同じ分類に位置付けられるため、公的支援や卒業資格の面で一条校とは異なる扱いになるので注意が必要です。もちろんインターナショナルスクールのなかには学校教育法第1条に規定された学校として認可されている学校もあります。
※「一条校」とは、学校教育法第1条に定められた学校のこと。一般的に「学校」と呼ばれるもので、具体的には、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、盲学校、聾学校、養護学校の10校を指します。

一方、保護者は子どもに対して「小学校や中学校など義務教育の課程」に就学させる義務(就学義務)があります。注意したいのは日本国籍の子どもが一条校として認められていないインターナショナルスクールに通学した場合、法律上、保護者は就学義務を果たしたことにはならないという点です。

……何やら難しい話ですみません。しかしインターナショナルスクールを選択する場合には、このことは必ず知っているべきだと思いますし、一条校かそうでないかは事前に確認すべきだと言えます。ただ、インターナショナルスクールの中でも一条校はそう多くなく、現状では一条校ではないけれど評判がいいインターナショナルスクールもたくさん存在していますので、そこは保護者の判断になります。

インターナショナルスクールを選ぶ、メリット・デメリット

さて、いよいよ本題です。インターナショナルスクールを選ぶメリット・デメリットとは何でしょうか?

多くの方が「国際的な環境で英語で学ぶことができる」「STEM教育プログラムが充実している」といったことを挙げると思います。現在、国際教育を目指す層に人気なのは、国際的なカリキュラム(例:IBプログラムやAP)を提供したり、将来の選択肢を広げ、枠にとらわれない思考力を育成する学校です。

そうなると、次に知っておきたいのは費用のことですね。

インターナショナルスクールを選んだ場合、昨今の学費高騰が課題です。幅がありますが、学費は年間200万円程度から、全寮制の『ハロウ安比校』のようなボーディングスクールのように、1,000万円を超える学校もあります。

さらに、もし将来的に海外大学を検討する場合、アメリカでは年間の授業料が約3万~5万ドル程度、生活費などを加えると年間で最低でも約500万円~1,000万円近くが必要となり、長期にわたる資金計画が必要です。もちろん、奨学金制度が充実していますから一概に無理とは言えませんが、情報収集と受給するための対策が命綱となるでしょう。

「長期的に見て、そこまでの資金は出せそうもない……となるとインターナショナルスクールに行くのは意味がない?」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

実際は、インターナショナルスクールを出たからと言って全員が海外大学に進学しているわけではありません。磨いた英語力で英検などの資格を取って、帰国子女と同列に国内難関大学に進学する方もたくさんいらっしゃいます。もちろん高い英語力が必要なのでそれがお得な道だとは言えませんが、日本式の受験勉強とは違うアプローチであり、英語や課外活動、学校の評定向上に注力できるのでメリットも大きいでしょう。

小学校にするか、受験するか、インターナショナルスクールを選ぶか、中学受験、高校受験、留学……保護者としてはたくさんの選択肢があり、働きながら情報収集するのは大変ですよね。そんなときはエージェントなどを頼ったり、学校フェアに参加したりして、効率よくリサーチしていきましょう!

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佐野倫子
Writer 佐野倫子

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