いよいよ夏本番!夏休みやお盆休みなど、長期休暇が目前でウキウキしている人もいるのではないでしょうか?多くの人が「やっと休める」「楽しいことをしよう!」とワクワクする一方で、なぜか気分が落ち込み、やる気が出ず、心が重たくなる人も。このような状態は「バカンスうつ」とも呼ばれ、実は多くの人が経験しています。今回は、バカンスうつの原因とその対処法について解説します。
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バカンスうつの症状と原因
バカンスうつとは、どのような症状なのでしょうか?また、何が原因となり、どのような人がバカンスうつになりやすいのでしょうか?
バカンスうつの症状
バカンスうつとは、休暇の前後や最中に気分が落ち込んだり、無気力になったりする状態を指します。基本的にはうつと同じような症状ですが、本来ワクワクするであろう休暇というタイミングに現れるのが特徴です。
- なんとなく気分が沈む
- やる気が出ない、寝てばかりいる
- 休み中も楽しめない、むしろ不安が増す
- 「みんな楽しそうなのに自分だけ…」という孤独感を感じる
- 仕事に戻るのが怖い・憂うつ
- 食欲不振や過食
- 眠れない、あるいは寝すぎる
……といった症状が挙げられます。

バカンスうつの原因
- 生活リズムの急激な変化
普段は仕事で決まった時間で行動できている人が、休暇に入って朝起きる時間が遅くなったり、夜更かしをしたり、食事の時間がバラバラになったりすることで、体内時計が乱れ、心にも影響を与えます。これは“社会的時差ぼけ”とも言われ、睡眠障害や気分の落ち込みの原因になります。
- 「何かをしなければ」というプレッシャー
せっかくの休みとなると、「どこかに行かなきゃ!」「満喫させないと!」と、“楽しまねば”というプレッシャーを無意識に感じてしまうことがあります。このような思考は自分を追い詰めてしまい、実際に楽しく過ごしていても、「これでいいのかな?」「まだまだ楽しめてない」といった自己否定感につながる場合もあります。
- SNSを見て人と比べてしまう
この時代の象徴とも言えますが、旅行やイベントなどで楽しんでいる友人の様子をSNSで見ることで、自分と比較してしまい自己否定が起きやすくなります。自分の過ごし方が地味に見えたり、羨ましくなったり、友達に誘われない自分に孤独を感じたり……とくに普段から自己評価が低い人は、孤独だと感じて落ち込みやすくなります。

- 社会との断絶からくる孤独感
休暇中は会社や学校からの連絡が減り、社会的なつながりが一時的に断たれることになります。これが逆に「自分は取り残されている」「誰ともつながっていない」と感じさせてしまうケースがあるのです。一人暮らしだったり、友達や家族と予定を合わせられなかったりすると、一人で過ごす“静かすぎる環境”が精神的な負担になることがあります。
- 休暇明けの仕事に感じるストレス
休みが終わる頃になると、「また忙しい日常が始まる」「仕事に戻るのが怖い」といった“仕事に戻ることへのストレス”が押し寄せてきます。これが強まると、休みの残り期間を全く楽しめなくなり、焦りや憂うつ感が増していきます。
バカンスうつに陥りやすい人の特徴
バカンスうつは誰にでも起こり得ますが、
- 責任感が強い人(「休むこと」に罪悪感を持ちやすい)
- 完璧主義で「充実していないとダメ」と思いやすい人
- 孤独を感じやすい人(人とつながっていないと不安になる)
- 普段から仕事中心の生活を送っている人
- 自己肯定感が低い人
はとくに注意が必要です。

バカンスうつの対処法
- 「何もしない時間」も自分に許す
まずは、「休み=何かしなきゃ」という思考を手放しましょう。くまのプーさんも「何もしないことをする」ことの重要性を映画で言っていますが、ぼーっとすること、寝ること、何もせず過ごすことはとても価値があることなんです。発想力という意味でも“デフォルドモードネットワーク”というものがあり、ぼーっとしている時間ほどひらめきがあるのです。ですから、休むことに罪悪感がある人ほど、頭を休ませる時間が必要なのです。
- 生活リズムをある程度キープする
休み中でも、起床・就寝・食事などの基本的なリズムはなるべく崩さないように心がけましょう。朝はカーテンを開けて日光を浴び、夜はスマホを控えて眠りやすい環境をつくるなど、小さなことで気分が整いやすくなります。
- SNSから少し離れる
SNSで他人の楽しそうな投稿ばかり見てしまうと、自分とのギャップが強調されます。他人の投稿内容はコントロールできないので、自分がSNSから距離をとるしかありません。長期休暇は、普段仕事でデジタルデバイスを手放せない人が唯一離れられる時期。思い切ってデジタルデトックスしちゃいましょう!

- 小さな「満足体験」を意識して作る
大きな旅行やイベントでなくても、「近所を散歩して新しいカフェを見つける」「好きな音楽を聴きながら料理をする」など、日常の中に小さな満足を感じる時間を意図的につくることが大切です。ポイントは、「他人と比べない」こと。「自分が心地よければOK」という軸を持ってみてください。
- 心の中の声に気づく
「自分はなんでこんな気持ちになっているんだろう?」と、自分自身に問いかけてみてください。バカンスうつの裏には、「人間関係に疲れていた」「職場のストレスが限界だった」「本当は一人で過ごしたかった」といった本音のサインが隠れていることがあります。 その声に気づくことで、次の休みの過ごし方や、日常の見直しにもつながります。
休むことは、心のメンテナンス!
バカンスうつは、自分の心や体が「ちょっと疲れているよ」と教えてくれているサインです。何も感じないふりをするよりも、その違和感に気づけたこと自体が、大きな一歩。休むことに罪悪感を持たず、自分のリズムや欲求に優しく耳を傾けることで、少しずつ心のバランスが戻ってきます。「休み=楽しまなきゃ」ではなく、「休み=自分を大切にする時間」と捉えてみてください!