キャリアの重ね方も、結婚や出産といったライフイベントのタイミングも……、なんでも手に入れているように見えるキラキラした人とついつい比べてしまって、落ち込んでしまったりしませんか? でも今の時代、「幸せの正解は1つじゃない」。型にとらわれない自由でオリジナルな幸せを追求しているパラキャリ女子たちには、それぞれ「指針となっている一作」があるようです。「これをきっかけに進む道が見えた」「いつも力をもらってる」「疲れたときはこれで充電してる!」など、いろいろな正解のあり方を教えてくれる作品たちを紹介! ぜひ、冬のおうち時間にゆっくり味わってみてください。もしかして、あなたのキャリアを、そして人生を動かす出会いがあるかもしれません。
Contents
胸に刺さるセリフ続出!パラナビ編集長おすすめの漫画
トップバッターはパラナビ編集長・岡部。ちょっとサブカル寄り?な視点でのマンガ&ドラマのチョイスです。
岡部
やっぱり外せない、中島みゆきさんの「あの曲」
次は、PR会社・LITAの経営に携わる三木佳世子さん。パラキャリを実現されてきた先輩であり、ママとしての顔も持っている三木さんは、中島みゆきさんのあの「超名曲」を推してくれました!
三木
大人気『プラダを着た悪魔』で学ぶ、バランス感覚
次は「子育てマーケター」という独自のキャリアを築かれている森田亜矢子さん。迷いがあったり元気を出したいときに見る映画を教えてくれました。
森田
ニューヨーカーも太鼓判、定番映画のおしゃれっぷり
そして同じく『プラダを着た悪魔』を推薦してくれたのがもう1人! ニューヨークの地で着々と夢をかなえているパラキャリ女子・MIKIさんです。
MIKI
王道ですが、私がいつも元気をもらっている大好きな映画が『The devil wears Prada(プラダを着た悪魔)』です。アン・ハサウェイが演じる真面目でダサい女性アンディが、ファッションのバイブルと言われるファッション雑誌RUNWAYで働き始め、挫折を味わいながらもキャリアアップしていく清々しいほどのポジティブストーリーです。オシャレなファッションスタイリングやニューヨークとパリの街並みも見ごたえがあり、何度観ても、オープニング曲「Suddenly I see」が流れた瞬間からテンションが上がってしまいます。私自身、夢への理想と現実のギャップにジレンマを感じることがありましたが、そんな時にこの作品を観直しては、何度も元気づけられてきました。また、垢ぬけなかったアンディが、イメチェンしシャネルのブーツを颯爽と履きこなすファッショニスタに生まれ変わるシーンでは、ファッションが本来持つ「内面までキラキラ輝かせることのできる」大きなパワーを感じます!
プロライターが推す「文章の基本がわかる本」
IT企業の広報&レースクイーン&ライターという異色のパラレルキャリアを実践している橋本岬さん。ライターの基礎となる「文章の書き方」を、基本に立ち返って教えてくれる本があるそうです。
橋本
私は、新卒1年目のときから編集プロダクションで女性誌ファッション誌の編集者をしていました。ただ、当時は出版不況の真っ只中。深夜まで働くのは当たり前。校了が終わり1ヶ月ぶりに家に帰るとき、なんと季節は夏から秋に変わっていました。夏服のまま落ち葉を踏み締め「寒い……会社辞めよう」と決心し、たった半年で退職することに。
とはいえ文章を書く仕事は続けたいと思い、色々と模索。辿り着いた結論は、天才的な才能がない限り、うまい文章を書けるミラクルソリューションなどないということ。唯一の正解なんてないんだから、地道に勉強して書き続けるしかない。いろいろインプットする中で特に参考になったのは、今回紹介する『弁護士が書いた 究極の文章術 誤解なく読み手に伝える書き方のヒント28』(法学書院)です。
弁護士は法律の知識や弁論のうまさだけでなく、伝えたいことを読み手に誤解なく伝える文章力も求められているとのこと。そういえば、昔好きだった新人弁護士(付き合ってくれなかった)(追いかけ過ぎたらフラれた)(お元気ですか?)も、「契約書を作成したら、『甲は乙に対し』以下の文章を上司に全部直されたんだよね」と愚痴っていました。
この本はプロのライターが書き手じゃないからこそ、“シンプルで誰にでもわかりやすい”文章の書き方を教えてくれています。例えば、「一文の適度な文字量」「接続詞の使い方」「キーワードの置き方」「ひらがなと漢字の使い分け」など、今すぐにできなくてもコツさえつかめばできるようになる方法が28個掲載されています。学校のレポートや会社での文書作成など、ほとんどの人が“書くこと”と向き合わなければいけないことがあるかと思います。もし本気で文章を学びたいと思い、その一歩をどこに伸ばそうか迷っているなら、私は迷わずこの本を推薦します。
「私は私でいい」と自信をくれる、フランス映画
そして精神科医の木村好珠さん。お医者さんでパラキャリしている人はまだ珍しい中、木村さんを奮い立たせてくれる一作は、2013年の第66回カンヌ国際映画祭で、最高賞のパルム・ドールを獲得している有名な作品です。
木村
母、娘、妻、そしてCEO。女性の顔は1つじゃない
フランス映画とはまた違った魅力、アメリカ映画を紹介してくれたのは、パラナビサロンディレクターの寺林舞さんです。トレンダーズでアカウントコンサルタントとして働く寺林さんは、自分の仕事と重ね合わせながら観ているそう。
寺林
映画『マイ・インターン』の主人公・ジュールズはたった1年半で自身が立ち上げたアパレルEC事業を急拡大させた、従業員220名の会社のCEO。その主人公の元にやってきた、70歳のシニアインターン生・ベンにたくさんの勇気をもらい、果敢に人生を歩んでいく物語です。
口うるさい母親を持つ、娘としての顔。一人の妻としての顔。母親としての顔。そして、CEOとしての顔。彼女の1日は、8割が仕事・2割が家族との時間という具合ですが、毎晩仕事から家路につくと「夢の場所」と言うほど、家族との時間を大切に思っています。どの顔も大事にする、完璧に見える彼女も、周囲との綻びが出る瞬間があります。でも、それが人間味があってとてもいい。
また、彼女には譲れない信念を守り抜くという軸があります。いつでも現場にいて、時にはカスタマーサポートで直接顧客からの要望を受けたり、自分で自社の商品を頼み、梱包に問題があると知れば即座に工場に出向き、直接レクチャーをしたりする。現場で自社のビジネスを俯瞰視し、顧客目線で、なにが望まれているのかを常に把握しているのです。
うちの会社のクレドには「夢を売れ」というメッセージがあります。その言葉を目にするたびに、今している仕事がおざなりになっていないか、信念を貫き続けていられているのか、消費者やクライアントの方向を向けているのかを常に考え直させられます。同様に、この映画でも初心にかえらされるので、自信や元気がなくなった時もっと頑張りたいときに見返すようにしています。
「生き方の選択肢の広さを教えてくれた」ガイドブック
次は、小野アムスデン道子さん。ライフスタイルメディア「W LIFE」を運営するほか、ライターとしても活躍されている小野さんですが、成功の裏にはとてつもない苦労があったようです。
小野
一度に4冊、総2800ページの発刊が教えてくれた旅の楽しさ『ロンリープラネット』です。海外への自由旅行が好きな人ならご存じの英語のガイドブック「ロンリープラネット」。かつて日本語版も出版していて、私はその編集マネージャーでした。
旅は大好きでしたが、それまではいわゆる会社の休みがあれば5日間どこか海外に行くかなというスタイルだった私。何百ページもあって人口100人の村でも取りあげられているロンリープラネットのガイドブックの翻訳を校正で読むたび「こんな面白い場所あったんだ!」「自由な旅ってこんなに楽しいんだ」という目から鱗の毎日。「旅とその楽しさを伝える仕事ってなんと素晴らしい!」と気づかされた本です。
しかし、ガイドブックの新創刊ともなれば、1冊ではなく4冊同時。そして、詳しさが半端ないこの本は、4冊トータルで約2,800ページ。その編集をたった1人でやり切る(しかも子供はまだ保育園……)という仕事量は後にも先にもこの時がMAX。それまでも業務量の多い会社にいた私ですが、終電逃し(家に戻ったとしてもその時間以上)の仕事はしないというのがポリシーでしたが、この時ばかりは、(大阪とアメリカから!)手伝いに来てもらった親に「朝に顔見たら翌朝まで顔を見ない」とか言われた日が続きました。
それでも、今の旅を基軸にしたライターや生き方をインスパイアするライフスタイルメディア「W LIFE」の運営を仕事にしようと思ったのは、この旅=生き方の選択肢の広さを教えてくれたこれらの本だと思います。そう、幸せと生き方の正解は1つではないんです! コロナでなかなかいけない未知の場所。今でもただ読むだけで夢が膨らみ、そこに行くのにまた明日を頑張ろうと思える私の一作です。
10年経っても色あせない「女性のキャリア図鑑」
書籍つながりで、ライター・さくらからも1冊紹介させてください!
さくら もえ
その後、社会人3年目で転職活動をしたときにも参考にしましたし、人生の節目で手元にある一冊だなと思います。そして今となっては、パラナビで女性たちの取材をしている私。なんだかこの本と似たことをしているなあ……としみじみ感じます(笑)。すでに発売から10年経った本ですが、載っている女性たちのストーリー、その魅力はまったく色あせません。実家を出ても捨てられない、これからも大事にし続ける宝物です。
自分を好きになれる「背中を押してくれた」本
パラナビサロン会員の出来千春さんは、「自分を好きになる」という壁を乗り越えるのに、1冊の本が効いたそうです。
出来
『自信という最上のドレスの手に入れ方 それは小さな積み重ね』(エリカ・アンギャル 著、幻冬舎)です。もともと私は、自分に自信がなく、自分のことを好きではありませんでした(現在もまだ自信ないのですが)。自信をつけたい、自分を好きになりたいという想いもあり、就職をきっかけに上京。上京後に出会ったのがこの本です。はじめの1、2ページを読んだときに引き寄せられました。
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「自信」を持つということは、自分が誰かより優れていると思うことではありません。自分と向き合い、あるがままの自分を受け入れ、自分が自分でいることに心地よさを感じ、自分のことを好きでいる状態のことです。
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自信を持つこと=自分自身を受け入れることなのだと気付くことができてから、しっかり自分自身と向き合う時間を設け、自分自身をまず理解することに励みました。そうすると自然と以前に比べて好きになっていました。自分のことを。この本には、自分自身を受け入れるための方法や、自信を持つことの大切さなどが書かれているので読み進めるだけで、心がすっきりしていくのを感じることができました。
また、何よりも「年を重ねるって、とっても楽しい!」という章を読んで、私自身も年を重ねることが楽しみになりました。これまでは、「年々おばさんになっていくだけだ……」なんて思っていたのですが、そうではないことに気付くことができ、年を重ねること、そのための毎日が楽しいと思えるようになりました。まだ自信がない部分はたくさんあります。そんな時にこの本を読んで背中を押してもらっています。
「1億売るオンナになる」目標はこの一作から!
そして最後は、パラナビ事業責任者・飯田。就活のときに出会ったという“原点の一冊”を紹介してくれました。かしこカワイイがぴったりの太田彩子さんの著書。太田さんは「営業部女子課の会」代表理事をしています。
飯田
飯田
『リッチマン、プアウーマン』(2012年、フジテレビ)。ITバブルのタイミングにかなり人気沸騰したフジテレビドラマ。プロデューサーの増本氏が作品について「普遍的なシンデレラストーリーであると同時に、「現代社会のある側面を“仕事“というテーマで切り取り、4人(の登場人物)がそれぞれ自分の人生を織り成すヒューマンドラマでもあります」というように恋愛だけでなく、主人公たちの仕事をする生き様がとにかくとにかくかっこいい!! キュンキュンするだけでなく、仕事のやる気スイッチも入るので仕事で落ち込むと定期的にリチプアを見て奮起しています。女性ホルモンも、やる気もでるから一石二鳥。まさに働く女子のビタミンドラマ。主人公の小栗旬演じる日向徹の名言も多く、私もどんな時代でも人の「本質」をついたサービスや仕事をしていきたいと、毎回奮起するので名言を貼っておきます。
ITとは、人々の生活を豊かにするものだ。
グラハム・ベルという男は、なぜ電話を作った?
事実はわからない。でも、僕はこう思う。
遠くにいる恋人の声が聞きたかった。
それか、心配ばかりする母親に無事を知らせて安心させたかった。
メールに写真を付ける機能だって同じだ。
離れている人と同じものを見て一緒に笑ったり、喜んだりしたい。
そう思ったから作ったはずだ。ITの中心には
いつも人間がいるんだ。
僕らの仕事は…たぶん、大切な人を思うことから始まるんだ。
君達にもそういう人がいるだろう。だったら、その人のために作ろう。
岡部
そうした描写がほんわかした日常の中で出てきて、決して不自然なハッピーエンドでもなく、否定でもなく、淡々と受け入れて乗り越えて物語が進んでいく。何があっても女性はしなやかで強いなあと感じさせてくれる作品。誰がいつ読んでも、どこかしら共感できるつくりになっているので、何年かおきに定期的に読みたくなります。