Paranaviトップ お仕事 資格/勉強 「私たちのキャリア、これからどうなる?」現役&元CAに聞く、今激動のお仕事事情

「私たちのキャリア、これからどうなる?」現役&元CAに聞く、今激動のお仕事事情

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コロナで大きな影響を受けた職業といえば、エアライン業界。フライト数が大きく減る中、”No.1花形職業”のCA(キャビンアテンダント)たちが今、岐路に立たされています。CAのキャリアはこれから、いったいどうなっていくのでしょうか。リアルな話を聞くべく話を聞いたのは、LCCから大手日系、外資系エアラインまで9年にわたりCAを極めた小濱庸子さんと、外資系エアライン現役CAの立川小夏さん。以前同じ航空会社でCA同期として働いていた2人、去年からパラキャリにもチャレンジしているんだとか。2人の本音を、立川さんが現役CA100人に実施したアンケート結果と一緒に紹介します!

CA100人に本音アンケート!正直どう思ってる?

まずは、アンケート結果の一部を紹介します。CAは、自分たちのキャリアについてどう感じているのでしょうか。まず現状について聞いたところ、結果は割れた印象です。「非常に不安」が3割にのぼる一方、不安ではあるが、しばらくすれば収まると思っている」が半数近くいましたが、これはアンケートをとった時期によって変わるかもしれません。

LCCから大手日系、外資系エアラインまで9年にわたりCAを極めた小濱庸子さんと、外資系エアライン現役CAの立川小夏さん

そして、CAはフライトが減ればお給料も減る仕組み。どのくらい変わったかという問いには、8割が「減った」と回答。「1万円下がった」から「半分以下だ」(!)まで、幅広いようです。

LCCから大手日系、外資系エアラインまで9年にわたりCAを極めた小濱庸子さんと、外資系エアライン現役CAの立川小夏さん

やはり、副業にも視線が集まっています。副業を「制限がなければやってみたい」「何かはじめようと思っている」CAが6割以上となりました。

LCCから大手日系、外資系エアラインまで9年にわたりCAを極めた小濱庸子さんと、外資系エアライン現役CAの立川小夏さん

こんな状況の中でも、前向きにキャリアを切り開いている小濱さんと立川さん。2人の本音はいかに。

「CAを辞める」はすごく大きな勇気がいる

――いきなりですがエアライン業界、とくにCAはコロナで大きな影響を受けましたよね。

LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

今年の3月ごろから、どんどん仕事が減り始めました。最初は正直、少し経てば収まるかなと思ってたんですが……。7月に日系大手2社が、来年度の新卒採用を中止したのは衝撃でした。

 

現役CAの立川小夏さん

立川

4月からフライトはまったくなくて、会社から少しお給料を保証されて自宅待機している状態です。夏ごろから、これは長引くなと感じはじめました。私の周りのCAには、転職しようと動いている人はそれほどいなくて、体感で3割くらいでしょうか。
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

そもそもみんな、CAの仕事が好きなので。辞めるというのは、すごく大きな勇気がいる決断です。

LCCから大手日系、外資系エアラインまで9年にわたりCAを極めた小濱庸子さんと、外資系エアライン現役CAの立川小夏さん

現在の仕事を「このまま続けようと思う」が半数超え。「しばらくは様子を見たい」冷静派も3割いました。

LCCから大手日系、外資系エアラインまで9年にわたりCAを極めた小濱庸子さんと、外資系エアライン現役CAの立川小夏さん

3人に1人が、転職してもCAでいたいという意向。しかし「他業界を考えたい」人もほぼ同数いました。

――お2人はこれまで、CA以外のお仕事も経験されているんでしょうか?

LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

私は新卒でLCCCAになり、大手日系、外資系、また大手日系、といろいろなエアラインを渡り歩きました。そしてこの10月に美容系企業に転職し、webマーケティングの仕事をスタートました。なにしろ初めての仕事なので、とにかく自分の武器を増やしたくて、勉強しているところです。
現役CAの立川小夏さん

立川

私は新卒でジュエリーの企業に入社しました。でもやっぱりCAになりたくて、グランドスタッフを経てCAになりました。CAへの憧れが強かった分、グランドスタッフをしていた当時は気が進まない部分もあったんですが……。でもいざCAになると、グランドスタッフの経験があるからこそサービスの流れがよくわかりますし、自分の引き出しが増えたと実感しました。
現役CAの立川小夏さん

CAの仕事を通して、日本をもっと好きになった

――CAのお仕事の、面白さと難しさはどんなところにありますか?

LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

フライトによって、お客様の国籍、人種が本当にさまざまです。CAは、どんな方をお迎えしても快適に過ごしてもらえるようにサービスを変えなくちゃいけないのが難しいところですね。例えば日本は“なんとなく察する文化”がありますが、外国ではそうじゃないですし。
現役CAの立川小夏さん

立川

海外のお客様には、すべてを言葉や態度に出してパフォーマンスしないといけなくて。控えめだと、やる気がないCAだとみなされがちです。なんにせよ、お客様からダイレクトに反応がかえってくるところは、サービス業のいいところですね。
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

それから、いろいろな国で異文化を感じられるんです。とくに外資エアラインでは、「日本から海外を見る」ではなく「海外から日本を見る」経験ができました。改めて日本のよさに気付いて、日本を好きになりましたね。
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん、現役CAの立川小夏さん

「キャリアコンサルタント」でパラキャリ挑戦中!

――お2人はパラキャリされているとか。具体的にどんなことをされているんですか?

現役CAの立川小夏さん

立川

CAとのパラキャリで、キャリアコンサルタントをしています。コロナの前からうすうす、パラキャリしたいなあと思っていました。例えば事務職や営業職なら、年次を重ねるにつれて昇進して、立場が変わっていくことが多いですよね。でもCAは、ずっとプレイヤーでい続けることがすごく多いんです。
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

それが楽しいところでもありますが、次のキャリアをどうしよう? と考えるCAは少なくないですね。
現役CAの立川小夏さん

立川

それもあって、キャリアに関係する国家資格を探して、キャリアコンサルタントを目指すことにしました。試験は、筆記、論述、実技とあってハードでしたが(笑)。
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

私も実は、立川さんと同じく、キャリアコンサルタントとしてパラキャリしていますCA9年くらいやって、満足いくまでやりきったという気持ちがありました。それに、今は人生100年時代。まだまだ先は長いですから、会社の名前がなくても、「小濱庸子」という存在で生きていけるようにしたいと思ったんです。
現役CAの立川小夏さん

立川

こういうモヤモヤを、同期入社で仲良しの小濱さんと共有できたのはラッキーでした。一緒に勉強した甲斐あって、キャリアコンサルタントの試験は2人とも一発合格しました!
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

本当に頑張ったよね(笑)! フライトの間を縫ってこつこつ勉強なんて。
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

――すごい! たくさんある選択肢の中で、キャリアコンサルタントを選んだのはどうしてですか?

現役CAの立川小夏さん

立川

周りに、キャリアについてなんとなく不安を感じてるけど、具体的に何したらいいいかわからない……という女性が多いんです。転職相談より前に、もっと気軽にキャリア相談できる存在になりたいと思いました。
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

例えば転職するって決めたら、転職エージェントや周りの友達に相談しますよね。でも本当は、その前の段階から、どんなキャリアをつくったらいいか考えてサポートしながら歩んでくれるプロの存在が必要だと思います。
現役CAの立川小夏さん

立川

アドバイザーとかカウンセラーと違って、キャリア“コンサルタント”と名乗れるのはこの資格を持っている人だけなんです。これも強みになりますね。

周りから「声をかけてもらえる」関係性をつくる

――キャリアコンサルタントとしてのお2人は、どんなことをされているんですか?

LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

SNSで女性からキャリア相談を受けたり、パラナビのサロンでお話ししたりしていますが、まだマネタイズまでは至っていません。CAからwebマーケティングという異分野へのチャレンジ経験をもっと生かしていきたいですね。
現役CAの立川小夏さん

立川

私はCAからの転職相談を受けたり、企業の人事面談の代行や外国人の就職支援、マナー研修の講師をしています。何か1つに絞るんじゃなく、新しいことにどんどんチャレンジしたくて。誰かに「これやってみない?」と声をかけてもらうことが多いので、周りの人との信頼関係はすごく大事にしています。
現役CAの立川小夏さん

――CAでパラキャリしている人は多いんでしょうか?

LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

いえ、実際にやっている人は少ないと思います。徐々に副業解禁の流れがきてはいるものの、CAの勤務形態的に難しいところがあるんです。
現役CAの立川小夏さん

立川

CAはだいたい、毎月末に次の月のシフトが出るシステムなので、なかなかほかの予定を立てにくいんですよ。完全リモートワークでパラキャリできるスキルがあればいいですけど……、大半の子はそうじゃないと思います。
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

CAはステイ先のホテルで長い時間を過ごすことも多いので、気持ちを強く持つことさえできれば(笑)、勉強する環境には恵まれていると思います。私も、資格講座の授業をムービーで見ていました。

CAの経験から、私の「強み」が生まれた

――小濱さんのように、CAとはまったく違うお仕事にチャレンジするのにはかなりの苦労がありそうです。

LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

そうなんです。CA時代は毎日パソコンに向かうこともなかったし、なんだか新鮮です(笑)。転職活動では、エントリーシートで弾かれることも多かったですよ。でも面接に進むと、CAの仕事で培ったコミュ力や、相手の気持ちを察する力は確かに私の強みになってる! と感じました。
現役CAの立川小夏さん

立川

CAは専門性が高い仕事だからほかでは使えない」なんていう人もいるけど、そんなことはまったくないと思います。にしても、小濱さんみたいに新しい世界に飛び込んでいくのは、本当にすごいこと!
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

好きなこと、得意なことを頑張るのはまったく苦じゃないです。パラキャリもそうで、webマーケとキャリアコンサルタント、両方好きだからできていますね。

キャリアを考えるのも「自分磨きの1つ」にしたい

――2人はこれから、どうなっていきたいですか?

現役CAの立川小夏さん

立川

自信を持って、前向きに生きていける女性を増やしたいです。女性は、性別を理由に選択肢が狭まってしまったり、謎の「女性らしさ」にとらわれてしまったり……苦しいことも多いですよね。そういうことによって何かを諦める必要がない世界にしたいです。自分で自分のいいところを見つけてあげれば、自己肯定感もモチベーションも上がるはず。みんなスキンケアやヘアケアにお金も手間もかけますよね。キャリアもそれと同じように、自分磨きの1つと考えてもらえる存在にしたいです。
LCCから大手日系、外資までCAの仕事を極めた小濱庸子さん

小濱

私はぶれない芯をもって、自分自身の名前で生きていけるようになりたいです。今は新しい仕事を始めたばかりで、まだ少し漠然としていますが。それと、後輩に「こういう生き方もあるんだな」と思ってもらえるロールモデルになりたいです。人生の幸せも、キャリアの正解も1つじゃないので。私がそのヒントになれたらうれしいです!
立川小夏さんのHPはこちら
<調査概要> 2020年4月、Webにて実施したアンケート調査。対象は、日系・外資系合わせて28社のエアラインの現役CA100人。

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さくら もえ
Writer さくら もえ

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