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“CA、YouTuber、ECサイト運営のパラキャリ”小澤瑳也伽さんがフィンランドで見つけた「私だけのキャリアと、幸せのかたち」

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フィンランド在住のYouTuberとして活躍する小澤瑳也伽さん。実は日本の大学を卒業後、CAとしてキャリアを積んできた1人なんです。コロナ禍でも前向きに、自分の世界観を生かしたYouTubeチャンネルやヴィンテージアイテムのECサイトをオープンし、パラキャリを始めました。YouTubeはスタートから1年で、チャンネル登録者数2万人突破と絶好調! そんな小澤さんのキャリア観を聞くと、CAはもちろん、キャリアに悩む女性みんなに生きる「ヒント」が見えてきました。

キラキラのドバイライフから、フィンランドへ

――もともと、日本でCAとして働いていたんですか?

新卒でエミレーツ航空のCAになりました。CAになるという夢がかなって、うれしかったです。いろんな国籍の人と出会えて、世界中の文化に触れられる刺激的な毎日でした。

――エミレーツ航空ということは、ドバイで暮らしていたんですね。楽しそう!

オフには同期とおしゃれなカフェに行ったり、ショッピングしたり……ドバイライフを満喫させてもらいました。生活サービスも充実していて、卵1つからデリバリーしてもらえる。ただ、便利な生活の中でも少し価値観のずれを感じることもあって、2年ほど勤めて辞めました。

――それから転職して、フィンランドに移住したわけですね。なんでフィンランドだったんですか?

エミレーツを退職することを決めたものの、まだ海外で働きたいという気持ちはありました。このまま日本に帰国して転職活動するか迷っている時に、ちょうどフィンエアー日本人CAの募集を見て、これだ! と思って応募しました。エミレーツの同期にフィンランド人の子がいて、すごくいい国だよと教えてもらっていたのも理由の1つでした。そうしてフィンランドに来たのが、2018年4月のことです。

――フィンランドの第一印象はどうでした?

4月でも雪が降っていて寒いし、毎日曇っていて静かな国だな、というのが第一印象でした。しばらくは、ビザや銀行口座の手配から家探しまで、いろんな手続きに追われました。同期入社組が50人くらいいたので、みんなで情報共有して乗り切りました!

フィンランドで「CA、YouTuber、ECサイト運営」のパラキャリ!小澤瑳也伽さんに聞く、自分の強みの見つけ方

「不便だからこその楽しみ方」を知った

――キラキラしたイメージですが、コロナ以降、CAさんは大変ですよね。

フライトは、2020年3月からもう1年以上ありません。2020年9月には、無期限レイオフの通告を受けました。フライトが元に戻ったら呼び戻されますが、それまでは無給です。でも、フィンランドは社会保障が手厚いからか、同期の離職率は低いです。

――さすが北欧ですね。フィンランドならではのよさって、どんなところですか?

フィンランドは東京やドバイと違って、娯楽が少ないんです。お洋服やコスメを買うにも選択肢が少ないので、物質的な幸せは感じにくいと思います。でもその分、自分の時間がたっぷりあって、やりたいことや趣味にたくさん時間を割けます。パンを焼いたり、ちょっと手の込んだお料理をしたり、インテリアにこだわってみたり。ちょっと不便な生活の中にこそ感じられる幸せを知りました。

――ドバイや東京とは違う価値観がありそうですね!

故郷の名古屋から、大学入学で上京して就職でドバイに行ったんですが、新しいブランド品や洋服に対する物欲はずっと尽きないし、可愛くならなきゃ! ダイエットしなきゃ! って、自分に足りないものを追いかけ続けていました。そういう価値観に縛られない生きやすさを、フィンランドで見つけました。

フィンランドで「CA、YouTuber、ECサイト運営」のパラキャリ!小澤瑳也伽さんに聞く、自分の強みの見つけ方

フィンランドでは「自分の内面」が見られている

――プライベートについてもお伺いしていいですか? 彼氏さんもフィンランド人なんですよね。

そうなんです! 1年ほど前、マッチングアプリで出会いました。2020年の9月から一緒に住んでいます。フィンランド人はシャイな人が多いので、友達の紹介や合コンみたいな出会いは少ないです。その代わり、マッチングアプリはかなり浸透してると思います。フィンランド人は英語が堪能なので、共通言語が英語の国際カップルは周りにもたくさんいます

――フィンランドと日本の違いは、どんなところに感じますか?

フィンランドでは、私の学歴や属性、職業ではなくて「どういう知識を持っているか」「何を大事にしてどう生きているか」が重要視されることですね。思想や政治の話も大事で、友人や家族との集まりでそういった話を振られることも多い。日本では「意識高い」って言葉がネガティブに響くし、出身大学や所属先企業でなんとなくカテゴライズされてるなって感じていました。でもフィンランドの人たちからしたらそんなの関係なく、ただの「1人の日本人女性」として見られるんですよね。フィンランドに移住して改めて、内面を磨くことの大切さを実感しています。

フィンランドで「CA、YouTuber、ECサイト運営」のパラキャリ!小澤瑳也伽さんに聞く、自分の強みの見つけ方

「とにかく好きなものを発信する」YouTubeとインスタ

――小澤さん、最近はYouTuberとしても活躍中ですね。2.3万人の登録者がいるとか!

2020年の春ごろ、コロナ禍でフライトがなくなってお家にいる時間が増えたころ、周りにも勧められ、「YouTubeやってみようかなあ」ってふんわり思ったのが始まりです。視聴者は98%くらいが女性で、中でも25〜35歳くらいの方が多いです。私の好きな色やトーンで統一して、世界観をふくらませて作っているので、それを視聴者の方に喜んでいただけるのは本当にうれしいです。

――インスタには、イラストもアップされています。

昔から絵を描くのが趣味なんですが、コロナでお家にいる時間が増えて、以前よりもたくさん描くようになりました。CAのユニフォームのイラストを描いてインスタにアップしたら、すごい反応をもらえて。それからはYouTubeにも自分で描いたイラストを使ったりしています。

フィンランドで“CA、YouTuber、ECサイト運営”!小澤瑳也伽さんの生きる指針「私はここで、どう生きるか?」

インスタに載っている、小澤さんのイラスト。ノルディックな世界観でおしゃれです!

彼の後押しで、ECサイト運営をスタート!

――自分の中に、確固たる基準を持っている小澤さんはかっこいいです! 最近はさらに、ECサイトの運営も始められたとか。

ビンテージのお洋服や食器のECサイト「lilja vintage」を、2021年4月にスタートしました。フィンランドはビンテージ文化が根付いていて、街じゅうにリサイクルショップがあるし、家具や食器などいいものを長く使う習慣にとても魅力を感じました。昔から自分のセレクトショップのようなものを持つのが夢だったこともあり、オンライン版をやろうと思いました。

――1からショップを立ち上げることは、どうやって決意したんですか?

もともと「YouTubeのほかにも違うことをやってみたいな」となんとなく思っていたものの、具体的に何をしたらいいかわからなかったんです。ヴィンテージショップのアイディアが浮かんだ時に彼に相談したら、「Sayakaの好きなファッションや食器でやってみたら?」と言ってくれて。彼の後押しを受けて、やってみようと決意しました。やりたいことが見つからず煮詰まっている時は、一度周りの人に相談してみるといいと思います。みんな、自分が気付けないところまで見てくれているので、新しいアイディアが浮かんでくるきっかけになるかもしれません。

フィンランドで「CA、YouTuber、ECサイト運営」のパラキャリ!小澤瑳也伽さんに聞く、自分の強みの見つけ方

――素敵ですね! ここまで手応えはどうでしょうか?

本当にありがたいことに、今まで商品を2回入荷してほぼ全部売り切れています。リピーターのお客様もいらっしゃいます。私の手からお客様に直接届くという感覚がとにかくうれしくて、初めて商品が売れたときの感動は今でも忘れられません。私自身が直接セレクトした商品を気に入っていただいた時、今までに感じたことのないほどのやりがいを感じます。

ショップの規模をもっと広げたい気持ちもありますが、私が本当に好きなものやこだわった商品だけを売りたいので、買い付けは月に1回が限度かなと思っています。お客様の声を聞きながら、CAの仕事とバランスを取って続けていきたいですね。

――キャリアに悩む女性が多い中、自分の道を切り開いている小澤さん。海外で働きたい人へのメッセージをください!

今の生活は楽しくてとても気に入っていますが、「この国が私を幸せにしてくれる」っていうわけじゃありません。あくまでも「自分がここで何をして、どう生きていくか」が大事。周りに感謝しつつ、自分自身のことをゆっくり見つめてみるといいと思います!

lilja vintage(リリヤヴィンテージ)はこちら!

小澤さんのInstagramはこちら

小澤瑳也伽(こざわさやか)●学習院大学在学中にカナダのバンクーバーへ留学し、大学卒業後にエミレーツ航空に入社。フィンエアーに転職後は拠点をフィンランドに移し、CAの仕事をしながらヨーロッパ中から買い付けたヴィンテージ食器・洋服を扱うオンラインショップlilja vintageを運営している。2020年よりYouTubeにてフィンランドの暮らしを発信中。

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さくら もえ
Writer さくら もえ

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