Paranaviトップ ライフスタイル 健康/美容 「全部を1人でやらなくてもいい」南アフリカでの経験が変えた、3児の母のキャリアと美意識

「全部を1人でやらなくてもいい」南アフリカでの経験が変えた、3児の母のキャリアと美意識

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パートナーの駐在に帯同して、はるばる南アフリカへ。そこで出会ったヘルシーな高タンパクのドライビーフ「ビルトン」に惚れ込み、日本で商品化してしまった葉真由(よう まゆ)さん。3児のママにしてベストボディ・ジャパンに優勝というフィットネスビューティぶりにもこのビルトンが役立ったとか。南アフリカで感じたという、健康や働き方に対する意識の日本とのギャップは、今どのようにして事業に生きているのでしょうか?

南アのソウルフードは低カロリー高タンパクな健康食

葉真由さん_ビルトン

国産牛をベースに伝統の味はそのままにMade in Japanのビルトンを開発
出典:Yo(u)s' (ヨウズ)

――葉さんが製造販売されている「ヨウズビルトン」は、噛むとしっとりした食感でとても美味しいですね!

ビルトンは、アフリカのドライビーフで、現地では1,000億円強の市場規模の商品と言われているほどポピュラーなんです。オフィスのおやつ、おつまみ、子どものお弁当などシーンを問わず食べられています。ヘルシーなのでジムに置いてることもあります。

日本でメジャーなビーフジャーキーは、牛肉をスライスして乾燥させたものがほとんどですが、ビルトンは牛肉を2cmの塊のまま乾燥させているので、食感がしっとりしているんです。ヨウズビルトンでは、国産牛を使い、味つけに酢などを使っている以外は無添加で、着色料・保存料も入れていません。

高タンパク、低カロリー、低脂質という点では、サラダチキンを思い浮かべる人も多いと思いますが、「ちょっと外でつまむ」というには不便ですよね。ビルトンはその点、小分けもできて、いつでもどこでも食べられる「持ち運べるステーキ」という感じなんです。

日本にはない働き方の自由さに刺激を受けた

葉真由さん_ビルトン

夫の赴任で南アフリカへ。

―― そんなヘルシーで高タンパクなフードがアフリカにあったんですね。日本で製造して起業されるまでになった経緯は?

昨今のフィットネスブームもあって高タンパクな食材が身近になってきていた一方で、「これは日本にはまだない!」と夫婦で惚れ込んだのがきっかけです。夫は現地での勤務があるので、私が駐在先から1年先に帰国して創業することになったんです。

私としては、会社に縛られるのではなく、自分を大事にできる働き方を実現するために起業したいという思いもありました。私自身、新卒でアパレル企業に入社して現場に立ち、その後は生保大手の営業に転職。それまでずっと長時間勤務に耐えてきていて、残業ばかりの働き方に限界を感じていました。そして、夫と出会って2人の子どもを出産。育児休業後に復帰して時短勤務を経たのち、南アフリカへ行ったのですが、日本にいる間は働き続けるためにかなりの努力が要りました。

南アフリカに来てみると、女性たちがものすごく自分を大事にしていて、自由な働き方をしていたんです。それを見てくると、「お昼の数時間だけ働きたい」「本業だけじゃなくいろいろトライしたい」「週末だけ働きたい」といった自由な働き方が、日本では選択しづらいことに強いギャップを感じました。なので、ゆくゆくは、そういった働き方を実現できるような会社にしていくという目標もあります。

――実際にビルトンを日本で製造できるようになるまでは大変だったのではないでしょうか?

2018年末に帰国して、2019年1月にまず法人登記をしました。そこから子どもたちの面倒を見ながら、自宅に隣接した小さな厨房を作り、半年後には商品化しました。国産牛を味つけして寝かせて40時間ぐらい空気乾燥させるんです。作り続けながら商品検査も受けて、厚生労働省の販売許可を取りました。

脂肪分が少ない国産牛の赤味にこだわって、低脂質で低糖質、そして高タンパクを実現しています。100gあたり47.8gものタンパク質を取れるんです。これは牛赤身ステーキ100gの約2.5倍に相当します。

ボディメイク大会への優勝にも一役買ったビルトン

葉真由さん

――葉さんは、同時にボディメイクの大会に挑戦して優勝もされていますが、ビルトンは身体づくりも役立ったそうですね。

はい。ベストボディ・ジャパンという肉体美と健康的な美しさを表現する大会に2019年に出場して優勝しました。ビルトンを食べて、食と適度な運動による身体づくりを自身で実践することが、ブランディングや販売戦略にもなると思って挑戦したんです。

ジムでのトレーニングは南アフリカ駐在時にすでに始めてはいました。現地では、身体を鍛えるのが文化でもあって、幼稚園の送迎に行くと、トレーニングウェアを着たママも多くて、子どもを預けてスタジオに行く姿に刺激されました。

今年はミセスジャパンのコンテストにも挑戦します。ミセスとしての生き方、経験などバックボーンも問われますし、スピーチでのアピールも必要です。2020年大阪代表に選出されましたので、5月に全国大会に臨みます。

両立のコツは「やってほしいことを遠慮なく頼む」こと

葉真由さん_ビルトン――起業だけでもエネルギーを使いそうですが、さらにコンテストへの挑戦など本当にパワフルですね! 3人の子育てとの両立で工夫されていることは?

夫をはじめ家族がサポートをしてくれていますが、「やってもらいたいことは遠慮せずに言う」ということでしょうか。家事だけでなく、ビジネスでも例えばPRのためのSNS更新など、限られた時間を有効に使うためにも、遠慮せずに自分の右腕のように動いてほしいと言っています。

日本ではまだ、家事も育児も「女の人が全部やらなきゃ」という文化がありますよね。実際、私も専業主婦時代はすべてを自分でやってしまっていました。ところが、南アフリカでは男性もとても積極的に育児に参加していたんです。それを目のあたりにしたことで私自身もだいぶ意識が変わりました。今は、9歳、7歳、3歳と全員男の子の子育ての真っ最中。ですが健康のためにも1人で抱え込まずに、朝は6時半、夜は12時前後には必ず寝るようにして、睡眠時間を確保しています。

――健康、美、育児と積極的な葉さんの取り組み、すごく励みになります。ヨウズでは、ビルトン以外にもさらに新しい商品を始めたそうですね。

グリーンバナナフラワー

100%植物性なので、ビーガン食にも最適
出典:Yo(u)s' (ヨウズ)

ヨウズナチュラルというラインで、南アフリカの高地で無農薬・自然栽培されたグリーンバナナを使った「グリーンバナナフラワー」というグルテンフリーの食材を新たに扱い始めました。母が6年前に潰瘍性大腸炎になったこともあって、腸活や腸によい食品というのを広めていきたいという思いもあります。

グリーンバナナフラワーは、日本人とアフリカ人のご夫妻が南アフリカのバナナ農場で作っているのを輸入しています。グルテンフリーで小麦粉の代替として使えるほか、ヨーグルトやスムージーにそのまま混ぜても食べられます。レジスタントスターチという吸収されずにそのまま腸まで届く難消化性デンプンなので、善玉菌の餌になって腸内環境を整えるといった効果もあります。

南アフリカという場所は縁もゆかりもない土地でしたが、今となっては現地での経験が私の意識も人生も大きく変えてくれました。今後はさらに、食べて健康になることや女性の自由な働き方に共感してもらえる仲間を増やしたいのと、南アフリカの商品を取り扱うことで現地での雇用増に少しでも貢献できればと思っています。

Yo(u)s’ヨウズ

 

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小野アムスデン道子
Writer 小野アムスデン道子

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