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楽しいことだけやって生きる方法を全力で考える!東大卒ママインスタグラマーが、離婚してもハッピーに仕事も育児もこなせる理由

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大手広告代理店に勤めながら、東大卒ママインスタグラマーとしても活躍し、ママコミュニティの運営を行なっている山田茜さん。育休中にはキャリアコンサルタントの資格も取得しているほどの努力家です。「華やかで、ちょっとワクワクすることが好き」と語る通り、キャリアもプライベートもキラキラに彩られているよう。ですが、決して順風満帆ではなく、仕事の挫折や離婚といった大変な出来事も経験しています。シングルマザーというと、ただでさえ忙しいイメージですが、キャリアやプライベートなどどうやってやりくりしているのでしょうか? そこにはブレない行動原理がありました。

社会人3年目で自分史上最大の挫折を経験

――東大卒、広告代理店勤務という経歴に加えて、インスタグラムが大人気でフォロワーが3.6万人もいますね! SNSの発信を始めようと思ったきっかけは何だったんでしょうか?

ずっと憧れていた広告代理店で、新卒で第一希望のコピーライターとして企画・制作の部署に配属されたのも束の間、たった2年ほどで営業の部署に異動することになったんです。突然の異動に、会社員としての宿命を感じつつも心理的には大ダメージを受けました。

企画職に戻りたいとは思いつつも、日々の業務に追われる中で営業としての本分を超えて、営業として企画職の方に仕事をお願いする立場でありながら自分の企画力をアピールするのは憚られました。そこで思いついたのが、SNSでフォロワー数を増やすこと当時Twitterのフォロワー数が多い同期がいて、「X万人にフォローされているんですよ」と自己紹介や他己紹介で触れられて、一つの個性になっていました。

だから、自己紹介で使えたり、会社の人に知られるくらいになって、いつかそのSNS運営力や企画力を認められれば、本業でもまた企画職ができるかな? と思って。それを目標にインスタアカウントを立ち上げ、友達にも最初は完全に秘密にしながら日々一人PDCAを回して運用して、2年弱くらいでフォロワー1万人に。実際に、インスタをきっかけに会社の仕事の指名をいただく機会も増え、異動の理由は定かではないけれど偶然その頃に企画・制作にまた携われる部署に異動しました。

当初の目的を達成してからは、私にとってインスタで発信する目的も変化しました。当初は「フォロワー1万人」など会社の人にわかりやすい数値の達成を目指していましたが、そのために日々運用する中で出会った同年代の女性に、せっかくならもっと貢献できる投稿をしたい、と思うようになりました。

「明日これしてみたい」「今度ここに行ってみたい」など、見た方がちょっとワクワクするような情報を発信して、日々を頑張る燃料となるような、何か楽しみなことをつくるきっかけに少しでもなれたら嬉しいな、というのが今のインスタグラム運用のモチベーションです。

今はママとしての発信をしていますが、花嫁アカウントとして運用していた時期のフォロワーさんは1万人くらい。そこから妊娠・出産を経て、さらに離婚もあり、それをほぼリアルタイムで発信してきたので、今まで見てくださってきたフォロワーさんには、波瀾万丈な人生そのものを応援していただいているような感じがありますね。

山田茜さん

――結婚、出産まではともかく、離婚までありのままを偽らずに発信していることに驚きました。それまでのセルフブランディングとのギャップに迷いはなかったですか?

インスタ関係なく、オフラインでも嘘はつけないタイプなので(笑)SNS上でも自分を偽らないようにしています。それに、「見ていてよかったな」とか「面白いな」と思っていただけるような情報を提供できるアカウントにしたいと思ってやっているので、実際よりも自分を良く見せたいとは思わないんですよ。

離婚協議中は流石にリアルタイムで報告するようなことはできませんでしたけれど、離婚したという事実は、言えるようになったら隠さずに、法的に言える範囲でご報告したいという気持ちでいました。離れていってしまう方もいらっしゃるかもしれないけど、素直に書けば、理解してくださる方も絶対いらっしゃる。そう思っていたので、離婚の報告については迷うこともありませんでした。

――ワーママのサークル「ママキャリア」ではどんなことをやっていますか?

だいたい100人程度の会員さんがいらして、月に2回のzoom会を開いたり、会員限定のオープンチャットで悩み相談に答えたりといったことをしています。運営を一緒にやっているのは、東大の同級生の男性で、私が知る限りでもいちばん頭がいい人。起業してバイアウトも経験していて、私生活ではパパでもあるので、ワーママが多い会員さんの悩みにロジカルに経営者目線で答えてくれる頼もしさがあります。

月額500円にしたのは、気軽に参加していただきたいから。身近な人には話せないけど真剣に悩んでいることを共有し合えて救われる、月に2回のzoom会が楽しくて日々の癒し、という声もいただいています。保育園選びや転職の相談を受けることも多いです。住んでいる地域や年代も様々ですが、みんな何かしらキャリアに興味があって、ポジティブな方が多い印象ですね。

ハッピーじゃないなら無理してやらなくていい

――広告というと激務のイメージがあります。その一方で、SNSの発信やコラムの執筆、講演会、ママサークルの運営や資格の勉強まで、どう工夫して乗り越えているのでしょうか?

基本的には、自分が「楽しいと思えること」を「楽しいと思える範囲でやる」というのを徹底しています。楽しいことを楽しい順にやりたいし、本来やりたくないことは後回しにしちゃうタイプ(笑)。

そもそも、本業は週5日もコミットするわけじゃないですか。週7日のうちの5日!人生の大半の時間を費やすなら好きなことをやりたいし、現状やれていなかったとしても、そこに向けて努力していたい。その代わり、「楽しいことしかやりたくない」なら、それを実現可能にできる方法を考える責務があると考えています。特に仕事において、楽しいことだけやるって実際難しいですよね。でも自分は好きなことをやりたいタイプで、そこを変えたくないなら(笑)自分も好きなことに集中できて、周りもハッピーになれる、win-winな形を全力で模索するしかないんです。

山田茜さん

例えば、「周りはやりたくないけれど自分はやっても良いと思うこと」って意外とあるから、そこを全力で探す。先にそこを発見できて、先んじて周りに貢献できたなら、もしかしたら「自分はやりたくないことだけど周りはやっても良いと思っていること」を周りがやってくれるかもしれない。ただ無責任に「楽しいことしかやりたくない」と主張しても難しいし、周りに迷惑をかけていたら自分だってハッピーではいられない。だから、そこは徹底して工夫しています。

本業以外のインスタも、ママサークルも、コラムも作業自体が楽しいんです。作業自体が楽しいこと、もしくは作業は辛くても「その先のことを考えるとワクワクする」ということ、そのどちらかであれば、いくら時間を使うことも厭わないです。パラレルキャリアや資格の勉強も「辛い」と思うなら、やらなくていいと思っています。

――家事・仕事・育児・プライベートの時間配分はどのようにしていますか?

意外とプライベートの時間もしっかりとっているほうです。ご褒美の時間をとっておくことで、やらなければならないことも短時間で集中してやらざるを得なくなるようにしています。シンママでパラレルキャリアもしているわりには、友達との食事や好きなドラマ鑑賞にかなりの時間を使っていますね。

一方で、いちばん削っているのは家事の時間。家電にたくさん頼っていますし、娘のご飯は一生懸命頑張って作っても、自分のご飯が適当になることは日常茶飯事。ウーバーイーツやインスタントに頼ることもあります。やりたくないことを無理やりやって我慢して不機嫌になってしまうよりは、やらないでハッピーでいたほうが、子どものためにも、周りのためにもなるんじゃないかって勝手に開き直っています。

――抱えこんでしまって、「自分はこれだけやったのに!」と不満が爆発してしまうと誰もハッピーにならないですよね。

自分以外の何かが「裏切らない」と想定するのはよくないですよね。例えば、子どもにいくら勉強させたとしても、必ずしも子どもが勉強を好きになるとは限らないし。

その点、キャリアは裏切らない(笑)。自分がキャリアに悩んだ経験から、産休・育休中にキャリアコンサルタントの国家資格をとったんですが、キャリアって自分次第で、やればやった分、ポジティブな結果を自力でつくれるから面白い。短期的には頑張って仕事をしても報われない・評価されない、といったケースは多々あるかもしれません。ただ、努力して、自分の頭で考えて行動を続けていれば、必ず何か「形にできる」時が来るのがキャリアだと思っています。

本能に従うと「今の会社は辞めたくない」

山田茜さん

――「ハッピーでいられるか」がある意味、取捨選択の判断基準なんですね。独立しても十分やっていけそうですが、会社を辞めたくなったりしたことはありませんか?

営業への異動辞令が出たときはすごくショックでしたし、転職を考えたことがないというわけでは正直ありません。でも結局、自分は大きな組織に所属してチームで働くことが好きなんです。

以前、何人か今の会社を辞めた方にお時間をいただいてお話を伺ったら、「安定や世間体などを考えると辞めたくないけど、本音は辞めたい」と思っていたという方が多かったんです。そう考えると、自分は逆だと気づいたんですよ。コピーライターというキャリアから離れる年月が長くなる前に転職して、他社でコピーライターとしてキャリアを積んだほうが賢明だと思いながらも、本音では「なぜか今の会社を辞めたくない」と思っている自分に気がつきました。そこからは、もう本能に従おうと思って、今の会社でやりたいことをやるという方向に転換したんです。

――茜さんにとっては、「今の会社で働くこと」がハッピーにつながることなんですね。

今のところはそうですね。すっごく面白い会社なんです。もちろん、これから先、それを上回る何かが見つかったら辞める可能性もゼロではないです。会社に限らず、これからも、好きなことをベースにハッピーに働き続けていきたいですね。
 茜さんのインスタはこちら

山田 茜(やまだ あかね)●東京大学経済学部卒業後、広告代理店に勤務。会社員のかたわら、東大卒ママインスタグラマー・ブロガーとして活動。仕事も子育ても遊びも貪欲に楽しみたいママのブログ「ママキャリア」を始め、3つのサイトを運営中、平均月間PVは合計20万PV超。独自のキャリア論があり、育休中に国家資格キャリアコンサルタントを取得、子育てもキャリアも自分自身も楽しめるママを増やしたいと活動している。

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岡部 のぞみ
Writer 岡部 のぞみ

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