Paranaviトップ お仕事 働き方 「奇跡の40歳」美容愛好家mimiさんが語る 「好き」が叶えた居心地の良い働き方

「奇跡の40歳」美容愛好家mimiさんが語る 「好き」が叶えた居心地の良い働き方

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スキンケアと美容医療の体当たり実験がSNSで話題となり、Instagramのフォロワー数10万人を超える人気美容愛好家mimiさん。数年前まで普通の主婦だったという彼女がSNSの発信をきっかけにインフルエンサーになり、事業を始めるにいたった理由とは? 突き詰めて努力する部分と人に任せる部分を絶妙なバランスで実践しているという彼女が大切にしているマインドについて聞きました。

ダイエットアカウントから美容インフルエンサーへ

――SNSの発信がきっかけで普通の主婦から美容インフルエンサーになられたとのことですが、そこまでの経緯を教えていただけますか?

24歳まで大学院で文学の勉強をして、それ以降は音楽の仕事をしていました。そこから、まともな社会人経験がないまま32歳で出産。その後も歌手の仕事は続けていましたが、コロナ化でライブが激減して暇になってしまったんです。

当時の私にとって、歌の次に好きなことが美容だったので、美容についての発信をやってみたらどうかと友人にアドバイスしてもらったのがきっかけでSNSを始めました。2019年の秋頃に、最初はX(旧Twitter)で産後ダイエットのアカウントとしてスタートしたんです。すると、フォロワーさんから肌がきれいだと言っていただけて、スキンケアについて聞かれることが増えました。そのときに、実はベビーオイルでメイクを落としているということを伝えると、それが2020年末には「ベビーオイル洗顔」としてブームに。何度も同じことを聞かれるのでブログに書いてみようとブログを始め、気がついたら美容インフルエンサーになっていたという感じでした。

mimiさん

――美容を仕事にしようとして始めたわけではなかったのですね。ダイエットアカウントから方向転換したきっかけは何だったのでしょう?

方向転換というよりは求められたことに対応していったら、いつのまにかそうなっていたという感じです。私自身も18歳ごろから肌が弱くなってクレンジングや洗顔が使えない肌質だったので、スキンケアは20年くらい試行錯誤していました。だから、自分の悩みを解決して、同じような悩みを持つ人に届けたいというのが原動力になっていたと思います。

自分一人でできることって実は少ない

――現在は起業されているとのことですが、どんな働き方をされているか教えていただけますか?

2つ会社を経営していて、1つは美容インフルエンサーとしての発信を法人化した会社です。もう1つは、製品開発や講師などの活動を通して化粧品会社と美容クリニックのマーケティング支援をする会社です。割合でいうと半々くらいなのですが、自分が表に出る活動をしているので企業からお声がけいただくこともありますし、逆に企業向けの仕事をやっていることで一般の方がアクセスできない情報を得ることができています。そういう意味で相互にいい影響をおよぼしてバランスがとれていますね。歌手活動では23年1月にライブに出演するなど、コロナで減っていた仕事も戻ってきてはいますが、YouTubeなど美容関係の発信が仕事の主軸になっています。

――インフルエンサーになってから起業されたということですが、いつごろから起業を考えていたのでしょうか?

もともと起業しようと考えていたわけではありませんでした。インフルエンサーをしていると企業の方とお話しする機会も多く、インフルエンサーの立場から企業に色々な提案をするのが好きだったんです。それで、企業にアドバイスさせていただく仕事を、法人として行うことにしました。するとありがたいことに、一部上場企業から、その企業の美容サイトの運用代行というお仕事をいただけたんです。

mimiさん

私自身、モノと人を繋げることがすごく得意だと感じていて、PRの商品をいただいたら、売るよりも「適切な人に届けたい」ということを意識するので、そこがうまくいった秘訣かなと思います。完全に自己資金、無借金でSNSから始めて、SNSでお金を貯めてから事業を始めたので、ほかの方も参考にしやすいかなと思います。

――人とのつながりを大切にすることが成功の秘訣でしょうか?

そうですね。初めてお仕事をもらったとき、「やります!」と言ったものの社会人経験もない自分がどうやってうまく運用していけるか不安はありました。結果、周りの人に助けを求めようと思ったんです。私は普段から人と接するのが好きで、誰かから助けを求められたらなるべく自分も応えたいと思って助けてきました。そうやって周りの人と良い関係を築くことができていたので、私が騒いでいると誰かしら助けてくれる感じで(笑)。何もわからない中でも、たくさんの人に助けられたおかげでやってこられたなと思います。自分ひとりでできることって実はたいしたことないと思っているので、常にいろんな人を巻き込んでいます。

今経営している会社には、全国に20人以上の業務委託のスタッフがいます。その人たちも半分くらいは、SNSで私をフォローしてくれていた人たちです。私自身、事務作業などが苦手でコンプレックスでもあったのですが、あえて自分でやろうとはせずに、スタッフの方達に任せるというやり方をするようになりました。メンバーみんながそれぞれ自分の得意なことを活かして、補い合える環境が理想です。そのためにも、仕事で「ここが良かった」とか「いつもこうしてくれて助かっている」といったフィードバッグをして、気持ちよく働いてもらえるように心がけています。

「理想にとらわれすぎない」ことも必要

――仕事と育児の時間のバランスはどんな風にとっていますか?

子育ては同居している実母にすごく手伝ってもらっているので、その代わりにお礼をしています。あとは、掃除など外注できるところは躊躇なく外注していますね。SNSでは完璧にやっているように見えているかもしれませんが、まったくそんなことないので安心してくださいという感じです(笑)。私は自分がこうだと思うもの以外は割とこだわりがなくて、自分でやるより人にやってもらったほうが早いものはお願いしていますし、母親としては結構ポンコツです(笑)。とはいえ、私が働くにあたって原動力となっているのは、子どもの存在です。我が子を育てるためにお金を稼ぐということは絶対なので、それがモチベーションになっています。

mimiさん

――完璧に見えるmimiさんにそんな一面があるなんて励まされます……! こだわりや思い込みを捨てるって意外とできないですよね。

こだわりも断捨離するのが大事ですね。自分でないとできないことはそんなに多くないので、それ以外のところは手放す努力をしています。私はもともと専業主婦になりたくて子どもを産んだのですが、結局育児ノイローゼになってしまい、向いてないとわかって……。逆に仕事をしている今のほうが子どもとも良い距離感で接することができるので、私にはこちらが合っていたんだなと思います。

みなさん、ロールモデルなど誰かしら憧れている人がいるかと思いますが、それが呪縛になって自分を苦しめてしまうこともあるかと思います。そういうときは、思い込みを捨てて理想を最適化し続けることが必要だと思います。「こうあるべき」という思い込みはたくさんあるかと思いますが、それにとらわれすぎず、ときには自分の理想を変えていかなければ働きながらの子育てはなかなか苦しいのではないかなと思います。

――理想を最適化し続けることができたら、もっと軽やかに働きながら子育てができそうですね。Mimiさんの今後の展望を教えてください。

40歳を過ぎたときに「自分の幸せってなんだろう」と考えたところ、「自由であること」を大切にしたいなという結論になったんです。何かを成し遂げたいというよりは、自由に楽しいと思える仕事に生かされていたいというのが1つの野望です。

もう1つは、「自分が生きてきた価値を感じて死ねるか」ということ。人から「mimiさんに会って人生変わりました」とか「毎日肌を見るのが楽しみになって感謝しています」とか、そういう言葉をかけてもらったときに本当に幸せを感じます。社会にインパクトを与えるような大きなことでなくても、自分の手が届く人の幸せを真剣に考えていくことがいちばんやりたいことですね。

――一歩踏み出せない読者にメッセージをおねがいします。

モヤモヤの原因を整理することが大事です。環境が悪いのか、自分のやりたいことがはっきりしないのか、整理しながら考えていくと自分の課題が見えてくると思います。あとは何かを始めてみること。最初のドミノの駒を倒すのは絶対に自分でやらないとダメ。何でもいいのでその原動力となるワンアクションをすることからやってみてほしいです。同時に、色々な人と助け合って今までやってきたことがつながるときが来るので、大切にしたい人間関係を築いていくことも忘れないでほしいです。

mimi (みみ)●1983年生まれ。美容愛好家、美容インフルエンサー、歌手:山本美禰子(みねこ)名義で活動。自身が肌荒れに悩んだ経験から、最新の皮膚科学や化粧品について学び、独自のスキンケアメソッド「インテリジェンススキンア」を確立。SNSを通じて発信した、自身が推奨する美容法「ベビーオイル洗顔」が「効果がある!」と口コミで一大ブームに。2021年7月に初めての書籍『インテリジェンススキンケア 〜ベビーオイル洗顔のススメ〜』、22年10月『ファミリースキンケア ~スキンシップのススメ~』を星海社新書より刊行。各SNSへのリンクはこちら→https://lit.link/mimitan090909

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杉森 有規
Writer 杉森 有規

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