Amazon Prime Videoで配信されていた、リアル婚活サバイバル番組「バチェロレッテ・ジャパン シーズン2」。今回は、シーズン2の美紀さんの旅だけでなく、バチェロレッテシーズン1の福田萌子さんの旅も振り返りながら、2人のバチェロレッテの愛への向き合い方、そして真実の愛とは何かを考えていきます。
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最後のローズを渡さないと決断した福田萌子さん
最後のローズを渡さないという決断をしたことにより、さまざまな議論が巻き起こったバチェロレッテシーズン1。そんな初代バチェロレッテは、スタイル抜群で大地主の家系に生まれたという超お金持ちなセレブ女性、福田萌子さんです。ちなみに、萌子さんは最近、妊娠を発表されていましたね。お相手はプロマウンテンバイク選手の方だそうです。
当時の萌子さんの旅のテーマは、「愛とは何か」。そんな彼女が17人の男性の中から最後の2人に選んだのが、後にバチェラー4にも登場した実業家の黄皓さんと画家の杉田陽平さん。タイプの違う2人にそれぞれ魅力を感じていたものの、萌子さんにとって2人は人生のパートナーにはならなかったようです。
黄さんを選ばなかった理由は、「似たところをたくさんもっている黄さんに、熱烈に惹かれることはなかった」とのこと。最後の2人でのデートで、「今日はリスクマネジメントするのやめない?」と萌子さんが唐突に黄さんに伝え、黄さんが涙ながらに恋愛に対する価値観や萌子さんへの想いを伝えていたのは、とても印象的でしたが、萌子さんにとっては似た者同士の人は惹かれなかったのでしょう。(そして、この時の黄さんの紳士ぶりと、バチェラー4での変貌ぶりも後に話題になることに……)
一方で、杉田さんを選ばなかった理由は、「愛おしい気持ちはあるものの、女性として男性を見る目ではない」とのこと。萌子さんは、「もうちょっと一緒にいたいって思った。でも、恋人としてじゃない」と、異性としてではないとはっきり言葉にしていました。愛おしい気持ちから何か始まるかもしれないと思って、ローズを渡すこともできたものの、杉田さんの気持ちを踏みにじる、ズルい判断だと思い、渡さないという決断をしたようです。
私は普段、婚活している女性には、もし、少しでも何か始まるかもしれないと思うのであれば、まずはお互いをもっと知るために交際をスタートした方がいいと言っています。ですが、完全に異性として見ることができないのであれば、それは恋人・結婚相手には絶対にならないと思うので、その人に時間を使う必要はないと言っています。
そのため、萌子さんの決断は、ある意味答えを先延ばしにしなかった、相手のことも思った判断とも言えるでしょう。しかし、「バチェロレッテ」というリアリティショーの結末としては、多くの人が納得できなかったというのもまた事実です。
人を信じる大切さを思い出せた尾崎美紀さん
2代目バチェロレッテとなったのが、実業家でありながら、完璧な美貌を持ちあわせている尾崎美紀さん。美紀さんの旅のテーマは、「鎧を脱ぐこと」。そんな彼女が17人の男性の中から最後の2人に選んだのが、バスケットボール選手の長谷川恵一さんと佐藤マクファーレン優樹さん。
恵一さんは、最初のカクテルパーティで緊張して声もかけられなかった、奥手な大人の男性。そんな彼は、この旅を通して、なかなか気持ちを言葉に出せなかった状態から、気持ちをしっかり言葉に出して伝えることができるようになるという、成長を見せてくれました。
優樹さんは、初対面のときからジェントルマンな一面を見せ、最初のカクテルパーティからストレートなアプローチでファーストローズをかっさらっていった、全力投球の年下男性。初対面から美紀さんの心を掴み、いつも気持ちを言葉や行動にする熱い男性です。
こちらもタイプの違う対照的な2人のどちらにローズを渡すか、最後のローズセレモニーの最中まで悩んでいた美紀さん。そんな美紀さんが選んだのは、佐藤マクファーレン優樹さんでした。
美紀さんが恵一さんを選ばなかった理由は、「恵一さんの家族が恵一さんに対して、本当に変わったねと言ったこと。それを聞いて、変わる前の状態に戻るかもしれないという不安と、戻らないと信じ切るには時間が足りなかった」とのこと。
バチェロレッテという非日常の旅の中で見せている表情と日常に戻ったときの表情が違うのではないかと不安に思う気持ちは、状況は違えど、誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。自分が見ているその人の表情が、ほかの人と一緒にいるときも同じなのか? そうでなかったらどうしようという不安は、多くの婚活女性が抱えているはず。恋愛はある意味「非日常」ですが、結婚となると「日常」になりますからね。
そして、優樹さんを選んだ理由は、「初対面からずっと想いを言葉にして伝えてくれて、行動にも移してくれる。そして優樹さんのお母さんも彼は絶対嘘をつかないと言っていたのを聞いて、その言葉を信じることができた」と。
想いを言葉にしてくれるのは、嬉しい反面、疑ってしまうことありますよね。だんだん言葉が軽く聞こえたり、誰にでもその言葉を言っているのではないかと思ったり……。実際に美紀さんも疑っていたみたいですね(笑)。その気持ちが払拭できたのは、やはり普段から彼を見てきている身近な人や家族の言葉のようです。
違うようで似ていた2人の共通点から見えたもの
真実の愛を見つける旅の中で、2人のバチェロレッテがどのように愛と向き合っていたのか? 最終的なパートナーを見つけるために大事なこととは、まさに美紀さんの旅のテーマにもある通り、「いかに自分自身の鎧を脱ぐことができ、そして相手を信じることができるか」ということなのではないでしょうか。
萌子さんは、自分の鎧を脱ぎ切ることができる人、つまり本当の自分の姿を見せられる人が17人の男性の中にいなかったのだと思います。萌子さんは、男性たちの鎧を脱がせることはできても、自分自身の心の内を見せられる相手はいなかったように見えました。その結果、番組を通じて、ずっと「強い」萌子さんのキャラクターは変わることはありませんでした。その点、今度の新しいパートナーの方との2ショットでは「バチェロレッテ」では見せなかった柔らかい笑顔が印象的です。
一方、美紀さんは、鎧を被ることになった根本の理由を優樹さんに話し、自分の弱い部分や心の内をしっかり見せることができていました。これは、優樹さんのことを本当に信じることができたからだと思います。信じるためには、相手の言葉や行動が大切ですし、その人の周りにいる人の評価もとても重要なポイントになると思います。それが今回の旅で、しっかり得ることができたのが美紀さんだったのでしょう。
自分の弱い部分を見せることって、本当に勇気がいることだと思います。特に、過去の恋愛や人間関係で、なにかしらの傷を負ってしまうと、傷つくのが怖くて殻に閉じこもってしまうことは誰しもあります。そういう意味では、2人のバチェロレッテは、ともに「完璧」と人から見られがちであるがゆえに、脱げなくなった「鎧」も相当重いものであったと言えるでしょう。
「真実の愛」を見つけれられるかどうか? それは、どんなに魅力的でハイスペックな相手と何人会うかが問題ではありません。今までの人生で、知らず知らずのうちに身につけてきてしまった「鎧」をいかに脱いでいけるか? そのためには自分自身が勇気を持って殻を破ること、そしてその殻を破るために相手を信じられるかどうかを見極めること。これは、バチェロレッテじゃなくても、20代、30代と年を重ねてきた女性にとっては、なかなか難しいことでしょう。2人が教えてくれたのは、そんな頑なになってしまった「鎧」の脱ぎ方なのかもしれません。