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旬の食材には、こんないい効能が!食欲の秋に知っておきたい、東洋医学の考え方

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まだまだ残暑が続きますが、季節は少しずつ秋になってきます。秋といえば食欲の秋! おいしい食べ物がどんどん出てくる季節です。秋の食材には、体にいい効能がたくさん含まれています。旬の食材をうまく取り入れ、おいしく食べてもっと健康になりましょう!

自分の体を知り、合った食材を食べよう

“医食同源”という言葉をご存じでしょうか。漢方(東洋医学)で使われる言葉で、中医学(中国漢方)の“薬食同源”として使われていた概念が基になっています。そして薬食同源とは、“命は食にあり、食誤れば病いたり、食正しければ病自ずと癒える”というもの。

  • 毎日の食事も、医学と同じくらい生命を養い健康を維持するのに欠かせない。
  • 薬と食べ物は、本来の根源としては同じものである。
  • 毎日の食事こそ医療の根本で、食生活に気をつければ自然と健康につながっていく。

といった、中国由来の考え方です。

“食正しければ”と書いてありますね。この“正しい”は、一人ひとり正解が違います。また同じ人間でも、季節や状態によって異なってきます。例えば、子どもと大人、お年寄りとでは、食べる量も消化するために必要な体力もまったく違いますよね。季節によって、体を温めたほうがいい時期もありますし、熱がこもりすぎないように冷ましたほうがいい時期もあります。

私たちは、外見も体の中身も人それぞれ異なっています。ですから、漢方を選ぶときと同じように、自分の体を知り、自分の体に合った食材を選びましょう。“薬食同源”には、この東洋医学ならではのパーソナライズ的な考え方も込められています。

5つの味覚「五味」が体に影響を及ぼす

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東洋では味覚を5つに分け、まとめて「五味」と表します。そして五味の過不足が五臓に悪影響を及ぼす(「五味は、五臓を養う」)とし、体質に合わせたバランスのいい食事が重要と説いています。ちなみに五味は、それぞれに役割があり、つながっている臓器があるとされています。

  1. 酸味:肝を養う。肝は、血を貯え血流量をコントロールし、また精神の調整をはかる。酸味はひきしめ、収斂する作用がある。
  2. 苦味:心を養う。心は、血のポンプで、精神、意識、思考の活動をする。
  3. 甘味:脾を養う。脾は、消化吸収に作用、胃腸に作用する。また甘味は味の調和作用がある。
  4. 辛味:肺を養う。肺は、呼吸によって気の生成に関わり、全身のさまざまな機能を発現する。辛味は、体を温める作用がある。
  5. 鹹(かん)味:腎を養う。腎は、生殖、老化に関わり、体液の代謝を調整する(鹹味は塩辛いの意味)。

五味は、私たちの味覚で決めるものではなく、食材によって決められているものです。「これが苦味……?」と意外に思う食材もありますが、昔から続く知恵ですのでご了承ください。大まかではありますが、こういった考えがあるほど、味覚は人間の体に密接に関係しているのです。

秋といえば……なサンマは、栄養の宝庫

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秋になると、脂の乗ったサンマが市場に出回ります。各地で「サンマ祭り」が開催されるくらい、日本で昔から愛されている食材ですね。サンマは五味のうちの「甘味」に含まれます。消化管の状態を改善するほか、体の足りない栄養を補う役割があります。

栄養素も見てみましょう。サンマには、EPA(ドコサヘキサエン酸)が豊富に含まれています。EPAは血液をサラサラにする効果や、動脈硬化や血栓の原因となる悪玉コレステロールの働きを低下させる効果もあります。

そして、EPAは「オメガ3脂肪酸」という脂肪酸の1です。残念ながら、オメガ3脂肪酸は私たちの体内で作り出すことができないため、食べ物から取り入れる必要があります。オメガ3脂肪酸は、体内の脂肪を燃やしやすくしてくれるので、ダイエッターにはとても大切な栄養素。

サンマにはさらに、DHA(ドコサヘキサエン酸)も豊富に含まれているのが特徴です。DHAEPAと同様、生活習慣病に付随する疾患の予防につながります。さらに、脳の発達を促進する効果が期待されています。これが、昔からよく「頭をよくするには、青魚を食べよう!」と言われる所以ですね。

知ってた? エビも、秋が旬なんです

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エビも、実は秋が旬の食べ物と言われています。エビは「鹹(かん)味」に含まれ、「腎」を高めます。東洋医学で、「腎」とは生殖、つまり生きる源のようなイメージです。スタミナをつけるにはぴったりな食材です。体を温める作用もあるので、少し肌寒くなってきた季節にちょうどいいのではないでしょうか。

栄養学的には、エビには「アスタキサンチン」という物質が含まれています。これは、エビやカニなどに含まれる、天然の赤い色素です。この色素、実は高い抗酸化力を持っていて、アンチエイジングにも効果があります。抗酸化力というと、βカロテンやビタミンEが挙げられますが、それよりもさらに高い作用が認められています。

そのほかエビには、「タウリン」という栄養素が含まれています。栄養ドリンクなどの広告で、よく『タウリン○○mg!』というフレーズを目にしますね。これは、タウリンに肝機能を高める働きがあるからなんです。肝臓は、解毒作用を持つ臓器。肝臓が弱まると体内の悪いものを排出できず、なかなか元気が出なくなります。またほかにも、コレステロールを減らす作用や、心臓の機能を高めるといった働きがあります。

タウリンはさまざまな臓器や組織に含まれる成分で、たんぱく質が分解される過程で生成されます。食品では、魚介類や軟体動物に多く含まれています。体内でも作られますが、それだけでは必要量に足りないため、食事から摂り入れる必要があります。

さつまいもには、独自の成分「ヤラピン」が

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さつまいもも、サンマと同じく「甘味」に分類されます。甘味は、脾に分類され、胃腸の状態をよくするものでしたね。食欲の秋というだけあって、おいしいものがたくさんあり、ついつい食べすぎちゃう……そのためか、秋が旬の食材は「甘味」に分類されるものが多いのです。

さつまいもにはカリウムが豊富に含まれているので、むくみの改善も期待できますし、高血圧の予防効果も謳われています。さらにさつまいもの大きな特徴として、腸内をきれいにしてくれる食物繊維が豊富なこと、そして「ヤラピン」というサツマイモ独自の成分が含まれていることが挙げられます。「ヤラピン」は、サツマイモを切った時に断面から出てくる白い液体のこと。胃の粘膜を保護したり、排便を促したりする効果があります。特にさつまいもの皮には、ヤラピンが豊富に含まれています。

おいしい食べ物がたくさんある食欲の秋。食事からも元気を吸収して、パラレルキャリアを充実させましょう!

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木村好珠
Writer 木村好珠

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