Netflixで話題となった韓国ドラマ「梨泰院クラス」のリメイクドラマである「六本木クラス」。香川照之さんの事件で、変な方向に注目されてしまった一方で、出演者の熱演で本家に負けていないとの声もあり、満足度も高いまま完結しました。飲食業界で成り上がるために奮闘する主人公、竹内涼真さん演じる宮部 新(みやべ あらた)の考え方や人との付き合い方は、キャリアアップを考える女性にとっても参考になるものだったのではないでしょうか。そして、そんな新に惹かれ、一緒に夢を叶えるべく、新の出す飲食店「二代目みやべ」のマネージャーになった、平手友梨奈さん演じる麻宮 葵(まみや あおい)の、新に対する想いの変化とともに、相手に好きな人がいたときのアプローチ方法について見てみましょう。
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年上なのに不器用。でも人を大切にする男性に女子は弱い?
葵と新の出会いは最悪。葵が同級生の親からビンタされそうなところを新が偶然通りかかり、止めるのですが、葵はおせっかいと言わんばかりに新を追い払います。その後、たまたま再会を果たすものの、新のお店「二代目みやべ」で葵は高校生でありながらお酒を注文し、お店はオープンしたてで営業停止となります。
新のお店を営業停止にしてしまったことに負い目を感じ、SNSのフォロワー数が76万人のインフルエンサーでもある葵は、「二代目みやべ」を繁盛させるべく、マネージャーに就任します。
新は29歳、葵は19歳と2人の年齢は、10歳離れています。そんな新がオープンした「二代目みやべ」は、六本木という立地にも関わらずオープン初日にまったく客が入らず、スタートから先行きが心配な状況……。集客方法や料理の質、お店の雰囲気などを考慮していない中、勢いだけでオープンしたという感じです。
しかし新は、「日本一の飲食店を目指している」と、大きな野望を堂々と口にします。まっすぐ、真剣に語る姿勢は、本気そのもの。内に秘めた熱い思いを感じます。また、「会社は人」というように、自分が信じた人、信頼した仲間を決して裏切らない、人を大切にする新。
ちょうど私も葵と同じ年齢の19歳のときに、10歳年上の男性に惹かれていたことがあります。彼は、土木作業員だったのですが、親が経営する会社で働いていて、将来はその会社を継ぐ可能性もある人でした。
彼からは、会社を継いで会社を大きくしてやるぞ! という話は聞かなかったものの、いつも一緒に仕事をしている仲間を大切にしていました。仲間やその家族に何かあったときには、自分から率先して仕事を代わったり、仲間が働きやすい環境をどう作ったらいいかを常に考えていました。
そんな彼もとても不器用でした。仲間のことを思って行動しているのに、相手が遠慮しないように黙って行動しているから、仲間に想いが伝わらず勘違いされてしまうこともありました。仕事以外の場面では、女性に声をかけることが苦手で、話すときはいつも緊張していました。
私と話すときも緊張していたのがわかったし、デートに誘ってくれたにも関わらず、連絡先を一向に聞いてこないから、進展しないまま数ヶ月が過ぎる……なんていうことも(笑)。
そんな不器用で人間味あふれる温かいところが、可愛いと思える。こういうところに、女子は惹かれるのでしょうか。皆さんはいかがですか?
相手に好きな人がいる場合のアプローチ方法
不器用だけどまっすぐ夢を追いかける新は、高校の頃の同級生、新木優子さん演じる楠木優香(くすのき ゆうか)に好意を寄せていました。優香は、新が自分に気持ちがあることを知りつつ、「私は、お金持ちが好きだから」と、新と付き合うことはせずにいます。
相手に好きな人がいたとき、あなたならどうしますか? 葵は、優香に対して「私、社長が好きなんです」とハッキリ自分の気持ちを伝え、「欲しいものは絶対に手に入れる。邪魔する奴がいたら叩き潰す」と宣戦布告します。
この場面には、同じ女性ながらカッコイイと思った方も多いのではないでしょうか? 私はその反面、恋のライバルにはなりたくない相手だなと思いました(笑)。
また、酔っ払った優香が、新にキスをしようと顔を近づけたときに「ディフェンス〜〜」と言って、優香の口を手で塞ぐシーンは、とても印象的です。このように、相手に好きな人がいても気にせず、自分に振り向いてもらおうと行動する葵は、純粋に人を好きになることができる女性だなと感じます。
相手に好きな人がいるとわかっていたら、行動をする前、勝負をする前から身を引く人もいると思います。自分を好きになってくれること自体が奇跡なのに、好きな人がいるところから振り向いてもらうだなんて、相当パワーが必要です。
だからこそ大切なのは、「直球で勝負する」ことです。回りくどくアプローチするのではなく、好きなら好きと伝える。相手が好きな人のことを思う時間を作らせないぐらい、一緒にいる。葵の行動をリスペクトし、相手に好きな人がいる場合は、直球で勝負をかけることを意識してみましょう!
恋から愛に変わる瞬間
葵は、新のことをもっと知りたいと常に行動を共にし、ついに新の過去をすべて知ることになります。不器用ながら叶えたい野望が、どこから湧き出ているのか。過去の痛みや苦しみ、そしてそれを背負いながらも努力している新の姿を見て、葵は、好きだという気持ちが「愛」だと気付くのです。
「愛」というのは、痛みは半分に、喜びは2倍にして一緒に分かち合い、自分を犠牲にしてでも守りたいと思える状態ではないでしょうか。一方で、ただ「好き」という感情のときは、「その人のことが好きな自分」に酔っているだけとも言えます。
それに対し「愛」は、相手を大切にしたい、幸せにしたいと心から思い、相手のことを考えて行動できる状態です。これは、前回まで見てきたバチェロレッテ2からも学ぶことができました。「真実の愛」を求めるバチェロレッテの尾崎美紀さんは、最後の1人を決めるときに「自分が心から幸せにしたいと思うのはどちらか」という軸も大切にしていました。
これは、まさに「愛」ですよね! 自分が幸せにしてもらうのではなく、してあげたいと思うこの感情。これこそが「愛」なのです。そして、そう思えるようになるためには、その人のこれまでの人生での喜びを知ることはもちろん、痛みや苦しみを知り、一緒に分け合いたいと思えるかどうかが大切だと思います。
葵は、新の過去の苦しみや痛みをすべて知ったからこそ、「社長の過去に胸が傷んだとき、好きだというこの気持ちが愛だと気が付いた。この人に手を出した奴らは、みんな潰してやると誓った。愛してる、心から……」と涙をこぼしながら、「愛」に気付くことができたのです。
「幸せにしてもらいたい」という気持ちでの「好き」よりも、「幸せにしたい」という「愛」の気持ちが相手の胸を打つのは自然なことです。それが伝わったとき、たとえ相手に別の好きな人がいたとしても、気持ちを変えることができるのではないでしょうか? 逆にいうと、そこまで思えない相手に対しては、「愛」という感情までは抱けていないのでしょう。
婚活などをしていると、相手のスペックに気を取られ、いかに「自分が幸せにしてもらえるか」を考えてしまいがちです。でも、本当に幸せになるために必要なのは、お互いに「相手を幸せにしたい」と思い合える関係性を築いていくための努力なのかもしれません。