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精神科医・木村好珠さん直伝!クリスマス前に知っておきたい、甘口・辛口な恋愛心理学

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いよいよ今年も、クリスマスが近づいてきました。冬になると、なんとなく寂しく、人肌恋しい……そんな気持ちになりませんか? 今回はそんな恋焦がれるみなさんに、甘口・辛口な恋愛心理学をお伝えします。

「惚れたもん負け」は心理学的に正しい

よく「本気で好きになった方が負け」という言葉を耳にしますよね。残念ながら(?)、これは事実だと心理学で証明されています。その根拠となるのが「最小関心の法則」。これは、相手への関心の少ない側が、大きな関心を持っている側を支配できるという法則です。恋愛心理で言えば、相手のことを好きでいる側が、そうでない側よりも有利な立場にいられるということになります。

恋人のいる人や既婚者を対象に、イリノイ州立大学のスーザン・スプレッチャーが行った調査もあります。ここでは、相手のことをそれほど好きではない側のほうが、相手に対して強いコントロールを発揮できることがわかりました。相手に惚れている方は、多少無茶な要求にも応じてしまうのです。ただしこの調査では、片方がもう片方に尽くしているカップルは破局を迎えやすいことも判明しています。

恋人がいるあなたも、この「最小関心の法則」をうまく使うのがコツ。「こいつ、俺に惚れてるな」と自惚れさせるような、尽くす行動を取りすぎると、相手が調子に乗ってしまう可能性があります。たまには関心が低いように見せることで、相手の気持ちを持続させましょう。

MUM効果」で、気になる相手をうまく焦らそう

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心理学では「MUM効果」というものがあります。これは、相手に悪い情報を伝えることを避けようとする心理傾向のこと。情報の受け手が、情報を与えられないことで不安を駆り立てられるという傾向も含まれます。1970年にアメリカの心理学者であるS・ローゼン氏とA・テッサー氏が提唱したもので、基本的にはマイナスな心理に対して使われます。

MUM」は、日本語で「無言」の意味ですが、名称の由来は諸説あります。「テストの結果が悪かったことをお母さん(Mum)に知られたくないときの心理」や、「Minimizing Unpleasant Message(不快なメッセージを最小限にする)」の頭文字など。

仕事でミスをしてしまったとき、すぐに上司に報告をするのではなく、少しでも状況がよく聞こえるような言葉選びを考えたり、報告せずに済ませる方法を必死に考えたりするのもMUM効果の1つです。上司だって悪い知らせは聞きたくないだろうという暗黙の了解のもと、この傾向が発揮されます。

一方で情報の受け手も、相手のことや対象について、知らなければ知らないほど悪い方向に考えてしまいます。例えば就活中に会社からの連絡がなかなか来ないと、「何か悪い印象を与えてしまったんだ、きっと選考に落ちたに違いない」と思い込んでしまうケースです。相手が断り文句を探しているために時間がかかっているのだろうと、どんどん悲観してしまうんですね。

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MUM効果は、恋愛に持ち込むと1つのテクニックになります。例えば、毎日連絡を取っていた相手から急に連絡がこなくなって、不安になったことは誰にでもありますよね。仕事で忙しいのかな? 何か用事があるのかな? と思っても、どうしても気になって何度もLINEを見てしまう……。この、相手を心配させたり不安にさせたりするテクニックこそ、恋愛心理におけるMUM効果です。

ただし、恋愛におけるMUM効果は、やりすぎに注意! 必要以上に相手を不安にさせるのは逆効果です。毎日連絡を取っている人がいて、なんとなく相手が自分に興味を持っているような気がするけれど決定打が来ない。そんなとき、突然に連絡を絶ってみる程度がいいでしょう。連絡を絶つ期間は人それぞれですので、相手の態度によって見極めてください。

なお、まだ相手のことを深く知らない段階でMUM効果を使うのはおすすめしません。相手が「マメに連絡を取るのが好きじゃないのかな」「自分に興味を持ってくれていないのかな」と感じて、離れていってしまう可能性もあります。

会う回数が多い方が、好意を抱きやすくなる!

「単純接触効果」という言葉を聞いたことはありますか? あまり興味がなかった物事や人物に対しても、接触する回数が増えることで、だんだん興味を持つようになるという心理的現象です。例えば、1つのweb広告を何回も見ているとなんとなくそのことが頭の片隅に残り、やがて興味を持つようになるというマーケティング手法があります。これは、単純接触効果を活用したものです。

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単純接触効果はビジネスだけでなく、恋愛をはじめとした人間関係においても効果があると言われています。特定の人に接する機会が増えれば増えるほど、警戒心が薄まり、信頼や好意は増していくと考えられているのです。1968年に、アメリカの心理学者であるロバート・ザイアンス氏が論文にまとめて発表したため、名前をとって「ザイアンス効果」とも呼ばれています。

短い期間で接触回数を重ねよう

単純接触効果において重要なのはあくまでも「会う回数」で、会っている時間の長さではありません。120分の接触を6回と、12時間の接触を1回とでは、トータルの時間は同じでも、前者の方が得られる好意は大きいとされます。できるだけ頻繁に相手の意識に上ることが大事なので、LINEや電話での接触も有効です。

ただし、注意が必要なことも。これは「興味が無かった相手に好感を持つようになる」という現象で、「嫌いだった相手を好きになる」わけではありません。例えば、ヘビが苦手な人が何回ヘビに出くわしても、嫌な気持ちは変わりませんよね。むしろ、嫌いな気持ちが増大するかもしれません。

単純接触効果は、接触する回数や間隔も重要です。効果があるのは10回くらいまでといわれていますし、あまり頻繁にやりすぎると「しつこい!」と逆に相手を不快にしてしまいかねません。だからといって、間隔を空けすぎると相手の印象に残りません。例えば数週間の範囲で何回か会うなど、短い期間で接触回数を増やす方が効果的です。

いよいよやってきた12月。毎日忙しいけれど、恋も仕事も全力でやりたい! そんな頑張り屋さんのあなたに、いいことがありますように!

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木村好珠
Writer 木村好珠

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