Paranaviトップ ライフスタイル 家事/育児 年間学費900万円!?国際エリート教育の最前線を見て、母が考えた「子どもの英語はいつから習うか問題」

年間学費900万円!?国際エリート教育の最前線を見て、母が考えた「子どもの英語はいつから習うか問題」

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教育格差、という言葉を見るたびに気になる我が子の教育。「習いごとや塾はいつから?」「小学校・中学受験ってワーママでもできる?」……疑問は尽きませんよね。この連載では、小・中学受験をテーマにした小説「天現寺ウォーズ」「御三家ウォーズ」の作者で2児の母である佐野倫子が、取材や実体験をもとに、働くママから寄せられた疑問について一緒に考えていきたいと思います。

年間学費900万円!国際エリート教育に衝撃

みなさんこんにちは、教育コラムニストの佐野倫子です。今日は取材で、日本初のフルボーディングスクール(全寮制のインターナショナルスクール)、岩手県にあるハロウ安比に来ています。20228月に開校したばかり、イギリスの超名門校・ハロウ校を本家に持つこちらの学校は、年間学費がなんと900万円!

学費もさることながら、こちらの環境、「庶民母」の私からすると羨ましいの一言。最高レベルの国際エリート教育が施されています。24時間英語の環境で、世界中から集まった仲間や素晴らしい先生に囲まれて教育を受ける11歳から18歳のセレブな生徒さんたち。

ここに通えば授業はもちろん、豊かな安比高原の自然の中でスポーツや芸術の得意分野を磨くことができるシステム。ゆくゆくは7歳から入学できるようになるそうです。

……これぞ、早期国際教育。比べるのもアレですが、それに比べてうちの小学生の息子たちは、幼稚園の頃に英会話教室に行ったきり、今は学校で多少英語に触れる程度。果たしてこれからの時代、これで大丈夫なのかしら……?

俄然遅れを取ってる感を抱きつつ、今月寄せられたお悩みについて考えてみたいと思います。

子どもの英語はいつから習うか問題

Q.3歳の娘を育てる共働きの母です。娘は公立の保育園に通っていますが、私立のナーサリーに通うお友達が、保育中に英語の授業があると聞いて、うらやましく思っています。娘には将来、英語を話せるようになってほしいと思うので、英会話教室を検討中です。でも週に1回ほど通ってどのくらい意味があるのか、また何歳くらいから始めるのが良いのか、悩んでいます。

早期英語教育はいつからスタートするべき?

ご相談の内容、とってもわかります(涙)。私も上の子が4歳の時に、同じように「英語はこれからの時代に必須!」と思い、いろいろな英会話教室を見学。ネイティブの先生が楽しみながら1時間しっかり教えてくれて、自宅学習用のカードやYouTubeの復習教材がついているところを選び、週に1回、2年間通いました。

英語にさほど興味のなかった息子でしたが、先生方のおかげで、とっても楽しく通っていましたし、ジュニア英検も取ることができました。しめしめ、いい感じ。

……しかし、小学校1年生に上がるとき、サッカーやらピアノやら公文やらが忙しく、共働きの中で送り迎えのマンパワーも限られる中、英会話を中断してしまいます。

この中断、がくせもの。英会話教室はとってもよかったし、週に1回しか行ってなかった息子も単語を数十個は覚え、母が嬉しくなるような発音で「Water!」などと言っていたので、意味は大いにありました。

しかし、英会話講師として幼児に教えている友人にのちに尋ねたところ、週に1回の授業で、数年で辞めてしまうと英語をすぐ忘れてしまう。結果、小さい頃の英語への投資が無駄になることも多いというのです。ギク、我が家のパターンです。

皆さんは、ぜひここの部分を少し冷静に考えてから、始める年齢や頻度を検討してみてください。

幼児期に英語を始めるときに考えるべきポイント

  • 通常、英会話教室は少人数グループ制。授業料は週1回の授業で1万〜2万円程度/月が主流。この投資を、何歳まで続けるのかは大まかに計算し、心づもりをしておく。
  • 目標をイメージする。英語を使って仕事をするレベルになるためには、週1回数年通っても程遠いのが実情。例えばビジネスレベル英会話を身につけるために大学時代に1年間留学をするとイメージした場合、そこで必要なお金数百万円は今から少しずつ貯金、幼児期の英会話はオンラインで手頃な英会話教室やYouTube、通信教材など、予算を抑えながら続けるという作戦もあり。
  • 英語に対する抵抗を失くす、友達を作る、などの目標であれば、英会話教室以外にも手段あり。英語サークルや外国人のお友達がたくさんいるスポーツチームなどで実践的に英語に触れるなど、地域情報を集めて手段を考えてみる。
  • 予算があれば、英語で学童保育、スポーツを英語で教える、サブスクの英会話教室、英語のできるベビーシッターを頼む、なども可能。従来のイメージにとらわれずに積極的に検討する。
子どもの英語はいつから習うか問題

私がこのような提案をするのは、英語学習は早いほど、とくにリスニングやスピーキング能力を伸ばすことに有効だと実感していると同時に、ある程度の時間の投資が必要だと痛感しているから。

たとえば1歳で英語を始めても、数年で辞めてしまえばおそらく無駄になってしまいます。だからこそ、ご家庭で無理なく、長く続けられる方法をあらかじめ模索しておくのがおススメ。

ちなみに、私自身は小学校の時に1年ほど近所の英会話教室に通った程度、本格的な勉強は中学生でスタート。その後中高と予備校でゴリゴリ文法のみを勉強して(笑)、大学は英語英文学科に進学、在学中に1年間イギリスの大学に留学しました。今では一応、英語で拙い取材をできる程度にはコミュニケーションを取れます。ちなみのちなみに、夫は社会人になるまで英会話も留学も未経験でしたが、オンライン英会話と企業留学で今ではアメリカ人と英語で交渉をしています。

早くから英語を勉強すれば、語学の特性として、やはり有利なことは間違いありません。ただ、それぞれのご家庭で状況や事情は異なります。できる範囲で、無理なく、でもじっくりと取り組める方法を探して、楽しく勉強できるのがいちばん。一緒に試行錯誤しながら、お子さんの英語道をスタートしましょう!

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佐野倫子
Writer 佐野倫子

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