Paranaviトップ ライフスタイル 恋愛/結婚 坪井安奈さん&齊藤耕太郎さん夫妻に聞く、共働きカップルのお金「折半」事情

坪井安奈さん&齊藤耕太郎さん夫妻に聞く、共働きカップルのお金「折半」事情

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「夫婦のお金は折半がいちばん!」と語るのは、複業・複住タレントとしても活躍する坪井安奈さんと、音楽家として活動する齊藤耕太郎さん夫婦。でも「折半」とひとくちに言っても、いろんなパターンがありますよね。具体的にはどれくらい負担しているの? 1円単位で割り勘してるの? などなど、普段はなかなか聞きづらい夫婦のお金のリアルについて一問一答で答えてもらいました!

大事なのは「一緒に生活を作っている」という感覚

――「折半」って、食事代も一円単位で割り勘してることですか?​​

坪井安奈さん

安奈

折半と言っても、実際はかなり大雑把です。家賃など大きな固定費は折半しつつ、食事など毎月変動するものは「昨日ご馳走になったし、今日は払うね」みたいな感じで、だいたい半分くらいを目指す感じです。

 

家電や家具も、片方が買ったら次はもう片方が買うーーくらいの感覚。月末にそれぞれの出費を計算することもないし、実際に計算したら数万円以上違うなんてこともありそう(笑)。

 

本当に半分かどうかよりも、大事なのは「一緒に生活を作っている」という体感な気がしていて。私たちは2人とも個人事業主で財布を1つにしているわけではないですが、「結局は2人のお金だしね」という感覚があるかもしれません。

齊藤耕太郎さん

耕太郎

俺も「一緒に生活を作っている」という感覚がまさに目指しているところ。

 

夫婦の中では、こちらが料理を主に担当していて、調理に必要な雑貨や食材は自分の裁量で細々とたくさん買ったりします。美味しいものしか作りたくないし食べたくもないから、自分の料理に必要となれば1つ1万円以上するような調味料も買います。

 

でも、それを「俺が高いの買ったんだから、他でもっと出してよ」とは、当然言わない。お互いが同じ熱量でこの家を良くしたいと投資することが、結果的に金銭的なバランス面でも何となく「折半」に落ち着いているんじゃないかな。

元々は「すべて男が払ってナンボ」だと思っていた

――「一緒に出す」のは、2人が出会う前からの考え方?

坪井安奈さん

安奈

実は、私は「できるだけ男性に出してほしい」と考えていた時代もありました……ごめんなさい(苦笑)。でも、気づいたんです。すべてを出してもらっていると、自分の意見が言えなくなるんですよ。

 

これは性格かもしれないですが、相手に出してもらう前提だと外食のお店選びも遠慮しちゃうし、食べたいメニューも値段を気にして頼めないかも。家賃もすべてを払ってもらっていたら、私はインテリアとか家具とか「こうしたい!」と主張できないんです。

 

やっぱり、基本的にはお金を払っている方に権利が発生すると思うので……。自分が何かお金と別の価値を提供しているのならいいかもしれないですが、私は代わりに家事を全部するとかが嫌なので、お金の方がシンプルで気楽だという考えに行き着きました(笑)。

齊藤耕太郎さん

耕太郎

俺も元々は「すべて男が払ってナンボ」だと考えてきたし、それこそが自分のプライドを満たすために必要だと思ってきました。でも、なんていうのかな。「男として」、もしかしたら女性にとっても「女として」みたいなプライドを満たすってこと以外に、メリットがないように感じたんです。

 

妻の言う通り、家のことや家具のことなんかも2人で本気で議論して決めて生きている。議論の可能性を広げられたいちばんの要因は、お互いが経済的にも精神的にも対等なことじゃないかなって思うんですよね。

 

仮に自分が決定の主導権を常に握りたいって思っていたら、俺は全部自分でお金を出す選択をしたと思います。ただその場合、今のような精神的豊かさを感じながら生活することは、できなかったでしょうね。そういう「沈黙の不満」って、部屋の空気に出ると思うから。

「自立」が脅かされたら夫婦関係はおかしくなる

――「お小遣い制」についてはどう思いますか?

坪井安奈さん

安奈

私はお小遣いをもらうとしても渡すとしても、どちらか一方が管理するという構図があまり好きじゃないかなぁ……。

 

先ほど「結局は2人のお金だしね」という感覚があると言いましたが、「自分が稼いだお金は自分で管理する」という感覚も同時にあります。

 

私としては、「一緒に生活を作るけど、お互い自立している」という状態が理想。結婚って、幸せを共有するという意味合いと同時に、リスクを伴う契約でもあると冷静に見ているところがあるかも。もちろん、ずっと一緒にいたい気持ちが大前提だけど、人生何があるかわからないじゃないですか(笑)。だからこそ、お互いが自立して対等でいることは大事かなと思います。

齊藤耕太郎さん

耕太郎

基本的には完全同意なんですが、俺の意見を言うとすれば、実は妻に対してどこか「人として負けたくない」っていう気持ちはあったりします。決して、勝ちたいってわけでもないけど。伝わります?この気持ち(笑)。

 

妻の仕事や創作に向き合う姿勢を心からリスペクトしているからこそ、彼女にお小遣いを渡す想像はまったくできません。逆に俺が食えない音楽家(音楽の仕事してるんです)になったとしても、ヒモとか論外です。「自立」が脅かされたら夫婦関係はおかしくなるし、何より自分がそんな状況を作り出すことが許せないんです。って話しながら何度考えても、妻にお小遣いを渡す自分は想像できない(笑)

お互いが「得意な範囲」で家事を分担

――お金が折半なら、家事も折半ですか?

坪井安奈さん

安奈

家事は、「苦じゃない」方が担当するようにしています。たとえば、私はすべての家事のなかで皿洗いがいちばん嫌いなんです。お皿を洗いたくないから料理をしないと言っても過言ではありません(笑)。でも、夫は料理をするのが趣味で、皿洗いもそこまで苦じゃないみたいで。なので、キッチン全体は夫のテリトリーになっています。逆に、夫があまり好きじゃない洗濯は私の担当です。あと、私は整理整頓や家事の効率化などを考えるのが好きなので、散らかりづらい収納術を試したり、お掃除ロボットなどのスマート家電を導入したりするのも私がやっています。2人とも好きじゃない「お風呂洗い」などはジャンケンで決めることもありますね!
齊藤耕太郎さん

耕太郎

言っとくけど俺は、皿洗いは好きじゃないよ(笑)。ただ、お皿や調理器具の管理も含めて俺の中では料理で、夫婦関係が良好な理由として「俺の城」とも言えるキッチンを自由に使えていることが大きいです。たぶん俺の家事は「趣味 = 創造行為」として偶然ハマった料理に全振りしていて、それで一応、夫婦間ではOKっぽい空気を作ろうとしてます。妻の言うとおり、俺は整理整頓が全然ダメで。言わないでおいてくれたけど、家具の組み立てやトリセツを読んで何かを作るといったことも基本できないので、たまたま料理が好きってだけで旦那やらせてもらってます(笑)

「この人なら介護できる。それでも一緒にいたい」と思ったから結婚した

――今後、妊娠などで働けなくなったらどうする予定ですか?

坪井安奈さん

安奈

妊娠もですが、たとえば病気や怪我などでどちらかが動けなくなった時は、体を動かせる方が支えると思います。「折半」や「自立」の話をしたので結婚に対してドライだと思われたかもしれませんが、前提として「この人なら介護できる。それでも一緒にいたい」と思ったから結婚しています。

 

家事も自分が苦手・嫌いなことを相手がやってくれているので、常に感謝の気持ちがあるんですよね。「分担してるからフェアだよね!」というより、「私が苦手なことをやってくれてありがとう」という気持ちの方が強くて。2人とも一人暮らしを経験しているので、本来はどの家事も自分でやるべきという自覚はあります。だから、もし仮に相手が何らかの理由でできなくなっても、「今までやってくれてありがとう」と思える気がします。

齊藤耕太郎さん

耕太郎

結婚するって決めた時点で、何かがあったら必ず妻との生活がいちばん大事だって思っています。「結婚の意味とは?」と本気で考えていた自分にとって、「2人でいる平穏こそが希望」と思えたことこそが解でした。もちろん、お互いに仕事で自己実現しあいたいし、その姿を見ていたいけど、同時に家庭こそが心の燃料でありエンジンです。結婚してから1〜2年ほどの短い時間の中でも、妻の課題にも俺の課題にも一緒に向き合って、何度も乗り越えてきました。妊娠はかけがえのない出来事だし、病気や怪我も乗り越えられれば「夫婦列伝」に綴られる歴史にできると信じています。
坪井安奈(つぼいあんな)●パラレルキャリア10年目。慶應義塾大学卒業後、小学館に入社し、雑誌編集者として勤務。2013年、「職業は1つって、誰が決めたんだろう?」という素朴な疑問から同社を退社し、編集者兼タレントの複業を開始。IT業界誌『Grand Style』編集長、美容メディアの編集長などを経た後、2018年にシンガポールに移住し、新たに広報業を拡大。現在は個人事業主として独立し、編集者/タレント/企業広報をツールに伝え手として活動中。
齊藤耕太郎(さいとうこうたろう)●音楽プロデューサー・アーティスト・オンサインサロンオーナー。慶應義塾大学商学部卒業後、新卒で博報堂に入社。5年間の営業職を経て、CM音楽の作編曲・プロデュースを開始し独立。2018年にフルアルバム『BRAINSTORM』をリリースし、収録曲がSpotifyバイラルチャートで1位を記録。2022年にシンガー名義「leift(レフト)」としても活動開始し、楽曲『leaves』がアニメ『ユーレイデコ』のイメージソングに起用される。現在はアーティスト業、音楽制作業、執筆や登壇など音楽に関するパラレルワークを展開中。

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Writer 坪井 安奈

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