Paranaviトップ ライフスタイル 健康/美容 夏に向けて「漢方でダイエットをしたい」あなたへ、漢方の選び方を伝授

夏に向けて「漢方でダイエットをしたい」あなたへ、漢方の選び方を伝授

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だんだんと暑くなってきました。梅雨が明けたらもう夏! コロナ禍でなかなか外に出られなかった分、今年の夏はアクティブに行動したいと思っている方も多いのではないでしょうか。そんなときに、気になるのが体型。海に出かけたい!薄着でかわいい洋服を着たい!でも、今の自分の体型だと難しいかも……そんな方へ、ダイエットに対する漢方の選び方をお話しします。

漢方薬は、体の内側から体質を変えていくイメージ

ダイエットサプリもいろいろあって、どれを飲んだらいいのか選ぶのが難しいですよね。とくに海外のものは容量が日本人に合わないこともあり、気持ち悪くなる人や動悸がする人もいる模様。かといっていろんな薬を飲むのはちょっと怖いし、何か手軽に使えるものはないかな? と考える人にお勧めなのが、漢方でのダイエット! でも、実はどれを選んでも良いわけではありません。

まず念頭に置いてほしいのが、ダイエットは「食事と運動が基本」だということです。漢方もダイエットサプリも、あくまでダイエットを頑張る人の手助け、補助をするものです。

漢方薬は、東洋医学で使われるもので私たちの生活でも見たことがあるような、ミカンの皮、ナツメや生姜、牡蠣の殻など自然由来のものを原料としています。漢方薬は症状に対して1対1対応で治す! というよりは、体の内側から体質を変えていくイメージです。それぞれの生薬に消化促進や利尿作用などさまざまな効果があり、それらを絶妙に混ぜ合わせることで相乗効果を発揮しています。

ダイエット漢方

ダイエットでよく用いられる漢方は以下の3つです。

  • 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
  • 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
  • 大柴胡湯(だいさいことう)

それぞれの漢方薬は、名前が違うとおり、もちろん使っている生薬が違いますので、どの漢方が適しているかも体質によって違います

ダイエット漢方の代表格といえば、防風通聖散

「ダイエットの漢方薬=防風通聖散」というくらい最初に思い浮かぶのがこれ。ダイエット漢方として有名になっています。ドラッグストアで、漢方系のダイエット製品の成分の主流となっていることも。患者さんからも、「最近ダイエットしたくて、防風通聖散を飲んでいるんですよ」という声をたまに聞きます。

メーカー・ツムラのHPでは、効果をこのように示しています。

体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:
高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症

“肥満症”と明記してありすね。この漢方は、18種類もの生薬でできています。生薬の中で代表的なものを見てみますと、大黄の下剤作用や麻黄の発汗作用、芒硝や滑石の利尿作用といった感じです。

いかにもダイエット向きに見えるかもしれませんが、誰にでも適しているというわけではありません。この漢方は基本的に「食欲が旺盛で食べるの大好き! ついついたくさん食べ過ぎちゃっておなかぽっこり」というような人、そして体力がある人向けです。便秘薬としても処方されることもありますが、「元からそんな太っていないけど、もっともっとダイエットしたいし、便秘気味。でもそんなに体力があるわけでもない」という方向きではありません。

漢方はあまり体力がない人が体力ある人向けのものを内服していると、逆にエネルギーがどんどん不足してしまったり、下痢などの副作用が出たりする可能性もあります。防風通聖散を内服するのは、腹圧がしっかりしている方にしましょう。

ダイエット漢方

むくみがちで、たくさん食べないのに太っちゃうなら防已黄耆湯を

ツムラのHPでは、こう記されています。

体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:

肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)

女性で、あまり食べているわけではないのに太ってしまう方や、むくみがあって肌が白くポチャポチャしているような方にはこちらを勧めています。

この漢方は6つの生薬で構成されていて、防風通聖散とおなじ、朮や生姜などが入っています。名前にある「防已」や「黄耆」には利尿作用があるので、特にむくみを感じる方に適しているんですね。

ちなみに、ダイエット以外でも、膝に水が溜まりやすい方の関節痛に処方することがあります。これは、防風通聖散とは違い、体力にあまり自信がない方も安心して使用できます。

ダイエット漢方

ストレスでイライラしてやけ食い太り!な人は大柴胡湯

3つめはこちら。これもツムラから引用すると、このように記されています。

体力が充実して、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しく、便秘の傾向があるものの次の諸症:

胃炎、常習便秘、高血圧や肥満に伴う肩こり・頭痛・便秘、神経症、肥満症

主な生薬の構成としては、防風通聖散にも入っていた生姜や大黄などの他に、ストレスを緩和する大棗などが入っています。そして、もっとも大きな特徴は「柴胡」と「黄芩」が入っていることです。漢方では、この二味を主薬とする処方を「柴胡剤」と呼びます。

柴胡剤は、胸脇苦満と呼ばれる症状がある人に適している薬と言われます。肋骨の下あたりを押すと張っていて痛みや苦しい感じがする方や、胸や心窩部が張っていて気持ち悪くなる方や、めまいがある方に向いています。その中でも、大柴胡湯は比較的体力がある人向けの処方。体力があり、「便秘がちでなんとなくおなかが張っている感覚がある。ストレスでイライラしてやけ食い太りしちゃう!」という方にオススメの漢方です。

漢方も薬ですので、まったく副作用がないわけではありません。そして自分に合ったものを飲むことが大切なので、できれば病院で定期的に診てもらうのがいいと思います。今すぐ病院に行く時間がないけど、ダイエットを始めたい! という方は、ぜひこの記事を参考に選んでみてくださいね!

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木村好珠
Writer 木村好珠

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