Paranaviトップ ライフスタイル 家事/育児 実録!令和の中学受験生&親、灼熱の夏。1日12時間以上勉強するって本当?

実録!令和の中学受験生&親、灼熱の夏。1日12時間以上勉強するって本当?

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「働きながら子育てが大変」と聞くたびに、心配になることがたくさんありますよね。この連載では、小・中学受験をテーマにした小説「天現寺ウォーズ」「御三家ウォーズ」の作者で2児の母である佐野倫子が、取材や実体験をもとに、働くママに「ワーママライフハックのバトン」を渡したいと思います。

中学受験生にとっての夏は「戦いの夏」

いよいよ夏本番。今年の夏は旅行需要も回復し、数年ぶりに楽しむぞ! という方も多いはず。

しかしそんな待望の夏がそのまま「戦いの夏」になるご家庭も。そう、中学受験生がいるご家庭にとって夏は「天王山」。受験するのは子どもとはいえ、場合によっては働くお母さんも同じくらいハード(涙)。親子の受験として、質量ともにもっともハードだと思われるのが中学受験なんです。

過熱の一途をたどる中学受験は、2024年も過去最多レベルの受験生が参戦すると目されています。そんな令和の中学受験、果たして6年生のスケジュールって一体どんなものなのでしょうか?

今回はタイムリーに6年生男子の母であり、教育ライターの筆者が、将来中学受験を検討している方のためにその詳細をレポートしたいと思います。

……正直言って、こんなにハードだとは。果たして我が家は決戦の夏を乗り越えられるのでしょうか?(涙)

受験生の夏のスケジュールと金額例

令和の中学受験生&親、灼熱の夏

「ハードハードっていうけど、果たして何がどうハードなの……!?」

皆さんそう思いますよね。私もそうでした。そこでおっかなびっくりクリックした、子どもが通う中学進学塾・SAPIXの夏期スケジュール。講習の中身は以下の通りです。

夏期講習 全18日間

13:30~19:30。算数18コマ、国語18コマ、理科9コマ、社会9コマ。費用は194,700円

夏期志望校錬成特訓 全5日間

13:30~19:30。算数5コマ、国語5コマ、理科5コマ、社会5コマ。費用は66,000円

この2つは原則全員受講です。これ以外にテストの日や8月の末には平常授業もあり、体感としては、夏休みの間はほとんど塾に行くという感じでしょうか。

……間違いなく、12歳の小学生にとっていちばん熱く、ハードな夏になる予感……。

親の負担が多いのは、大量のテキストとプリントの整理

先日参加した保護者会では、日頃は「クール」と評されるSAPIXの先生たちがついに秘めた闘志をあらわに、「四の五の言わずに前に進むのだ!」という気合を発していらっしゃるのをひしひしと感じて、母は震えあがりました。

息子のいる校舎のコースは10以上あり、毎日行われる授業内テストでクラスが激しく昇降します。よく巷で話題になるのが、SAPIXの御三家登竜門ともいえるα(アルファ)クラス。ここに入るため、夏休み前に行われた「組分けテスト」でせっかく頑張っても、無情にも初日で落ちる可能性もあるわけです。

そうならないために……というよりも合格に必要な基礎学力を養うため、授業を終えた翌日の午前中、いかに自習で習熟するかが肝となるはず。私のように働く母は、このあたりで心臓がどきどきしてきます。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、SAPIXは比較的親の負担が大きい塾と言われています。その理由の1つが、復習主義のために毎回の授業で配られる大量のテキストとプリントの整理。それぞれの授業でどっさりと初見のテキストやプリントを持ち帰ってくるので、ファイリングをさぼると数回で机の上は崩壊。そしてこれはとても小6男子に任せられるものでもなく……。

令和の中学受験生

またおそらく、大量の演習でミスした問題に効率よくアプローチするためには、親がある程度整理したほうがいいのは明らか。熱心な親御さんの場合、専用アプリに問題をスキャンで取り込み、デジタルファイルをして、再びランダムに子どもにプリントして与えているとか。

働く身でそこまでできないのは確信していますが、午前中放っておくと、しっかり親御さんに伴走してもらったお子さんに比べて、効率が下がるんじゃないかと正直不安です。調べてみると、中学受験生の夏休みの1日の平均学習時間は、塾と家庭学習を合わせて10時間程度。もちろん人によってはさらに勉強しています。

あれこれの工夫で乗り越えた!先輩ママ4人の経験談

ではこのような夏の勉強に、先輩ママたちはどのように伴走したのでしょうか? すでにお子さんの受験を終えた方にインタビューしました。

塾がない午前中はテレワークにして、リビングでひたすら仕事と勉強。さながら家は自習室の様相でした。勉強を見ることはほとんどできなかったけれど、多分子どもが1人でやるよりもやる気を維持できたように思います」(会社員事務職)

夏は思い切って仕事の量を半分にしました。客室乗務員なので、育児中の社員は申請することでフライト時間を調節できる制度があって、これをフル活用しました。塾が夏期講習中はお弁当が必要なところだったので、フルタイムのフライトと両立は厳しかったと思います」(CA)

「私の仕事はテレワークができなかったので、もう腹をくくってできる範囲で子どもをサポートすると決めました。高い講習代を払うためにも仕事を辞めるわけにはいきません。具体的には、オンライン自習室というのを検索で発見し、入会。なんのことはない、Zoom会議に入って受験生たちがもくもくと自習するんですが、サボりの抑止効果はあったかも。キッズ携帯を持たせて1時間に1回進捗を聞いたり、早起きしてプリントアウトした問題を取り出しやすくセットしたり、そういう地道な工夫で乗り切りました」(公務員)

「ウルトラCで、田舎の母に2週間泊まり込んでもらって、子どもの勉強中はそれとなく監視……というかとにかく横にいてもらうように頼みました。おばあちゃんだと甘えてさぼったりもしていたようですが、それでも1人で家においておくよりもよかったと思います」(サービス業)

皆さん、それぞれのやり方で工夫して夏を乗り切ったんですね……! もちろん個人差もありますが、本気で対策をすれば、働きながら中学受験生の伴走をすることは可能な様子。よかった……!

ちなみに塾で推奨されたのは朝6時に起床、午前中はひたすら勉強して、午後は塾、夜は22時就寝、というサイクル。計算上は、1日12時間ほど勉強できることになります。……果たしてそんなことが12歳に、そしてアラフォーの働く母に、可能なものでしょうか。

この結果は、またいつかレポートさせていただければと思います。お子さんの中学受験を検討されているパパ・ママたちの参考になれば幸いです。

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佐野倫子
Writer 佐野倫子

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