Paranaviトップ お仕事 働き方 場所に縛られない働き方を目指して踏み出したキャリアの一歩、初めてのリモートワークの実態は?

場所に縛られない働き方を目指して踏み出したキャリアの一歩、初めてのリモートワークの実態は?

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キャリアに変化を起こす一歩を踏み出した瞬間のエピソードをお届けするシリーズ「キャリアの一歩」。前回のエピソードでは、リモートで働くライフスタイルを実現すべく、30代未経験転職への一歩を踏み出しました。今回は「出社×リモート」というハイブリッドな働き方はどうだったかについて、お話していきます。

フル出社からリモート可のハイブリッドな働き方へ

転職前に私が勤めていたのは、リモートワークができない会社でした。そこからリモートでの働き方を希望して転職活動を始め、本命だったフルリモートへの転職は叶わなかったものの、リモートワークを導入している会社に転職することができました。コロナ禍の2020〜2021年当時、私の住む地方でリモートワークを導入している会社はまだ非常にめずらしい存在で、求人に巡り会えたのも奇跡のような状態だったのです。Webマーケティング会社へ入社した私は、Webメディアを運営する部署で編集者として働き始めました。

転職先の会社は原則出社で、本人や子どもの体調不良などイレギュラー時はリモートワーク可という働き方でした。個人の裁量で出社とリモートワークを自由に選択できるわけではなかったものの、生理痛がひどい日など「出社でなければなんとか仕事はできそう」という、有休を消化するほどでもない不調の日には、上長の許可を得てリモートで働くことが可能だったので非常にありがたかったです。

肝心のリモートワークといえば、未経験の私にとって働き方のすべてが新しいものでした。県外にある本社と支社それぞれにいるメンバーで仕事をしていたこともあり、全社的にリモートで働けるように業務が設計されていました。

同じオフィスの出社している者同士でも、やり取りの内容を残すため業務上の会話はすべてチャットツールで行い、社内の朝礼や定例ミーティングはオンライン会議ツールで行います。会話も業務マニュアルも、社内のあらゆることがオンライン上で見える化しているのが、リモートワークという働き方でした。さまざまなやり取りのログが残っていることは、業務の研修や引き継ぎの際はとくに便利です。

リモート可とフルリモートはまったくの別物だった

コロナ禍真っ只中だった当時、緊急事態宣言の期間中は在宅勤務へ切り替わり、私はそこで初めてフルリモートで働くことを経験しました。普段からパソコン一台で業務が完結するためわかってはいたことでしたが、フルリモートでも問題なく仕事が完結できました。

オフィスに出社しているときと比較すると、在宅勤務の期間は1日往復2時間の通勤がなくなった分、自由時間が1日2時間増えました。これは大きな変化です。また、通勤がない分睡眠時間が増えて、ずっと疲れ気味だった体調も良くなりました。

しかし、緊急事態宣言が解除されるとまた出社の日々へと戻りました。当時は雪が降る真冬。通常の出社時よりもさらに早起きして、雪かきをしてなんとか車を出し、雪の降る中をゆっくり運転して通勤します。しかし苦労してオフィスに出社しても、会話はすべてチャットなので、誰とも会話をしないままパソコンに向き合うだけで1日が終わります

夜遅くまで残業をしてクタクタになった後、寒くて真っ暗な駐車場で車にこんもり積もった雪を降ろしながら、「在宅でもまったく変わらず仕事ができるのに、私はなんのために出社しているのだろう」という気持ちが日に日に募っていきました。

出社+リモートのハイブリッドと、フルリモート。両方の働き方を経験してわかったのは、「リモート可」と「フルリモート」はまったくの別物であるということです。

私は、次第に出社への意味を本気で見出せなくなっていました。「リモート可」といっても、原則出社+イレギュラーでリモート可もあれば、原則リモート+イレギュラーで出社など、そのバランスも企業によります。また、リモートで働くことを本人の意思で自由に選べるかどうかも、リモートワークの大きなポイントであることがわかりました。

完全なるフルリモートの会社であれば、全国どこに住んでいても関係ありませんが、月に1回でも出社があるのならば、やはり会社に通える範囲の場所に住んでいる必要があります。そのたった1回があるかないかで、住む場所や私生活の自由度は驚くほど変わるのです。

フルリモート転職へ1年越しの再挑戦

もともとフルリモートで働くことを希望していた私は、前回の転職活動の際に、リモート可の会社からフルリモートの会社へ2段階で転職することを決めていました。

1年ちょっと出社とリモートのハイブリッドで働いた会社では、仕事自体は楽しく、そこで働く仲間のことも好きでしたが、会社のカルチャーと働き方への価値観の面で折り合いをつけることが難しくなってしまいまいました。

フルリモートという働き方によって、これまで労働に付随していた非生産的な時間を排除し、もっと大切なことに時間を充てられる生活が自分にとっての理想だと再認識したのです。

そんなことを考えていたタイミングで、偶然フルリモートの会社から声がかかり、選考に進むことになりました。実はその会社は、前回の転職時に挑戦したかったものの、当時はスキル的に要件を満たしておらず応募を断念した会社でした。そうして1年越しにフルリモート転職に再挑戦した結果は無事に採用となり、ついに念願のフルリモートで働くことが決まったのです。

最近ではリモートワーク人気の高まりもあって、「リモートワーク」の記載がある求人も増えました。求職者への魅力づけのために大々的にアピールしている会社もあるものの、その実態はさまざまです。リモートワークを打ち切って出社回帰している会社も多くあります。リモートワークを転職の条件にする際には、入社前に細かい部分のすり合わせをしっかりと行うほうがよさそうです。

そのようにして、ついにフルリモートへの転職を叶えた私は、30代半ばでさらなる挑戦へと踏み出すことになります。そのお話は、また次回に。

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Writer Miyu

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