連載「キャリアに寄り添う名品」では、ジュエリー・ウォッチ・バッグなど、仕事を頑張るあの人のそばに寄り添う、名品とのストーリーに迫ります。第2回目の今回は、会社員として出版社に勤務しながら、ライター・編集としても活躍するさくら もえさんに、30代で初めて手にしたジュエリーとの思い出を語っていただきました。
Contents
- 今回の名品
クーゲル リング/TASAKI(タサキ)
新たな名前で再出発したときに出会ったクーゲル リング
——さくらさんは出版社で広告ディレクターとして働きつつ、ウェブメディアのライターや編集としてもお仕事をされているんですよね。パラナビで執筆されている記事もよく拝見しています。まさにパラナビのテーマとなっているパラレルキャリアを体現されている方ですね。
ありがとうございます。実はライターのときに使っている「さくら もえ」という名前はペンネームで、以前は旧姓で活動していたんです。ライターや編集のお仕事は会社員をやりつつなので、始めた当初は小さく小さくやっていたのですが、それがいつの間にか広がっていってちょうど軌道に乗り始めたような時期に、ペンネームを今の名前に変更したんです。
出版社のネームバリューがなくても、私個人を信頼していただいて仕事ができるということは、自分の中でどんどん自信に変わっていきました。それを何か形として残したいと考えていたときに出会ったのが、TASAKIの「クーゲル リング」だったんです。
——クーゲル リングとの出会いについて詳しく聞かせてください。
当時パラナビでインタビューさせていただいた女性がTASAKIの「バランス」のネックレスを着用されていて、それが非常にお似合いで素敵だなと思っていたんです。かつ、その記事をインタビュイーの方が気に入ってくださり、プロフィールにも載せてくださったことが自分の中でとても嬉しくて、ライターとしての自信となるような印象深いお仕事でした。
それと同時期に「そろそろいいジュエリーが欲しいな」という気持ちにもなっていて、ちょうど新宿伊勢丹でジュエリーのポップアップショップが開催されていたので、パラナビ編集長の岡部さんと見に行くことになったんです。そこで実物を見て「これだ」と思ったのが、バランスと同じブランドであるTASAKIのクーゲル リングでした。
——初めてのジュエリー購入は、価格的にも少し勇気がいりますよね。どのようにして購入を決断しましたか。
私はそれまで洋服やバッグ、アクセサリーなどは、プチプラのものや2〜3万で高見えするコスパのいいものを好んで手にしてきた人間だったので、それなりの金額を出していいものを買うという経験が初めてでした。そのため、ポップアップのときには即決できずに一度持ち帰って検討することにしたんです。
そこで購入の後押しとなったのが、妹の存在です。大親友のような2歳下の妹は、似合わないものは似合わないとハッキリ辛口の意見をくれるので、買い物で迷ったときには必ず相談します。その妹にクーゲル リングについて感想を求めたところ、珍しく「いいじゃん、お姉ちゃんに似合うよ」と即答してくれたんです。自分でいいなと思ったものが、他の人から見てもきちんと似合っていることを知れて、自信を持って購入を決断できました。
あとは、これまでインスタントに消費するような買い物をしがちでしたが、今後は賢い買い物ができるようになりたいという思いがあったことも大きいかもしれません。心から満足できるものをひとつ持っていれば、そのアイテムを軸として他のものを買い足していくような買い物の仕方に変わるかもしれないという期待感をもって、大きな買い物に踏み切りました。
ペンネームとリンクした「SAKURA ゴールド」にご縁を感じて
——クーゲル リングのほかに検討したアイテムはありましたか?
ネックレスもいいなと思っていましたが、 やはり自分の目に常に入るものがいいなと思って、初めてのジュエリーはリングにしました。とくにライターは手を使う仕事で、キーボード打っているときに手元がずっと見えているので、仕事をしながら見えるものにしてよかったです。
ネックレスならヴァン クリーフ&アーペルのアルハンブラも可愛いなと思ったのですが、可愛らしい印象よりもちょっと大人っぽく見せてくれるデザインがいいなと思ったので、TASAKIのほうを選びました。
——実際に購入して、クーゲル リングと一緒に日常を過ごしてみていかがですか。
購入してもうすぐ2年経ちますが、いいものは全然飽きないですね。もう5年、10年とずっと一緒にいるような感覚です。家から出ない日以外は、どこへ行くにも必ず着けています。
このリングはあこや真珠が非常に美しく、鏡のように自分の姿が映るほど艶やかで、眺めていると幸せな気持ちになれます。若干ピンクがかったあこや真珠がピンクゴールドのリングとマッチしていて、統一感があるんです。そこにダイヤモンドが合わさっているのも本当に綺麗で、ずっと見ていられます(笑)。
実はクーゲル リングのピンクゴールドは「SAKURA ゴールド」という名称で、自分のペンネームとリンクしている点にもご縁を感じています。私は親からもらった本名が大好きで、それをもじって「さくら もえ」とつけたので、ペンネームは私にとって非常に思い入れのあるものなんです。
——周りからの評判はいかがでしょうか。
「可愛いですね」と言っていただくことが多いです。このリングは指に巻きつくようになっていて、真ん中が空いたちょっと珍しいデザインになっているのが目を惹くのだと思います。一目でTASAKIとわかるデザインのバランスも素敵ですが、王道からは少し外したのも自分らしいチョイスだったなと思います。あとは「似合ってますね」と言っていただくのが、やっぱりいちばん嬉しいですね。
“32歳の自分”を象徴するリングと歩む未来も楽しみ
——クーゲル リングを着けていると、どのような気持ちになれますか。
仕事をしていると、楽しいことばかりではないですよね。そんなときも手元を見ると「大丈夫」と思える、お守り的なアイテムです。メンタルの安定にすごく貢献していると思います(笑)。
私はもともと、仕事でもプライベートでも自信が全然もてない人間でした。周りを見渡すと、自分にないものをもっているすごい人たちがたくさんいて、自分はそんなふうに客観的に見てすごいと思われるような存在になれていないという気持ちがありました。「もっと自信をもっていいよ」と周りに言われても、なかなかそうは思えなくて。自信の源となるような、納得感をもてるものが自分の中になかったんです。
クーゲル リングは、そんな私がパラレルキャリアでうまくいき始めて、少しずつ自分に自信がもてるようになってきたタイミングで購入したアイテムなので、このリングを見ると自分に立ち返れて、強くいられるような気がするんです。これを購入したのは32歳のときでしたが、このリングには32歳の等身大の自分が詰まっています。
今の自分にとっては“32歳時点での自分を象徴するリング”ですが、これから10年後、20年後には自分も変わっているし、このリングもまた別の意味合いををもっているかもしれませんね。これから人生を進めていく中で、このリングがどのような意味をもっていくのかも楽しみだと感じています。
——購入時に期待していたお買い物の仕方や、モノとの向き合い方に変化はありましたか?
無駄な買い物がすごく減りました。たとえば、よく駅ナカなどにあるアクセサリーショップで2,000円くらいのものを衝動買いするような、地味な浪費がなくなりました。手軽に買える価格のアクセサリーって金メッキがはげてきたり錆びたりして汚くなって、「安かったしいいや」となって捨てるじゃないですか。そういうものは買わなくなりました。
新たに買い物をする際はすべての基準がクーゲル リングになりましたし、ちゃんと心からいいなと思ったものを買おうという価値観に変化して、ものを大切にする意識が芽生えたと思います。クーゲル リングは「お手入れしながらいいものを長く使う」ということを私に教えてくれたアイテムなので、初めてのジュエリーとして本当にいいものに出会えたと思っています。
さくら もえ● 出版社の広告ディレクターとして働く。パラナビのコンテンツに深く共感したことから、編集エディター・ライターとして参加。趣味は美術館巡りとJリーグ観戦。仙台の街が大好き。