Paranaviトップ ライフスタイル 家事/育児 【お悩み相談】「中学受験、不合格を見た夫と意見が割れて……」ワーママが直面した本番直前の落とし穴

【お悩み相談】「中学受験、不合格を見た夫と意見が割れて……」ワーママが直面した本番直前の落とし穴

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こんにちは。中学生と小学生を持つ、作家・教育ジャーナリストの佐野倫子です。今月も働くお母さんの教育に関するお悩みについて、一緒に考えていきたいと思います。質問を送ってくださったのは、中学受験戦線真っただ中、小学校6年生のお子さんを持つ千代田区にお住まいの働くママ。1月の併願校で、思うような結果が出せず、夫婦の危機に直面しているというのです……。

併願校不合格。夫は「全部落ちたら公立にいけば」と言うが……?

Q.中学受験生の娘がいます。第一志望は都内の女子校で、これまでコツコツ勉強してきました。自宅からは1時間ほどかかりますが、なんとか通える併願校を探して1月に受験をしたのですが、合格率80%と判定が出ていたのに2つとも落としてしまいました。

2月の受験校のいくつかを変更したほうがいいのではと思うのですが、夫は「偏差値が低いところにいくならば高校受験に切り替えよう」と言って聞き入れません。でも母としては頑張ったのだからどこかに入れてあげたい……。不合格がショックで判断ができていないということなのでしょうか? たいしてサポートをしてくれない夫には、子どもの苦労がわからないんだという気持ちで怒りが収まりません。(練馬区在住42歳/サヤさん)

働くママを悩ませる、中学受験の長期決戦化

まずは中学受験の初戦、お疲れ様でした……! 頑張っているお子さんがベストを尽くせるように、あれこれ心を砕いて本当に一大事ですよね。令和の中学受験は首都圏の場合、昔よりも長期化しています。まず、埼玉と千葉の学校が1月に本番を迎えます。その後、東京と神奈川の学校が2月1日~5日に集中するので、さらに1ヶ月近く大変な日々が続くことになります。

私も昨年は受験生の母としてこの時期は必死に仕事を調整し、ラストスパートをサポートしていました。なのでサヤさんのお気持ち、本当によくわかります……!思うような結果が出ないと、一気に不安になりますよね。

共働きの中学受験、気をつけたい3つの難所

中学受験において、ワーママの前に立ちはだかる問題はいくつかあります。

  1. 仕事があるので、子どもに付きっきりのサポートタイムが短く感じられ、ともすれば専業主婦のママと比べて落ち込むことがある。
  2. 受験直前期や本番は家庭内シフトを組んで、本番は誰かが仕事を休み、付き添う必要がある。長期化しているため、場合によっては1ヶ月間に10日近く休みたい日が発生する。
  3. 配偶者と十分な意思疎通を図り、いざというときに一枚岩で決断する体制を整えなくてはならない。

このうち1と2は気にしすぎず、ベストをつくのみ。周囲のことは気にするとキリがないし、休みが取れない場合は祖父母や知人の手を借りてでも、工夫をして乗り切りましょう。最近は、中学受験の大変さが話題になることも多いため「職場でも理解を得られた」という体験談が増えています。

一方で、意外に難関なのが3なんです(涙)。これは口で言うほど簡単なことではありませんが、サヤさんの場合もここがポイントかもしれません。中学受験に参戦することは合意できていたはずなのに、直前期の「極限状態」になると、ずれも生じようというものです。

我が家も併願校の選定、遠い学校を受けるかどうかなどは意見が割れました。傾向としては、付き添った時間が長いほうが、最後に盤石な作戦を立てたがるもの。私も遠い学校でも安心材料が欲しいから1月はいくつも受けたいと主張し、そこは意見が割れたところでした……。

周囲を見ていても、この難所を乗り切る秘訣は、夫婦のコミュニケーションだと感じました。日頃からよく話し合っているといざというときに方針がブレにくいですね。これは一朝一夕にはいかないので、お子さんが小さいうちから、たくさん話し合っておくと自然にコンセンサスがとれるでしょう。

最終的には“子どものハッピー”に焦点を絞る!

サヤさんの場合、本番直前ですからあまり悠長なアドバイスは意味がありません。迷ったときは、いったん思い込みや自分の経験則を脇に置いて「子どものためには何がいいのか」に立ち返るのがおすすめです。

たとえば「この学校なら公立で」と夫婦のどちらかが主張したときは、お子さんが笑顔になるかどうかを一生懸命思い浮かべてみてはどうでしょうか。コスパ、タイパ、進学率、中学受験の意味、高校受験でいいのでは……いろいろなファクターがありますが、ここまで来たらお子さんのハッピーが最優先です。

多少お金がかかっても、効率が悪くても、頑張ったお子さんが少しでも報われるように知恵を絞ることが、家族の幸せにつながると感じています。残りの期間、どうか全力で実りある時間が過ごせますように。心より祈っています。

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佐野倫子
Writer 佐野倫子

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