働く女性のためのコミュニティSNS「CORE」。20代後半から30代前半の女性をメインターゲットとし、キャリアの悩み・将来の不安・ビジネスの相談などをカジュアルにやりとりできる新しいプラットフォームサービスです。サービスを運営する株式会社CORE代表の尾崎莉緒さんに、COREを通して叶えたい未来について語ってもらいました。
Contents
「スタートアップ」×「人事」のキャリアで見つけた問題意識
――尾崎さんがCOREで手がけられている事業内容について教えてください。
「リーダーシップのあり方を変える」をミッションに、女性のキャリアをサポートする企業です。働く女性のためのコミュニティSNS『CORE』、女性活躍推進に向けて企業を支援する、伴走型人事代行サービス『CORE Work』、働く女性の選択を応援するオウンドメディア『CORE Lab.』を展開中です。どのサービスも、私自身のキャリアの中で見つけた「働く女性のキャリアの選択肢を増やしたい」という問題意識がベースになって立ち上げたものです。
――ご自身のキャリアと事業が結びついているんですね。
私はこれまでずっと、「スタートアップ企業」×「人事」という軸で仕事をしてきました。大学卒業後、当時まだ社員が10名以下だったスタートアップ企業に就職。法人営業からキャリアをスタートし、社内異動で人事部へ。その後フリーランスとして独立し、スタートアップ企業の人事採用支援に携わってきました。スタートアップ企業で働いたり、クライアントの相談に乗ったりしていてつくづく実感したのが、「スタートアップ企業は、女性たちにとって働きやすい環境とは言えない」ということだったんです。
――令和になってもそうなんですね。時代は変わってきているのかと思っていました。
日本のスタートアップ業界がまだまだ男性中心社会であることはもちろん、スタートアップはとにかく実績を出すこと・売り上げを伸ばすことが第一なので、労働環境は過酷になりがちです。制度面でも、新しい会社は人事制度が未整備なところも多く、働き方の柔軟性や産休・育休制度などが不十分なのが実態ですね。とくにライフイベントを控えた若い女性たちにとっては、キャリアの展望を描きにくいだろうと言わざるをえません。
メインターゲットは「ライフイベント前の働く女性」
そんな問題意識の中で新しい事業を模索していて、20代後半から30歳前半までの出産前の女性を対象にしたキャリア支援サービスが非常に少ないことに気づきました。日本で女性向けキャリア支援というとどうしても、「育児と仕事の両立」をテーマにしたワーキングマザー向けサービスが中心になっているのが現状だと感じています。

――確かにそうかもしれません。
当社が運営する「CORE」は、出産などのライフイベント手前の働く女性をメインターゲットとしたコミュニティSNSです。
オンラインでは「自分に似た環境の女性」と出会い、悩みや不安を共有する。オフラインイベントでは「一歩先を行く働く女性」の話を聞く。このオンライン×オフラインの組合せで、「働く女性の自己肯定感を高めること」「キャリアの新しい選択肢を見つけること」を目指しています。
海外で女性管理職のマッチングサービスや会員制コミュニティが流行っていると知ったことが、CORE立ち上げのきっかけです。日本では女性管理職がそもそもまだ少ないので、まずはより若い世代に向けたサービスからはじめ、女性管理職を増やす一助になればと願っています。
大規模リニューアルのポイントは「SNSらしさ」の強化
――COREは、2024年12月に大規模なリニューアルを実施したばかりですね。リニューアルのポイントを教えてください。
COREは「働く女性のマッチングサービス」としてスタートしたのですが、「他のユーザーのことをもっと深く知りたい」「幅広く情報交換したり交流したりする機会がほしい」という声を受けて、SNS機能を強化しました。
具体的には、タイムラインなどでユーザーの趣味や興味関心を発信する機能の強化、募集投稿機能も新しく搭載しています。採用や事業のコラボレーションなどに繋がるビジネスマッチングだけではなく、「お茶しませんか」「趣味の話をしませんか」という気軽な呼びかけが可能になっています。
――それは楽しそう。商談もできるし、人材も探せるし、キャリアの話をするカジュアルなマッチングもできて、色々な使い方ができそうですね。
女性のキャリアとSNSを掛け合わせたプラットフォームは、日本ではまだ珍しいと思います。キャリアに関するプラットフォームというとどうしても採用を目的としたものが多いので、リニューアルを経て、新しいCOREは、ユーザー同士がより幅広く情報交換・交流できるという点に特色があります。
SNSサービスが、女性の自己肯定感を強化していく
――COREは実際、どんな女性たちが使っているのでしょうか。
COREユーザーは、20代後半から30代前半が約6割を占めます。女性限定のサービスであること、「手の届かないロールモデル」ではなく「自分に近い存在」と出会い、仕事の悩みや日常の興味関心を気軽にやりとりできることが、プラットフォームの心理的安全性に繋がっているのではないかと思います。

私は今30歳で、ちょうど同世代の友人知人はベビーラッシュ。私は既婚ですが子どもはおらず、「毎日仕事ばかりしていて、このままでいいのだろうか」と迷いが生まれることもありました。友人たちを見ていても、ワンオペ育児に追われていたり出産や転職のタイミングに悩んでいたり、会社で話せないモヤモヤがたくさんあるようです。「昇進したいけれど、出産のタイミングが……」とか、職場の上長には言えないですよね。
――働く女性がリアルに悩んでいることって、仕事の現場である職場では言えないことが多い気がします。
不用意な発言をして、評価を下げられるのも困りますしね。様々なアンケート結果で、約6割の女性が職場でキャリアを含めた相談ができないと感じているという結果が出ています。組織を構成するメンバーの属性や価値観などのバックグラウンドに類似性がないと、相談に共感が生まれにくく、「意見を聞いても意味がない」と感じて諦めている人が多いのではないでしょうか。
また、COREを運営していると、悩みを話す・共有するだけでも気持ちが前向きになるんだなと実感します。自分に近しい環境にいる人と話すことで、気が楽になったり、新しい選択肢が見えてきたりということがあると思うんです。
――「女性の管理職を増やしたい」とおっしゃっていましたが、尾崎さんは、日本で女性管理職が少ない理由はどんなところにあると思いますか
日本の女性は総じて自己肯定感が弱いと感じているのですが、女性管理職や女性リーダーがなかなか増えないのもそんなところに理由があるのではないでしょうか。実際に、同じような仕事実績であっても、女性のほうがマネジメント職に求められるスキルや能力のハードルをより高く設定しており、その水準より自分を低く見積もる割合が男性と比較して多いと言われています。
SNSで思いを共有することはもちろん、オフラインイベントに足を運ぶことで当事者意識や問題意識をもつことも、自己肯定感の強化に効果があるはずです。COREの運営を通して働く女性の自己肯定感向上に貢献し、自分の取り組んできたことには価値がある、自分の向かう先には道があると信じられる女性を増やしたいです。自信を持って目の道を突き進んだ先に女性の活躍が広がり、将来的に、日本でも女性管理職向けサービスを展開するのが夢です。
2025年3月9日に「Women’s Career Summit」開催!

“思い描いた人生を、わたしたちは諦めない” をテーマにした女性のための国内最大級キャリアカンファレンス「Women’s Career Summit」が2025年3月9日に有楽町にて開催されます。パラナビ事業責任者の飯田も登壇。詳しくはこちら