Paranaviトップ お仕事 働き方 向いている仕事がわからないあなたへ——厚生労働省の「jobtag」で“私に合った仕事”のヒントを探そう!

向いている仕事がわからないあなたへ——厚生労働省の「jobtag」で“私に合った仕事”のヒントを探そう!

SHARE

Xでシェア Facebookでシェア LINEでシェア

今の仕事が向いていないことはわかる……でも何が向いているかはわからない。あるいは、なんとなく今の仕事を続けてきたけれど、これが正解だとは思えない。働く中で、そんなふうに「自分には本当はどんな仕事が向いているんだろう?」と立ち止まる瞬間を、多くの人が経験しているのではないでしょうか。

今回は、やりたいことや自分に向いている仕事がわからない人のために、厚生労働省が提供する職業情報提供サイト「jobtag(ジョブタグ)」の活用法についてご紹介します。「いまさら他の仕事なんて……」「自分には他のことはできそうもない」と諦めるのは、もったいないかもしれません。

jobtagとは?国がつくった“仕事のデータベース”

jobtag」は、厚生労働省が運営する職業情報提供サイトです。あまり聞きなじみがないかもしれませんが、実は日本の公的な“職業データベース”として、2020年3月から公開されています。

その特徴は、約500種類もの職業情報が網羅的に掲載されていることです。まざまな職業の内容、必要な知識やスキル、賃金の目安など、キャリアに関するあらゆる基礎情報が、広告や企業の意図に左右されることなく、中立的・客観的にまとめられています。転職活動中の人はもちろん、自分のキャリアを整理したいときに広い視野で眺められる“地図帳”のようなサイトなのです。

jobtagの機能

jobtagには、目的ごとに次のような主要機能が用意されています。

「自分に合う職業を知りたい」

  • 仕事に対する「興味」から適職を探せる「職業興味検査」
  • 仕事に対する「価値観」から適職を探せる「仕事価値観検査」
  • 自分の「能力面の特徴」から適職を探せる「職業適性テスト(Gテスト)」
  • 自分のスキルや知識などからプロフィールを作成して適職を探せる「しごと能力プロフィール検索」
  • 自分のもつ「ポータブルスキル」を活かせる職務・職位を探せる「ポータブルスキル見える化ツール」

「自分の強み・弱みを分析したい」

  • これまで経験した職業からプロフィールを作成して、希望する仕事とのスキルや知識を比較できる「キャリア分析」
  • ホワイトカラー系職種に必要な能力に対して、自分のスキルを整理できる「職業能力チェック」

「イメージから仕事を探したい」

  • 職業名やキーワードから職業を探せる「フリーワードで検索」
  • “ファッションの仕事”などテーマから職業を探せる「テーマで検索」
  • 地図から働く場所を選択して職業を探せる「イメージ検索(地図)」

「具体的な条件から仕事を探したい」

  • 重視する・できるだけ避けたい・避けたい……といった仕事の性質から職業を探せる「仕事の性質で検索」
  • 仕事の内容から職業を探せる「仕事の内容で検索」
  • 自分のもつスキル・知識・アビリティから職業を探せる「スキル・知識などで検索」
  • 保有する免許や資格から職業を探せる「免許・資格で検索」
  • 実務経験や訓練が比較的求められない職業を探せる「未経験でも比較的入りやすい仕事」

さらに、業種や職種を深く掘り下げて知ることができる機能(例:事務の仕事、金融の仕事など)や、求職活動の進め方についてレクチャーしてくれる「求職ガイド」などのコンテンツも用意されています。

自分に向いている仕事がわからないとき、どう使う?

このように、jobtagには便利な機能が多く備わっていますが、その分どのように活用すればよいか迷ってしまう人も多いかもしれません。ここでは、そんなときのjobtagの歩き方についてご紹介します。

まずは「職業分類」を眺めてみよう

「とくにやりたいことがない」「今の仕事もなんとなく続けてきただけ」そう感じている人は、まずjobtagの「職業分類」の検索ページを使い、検索結果をぼんやり眺めることから始めてみてください。

たとえば、「販売・営業系」「保育・教育系」「事務的職業」などの大分類を選び、中分類 / 小分類を選ぶと、職業の検索が一覧で表示されます。その中には、自分では今まで選択肢に入れてこなかったような仕事が並んでいるかもしれません。

眺めているうちに「こんな職業もあるんだ」「なんだかおもしろそう」といった新しい視点がきっと生まれてくるはずです。

気になる職業ページを開いてみよう

興味を惹かれる職業があったら、その職業の詳細ページを開いてみましょう。たとえば、次のような情報が掲載されています。

  • 主な仕事内容
  • 就業に必要な知識・スキル
  • 実際に働いている人の学歴
  • 就業者統計データ(就業者数・労働時間・年収・年齢など)
  • 一般的な就業形態
  • 産業景況データ

これらを読むだけでも、「この仕事ってこういう力が求められるんだ」「自分にもできそう」「これはちょっと違うかも」といった気づきが得られます。

スキル・知識で検索して“自分の強み”を言語化しよう

jobtagの検索機能の中でも注目してほしいのが、「スキル・知識などで検索」です。強みとなるスキル・知識・アビリティを登録することによって、自分の「目に見えないスキル」が言語化でき「私、実はこれできてるかも」と自分のスキルの棚卸しができるのです。「私には何もスキルがない」と思っていた人も、実は備わっていた“使える武器”が見つかるかもしれません。

「なんとなく働く」から抜け出すために──jobtagの活用法と注意点

jobtagには求人情報は載っていないので「転職サイト」ではありません。しかし、それが転職を前提としない“現状の整理”に向いており、jobtagならではの良いポイントであるといえるでしょう。

たとえば、今の仕事を職業分類で探して必要なスキルや今後の展望を見てみると、「思ったより社会的に重要な仕事だったんだ」「今のままでも十分キャリアになる」といった再発見につながることがあります。働くことへのモチベーションが落ちていた人が、今の仕事への意味づけを見つけられるきっかけになるかもしれません。

使いこなすには少しコツが必要

一方で、jobtagは公的サイトならではの「使いづらさ」も多少あります。

  • 検索が多機能なぶん使いわけに迷いやすい
  • 職業ページの文章がかためで読みづらい
  • 職業ページが具体的な求人情報に直結していない

そのため、具体的に知りたい職業がある場合以外は、職業分類から眺めるのがjobtagの歩き方としておすすめです。

民間の転職サービスと併用しよう

jobtagは、あくまで「客観的な職業情報」を提供するツールです。一方で、民間の転職エージェントやコーチングサービスなどは、利用者の性格や価値観、ライフスタイルに寄り添った提案をしてくれます。jobtagで自分に合った職業のヒントを掴んだあとに転職エージェントに登録するなど、民間のサービスと組み合わせて活用するのがおすすめです。

まだ見ぬキャリアの可能性を広げてみよう!

やりたいことが明確にないと、自分には価値がないように感じてしまうことがあります。しかし大切なのは、自分がまだ世の中のあらゆる可能性を“知らない”ということに気づき、“知る”ためのアクションを始めることです。

jobtagは、他人の意見や価値観に左右されず、静かに自分自身と向き合うための“キャリアの地図帳”です。あなたのキャリアに新たな選択肢が見つかることを願って、jobtagで多様な仕事の世界を覗いてみませんか?

SHARE

Xでシェア Facebookでシェア LINEでシェア

Keyword

Miyu
Writer Miyu

VIEW MORE

Page Top