Paranaviトップ ライフスタイル 趣味 手ぶらで楽しめる! Artbar Tokyoに見る、新しいアートとの距離感

手ぶらで楽しめる! Artbar Tokyoに見る、新しいアートとの距離感

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「趣味を見つけたい」、「新しいことを始めたい」、「家庭と仕事以外の居場所が欲しい」……そんな思いを抱いている方も多いはず。実は昨今、習い事にハマる大人たちが増加し続けているのです。
そんな人のために門戸を開いている、「Artbar Tokyo」をご存知でしょうか? 東京・代官山にある絵画教室×ワインをコンセプトにした、手ぶらで絵画を楽しめる大人のためのスタジオです。今回は、代表の1人であるCathyさんと、プロのアーティストとして活動する傍ら講師を務めるMomoさんに「Artbar Tokyo」についてお話を伺いました!

「アートを身近に」という想い

――まずはオープンまでの経緯を教えていただけますか?

Cathyさん:アメリカでは絵を描くレッスンというのは、とてもポピュラーなもの。日本では、どうしてもアートの敷居がすごく高くて、新しく始めることに対してナーバスになってしまっていますよね。それを解消したいという思いから、もともとアメリカで流行っていた“ペイントアンドシップ”というアクティビティを日本に持ってきたんです。アメリカで、“ペイントアンドシップ”は第二のヨガとも言われているんですよ。アートと交わりながらリラックスして友達を作っていただけたらいいな、と。

――たしかに、アメリカはアートが生活の一部になっている印象があります。美術館に無料で入れる日が設けられていたりするんですよね?

Cathyさん そうですね、毎月1日は無料でやっているところがほとんどだと思います。美術館だけでなく、プラネタリウムなんかも。みんなが簡単に楽しめるものになっているんです。みんな、クリエイティブを一緒に楽しむことが好き。

Momoさん 日本人はどうしても、美術館に行くからネクタイを締めなくちゃ、みたいな堅いイメージが残っている方もいらっしゃると思うんですよね。ここには海外のお客様もいらっしゃいますが、お話をしているとアートへの関心が身近というか、私たちがアニメや漫画を好きなのと同じような感覚で、好きなものは?と聞かれたら、「アート」と答える方が多い印象です。アートとの距離が近いんですよね。

――わかります……。私もアートと言われると、ついつい身構えてしまうところがあります(笑)。絵心がなくても、ついていけるものなんでしょうか?

Momoさん そんなこと全然気にしなくて大丈夫ですよ(笑)! 基本的にここは平日は毎晩、週末には3つのクラスがあって、毎回全然違う絵を描くんです。例えば、今日は抽象画ですが、明日は赤い富士の絵を描く、というくらいにジャンルも対象も異なります。講師や内容によってもプロセスは少しずつ変わってくるんですけど、使う絵の具はこれとこれ、というふうにパレットに準備をして、キャンバスと筆と水が目の前に用意されているところから始まります。そこから、ではこの色とこの色の絵の具を混ぜて……という風にステップバイステップでやっていきます。だから、同じようにやっていただければ、だいたい同じように仕上がるんです。

――それを聞いて安心しました……(笑)!

Momoさん もちろんご自分のオリジナリティーを出したい時は出していただいて大丈夫です。例えば、ゴッホのひまわりを描くクラスだったとしても、「私はバラがいいわ」と思ったら、思うままに描いていただいて構わない。

――え、そんなことも許されちゃうんですか?

Momoさん もちろんです。できあがった富士山の絵の隣に、スカイツリーを書き足していただいたり、富士山の色を全然違うものにしても大丈夫。先ほど、絵の具を用意している、と言いましたが、希望を言っていただければ絵の具は出せますし、作りたい色があればご相談にものります。何でもあり、むしろ、やっちゃいけないことなんてないんです。

――「美術館=堅い」というのと同じで、絵画教室にはルールがある、と勝手に思ってしまっていたことに今気が付きました。

Momoさん でも、日本の美術教育ってそういう側面がありますよね。「今日はキリンを描くから、黄色以外の絵の具はしまってください」と。

Cathyさん その「ルールがない」というのは、ここのコンセプトと同じことを意味しています。あの絵は、ワインを1杯しか飲んでいない時のモナリザの模写は普通に仕上がるけど、いっぱい飲むとどんどんオリジナリティが足されていく、ということを表しているんです。

――これはCathyさんが考えられたんですか?

Cathyさん ここをオープンする時、いちばん初めに作りました。これがすべてを物語っています。つまり、楽しむことが大事!

絵を通して縮まる人間関係

――冒頭で「友達作り」という言葉が出ましたが、実際にレッスンを通して仲良くなる方は多いんですか?

Cathyさん ここには全く異なるバックグラウンドを持っている方たちが集まります。会社員や主婦、学生さん……でも、約2時間、同じ空間で同じものを作っていると、自然と他の方とお話が始まるんです。「綺麗ですね」とか、「それどうやったんですか?」とか。

Momoさん レッスンが終わる頃には、皆さん仲良くなって帰って行かれることが多いです。ここで知り合って、後々飲みに行ったとか、遊びに行ったとか、それこそレッスン終わりでそのまま食事に行った、なんて方も。

Cathyさん アメリカだと、ペイントアンドシップは初めてのデートの場所としても人気なんです。初めて会っても、同じ絵を描いているうちに仲良くなっていく。

――1対1での食事より、ずっとリラックスできそうですね。

Momoさん 日本の方でも、初めてのデートでいらっしゃる方もいますよ。マッチングアプリで知り合って、今日初めて会うんです、と。思わずこっちが緊張するけど(笑)、でもすごくいい感じで和気藹々として、最後に完成した絵を持って、一緒に写真を撮ったりして帰られるんです。

――なんだかすごくほっこりしますね。いろんな方がいらっしゃるとのことですが、年齢層も幅広いんでしょうか?

Cathyさん そうですね。25~50歳ととても幅広いです。週末の午後ともなると、もう少し年齢層が高い方もいらっしゃいますね。

――1回ごとにレッスンを予約できる、というのもこちらの特徴かと思うのですが、通われる方も?

Momoさん 毎月や毎週、それぞれご自身のペースで通われる方もいらっしゃいますよ。もちろん、コンスタントにではなく、ブランクが開くけど数ヶ月後にまた来てくださる、という方も。曜日や時間が固定されていると、義務感にかられて、ふと憂鬱になってしまうこともあると思うんですが、その点ここは1回きりで終われるのがいいところだと思います。手ぶらでいらしていただけるし、レッスンの当日にも予約が可能なので、会社に行ってみて仕事の様子を見てから予約をするのも全然ありです!

――これまでに生徒さんからの反響で嬉しかったものはありますか?

Cathyさん 横須賀から月に2,3回のペースで2年ほど通ってくださっていた方ですかね。最初はとても静かにレッスンを受けていらっしゃっていて、大人しい方だな、と思っていたんですが、お酒を飲んで自由に絵を描いているうちにすごく楽しんでくださるようになって。

Momoさん そういう風にオープンな空気に変わっていく方は結構いらっしゃいますね。あとは、アートに対する価値観が変わったという話はよく聞きます。描いてみて楽しさや難しさが分かると見方が変わる、と。「どうやって描いたんだろう?」とか「こういうことを表現しているのかな?」と、自然に考えられるようになるみたいです。だから、ここに来るようになって画材を揃えて家でも描くようになったとか、美術館に行くようになったとか、そういうお声が1番嬉しい。

Cathyさん 最初は興味がなかったのにお友達に連れてこられた……という方が、レッスンが楽しくて、また来てくださる、というのも嬉しいですね。

Momoさん これは講師がステップバイステップで教えるからこそだと思います。

――距離感の近さ、本当に魅力的ですね。

海外にもファンが!? オンラインでアートする

――ちなみに、緊急事態宣言下ではいち早くオンラインレッスンも取り入れられたとか。

Cathyさん 世の中がこのような状態になってしまってから、やはり営業はすべきではないと考えてスタジオはすぐに閉めました。その代わりに、オンラインレッスンを毎日取り入れたんです。

――画材は各自で用意するんですか?

Momoさん 用意していただく方もいらっしゃいますし、ペイントパッケージといってキャンバスや絵の具、筆がセットになったものを配送するというのもやっています。なので、準備ゼロからできるというところは変わらない。

Cathyさん 続けていただきやすいように工夫を凝らし、レッスン価格もこれまでスタジオで行っていたレッスンとは変えないようにしました。

――かなり多くの生徒さんが参加してくださったのでしょうか?

Momoさん これまでも大阪ではイベントをしていたんですが、基本的には東京にしかなかったので、大阪や三重からも、それこそ毎日のように参加してくださる方もいらっしゃいました。

Cathyさん それだけじゃなくて、チリやオーストラリアなど、世界中からも参加してくださっていたんですよ。ロンドンから参加してくださった生徒さんもいらっしゃったんですが、時差があるから、その方は朝に参加していて。インスタグラムを見て、皆さんここのことを知ってくださったみたいです。

――アートを通しての繋がりが、ネットを通して国境も越えてしまったんですね……! そんな世界中に生徒がいるArtbar Tokyo、こんな人にオススメ!というのがあれば教えてください。

Cathyさん ここでは、カップルに向けた“カップルナイト”、企業の研修として活用いただいている“チームビルディング”など、様々なアプローチの方法を持っています。でも、通常のレッスンには、楽しいことが好きな方やパソコンやスマホを見る時間が長い方、何らかのストレスを感じていらっしゃる方に届けばいいなと思っています。

Momoさん 触ってみて気づかれる方が多いんですが、絵の具を筆で混ぜるだけでもすごい楽しいんですよ。しかも大人になってからやるとさらに楽しい。すごい気持ちいいし、言われたことをやっているだけなのに楽しい!ということをいっていただけることが多いです。何の用意もなしで大丈夫なので、別にアートに興味はなくても、何か詰まっている方は来ていただければリフレッシュできるはず!

Cathyさん 絵を描きたいって思っていらっしゃる方はほとんどいないから、怖がらないで大丈夫!

アートバー

Artbar Tokyo

Artbar Tokyo(アートバートーキョー)

〒150-0034 東京都渋谷区代官山町 7-2

03-6455-3329

https://artbar.co.jp

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