Paranaviトップ お仕事 働き方 「ネイルの正しい技術と知識を広めたい」から始まった人材育成への道

「ネイルの正しい技術と知識を広めたい」から始まった人材育成への道

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 一口にネイル関係のお仕事といっても、その活躍の場は多岐に渡ります。ネイリスト、経営者、インストラクター、講師、商品のプロデュース、コンテスター……。「ネイリストが辿りたいと思った道をすべて辿っているんです」と話してくれた志塚さんは、いってみればネイルの“スペシャリスト”。一体どんなキャリアを歩んできたのでしょう? これまでの経験や今後の目標を聞きました。

「正しい技術と知識」を広めるために

――今、具体的にはどんなお仕事をなさっているんですか?

今回取材していただくにあたって、自分自身のパラレルキャリアについて考えてみたんですけど……思い当たるところがいくつもあって。ネイリストというと、お客様と1対1でやっているというイメージがあるかと思うんですが、私がネイリストとしてやっていることは様々。もちろんサロンワークもしますが、先生としても活動していたり、メーカーのインストラクターや海外での講演活動、オンラインサロンなども行っています。そのほか、商品のプロデュースや雑誌のお仕事、コンテストに出場するコンテスター、そして経営者でもあります。

――ネイリストさんのお仕事って、そんなに色々あるんですね! 恥ずかしながら、ネイリストさんといえばサロンワークだけなのかと思っていました。

たぶん、ネイリストさんがネイリストになりたい、と思った後に辿れる道を、全部辿っていってるのではないかなと思います。

――サロンワーク以外で、最初にはじめられたお仕事はなんだったんですか?

ネイリストをするかたわら、講師をはじめたのですが、それが23歳の時です。きっかけは、地元の群馬県にネイリストの講師がいなかったこと。私自身、最初は地元でネイルの勉強をしたいと考えていたんですが、教えてくれる先生がいないことに気がつきました。そこで東京に出て、日本ネイリスト協会が実施するJNA認定講師の資格を取ったのですが、かなり遠回りをしてしまったなと感じました。時間とお金がもったいないな、と。そこで、地元にいるネイリストを目指している子たちのために、私が正しい技術と知識を教えることで、私と同じような苦労をせずに近道をさせてあげたいな、と思ったんです。

――ネイリストを目指す人のことも考えていらっしゃったわけですね。

その時に信頼していた先生からいただいた「誰も講師がいないなら、いちばんはじめの講師になりなさい」という一言が背中を押してくれました。ちょうど私が東京に出てきた頃にジェルネイルが日本に入りはじめたばかりだったんです。でも、地方はどうしても新しいものを取り入れるのが遅かったり、値段が高かったり、教えてくれる人もいないし、やってくれる場所もない。そういったものを解消するために、私が教えたいなという思いがありました。

――インストラクターとしての活動も、そういったところから派生してスタートしていったんですか?

インストラクターに関しては、実はもともと目指していたわけではないんです。先ほどお話しした私のキャリアの中に、コンテスターというものを挙げたんですが、これは自分のスキルをアップするために挑戦しました。自分の技術が日本中でどのくらいの位置にいるんだろうということを知るためです。

――ネイル技術に関して、本当に向上心が高くていらっしゃるんですね。

もちろん、順位をつけられてしまうことに対しての怖さもあり、出場するには勇気も必要でした。でも、コンテストは色々な分野に分かれて技術を競うことができるので、ネイルケアの部門に出るときはネイルケア、アートはアート、ジェルはジェル……という風に、1つのことを追求することで勉強になることがすごくあるなと感じました。自分の知識と技術をさらに上げるために出場するというのが、まずはじめのきっかけだったんですね。そうしたらやっぱり性格的にも1つの部門ができないとほかの部門にいきたくないないということもあって、1つずつ挑戦して優勝することができました。そのあとですね、メーカーさんの方からお声掛けをいただいたのは。人前に立つということにあまり興味はなかったんですが、もともと使う人や消費者のことを考え抜いた愛情のあるメーカーだなと気に入っていたところにインストラクターとして入った、という感じですね。

――お話を伺っていると、志塚さんご自身もお客様のことをすごく大事に考えられているのだなということが伝わってきます。

自分が講師になったのも、お客様を安心させられるのではないかと思ったからなんです。私に肩書きがあることで、お客様も安心してご来店いただけるのではないかな、と。スタッフにしても同じで、このサロンで働いていたら、何かを学べるんじゃないかという向上心を持って入ってきてくれる人もいるんじゃないかと思いました。なので、講師をしていることも、インストラクターをしていることも、働くスタッフの育成に役立ち、結果的に学んだスタッフがいることで、お客様の安心と安全に繋がると思いました。

技術にとどまらず、目先はスタッフの働き方や作り方にも

――最初におっしゃっていた「正しい技術や知識を広めたい」という思いが、どんどん広がっている感じですね。

そうですね。爪に関するすべての技術や知識もそうですし、最近思うのは、働き方についてもどんどん変わっていっているなと思います。私はサロンの経営者としてスタッフも雇用していますが、その中で、女性が働きやすい場所っていうのはいくらでも作れるなと感じているんです。主婦は雇いづらいと思っている人たちも中にはいると思うんですが、彼女たちは一致団結したら絶対に裏切らないんですよ。

――何か具体的なエピソードがあったり……?

私の話なんですけど、仕事場に向かっている時に保育園から電話がかかってきて、「38度超えちゃったので迎えに来てください」と。そこで私がお店に「やばい、保育園から電話きた。なんとかできる?」とスタッフに言ったら、「大丈夫です、もういっちゃってください」と即座に言ってくれたんですね。あとはスタッフ同士で連絡を取り合ってくれて、その場を収めてくれました。

――すごく心強いエピソードですね。

しっかりとした仕組みを作ることによって働きやすい環境になるなというのを実感しました。それはスタッフ同士の休みを埋めるということだけではなく、何においても言えること。私は、協力し合うというのはすべての行動に繋がると思っています。例えば、1人のスタッフがお客様の対応で時間に追われていることに周りが気付けないようなサロンにはしたくなくて。ネイルサロンって結構無言で淡々とやっているイメージがあると思うんですが、見方を変えれば人間対人間が唯一手を取り合ってする仕事だなと思っているんです。なおかつ、爪は自分からも人からも見える場所。そういう大切な部分を、時間をかけて学んできた技術で施術するわけですから、スタッフの働き方や作り方というのも広めていきたいなと思っているんです。

コロナ禍でスタートさせたオンラインサロン

――それも講師という形で?

コロナ禍をきっかけに、オンラインサロン「最強のネイルサロン経営 by しづかゼミ 」をスタートし、そこでネイルサロンの経営についてお伝えしています。「スタッフが辞めないネイルサロンの作り方」をテーマに、うちのスタッフがなんで辞めないかだったり、どういう仕組みを作って主婦たちを雇用しているかだったり、頭の切り替えの仕方だったり、そういったプラスになりそうな情報を提供しています。

一人で経営をしているとなかなか相談しづらいことも多いので、経営について学べると同時に、メンバーの方々が気軽に交流し、情報交換ができるようなコミュニティを目指しています。また、私のネイルサロンのスタッフに加え、ゆくゆくはメンバーの方が先生として発信できる機会も作りたいと思っています。セミナー講師やデモンストレーションをやりたいという方に、オンラインサロンの中でセミナーをしてもらうことなどを考えています。

――はじめられてから今までで、大変だったことなどはありますか?

誰に参加してもらえるのかな、というのを試行錯誤しながらはじめました。ネイリストの観点と参加する側の観点は異なるだろうと思ったので、何を求めているのか、何をオンラインで見たいのかというところが分からなかったんです。そこで、スタッフ総出で片っ端からインタビューを行いました。なんでやろうと思ったの? なんで辞めちゃったの? とか。そしたら、全然思いつかなかった意見が結構出てきたんですね。そのおかげで光が見えた部分もあります。

――ちなみに、志塚さんのサロンではどういった働き方を取り入れているんですか?

簡単に言うと、チームを3人にしてるんですよ。主婦1、主婦2、そして私で1つのチームに。私がダメだったらこっち、こっちがダメだったらあっち、という感じで回せるようにしているんです。

――一致団結できているからこそ成り立つ関係ですね。

そうですね。時間をかけて、このやり方にたどり着きました。

――後進育成にも注力されていますが、ネイルに限らず、これから新しく技術を身につけたい人へのアドバイスなどがあればお願いします。

嫌いにならないでほしいなと思います。好きで始めたものを嫌いになって終わりにしてほしくない。ずっと楽しんでてほしいなって思うんですね。まず何かを始めようとするのであれば資格を目指してやることもすごく大切なんですけど、合格するためにはそこに楽しさがないとやらされているみたいな気持ちになったり、必死になりすぎてしまうので、楽しさを忘れないことが大事だと思います。

――素敵な言葉ですね。最後に、志塚さんの今後の目標もお聞かせいただけますか?

プロデューサーになることです。JYPさんのような(笑)。私がやってきたパラレルキャリアは、どれをとっても楽しかったんです。なので、全部はやらなかったとしても、商品のプロデュースをやりたいだとか、雑誌のお仕事をやりたい、海外へ行きたい、とか……どうやったらそういうお仕事ができるかというのは、私自身体験してきたので、アドバイスができる。なので、そういうことをやりたいと思っている人たちを育てたいなと思いますね。私が全部やってきて楽しかったので、次は周りに楽しさを撒き散らしたいな、と企んでいます(笑)


志塚 玲子(しづかれいこ)●NAIL SALON RIN’S代表。JNA本部認定講師。NYCOGELインストラクター。NAIL SALON RIN’Sの他、高崎店を中心にMalua3店舗を展開。オンラインネイルサロン経営のコンサルティングを行う「最強のネイルサロン経営 by しづかゼミ志塚ゼミ」や国内・海外のセミナーでも活動中。
Instagram:https://www.instagram.com/reiko_shizuka000/

 

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