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「私なんて…もうダメかも」。ネガティブな気持ちに襲われたときのおすすめ思考法

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なぜか仕事のミスや失敗が重なって、そんなときに限ってプライベートも全然うまくいかない! そんな経験はありませんか? ネガティブな気分が続くと、「ああ、もう私なんてダメだ……」「私、何をやってもダメなのかも……」と思っちゃう人、意外と多いようです。そんな時、どうやったら元気になれるでしょうか。オススメの思考法をお伝えします。

自分を「無理やり励ます」のをやめる

Paranavi読者の皆さんには、「こんな思考のままじゃダメだ!」「元気を出さなきゃ!」と考えがちな頑張り屋さんも多いと思います。でも、それを続けていると、どんどん自分の本当の感情に目を向けられなくなってしまいます。まだ頑張れる、という気持ちが、気がついたら「もっとやらなきゃ!頑張らなきゃ!」という焦りに変わり、自分を追い詰めてしまうことにもなりかねません。

それじゃ本末転倒ですよね。本当の解決策とはいえません。そうしているうちに仕事の効率が下がったり、自分を責める気持ちがどんどん増えてしまったりするかもしれません。ですから、無理してポジティブな気持ちに変える必要はないんです。

そもそも、自分の感情を否定しても、心の根底にある気持ちは結局変わりません。心にフタをしただけで、ネガティブな気持ちが魔法のようにきれいさっぱり消えることはないんです。「私なんて……」と思った時には、「まだやれる」とか「挽回しなきゃ」と、自分を無理やり鼓舞するんじゃなく、自分の気持ちをしっかり受け止めてあげてください。 

「私なんて…もうダメかも」。ネガティブな気持ちに襲われたときのおすすめ思考法

頑張りすぎない時間も、すごく大事です

マイナスな感情は、心身ともに疲れている証拠

そしてマイナスな感情に支配されているときは、精神面はもちろんのこと、体力的にも疲れがたまっていることが多いはず。思い返してみてください。「そういえば、最近残業続きだったな……」「プライベートの時間を全然取れてなかった……」なんて、思い当たる節はありませんか?

この疲れを無視したまま、気力だけで頑張って乗り切ろうとすると、自分の感情だけでなく身体的な疲れにも気づけなくなってしまいます。ですから、まずは自分の体の状態、生活環境を見直すことが大事。心と体はいつもつながっています。体が疲れきったまま、無理して働き続けていると、いずれ心も体も壊しちゃうかもしれません。

そんな時は、まずしっかり休養をとること。基礎的な生活習慣から見直してみてください。毎日ちゃんと睡眠を取れていますか? 食事は13食取れていますか?

私は、忙しいときこそ睡眠時間をしっかり確保するように心がけます。睡眠時間を削ってしまうと、日中の集中力や仕事の効率が下がり、結果的に睡眠不足に拍車をかけることになるからです。睡眠は決して無駄な時間、ぜいたくな時間ではなく、生体維持、思考力維持のための大切な時間です。どんなときも睡眠時間は削らない、これはぜひ心がけてほしいです。

また、睡眠と食事をしっかり取れないということは、心が弱っている証拠でもあります。わかりやすい指標だと思いますので、「あれ、私、疲れてる?」と感じたら思い返してみてください。

「私なんて…もうダメかも」。ネガティブな気持ちに襲われたときのおすすめ思考法

「あれ、私、疲れてる?」は、心からのSOSかも

ずっと「私なんて……」の気持ちを抱えている人へ

「疲れているわけじゃないけど、いつもマイナスな気分……」「ずっと、自分に自信がないんです」という方も多く見かけます。ビジネス書などを読むと、よく「自信を持てるようになりましょう!」と書いてありますが、私はそれを意識する必要はないと思っています。自信はあくまでも、何かを達成する過程で身についた副産物。自信をつけて、そこから何ができるか、その先が問題です。

「私なんて……」という感情にも同じことが言えます。「私なんて、って思わない方がいいうよ」というアドバイスをもらったことがあるかもしれません。でも、思わないようにしようと思っている時点で、思っているんですよね。ですから、無理やりその発想を消そうとしないでください。

私が普段の診察で、「私なんて……」と発言する患者さんによく言っていること、それは自信がないあなたのままでいいじゃない。それでも、周りに支えてくれる人がいるなら感謝して、せめてその人たちに何かできるように生きようって思えばいいよ」ということです。

私自身も、自分の能力やできることに限りがあるとわかっていますし、自分の能力が高いなんて思っていません。むしろ、能力がないからこそ必死こいて生きてる! くらいの気持ちです(笑)。でも、そんな私がこうして楽しく生きてるのは、仕事でもプライベートでも支えてくれる人の存在があるから。だから、その人たちへの感謝を忘れずに、ありがとうと伝えるようにしています。「誰かに支えてもらうなんて申し訳ない」と感じるかもしれませんが、そこは甘えましょう(笑)。自分一人で生きていくなんて無理ですし、誰だって「支えたい!」と心から思える相手にしか、手を差し伸べませんから。

それに、素直に甘えられる人の方が、人として魅力的だと思いませんか? ビジネスでいえば、仕事ができることと、「この人と仕事をしたい」と思ってもらえることは別です。もしかしたら「私なんて……」と思っているあなたこそ、人に細かく気を遣えたり、優しさがあったりするのかも。そんなあなたと一緒に働きたい人は、実は多いのかもしれません。「私なんて……」は、あくまで自分の思い過ごしだった! なんてこともよくあるんです。

「私なんて」が「私だから」に変わるとき

お伝えしたように、「私なんて……」とネガティブな気持ちに襲われたときは、そんな自分を大切にしてくれる人たちに感謝の気持ちを持ってみてください。それを続けていくと、その人たちのためにも頑張ろう、という気持ちから、徐々に「私だからできること」が見つかってきます。

そのためには、自分に「できること・できないこと」をしっかり把握しておくことも大切です。そして、できないことの改善だけじゃなく、できることをもっと活用するための方法も考えておきましょう。そうすると自然に「私だからできること」が見えてきて、ポジティブな気持ちになれるはずです。

木村 好珠(きむらこのみ)● 精神科医、漢方医、産業医、健康スポーツ医。学生時代からタレント活動を始める。現在精神科医として常勤する傍ら、都内企業の産業医、ブラインドサッカー日本代表のメンタルアドバイザーを行なっている。最近は、アカデミー年代のメンタル育成の普及について積極的に取り組んでおり、レアル・マドリード・ファンデーション・フットボールアカデミーやMIFAサッカースクールのメンタルアドバイザーとしても活動中。

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