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4社を経験→モデルと広報のパラキャリを満喫する斉藤マリナさんの「自分の幸せと向き合う」思考法

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モデルとして活躍するかたわら、さまざまな企業で広報としての経験を積み、輝き続ける“さいまり”こと斉藤マリナさん。転職遍歴について「最初に入った会社が超ブラックだったんです!」と笑いながら語る姿から一変、キャリアの軸やライフプランを語る様子は真剣そのもの。20〜30代のParanavi世代に響くこと間違いなし、幸せに生きるヒントになる言葉の数々は必見です!

ブラック企業、モラトリアム期間を経て、モデルに

――これまで、どういったお仕事をされてきたんですか?

実は私、大学を卒業せずに、社会人デビューしました。最初に入ったのは輸入販売代理店で、契約社員として2年ほど勤め、主に文章校正の仕事をしていました。人数が少ない分「みんな、何でもやる」という社風で、今でいうブラック企業だったと思います。後半は給料の未払いなども発生していたので、退職を決めました。

――ブラック企業! すごい経験をしたんですね。

この退職を機に、「私は何をやりたいんだろう?」と考えて、26歳にしてモラトリアム期間に突入しました(笑)。毎日やりたいこともなく働いている自分が嫌になり、何か自分にしかできないことってないんだろうか? と思い出し、社会人3年目にしてモデルに挑戦することに決めました。

――モデルとしての活動は順調だったんですか?

ZOZOTOWNの専属モデルオーディションに応募して、二次選考まで進んだけどダメでした。でも、審査員で来ていた事務所の人が声を掛けてくださって。私の状況を赤裸々にお話した結果、ご縁あって、所属することが決まりました。

ただ、それまでがハードな職場だった分、暇に感じてしまいました(笑)。モデルって、撮影以外にも急にオーディションが入ることが多いので、スケジュールの融通が効く仕事しかできないんです。モデル仲間の子たちはジムで体を鍛えたり、自己投資でレッスンしたりしてましたけど(笑)、私は働きたくて。暇なのに働けないってどういうことだろう! と思っていました。

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パラキャリは、暇を持て余して始まった

――前職からの反動ですね(笑)。それで、どうされたんですか?

Wantedlyで見つけたのが、ログミーという会社でした。起業家の対談などを掲載するメディアの運営会社で、これなら自分の時間がある時に働けるし、校正の経験も生かせるなと。何より当時はオーディションに落ちまくっていたので、採用してもらえたことがすごくうれしかったです(笑)。はじめの数カ月は記事の書き起こしを担当して、そのうちに編集部の手伝いもするようになりました。

――モデルをしながら、メディアの編集部員も。トントン拍子でパラレルキャリアが始まったんですね。

でも、ログミーは1年ほどお世話になって辞めました。というのも、当時のログミーは規模が小さくて、広報活動は優先度が低い状態。もっとたくさんの人に知ってもらいたいのに、自分にそのノウハウがないのが悔しいなあと感じていました。そんな経緯で、ベンチャー企業の広報に興味が湧いてきたところに、知り合いから「広報のポジションが空いてるよ」と声を掛けてもらって、転職を決めました。

――広報活動をしたいと思えるほどログミーに強い思い入れがあったのに、辞めちゃったんですね。

実はログミーは、アルバイトでの採用だったんです。この頃の私は、すでに27歳くらい。リアルな話、社会保険とか年金とかが気になり始めていて(笑)。その点、転職先の会社は、ゆくゆくは正規雇用にするつもりだと言ってくれたことが大きかったですね。

――なるほど、たしかにいずれ正社員になれるという条件には惹かれますね。

ただ、2年半働いた次の会社でも、結局正規雇用には至りませんでした……。パラキャリせず1社だけにフルコミットしてくれるメンバーたちに申し訳が立たないから、という理由でずっとアルバイトでした。採用責任者も任せてもらったし、とても好きな会社だったんですけどね。

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「私がプロポーズしてもいい」って気づいた

――その頃のさいまりさん、プライベートはどうだったんですか?

その頃の私は、すごく結婚したかったんです。なのに、彼が全然プロポーズをしてくれなくてイライラしていました(笑)。ふと「そもそもなんで結婚したいんだっけ?」と考えてみたら、これからの人生も彼と一緒にいろんなことを経験したいから、その手段として結婚したいんだと気づいて。だとしたら、私がプロポーズしてもいいんじゃないかってことに思い至ったんです

でも、いざプロポーズをしようと思ったら、「結婚してあなたを幸せにします」って言えるほどのお給料もないし、アルバイトで安定してもいないから、今じゃないな……って思ったんですよ。この気づきは、今思い出しても恥ずかしい(笑)。だからとにかく安定した仕事に就いて、もし彼に何かあった時に「私が働いてるから大丈夫!」と言えるようにしたかったんです。

――その発想の転換はすごいですね。正社員にはなれたんですか?

はい。副業を推奨しているゲーム会社に、正社員として入社しました。ただ盲点だったのが、「副業のために会社を抜けている時間の給料は控除する」というルールがあったこと。モデルの仕事で抜ければ抜けるほどお給料が減っちゃって、仕事量は変わらないから残業するけど、残業代はみなし残業代として払われているので、お給料は増えない。結局、毎月の手取りは、アルバイトの頃とあまり変わりませんでした。

――「副業推奨」でも、そういうルールがあるんですね。

正社員になれたので結婚したものの、子どものことを考えた時に、この働き方じゃ無理だなと思いました。そこへちょうど、ランサーズが採用広報を募集しているというお話をもらいました。ほかの誰かのパラキャリのお手伝いができるならいいなと思って、ランサーズへの転職を決めました。ランサーズに入社した後、無事に子どもも授かりました。

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私以上にアツく「週末モデル」をPRできる人はいない

――やっとかみ合ってきた感じがしますね。

それがそう上手くはいかなくて……。今年の1月に、会社から「平日中抜けする副業は辞めてほしい」と言われたんです。会社が上場したこともあって、フェーズが変わってしまったんですね。こればっかりは誰も悪くないから、仕方ないです。

――なんだか悔しい気もします……。

ただ私としては、モデルはやめたくない。そこで今年8月に入社したのが、「週末モデル」を運営しているモノクロムです。ランサーズに転職するタイミングで、事務所を辞めてフリーのモデルになっていたんですが、それに合わせて登録していたのが「週末モデル」。私はいつも、会社員というバックボーンがあるからモデルとしても輝けるし、モデルの経験が会社員としての仕事にも生きるなあと実感していたので、「週末モデル」の理念に共感していました。なので、モノクロムにジョインできるのは本当にありがたいですね。私以上にアツく、週末モデルの魅力を伝えられる人はいない! と思ってます(笑)。

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広報とモデルは、“輝かせる”という共通点がある

――ここまで紆余曲折あったさいまりさん。いろんな会社でのご経験をお持ちですが、一貫した「軸」はありますか?

会社員とモデルのパラキャリ、ということももちろんですが、一貫しているのは”人を輝かせる”ということかな。例えばエンジニアさんやクリエイターさんは、すごい技術をもっているのに、それを発信するのは苦手という方が多いんです。だから、私がみなさんの拡声器になれたらいいなと思っています。

私自身には、世界にPRしたいほど得意なことはないけど、誰かの何かをPRすることはできる。そうやって、いろんな人、会社、サービスの魅力を伝えていくことが軸ですね。この点では、モデルの仕事も同じです。モデルは商品をPRする媒体になることだから、文章で表すのか、被写体になるかの違いだと思います。

――やりがいは、どのあたりに感じていますか?

私が広報したものがメディアに取り上げられたら、もちろんうれしいです。それ以外でも、私が採用広報としてつくった社員のインタビュー記事を「これを読んで入社を決めました」とか「会社名も知らなかったけどエントリーしました」という声を聞くと、やっていてよかったなと思います。記事が露出することやPV数も大事だけど、会社やサービスの魅力が世の中に広まっていくことが、私の仕事の醍醐味ですね。

4社を経験→モデルと広報のパラキャリを満喫する斉藤マリナさんの「自分の幸せと向き合う」思考法

大事なのは「自分の気持ちと向き合い続けること」

――今はモノクロムの社員として働きつつ、モデルの活動もしているさいまりさん。ほかのモデルさんとの共通点を感じることはありますか?

ポジティブな人が多いです。モデルを「ただのお小遣い稼ぎ」と考えている人はあまりいなくて、「自分の時間を使って、人生にプラスアルファしたい」と考えている方が多い印象ですね。キャリアについて、上司や先輩から「5年後、10年後どうしていたい?」と聞かれることがあると思います。私、モデルとしてもっと活躍したいのか、広報の第一人者になりたいのか、どっち? と聞かれても、どっちも違うんですよ。どっちつかずに見えるかもしれませんが、私からすると、どうしてどっちかを選ばなくちゃいけないんだろう? と思います。パラキャリしていれば、2つの仕事がシナジーを生んで、より成長できるから、広報でもモデルでもある“斉藤マリナ”なんですよね。週末モデルにはそういう考えの人が多いと思います。

――将来像としては、どんなところを目指しているんでしょう?

女性って自分の将来を考える時に、1,2,3,5年後……って刻みがちじゃないですか? 30歳までに結婚して、35歳までに子どもが2人ほしい、から始まって、1人目は31歳までには生みたい、でも新婚生活も楽しみたいから29歳で結婚したい……みたいな(笑)。それから、ライフプランとキャリアプランが一致するように組んでいくと思うんです。私自身もそうでした。社会人としての将来像よりも、自分の人生設計のほうが大事だったというか。

――たしかにそういうケースが多い気がします。

ただ、いざ子どもを生んでみたら、何も思い通りにいかないと思い知りました。育児って、プランを組んでやろうとしてもほとんどうまくいかないんです。ついイライラしちゃうけど、考えてみればそれってただの自分の都合なんですよね。子どもはただママと一緒にいたいだけなのに、私が勝手にプランを組んでるだけだな、と。育児以外も、人生全体がそうだと思うので、ライフプランについては幅を持ってふんわり考えるようにしています。

――特に20代の女性は、ライフプランをガチガチに決めてしまう人も多いのではないかと思います。そういう方々へ、何かアドバイスはありますか?

プランを決めたり、考えたりすることは大事だと思います。自分が何に向かって頑張っているのか、見失ってしまうこともあると思うので。ただ、目標は定量的なものじゃなくて定性的なものにするといいと思います。例えば「30歳までに結婚する」じゃなくて「結婚するって、どういうこと?」って考えてみるとか。つまり、自分が何を幸せに感じるか考えるということです。

私がなんで結婚したかったかというと、彼との人生を確約するきっぷがほしかったから。今はワーママですが、この状態を幸せと感じるかどうかは、自分の気持ち次第だなと思うんです。みなさんにも、自分の気持ち、自分にとっての「幸せ」と向き合い続けることを大事にしてほしいですね。

斉藤マリナ(さいとうまりな) ●株式会社モノクロム 広報室/PRディレクター。パラレルキャリア8年目。モデル事務所に所属する傍ら、Webメディアの編集アシスタント、ゲーム開発会社の広報を経験。妊娠・出産を機に、働く女性の生き方に強い課題感を持ち、ランサーズへ入社。モデルとしてはフリーランスに。 2021年8月より「週末モデル」を運営する株式会社モノクロムへジョイン。広報責任者としてメディア運営を中心に、誰もが自分らしく生きられる仕組みづくりを模索中。

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あまのさき
Writer あまのさき

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