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隠岐を拠点に、パラレルライフを満喫!旅するように暮らす2人の女性に聞く「地方×多拠点×パラキャリ」の秘訣

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島根県の隠岐諸島は、透明度の高い海に囲まれた約180の島々。有人島は4つだけという大自然で、2013年にはユネスコ世界ジオパークに認定されました。そんな隠岐の海士町(あまちょう)に、2021年7月にできた海一望のホテルが「エントウ(Entô)」。ここで働く石原紗和子さんと木次谷紅子さんに、パラレルライフの秘訣について聞きました。

ジオパークに泊まれる宿「エントウ(Entô)」

――「Entô」は、全面が窓のような外観が印象的ですね。ここでどんなお仕事をされているんですか?

隠岐を拠点に、パラレルライフを満喫!旅するように暮らす2人の女性に聞く「地方×多拠点×パラキャリ」の秘訣 隠岐を拠点に、パラレルライフを満喫!旅するように暮らす2人の女性に聞く「地方×多拠点×パラキャリ」の秘訣

石原

海士町や隠岐の観光を盛り上げるために自分たちでできることをやりたい、という思いでこの島にきました。「Honest&Seamless」、まっさらな自分に還ることができるというのが「Entô」のコンセプト。ブランディングが私のメインの業務で、アメニティや備品選定、マーケティングなどを行っています。
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木次谷

隠岐の伝統的な暮らしはもともと、無理なく自然とともに生きていくというもの。SDGsは最近話題のワードになっていますが、隠岐ではそれよりもずっと前から、この暮らしが営まれてきました。「Entô」は地質多様性、文化多様性、生物多様性に配慮し、保全を大前提としながら、交流の拠点という役割も持っています!

――「Entô」の名前の由来は何なんでしょう?

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石原

「遠島」です。文字通り、ここは都会から遠く離れた島。海士町のキャッチフレーズである「ないものはない」とも親和性の高い名前なんです。

――今はお二人それぞれ、ほかの仕事もやっているんですよね?

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石原

私は今「隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会」に籍を移して、隠岐の自然保全と観光・教育に携わっています。島のすみずみにある隠岐の魅力を壊すことなく、地域の皆さんが大切にしていることを守りながら、観光で訪れる人たちにもその魅力を味わってほしいです。観光により島外から人が訪れることで、島内に循環がもたらされます。そうして、地域振興・持続可能な地域づくりに寄与したいと思っています。
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木次谷

私は「島ファクトリー」という、海士町の観光マーケティングを一手に担う旅行会社で働いています。小さい島なので、島の中の観光事業は密につながっていて、その中で商品開発からマーケティング、採用や人材育成などの人事、そして「Entô」のブランド監修も担当しています。

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Photo by Kentauros Yasunaga

同い年の2人、出会いはシンガポールだった

――お二人は隠岐にくる前から、知り合いだったんですか?

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木次谷

私は大学卒業後、JTBに入社したんですが、やっぱりいつかは海外に行きたいと考えていまして。転職して、マレーシアやシンガポールで働きました。石原さんと出会ったのは、このときです。まさかの、出会いがシンガポールでした
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石原

私は、大学を卒業してエイチ・アイ・エスに入りました。大学3年生の時に行ったパレスチナで争いの絶えない地域を目の当たりにして、何もできない自分の無力さをすごく感じたんです。旅行によって、異国の人同士が知り合って交流することで少しでも平和にづけるかも! と思ったのが、旅行業界に就職したきっかけです。3年目にシンガポールに赴任し、現地でマーケティングの会社に転職したころ、プライベートでよく遊ぶ友人として、木次谷さんと出会いました。

――なんと、出会いは日本じゃなくシンガポールだったんですね。その後はずっと一緒なんですか?

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石原

はい。シンガポールで最先端のテクノロジーや社会システムを学びながら、仕事も遊びも充実した日々を過ごしていました。シンガポールで挑戦できることはある程度した、シンガポールで得た経験や知識をもっと生かすことはできないかと考えた時に、改めて世界の中で唯一無二の存在である日本の、さらにおもしろい地方で自分たちが力になれることがあるのでは? と考えました。
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木次谷

私はいったん東京に戻り、そのまま東京で働こうかと考えながら、石原さんにも一緒に面白いことをしたいねと相談していました。帰国後すぐに「福井が面白そうだから、見に行ってみよう」と誘ってもらいました。その時にご縁があり、若狭町の宿場町にある古民家を改装して一棟貸しのホテルにするというプロジェクトに出会いました。ここは、のちに「八百熊川」という宿になりました。

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Photo by Kentauros Yasunaga

地方の、面白いプロジェクトを探し出す方法

――石原さん、そのプロジェクトのことはどうやって知ったんですか?

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石原

日本の地方には、広く知られていないけど面白いことをやっている人が、実はたくさんいるんです。普段から、いろんな人にそういうプロジェクトの情報を聞き回っていたところ、このプロジェクトの方から「観光に詳しい人を募集してるから、ぜひ!」って声をかけてもらったんです。
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木次谷

人づてに「あの人が地方で面白そうなことやってるよ!」って聞いたり、Facebookでつながっている知り合いが人を募集してるのを見て、連絡してみたり、あの手この手で情報を集めましたね。地方をテーマにしたメディアも情報源でした。
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石原

プロジェクトに参加するときいちばん大事なのは、現地に行って「私がやりたいことをやれるかどうか」「一緒に働きたい人がいるかどうか」を確かめることです。それまでとくに縁のなかった福井ですが、いざ現地に行ってみたら、未開発の観光資源がたくさんあることがわかって。これをもっと生かしたいと思って、プロジェクト参加を決めました。
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木次谷

私たちはそれぞれ、役割が違うんです。石原さんはどんどん周りに突っ込んでいく「突破型」、私は地元の輪の中でゆっくり関係性を築いていく「積み上げ型」って感じ。それぞれのいいところを生かして、サポートしあえる関係が心地いいですね。

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Photo by Kentauros Yasunaga

海士町を軸に、パラレルに生きていく

――その後、2人で隠岐の海士町に来られたんですね。

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石原

私がシンガポールにいたころ、隠岐の高校がやってきて、現地の日本人中学生・高校生向けに学校説明会をしたことがありました。そこで知り合った人とFacebookでつながっていたところ、「帰国したなら、とりあえず隠岐に来てみたら?」と誘ってもらったのがきっかけです。
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木次谷

私たちはもともと、福井だけじゃなく多拠点生活をするのもいいなあと考えていました。福井のプロジェクトが落ち着いたら、どこかほかにも拠点を持ってみたいなと思ってたんですよね。
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石原

私たちは、手に職を持っているスペシャリストではないので、いざ隠岐に行ったところでどんなふうに役に立てるかわかりませんでした。でも、人とのコミュニケーションは得意だし、楽しんでやれたらいいなという気持ちで飛び込んでみたというのが正直なところです。

――ほかのお仕事は、隠岐に来てからも続けていたんですか?

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石原

はい。「Entô」の代表が島ファクトリーの経営もやっていて。2人で、島のインバウンドの観光開発をやってくれないかと誘われたんです。私はその時点ではまだ福井の業務も残っていたし、シンガポールの会社から四国エリアの担当も依頼されていたので、がっつりパラキャリでしたね。だいたい月に10日ずつ、福井と隠岐、東京でのシンガポール対応をこなしていました。
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木次谷

海士町の魅力の1つは、関係人口(※)を受け入れる風土があるところ。私も福井と海士町を往復して暮らしていました。移動時間にできる仕事もあったし、まったく苦じゃなかったです。まさに「旅しながら暮らす」生活でしたね。そのうちに福井のプロジェクトは私がかかわるフェーズが終わり、一方で「Entô」のオープン準備が忙しくなっていったので、比重を移していきました。私みたいなパラキャリ組も、正社員もいる体制です。
※移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のこと

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Photo by Kentauros Yasunaga

私たち流・多拠点パラキャリの心得

――多拠点で生活しながら、かつパラキャリをされているお二人。その中で、大事にされているのはどんなことですか。

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石原

まずはスケジュール管理ですね! ベーシックインカムとして計算できる長期のお仕事を確保しながら、ジョブ型で参加する短期のお仕事をバランスよくできると理想だと思います。生活の上で、安定した収入源を持つことは絶対大事ですよね。
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木次谷

地方を拠点の一つにするなら絶対、他人事気分になっちゃダメ。地元の方と一緒になって、手を動かして働くことが大事だと思います。地方に軸足を置いて体を動かして、逆に東京でそのバランスをとってる感じです。

――多拠点生活をしたり、旅するように暮らしたりしてみたいという女性は、今たくさんいます!

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石原

私たちも、自分のやりたいことが何なのか、あんまりわからなかったです。でもいざ地方に行ってみたら、「もっとこうしてみたらいいのに」とか「こうすれば、もっとここの魅力が伝わるのに」っていうことが見えてきたんです。とりあえず飛び込んでみてから、いろいろなことがクリアに見えてきましたね。
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木次谷

私も、自分らしさっていったい何なんだろうと考えること、見つめ直すことが多くありました。それは自分1人で探して見つけるというよりも、石原さんみたいにパワーのある周りの人と一緒に行動して、たくさんのものを自分の目で見ていくうちに、いろいろわかるようになってきたかなと思います。
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石原

移住もそうだったよね。
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木次谷

うん。最近沖縄にも家を借りて、半分移住したのですが、それもパートナーが「沖縄に住んでみたいな」と言い出したから。もちろん大きな葛藤がありましたが、どれだけ考えても答えは出なくて、だからこそ一歩踏み出してみよう、それから見えてくるものがあると思うようになりました。
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石原

私の20代後半から30代前半にかけては、とにかく好きなことをして働きたい、キャリアを求めて動き回りたい時期でした。どんどん地方に出て行って、スモールチャレンジから始めてみたらいいと思います。私たちみたいなキャリアが、そういう女性たちの応援になればうれしいですね!
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Photo by Kentauros Yasunaga

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石原紗和子(いしはらさわこ)神奈川県出身。神田外語大学卒業後、旅行会社エイチ・アイ・エスへ入社。東京での勤務後シンガポールへ赴任。その後マーケティング会社へ転職し、シンガポールにて旅行関連のマーケティング事業に関わる。2018年に日本帰国後、福井県・島根県隠岐島などを拠点に、地域のコミュニティと世界をつなげる活動に奮闘。現在は隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会に所属しマーケティングを担当。

木次谷紅子(きじやこうこ)東京都出身。大学在学中に上海へ留学、卒業後、東京・クアラルンプール・シンガポールにて旅行会社に就職。自身も旅行に勤しむ日々を過ごし、7年間の東南アジア生活を経て、2018年に帰国。いつも旅行では観光地の景色よりも、その土地の人達とのふれあいが強く印象に残ることを感じ、日本の地方部でご縁を繋ぐことに興味を持つ。現在はEntôにてブランディングや人事を担当し、島根県隠岐・沖縄・東京を中心に多拠点生活中。

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小野アムスデン道子
Writer 小野アムスデン道子

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